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四章 葵虐め事件の決着への道
第53話(冴えきっている)紅視点
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葵の目の前まで来た俺は葵と目を合わせる。
(今の葵はやけに冷静過ぎる。大方、鈴を助ける為にいらない感情を無理矢理隠したんだろうが、、、まず、その隠した感情を戻さねぇとな)
「兄さん?」
「、、、葵、俺は誰だ?」
「オレの兄さん」
「そうだ。俺が居るんだぞ?もう何があっても大丈夫だ。お前はそれを知ってるだろ?」
「、、、兄さん、鈴の兄さんは大丈夫だよな?」
「ああ、もちろん大丈夫に決まってんだろ?俺が葵に嘘を言った事があるか?」
「、、、無い。兄さんはオレに嘘を言わない」
「そうだろ?なら、もう大丈夫だ。葵が我慢して頑張らなくても俺が居るんだから大丈夫だ、、、葵、おいで?」
両腕を広げてそう言うと葵はゆっくりと俺の腕の中に来た。
葵は呆然としているが体がかすかに震えていた。
俺は震える葵の体を優しく抱き締めた。
「鈴の兄さんが撃たれた時、オレしか鈴の兄さんを助けられる奴は居なかったんだ」
「ああ」
「泣いて喚いて混乱している場合じゃなかった。、、、全て後で良いと思った」
「、、、。」
「そう思った時に体の震えが止まり、頭が冷えていき冷静になった、、、兄さん」
「ん?なんだ?」
「オレは冷静になったからか分かったんだ。オレは、、、」
葵は俺の服をすがる様に掴んでから言った。
「オレは鈴の兄さんの部屋に入った瞬間に今の冷静なオレが保てなくなるのを分かっていた」
「そうだな、今のお前は分かっていたから入らなかったんだろ?」
「そうだ。だが、兄さん達が来たんだから、、もう良いよな?」
「ああ、もう良い。後は俺に任せろ!もう大丈夫だ」
「、、、兄さんが居るから大丈夫、、、もう、良いんだよな?オレは冷静になって居なくても良いんだよな?」
葵の声がだんだんと震えてきている。
「鈴の兄さんの血が全然止まらなかったんだ。オレはちゃんと助けられたか?」
「大丈夫だ。ちゃんと助けられた。もう我慢しなくて良い、怖かっただろ?遅くなって悪かったな葵」
「っ兄、、さん、、っ、、こ、怖かった、、鈴の兄さんが、、し、死ぬんじゃないかと思ったんだ」
「もう我慢しなくて良い頑張ったな葵、、、いっぱい泣け」
「っ、、、うぅっ、ひっく、うえっ、あぁ、っ、、ぁ、うあっ、アアア~!」
俺に抱きつきながら葵は泣いた。
俺は葵を抱き締めて優しく頭を撫でて慰める。
「ひっく、ふっ、、、。」
「おっと、葵?、、、寝たのか」
葵は心労がたまっていたからか、泣きながら気絶する様に眠った。
俺は椅子に座った後、葵を抱きしめて葵の涙を拭いながら頭を撫でた。
(、、、ああ、頭が冴えきってる。あんまりの事に怒りを通り越したみたいだな?、、、鈴は無事だ。明日には目を覚ますみたいだしな。葵は、、、葵をここまでボロボロにした奴は誰だ?)
「うっ、んっ」
「葵?」
「鈴の、兄さん、、、っく、ふっ」
「葵、鈴は大丈夫だ。俺が居るからもう何もかも大丈夫だ。だから、ゆっくり休め」
「ひっく、ふっ、、、ん、兄、さん」
魘されて泣いていた葵に俺が声をかけると涙が止まり呼吸も安定した。
俺は怒りを通り越して冴えきった頭で一つだけ思った。
(俺の宝を、、、、、、許さねぇ)
(今の葵はやけに冷静過ぎる。大方、鈴を助ける為にいらない感情を無理矢理隠したんだろうが、、、まず、その隠した感情を戻さねぇとな)
「兄さん?」
「、、、葵、俺は誰だ?」
「オレの兄さん」
「そうだ。俺が居るんだぞ?もう何があっても大丈夫だ。お前はそれを知ってるだろ?」
「、、、兄さん、鈴の兄さんは大丈夫だよな?」
「ああ、もちろん大丈夫に決まってんだろ?俺が葵に嘘を言った事があるか?」
「、、、無い。兄さんはオレに嘘を言わない」
「そうだろ?なら、もう大丈夫だ。葵が我慢して頑張らなくても俺が居るんだから大丈夫だ、、、葵、おいで?」
両腕を広げてそう言うと葵はゆっくりと俺の腕の中に来た。
葵は呆然としているが体がかすかに震えていた。
俺は震える葵の体を優しく抱き締めた。
「鈴の兄さんが撃たれた時、オレしか鈴の兄さんを助けられる奴は居なかったんだ」
「ああ」
「泣いて喚いて混乱している場合じゃなかった。、、、全て後で良いと思った」
「、、、。」
「そう思った時に体の震えが止まり、頭が冷えていき冷静になった、、、兄さん」
「ん?なんだ?」
「オレは冷静になったからか分かったんだ。オレは、、、」
葵は俺の服をすがる様に掴んでから言った。
「オレは鈴の兄さんの部屋に入った瞬間に今の冷静なオレが保てなくなるのを分かっていた」
「そうだな、今のお前は分かっていたから入らなかったんだろ?」
「そうだ。だが、兄さん達が来たんだから、、もう良いよな?」
「ああ、もう良い。後は俺に任せろ!もう大丈夫だ」
「、、、兄さんが居るから大丈夫、、、もう、良いんだよな?オレは冷静になって居なくても良いんだよな?」
葵の声がだんだんと震えてきている。
「鈴の兄さんの血が全然止まらなかったんだ。オレはちゃんと助けられたか?」
「大丈夫だ。ちゃんと助けられた。もう我慢しなくて良い、怖かっただろ?遅くなって悪かったな葵」
「っ兄、、さん、、っ、、こ、怖かった、、鈴の兄さんが、、し、死ぬんじゃないかと思ったんだ」
「もう我慢しなくて良い頑張ったな葵、、、いっぱい泣け」
「っ、、、うぅっ、ひっく、うえっ、あぁ、っ、、ぁ、うあっ、アアア~!」
俺に抱きつきながら葵は泣いた。
俺は葵を抱き締めて優しく頭を撫でて慰める。
「ひっく、ふっ、、、。」
「おっと、葵?、、、寝たのか」
葵は心労がたまっていたからか、泣きながら気絶する様に眠った。
俺は椅子に座った後、葵を抱きしめて葵の涙を拭いながら頭を撫でた。
(、、、ああ、頭が冴えきってる。あんまりの事に怒りを通り越したみたいだな?、、、鈴は無事だ。明日には目を覚ますみたいだしな。葵は、、、葵をここまでボロボロにした奴は誰だ?)
「うっ、んっ」
「葵?」
「鈴の、兄さん、、、っく、ふっ」
「葵、鈴は大丈夫だ。俺が居るからもう何もかも大丈夫だ。だから、ゆっくり休め」
「ひっく、ふっ、、、ん、兄、さん」
魘されて泣いていた葵に俺が声をかけると涙が止まり呼吸も安定した。
俺は怒りを通り越して冴えきった頭で一つだけ思った。
(俺の宝を、、、、、、許さねぇ)
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