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一章
再会は波乱を呼ぶ
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私と撫子が外から兄弟が居る部屋の様子を聞いて居ると何だか雲行きが可笑しくなってきた。
「ねぇ、憤怒」
「なんだ?」
「この世界の人って憤怒達が兄弟なの知らないの?」
「、、、私はあまり地上に来ないのでよく分からないが多分、知らないだろうとは思う」
「何で?」
「そうだな、、、私の兄弟達は多分だが、自分達七つの大罪が兄弟だということを言ったが無いだろう。それどころか兄弟だと臭わせることさえ言った事が無いだろうからな。私達を兄弟だと知っている魔族達などもわざわざ言ったりしないだろうから人間が知る事が今まで無かったから知らないだろうと思った」
「えっと、、、あれ?けど、七つの大罪って何回か召喚されてるんだよね?何でその時に分からなかったの?」
「?どういう意味だ?」
「え?、、うーん、、、そのね?七つの大罪って何回か召喚されてるんだよね?」
「ああ」
「その時に何で七つの大罪達の様子や雰囲気とか会話で兄弟までとは言わないけど何か親しいな?とか思われなかったの?」
「ん?、、、ああ」
私は先ほどまで撫子の質問の意味が分からなかったが、その言葉で撫子がある誤解をしている事に気づいた。
(まぁ、知らないのは仕方無い。撫子はこの世界に来たばかりみたいなものだからな)
「撫子、七つの大罪は基本的には一人しか召喚されない」
「え?」
「今回がイレギュラーなのだ。七つの大罪全員だけではなく、魔王まで召喚されたのは初代の時くらいだ。それ以降はほぼ一人で、たまに二人の時があるくらいだ」
「え?、、、つまり初代以外は七つの大罪の関係を知る機会が無かったって事?」
「まぁ、そう言う事だ。それと初代達は知っていたがその事を誰にも言わなかったのだろうな」
「あー、、、そうなんだ。なら、他の人達が知らないのは仕方無いね」
「ああ、そうだな、、、ん?」
何か雲行きが怪しくなったのを感じ、室内の方に意識を向けると勇者が何かを答えたあとに暴食が問いかけていた。
『何番目って?、、、あ!もしかして一番目は一番上って事?』
『当たりだ、勇者。つまり七番目は?オレ達の可愛い可愛い末はだーれだ?』
その問いかけを聞いた勇者達の顔が真っ青になった。
(何をやっているんだアイツらは?特に罪の無い勇者を虐めても可哀想だろうに)
「あ!憤怒どうしよう?勇者さんが、、」
「まったく仕方無い兄弟達だ」
私は撫子を両手で抱え直し、顔が見えない様に布を被せたあと、窓から部屋の中に近づき何か答えようとした勇者をさえぎって呆れた声で兄弟達に話しかけた。
「え、、あ、まさか、な、七番目は、、、ふ、ふん、」
「何をやってるんだお前達は?」
私がそう言うと当然ながら部屋の中の者達全員が私の方を向いた。
(、、、はぁ、本当に何をやっていたんだ?、、、あ、、、魔王、、、久しぶりに冷たい目ではない顔を見たな。まぁ、驚いたのだから当然か)
「、、、憤怒?」
「ああ」
「憤怒?」
「?ああ」
「憤怒、、、が、、何故?」
「?、、、、何の事だ怠惰?」
「何故、、、ここに?」
「ああ、お前達の気配がしたからだが?」
「、、、違う。封印されたと聞いたのだが?」
怠惰の言葉を聞き、何で怠惰達があんなに驚いていたのか分かった。
(これは最初から説明した方が良いのだろうな、、、まずは撫子の事からか)
ロン視点
呆れた男の声がした窓を見ると、そこには恐ろしいくらい整った顔に不敵な笑みを浮かべてる男が浮いていた。
怠惰が憤怒と呼んだので、あの男が今さっきまで話題にあがっていた憤怒だということが分かった。
(だが、怠惰の言うように封印されていたんじゃ無いのか?、、、ん?何か抱えて、、人?)
「封印はされそうにはなったが、この通り大丈夫だ。この者が私の契約者になってくれたのでな」
「それでも封印されそうにはなったのか、、、」
「まぁ、そうだな、、、色々説明するからソファーを借りるぞ?」
「、、、ああ」
憤怒はさっきまで怠惰が座っていたソファーに座った、、、抱えていた人間をそのまま自分の足の上において。
(大事そうに抱き締めてるが、、、どこの誰なんだ?)
「まず、その人間は誰だ?」
「、、、私の契約者だが、、、勇者は少しだけだが知っているのではないか?」
「、、、あの時の、、、あの地下に残った」
「そうだ、、、そこの下衆が閉じ込めて私の贄にと差し出した子だ」
憤怒がそこの下衆と言いながら大臣を見た。
(マジかよ!本当に人間のクズだなこの大臣)
「ひっ!あ、あ、し、仕方無い事だったのだ!」
「うるさい、、、私が封印されそうになった事には怒りは感じていない。私を畏れるのは仕方無い事だからな?だが、、、」
「ひっ!、、、」
「何故、この子を陥れた?この子は勇者の回復者としてお前達が召喚した者だろう?無理矢理にお前達がこの世界に召喚した者だろう?元の世界に還せない異世界からの召喚をしておいて放置どころが殺そうと、いや、殺そうとするよりも酷い、、、何故、贄になどと?」
「え?」
「は?」
憤怒が大臣を見ながら言った言葉に思わず俺と勇者が声を上げてしまった。
(回復者?異世界からの召喚?、、、それを贄にだって?)
「話を遮って悪い、、、だが、本当なのかその話は?」
「ロン、憤怒が嘘をつくはずが無いだろう?何の得にもなりはしない事に嘘を言っても仕方無いだろう?」
「わりぃ、分かってんだが、、、大臣なんて地位の奴がそんなクソみたいな事するとは思わなかったもんでな」
「普通はしないだろう、、、七つの大罪の一人を封印する事も含めてな?」
怠惰はダルそうにそう言っていたが目は冷たく怒りを称えていた。
(さっきよりは落ち着いたみてぇだが、、、いつさっきの状態に戻るか分からねぇから気をつけねぇとな)
「あの、話を遮って悪いけど、、、その子がオレの回復者?」
「、、、勇者か。そうだ、勇者の回復者で私の契約者だ。そうだな、、、まずはこの子の紹介をしよう。自分で出来るか?」
憤怒が抱いているその子にそう話しかけるとその子は頷いた。
(さて、どういう子なのかね?)
「ねぇ、憤怒」
「なんだ?」
「この世界の人って憤怒達が兄弟なの知らないの?」
「、、、私はあまり地上に来ないのでよく分からないが多分、知らないだろうとは思う」
「何で?」
「そうだな、、、私の兄弟達は多分だが、自分達七つの大罪が兄弟だということを言ったが無いだろう。それどころか兄弟だと臭わせることさえ言った事が無いだろうからな。私達を兄弟だと知っている魔族達などもわざわざ言ったりしないだろうから人間が知る事が今まで無かったから知らないだろうと思った」
「えっと、、、あれ?けど、七つの大罪って何回か召喚されてるんだよね?何でその時に分からなかったの?」
「?どういう意味だ?」
「え?、、うーん、、、そのね?七つの大罪って何回か召喚されてるんだよね?」
「ああ」
「その時に何で七つの大罪達の様子や雰囲気とか会話で兄弟までとは言わないけど何か親しいな?とか思われなかったの?」
「ん?、、、ああ」
私は先ほどまで撫子の質問の意味が分からなかったが、その言葉で撫子がある誤解をしている事に気づいた。
(まぁ、知らないのは仕方無い。撫子はこの世界に来たばかりみたいなものだからな)
「撫子、七つの大罪は基本的には一人しか召喚されない」
「え?」
「今回がイレギュラーなのだ。七つの大罪全員だけではなく、魔王まで召喚されたのは初代の時くらいだ。それ以降はほぼ一人で、たまに二人の時があるくらいだ」
「え?、、、つまり初代以外は七つの大罪の関係を知る機会が無かったって事?」
「まぁ、そう言う事だ。それと初代達は知っていたがその事を誰にも言わなかったのだろうな」
「あー、、、そうなんだ。なら、他の人達が知らないのは仕方無いね」
「ああ、そうだな、、、ん?」
何か雲行きが怪しくなったのを感じ、室内の方に意識を向けると勇者が何かを答えたあとに暴食が問いかけていた。
『何番目って?、、、あ!もしかして一番目は一番上って事?』
『当たりだ、勇者。つまり七番目は?オレ達の可愛い可愛い末はだーれだ?』
その問いかけを聞いた勇者達の顔が真っ青になった。
(何をやっているんだアイツらは?特に罪の無い勇者を虐めても可哀想だろうに)
「あ!憤怒どうしよう?勇者さんが、、」
「まったく仕方無い兄弟達だ」
私は撫子を両手で抱え直し、顔が見えない様に布を被せたあと、窓から部屋の中に近づき何か答えようとした勇者をさえぎって呆れた声で兄弟達に話しかけた。
「え、、あ、まさか、な、七番目は、、、ふ、ふん、」
「何をやってるんだお前達は?」
私がそう言うと当然ながら部屋の中の者達全員が私の方を向いた。
(、、、はぁ、本当に何をやっていたんだ?、、、あ、、、魔王、、、久しぶりに冷たい目ではない顔を見たな。まぁ、驚いたのだから当然か)
「、、、憤怒?」
「ああ」
「憤怒?」
「?ああ」
「憤怒、、、が、、何故?」
「?、、、、何の事だ怠惰?」
「何故、、、ここに?」
「ああ、お前達の気配がしたからだが?」
「、、、違う。封印されたと聞いたのだが?」
怠惰の言葉を聞き、何で怠惰達があんなに驚いていたのか分かった。
(これは最初から説明した方が良いのだろうな、、、まずは撫子の事からか)
ロン視点
呆れた男の声がした窓を見ると、そこには恐ろしいくらい整った顔に不敵な笑みを浮かべてる男が浮いていた。
怠惰が憤怒と呼んだので、あの男が今さっきまで話題にあがっていた憤怒だということが分かった。
(だが、怠惰の言うように封印されていたんじゃ無いのか?、、、ん?何か抱えて、、人?)
「封印はされそうにはなったが、この通り大丈夫だ。この者が私の契約者になってくれたのでな」
「それでも封印されそうにはなったのか、、、」
「まぁ、そうだな、、、色々説明するからソファーを借りるぞ?」
「、、、ああ」
憤怒はさっきまで怠惰が座っていたソファーに座った、、、抱えていた人間をそのまま自分の足の上において。
(大事そうに抱き締めてるが、、、どこの誰なんだ?)
「まず、その人間は誰だ?」
「、、、私の契約者だが、、、勇者は少しだけだが知っているのではないか?」
「、、、あの時の、、、あの地下に残った」
「そうだ、、、そこの下衆が閉じ込めて私の贄にと差し出した子だ」
憤怒がそこの下衆と言いながら大臣を見た。
(マジかよ!本当に人間のクズだなこの大臣)
「ひっ!あ、あ、し、仕方無い事だったのだ!」
「うるさい、、、私が封印されそうになった事には怒りは感じていない。私を畏れるのは仕方無い事だからな?だが、、、」
「ひっ!、、、」
「何故、この子を陥れた?この子は勇者の回復者としてお前達が召喚した者だろう?無理矢理にお前達がこの世界に召喚した者だろう?元の世界に還せない異世界からの召喚をしておいて放置どころが殺そうと、いや、殺そうとするよりも酷い、、、何故、贄になどと?」
「え?」
「は?」
憤怒が大臣を見ながら言った言葉に思わず俺と勇者が声を上げてしまった。
(回復者?異世界からの召喚?、、、それを贄にだって?)
「話を遮って悪い、、、だが、本当なのかその話は?」
「ロン、憤怒が嘘をつくはずが無いだろう?何の得にもなりはしない事に嘘を言っても仕方無いだろう?」
「わりぃ、分かってんだが、、、大臣なんて地位の奴がそんなクソみたいな事するとは思わなかったもんでな」
「普通はしないだろう、、、七つの大罪の一人を封印する事も含めてな?」
怠惰はダルそうにそう言っていたが目は冷たく怒りを称えていた。
(さっきよりは落ち着いたみてぇだが、、、いつさっきの状態に戻るか分からねぇから気をつけねぇとな)
「あの、話を遮って悪いけど、、、その子がオレの回復者?」
「、、、勇者か。そうだ、勇者の回復者で私の契約者だ。そうだな、、、まずはこの子の紹介をしよう。自分で出来るか?」
憤怒が抱いているその子にそう話しかけるとその子は頷いた。
(さて、どういう子なのかね?)
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