お月様のいるところ

あおい夜

文字の大きさ
上 下
16 / 17
三章 お月様は迷子

16,お月様は帰り道を見つける

しおりを挟む
 夜になったのでまた飛んで上から見てみたけど特に昼間と変わらなかった。

『、、、摘んだな』

何処までも続く森を見ながら思った。
(あ、カバンの中に何かないかな?)

『まずは、沢山のお菓子、水、ハンカチ、ちり紙、暖かい布、、、パパとお兄ちゃんに貰った二人の魔力の結晶、、、入れてるの忘れてた』

魔力の結晶というのは色んな魔法の力が込められたモノの事をいう。
結晶に込められた力は使う事が出来る。
例えば、ぼくが怪我を治す魔法の力を結晶にすると黒い涙の形の結晶が出来る。
その結晶を父が使うと、自分の怪我や人の怪我を治す事が出来る。
結晶の色は魔法によって違う。
火なら赤い色の結晶が出来る。
形は指紋の様に人それぞれ違う。
結晶は魔力が高くて力が強い者でないと作れない。

兄の結晶は薄い水色で形は雪の結晶の形をしている。
兄の結晶に込められた魔法は氷の攻撃魔法の力だ。
父の結晶の色は黄色で形は丸い玉の形をしている。
父の結晶に込められた魔法は雷の攻撃魔法の力だ。

『しかし、攻撃魔法(しかも威力が強い攻撃魔法)の力を込めた結晶を渡すって、、、、二人共、過保護なだけだよな?でもコレ、一回使うだけでヤバそうだけど、、、死なないよね?』

ぼくは考えるのを止めた、、、、自分の為に!
(この結晶の力を使うわけじゃないから考えなくて良いや。結晶の魔力の持ち主(兄と父)は、ぼくの月の魔法を使えば何処に居るか分かる)

ぼくの月の魔法は色々な事が出来る。
自分の存在を隠す事が出来たり、飛ぶ事が出来たり、人の魔力を回復する事が出来たり、結界を張る事が出来たり、他にも色々と出来る事があるけど攻撃に使えるモノは無い。

結晶の魔力の持ち主が何処に居るかどうして分かるのかというとぼくの月の魔法の一つにそういう魔法があるからだ。
例えば、兄が氷の攻撃魔法を使ったあとに使った魔力が少しの間だけだけど残っている。
その魔力をぼくが月の魔法を使って感じとるとその魔力と繋がっている兄の居場所がどんなに離れて居ても分かる。
結晶は魔力が固まって出来ているのでこの結晶の魔力をぼくの月の魔法で感じとって兄達が居る方向に飛べば良い。
(この魔法かなりの魔力がいるから使うと月のアザが痛くなるんだよな)

父の家系に出るこのアザは力を使い過ぎると締め付ける様な痛みをもたらす。
例えば、ぼくは胸にある月のアザで普段は月の魔法を使っているけど使い過ぎたり(一日中、飛んる事は大丈夫)魔力を大量に使う魔法を使ったりすると月のアザの所が締め付ける様なかなり痛い痛みをもたらす。

『この月のアザって月の魔法を使ってると光って綺麗なんだけどな~』

このアザは力を使うと青く光るのでぼく達家族はみんなアザを隠す為に首が隠れる長袖を一年中着ている。
(首が隠れるモノじゃないとアザが見えちゃうんだよね。薄い服だと光ってるのが分かるから駄目だし、ぼくは女だからまだいいけど二人は男だもんなぁ。男の人は女の人より体感温度が三度くらい違うらしいし、二人とも大変だろうな)

『よし!魔法を使うか、、、痛くならないと良いな』

ぼくは覚悟して魔法を使う。

『ぼくの中にある月の力この二人の魔力の持ち主の居場所をぼくに示せ』

声に魔力をのせて古代魔法語(日本語)を喋った。
ぼくの胸の月のアザが青く光輝くとぼくの視界に青い糸みたいな線が何処かに向かっている。
この青い糸みたいな線が二人の居場所を示している。

『った!はっ、やっぱり、痛くなったか、、ふっ、、少し、休んで、痛みが、引いたら、ッ、行こう、、、』

ぼくはまた泉の近くの木の上で少し休んだ。




しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした 

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。

私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜

月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。 だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。 「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。 私は心を捨てたのに。 あなたはいきなり許しを乞うてきた。 そして優しくしてくるようになった。 ーー私が想いを捨てた後で。 どうして今更なのですかーー。 *この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。

もう死んでしまった私へ

ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。 幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか? 今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!! ゆるゆる設定です。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!

ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」 ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。 「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」 そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。 (やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。 ※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

処理中です...