お月様のいるところ

あおい夜

文字の大きさ
上 下
13 / 17
二章 お月様の大切な人

13,お月様、雪天使を応援する

しおりを挟む
 今日のぼくは気分がとても良かったので散歩をしている。
廃ビルの近くを飛んでいる時、廃ビルの中から火の気配がしたのでそこに向かった。

『あ、あの人が何か燃やしてるみたいだ。クーくん近づいてみようか?何か怪しいし』
“こくこく”

怪しい人はぶつぶつ喋りながら写真を燃やしてた。

「これを燃やしてしまえば私は大丈夫だ。もう証拠もこれ以外は残っていない。全て燃やしてしまえば私に何も出来ない」

変な事を喋っているのでぼくは大量にある写真の一部(それでも100枚くらいある)を拝借した。
(これ犯罪じゃんか!しかも一部で何人もある。後で雪兄に見せてみよう)

「これで私は大丈夫だ!ハハ、アハハハハハー!」

ぼくが取った物以外を全て燃やして安心したのか怪しい犯罪者は笑いながら去って行った。

『クーくん、これ見てくれ。あいつ犯罪者だ』
“こくこく。ぷんぷん”
『確かにこれは酷いよね。雪兄に見せて捕まえてもらおうか』
“こくこく”
『それじゃあ、すぐに行こうか、、、、ごめん。お散歩、少し長くし過ぎたかもしれない。少し休んでから行こうか?暑さに少しやられたみたいだから』
“こくり”


暑さにやられたぼくは少し休んでから兄の仕事場に来たら何やら事件が起こっていた。

「貴方のせいで狩り人見習いの多くの生徒達が悲しんでいます。この事を認めて反省してください」
「何処にそんな証拠がある?あいつらが勝手に言っている事だ!私は何もしていない!」
「陽のダンナ、証拠ってあいつが隠してんじゃなかったんすか?」
「ああ、探したのだが何処にも見当たらないみたいでな」

二人の話を聞いてぼくは持っている写真を見る。
(証拠ってこれの事か、、、雪兄に渡そう)

「さっきから何だ?そんなに私を犯人にしたいのなら証拠を持ってこい!」
「っ。それは、」
「ないのだろう?それとも何だ?そんなに私と居たいのか?お前は美しいからな、誘っているのなら私も構わないが?」
「なっ!」

アホな事を言って男が兄の顎に手を伸ばして掴んだ。

「今夜なら私も空いているが、どうだ?」
「何をする!誘って何かいない!」
『、、、。クーくん、これを手加減なくあいつに叩きつけてくれ』
“こくこく。ブンッ”
“ドン!ドサッ、バサバサ”
「グオッ!」

ぼくは持っている写真をクーくんに渡してクーくんに頼んで(ぼくの力じゃ、、、)真上から男の脳天に向かって手加減なく写真を叩きつけてもらったので、凄い音(紙では普通出ない音)がしたのだ。
男は気絶している。
ちなみにぼくは、ざまぁと思った。

「え?、、、夜、出てきなさい」
「、、、。雪兄、怒った?」
「怒ってないよ、助かったしね」

ぼくは兄に言われ姿を見せた。

「何を叩きつけたんだい?これは、、、」
「たまたま、あの犯罪者に、会った時、あれが、写真燃やしてたから、一部を拝借した」

兄が拾っているぼくが持って来た写真には裸の犯罪者と泣いて嫌がる裸の子達が写っている。

「雪兄に、見せようと思って、持って来たけど、あれも、一緒にいたから、びっくりした」
「これは、かなりの証拠になるよ。ありがとう夜」
「うん。けど、雪兄、今は、自分の身体を、心配した方が、良いと、思う」
「?何言って、、、、」
「雪サン?何あんな汚物に触られてんだ?」
「雪、今日はワタシの部屋に泊まっていってくれるか?」

兄は顔を真っ青にして自分の恋人の二人を見る。
(雪兄、恋人があんな場面を見て嫉妬しないはずがないよ)

「雪兄、頑張れ。ぼく、今日は、クーくんと、二人だけでも、大丈夫だよ」
「夜君、ありがとう。雪、彼もこう言っている」
「そうっすよ、雪サン。夜の許可もとったんだし」
「「ゆっくり、部屋で話(しましょう)(そう)」」

明日、兄は大丈夫だろうかと思ったけどぼくにはどうにも出来ないので恋人達に抱き上げられ何処か(恋人の部屋だろうけど)に連れていかれる兄を見ながら、兄よ頑張れっとエールを心の中で送った。





しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした 

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜

月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。 だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。 「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。 私は心を捨てたのに。 あなたはいきなり許しを乞うてきた。 そして優しくしてくるようになった。 ーー私が想いを捨てた後で。 どうして今更なのですかーー。 *この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!

ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」 ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。 「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」 そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。 (やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。 ※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

『自重』を忘れた者は色々な異世界で無双するそうです。

もみクロ
ファンタジー
主人公はチートです!イケメンです! そんなイケメンの主人公が竜神王になって7帝竜と呼ばれる竜達や、 精霊に妖精と楽しくしたり、テンプレ入れたりと色々です! 更新は不定期(笑)です!戦闘シーンは苦手ですが頑張ります! 主人公の種族が変わったもしります。 他の方の作品をパクったり真似したり等はしていないので そういう事に関する批判は感想に書かないで下さい。 面白さや文章の良さに等について気になる方は 第3幕『世界軍事教育高等学校』から読んでください。

処理中です...