愛しき魔王様はレベル1

あおい夜

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四章 要らない勇者様

瑠璃くんのフード事情

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オレは瑠璃くんに何の言葉もかけられなく瑠璃くんから目をそらすように、今まで静かに護衛をしながら話を聞いているメーヤさんとセーラさんの方を見た。
オレの視線に気づいた二人も瑠璃くんの話を聞いてオレと同じ思いなのか苦笑いをした。
(だよな!なにも言えないよな?瑠璃くんは何も悪く無いっていうか100%向こうの奴らが悪いし!なんか、、本当に何も言えねぇ)

「えっと、その、瑠璃くん?」
「ん?なに?」
「あの、フード暑くないですか?脱いでも大丈夫ですよ?」
「、、、君は高校生って言ってたよね?何年生?」
「え?一年生ですけど?」
「そうなんだ。僕は君、、、連夜より二つほど年上なだけだから無理に敬語で話さなくても大丈夫だよ?」
「え?あ、なら、失礼じゃないくらいに話すな?」
「うん」

まだ声変わり前みたいな男としては高い声とオレより少し低い背丈だったから年下だと思っていたが二つも上のお兄さんだったみたいだ。
(声変わりしない人とか、成長期が遅いオレみたいな人もいるんだから瑠璃くんが年上でも可笑しくはねぇよな)

「えっと、それでフードは、、、その理由があって」
「理由?」
「うん」
「えっと、聞いても?」
「ああ、うん、大丈夫だよ。けど、さっきの話を聞いてさっさとここに来たのは良かったと思ったよ」
「さっさの話?勇者様が女の子でハーフっていう話か?」
「うん、僕もハーフなんだ。ハーフっていっても僕達の世界には今のところ種族的には同じ人間しかいないけどね?」
「え?あ~、でも、向こうの奴らが嫌悪してんのは違う種族でのハーフだし瑠璃くんは大丈夫じゃね?」
「まぁね。母親がイギリス人だったんだけど僕は日本人の父親の方に似て外国人風の風貌では無いから別にいいんだけど、、、フードを脱がないのは僕の体質というか、そういうのが関係してるんだけど、その前に連夜に聞きたい事があるんだけど大丈夫?」

瑠璃くんはフードを脱がない理由を話す前にオレに質問があるみたいだ。

「別にいいけど?」
「連夜はアルビノってしってる?」
「あるびの?、、ああ!アルビノ!何らかの原因で色素が欠落して生まれてくるっていう!アニメや漫画とかにもよく出てくるから知ってるけど?」
「知ってるなら話が早くていいや。僕はそのアルビノなんだ」
「え!初めてアルビノの人と会った!けど、フードを脱がない理由は分かった。アルビノならヤバイもんな」
「うん。僕は他のアルビノの人よりは紫外線、、、日の光に当たっても少しなら平気なんだけど、長い間当たってると火傷しちゃうから」
「、、、レーヤ、『あるびの』とはなんだ?」

瑠璃くんと二人で話してるとサージさんが聞いてきた。
(あ、そうか、この世界にはアルビノっていなさそうだもんな!そりゃあ、知らないよな)

「えっと、その、色素は伝わらないか、、、簡単に言えば色を持たないで生まれてくる人の事です。色を持たないのでほとんどが真っ白なんですよ。あと、肌や目が弱いので太陽とかのしが、、、光には弱いんですよ」
「なるほど、だからフードが脱げない、、か」
「そうです」

専門用語はこの世界では伝わらないだろうと思ったので、小さい子にも分かるような感じで伝えたがサージさんには伝わったようだ。
(あ、けど瑠璃くんと勇者様はこれからどうするんだ?オレとしては同じ世界の人だし一緒に居てくれると嬉しいんだが)



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