愛しき魔王様はレベル1

あおい夜

文字の大きさ
上 下
31 / 37
四章 要らない勇者様

向こうはクソしか居ねぇ

しおりを挟む
「話は変わるが、勇者様がまだ赤ん坊なのにここまで疎まれているのには勇者様が女だったからという問題とは別にあともう1つある」
「え?他の理由もあるんですか?」
「ああ、普通は勇者様が女の性別を持って生まれたとしても、もう少し向こうの奴らも大切に育てただろうな、ここに向かわせる事なくな。向こうの奴らにとって対の勇者様は魔王様を倒す為の大切な駒でもあるからな」

なんと、向こうの奴ら(クソ)はこんな可愛い勇者様を疎んじてきた理由が、勇者様が女の子だという性差別的なこと以外にももう1つあるらしい。

「どうやら今代の勇者様は神界の者、、、天族と人間とのハーフらしいな?」
「うん、あの人達は勇者の事をそう話してた」
「そうか、、、どうやら勇者様は天族の血が強く出ているみたいだな。その証拠が一年以上年がたっても赤ん坊のまま成長していないのだろう」
「確かに、あの人達は勇者が1年以上前から歳をとってないって話してた」
「、、、まず、寿命の話だが、天族は俺達魔族と同等以上に長生きする者達が多くいる。つまり、人間より歳をとるのが遅いのだ」

勇者様は魔王様と同い年 (一、二歳)なのに今だ魔王様と同じくらいの赤ん坊 (生後半年くらい)なのは魔王様と同じ理由らしい。
(つまり、、、赤ちゃんの期間が長いって事か?魔王様もちゃんと喋れるようになるのは早くても2、3年くらいかかるっていってたしな?)

「向こうの者達は俺達魔族以外の長寿種族は敬う対象だ。だが、、、ハーフは嫌悪されている」
「え?長寿種族は敬う対象なのにハーフは嫌悪ですか?」
「ああ、特に天族と他の種族のハーフは魔族とのハーフよりも嫌悪の対象らしい」
「えっと、、、その、、、向こうの人からしたら魔族は敵みたいなものだから、その魔族とのハーフが嫌われるのは分かりたくないっすけどまだ分かりますが、、、その、説明を聞いてると何となくですが、向こうの人達は神様みたいに天族っていう奴らを信仰してるんですよね?」
「ああ、そうだ」
「その天族とのハーフが何で魔族とのハーフ以上に嫌悪されてるんですか?魔族と天族のハーフならまだ分かるんですが」
「、、、その天族が一番自分達の種族のハーフを嫌悪しているんだ」

意味が分からなかった。
(自分達の血を引いてる奴を普通嫌悪出来るか?むしろ可愛がるよな?オレの考えが可笑しいのか?)

「普通は自分の種族の血を引いてる人を可愛がると思うんだけど、、、、もしかして、ソイツらは自分達の種族が一番って思ってる人達なんじゃない?」
「その通りだ」
「え?何で自分達の種族が一番って思ってる奴らが同じ血を引いてるハーフを嫌悪してるんですか?」

瑠璃くんは理由が分かったらしいが、オレにはサッパリ分からなかったので聞いてみた。

「天族の奴らは自分達の種族が一番美しく、強く、純真で、穢れないと思っている奴らだ。そんなプライドがアホみたいに高い奴らが、いつも見下している他の種族と自分達の種族とのハーフが出来たらどうなるとおもう?」
「あ!あ~、、、なんていうか、、、我らの誇り高い一族の血を下賎な種族の者と混ぜるなど穢らわしい!って感じですか?」
「簡単にいえばそうだ」
「え~?こんなバカみたいな理由で宿敵 (魔族)とのハーフより嫌うんですか?、、、ソイツら本当に救いようがないですね」
「ああ、本当に救いようがない能無し共だ」

どうやらくっっっだらない理由で天族のハーフの人達は嫌われてるらしい。

「つまり、勇者様はさっさと魔王様の所に行って魔王様を倒すか勇者様が倒されるかしてこいってここに送られたって事ですか?」
「そういうことだ」
「つまり僕はあの人達が勇者に近づきたくない、世話もしたくないっていう理由で召喚された上に、さっさと勇者と死んでこいってここになんの説明もなく向かわさせたって事?」
「、、、そうだな、、、お前は何の責任も罪も無いただ向こうのバカみたいな都合で無理矢理この世界に召喚された者だ」

瑠璃くんは本当になんの責任も罪もない今回の一番の被害者だ。




しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

【完結】母になります。

たろ
恋愛
母親になった記憶はないのにわたしいつの間にか結婚して子供がいました。 この子、わたしの子供なの? 旦那様によく似ているし、もしかしたら、旦那様の隠し子なんじゃないのかしら? ふふっ、でも、可愛いわよね? わたしとお友達にならない? 事故で21歳から5年間の記憶を失くしたわたしは結婚したことも覚えていない。 ぶっきらぼうでムスッとした旦那様に愛情なんて湧かないわ! だけど何故かこの3歳の男の子はとても可愛いの。

やっと買ったマイホームの半分だけ異世界に転移してしまった

ぽてゆき
ファンタジー
涼坂直樹は可愛い妻と2人の子供のため、頑張って働いた結果ついにマイホームを手に入れた。 しかし、まさかその半分が異世界に転移してしまうとは……。 リビングの窓を開けて外に飛び出せば、そこはもう魔法やダンジョンが存在するファンタジーな異世界。 現代のごくありふれた4人(+猫1匹)家族と、異世界の住人との交流を描いたハートフルアドベンチャー物語!

処理中です...