愛しき魔王様はレベル1

あおい夜

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四章 要らない勇者様

勇者様正体は、、、!?

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勢いよく顔をあげた (フードを深く被ってるので顔は見えない)はいいが、どう話したらいいか分からないのだろう勇者は何も話さなかった。
(いや、この状況でべらべら喋れる勇気はオレもないし仕方ないよな!オレと同郷みたいだし、助けねぇとな!)

「その、オレはこっち、、、魔王様側に召喚されたんですけど、、、あなたも召喚されて勇者になったんですよね?」
「ぁ、、ぅ、、、」
「あ~、、、落ち着いて、大丈夫です。この状況で落ち着けないのは分かるんですが、、、大丈夫です。まず、オレと同じ様に日本からこの世界に召喚されたんですよね?」
「、、、っ、、うん」

男にしては少し高い綺麗なボーイソプラノの声で返事をしてくれた。
(あれ?もしかして声変わりしてねぇの?オレより年下?)

「それで、あなたは勇者として向こうの人達に召喚されたんですよね?」
「、、ち、違う」
「え!?違うって、、、何処がですか?」
「その、僕は勇者として召喚されたんじゃないんだ。その、僕が召喚された時には、、もう勇者はいたから、、その、僕は勇者に今必要なものとして、その、召喚されたらしいんだ」
「えっと、じゃあ、あなたは勇者じゃないんですね?というか、、、らしい?」
「うん、その、、、僕は召喚されて直ぐにこの城に、、魔王の所に向かえって、あの、勇者と一緒に放り出されたみたいなものだから、その、ほとんど何も知らなくて」

勇者、じゃない、このフードの人は召喚されて意味も分からずここに向かうように言われたらしい。
(は?え?なに考えてんの?向こうの奴等、、、カスじゃね?)

「えっと、、その、、なら、何でここまで?」
「うん、その、、、さっきまで一緒に居た人達が僕達の見張りみたいなものだったから、、、その、ここに来るまでも絶対に馬車の中から出るなくらいしか話しかけられなかったから、その、あまり分からないんだけど、その、僕達の事が要らないから、えっと、あの、、、言いづらいんだけど、その、ここに僕達を捨てる為に連れて来たみたいなのはあの人達が話してるのを聞いて分かったんだ」

そこまで聞いてオレは後ろに居るサージさんの方に振り向いた。
(要らない?捨てる?は?)

「サージさん」
「、、、何だ」
「向こうの奴等はカスしか居ないんですか?」
「今の話を聞くかぎり、、、そうなのだろう」

少しサージさんと話して心を落ち着かせてからフードの人の方に顔を向けた。
(つまりこの人は何も知らないまま?勝手に向こうの都合で召喚したくせに?要らないってここに捨てられた?は?、、、あれ?そういえば)

「僕達って言ってましたけど、、、もう一人居るんですか?」
「う、うん、勇者が」
「あ、そういえばあなたが召喚される前に勇者は既に居たって言ってましたもんね?」
「うん、その、勇者は“この子”だよ」

フードの人はフードで隠れてた腹の部分から手を出して勇者を“その子”を見せた。
(え?)

「、、、え?」
「?、、あの?」
「あう?う~う?」
「あ、、」
「あ?」
「赤ちゃん!?」

フードの人が取り出した?勇者は魔王様と同じくらいの年の赤ちゃんだった。




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