愛しき魔王様はレベル1

あおい夜

文字の大きさ
上 下
20 / 37
三章 勇者様が来る!?

深刻な問題

しおりを挟む
緊急会議があった次の日の朝になり、オレは深刻な問題に直面していた。
(う~ん、、、、どうするか、、、やっぱまだ早いか?けど、、、う~ん)

「いや、でも、、、早い?いや、でも、その時期だよな?、、、少しだけやってみるか?」
「、、、何をだ?」
「いえ、ちょっと深刻な問題がありましてって!?サージさん!?」
「深刻な問題?勇者の事か?それなら確かに深刻な問題だが」
「いえ、そうでなく、その、魔王様のご飯の事です」
「魔王様のご飯?」
「ええ、もうそろそろミルクだけじゃなく、離乳食(りにゅうしょく)を始めてもいいかと思って」
「りにゅうしょく?」
「ええっと、その、離乳食ってのは赤ちゃんが乳離れする前に普通のご飯を食べられるように練習する赤ちゃん用の食べ物、、、そうですねお粥やリゾットをくったくったにしてほとんど水みたいにしたものから始めます」

魔王様はもう首も座っているしハイハイも出来る上にオレが食べている物にも興味が出てきたので離乳食を始める合図はバッチリだ。
(やっぱり今日から始めてみるか!)

「食べ物を食べる練習か、、、魔王様に必要なのだろう?」
「はい、魔王様というか赤ちゃんには必要な事ですね」
「なら、始めてもいいんじゃないか?」
「そうなんですが、、、米って貰えますかね?」
「米が欲しいのか?」
「はい。こっちでは別の食べ物なのかも知れませんが、オレの世界というかオレの国ではお粥って食べ物が離乳食では主流でしたので自分で作ろうかと」
「、、、分かった。直ぐに用意して魔王様の部屋に届けさせる」
「あ!米はサージさんが両手で持てるくらいの量でいいので」
「そんなに少なくていいのか?」
「はい、最初の方はそんなに要らないのでたくさん貰っても腐らせてしまいますから」
「分かった」

そういってサージさんが去っていってから一時間もしないうちに米が届いた。
(サージさん、相変わらず優秀だよな)

昼近くになったのでオレは二回目の魔王様のミルクと離乳食を作り魔王様の元にいった。

「魔王様、ミルクの前にオレと同じ食べ物を食べますか?」
「あう?」
「ほら、これですよ。あーん、、、うん、美味しい」
「レーヤ、まーちゃも!まーちゃも!あー」
「はい、あーん」
「んっ、う?」
「モグモグ、ゴックンですよ?」
「む?んー、コクン」
「はい、良くできました。次はミルクを飲みましょうね?」
「う?みーく!」

どうやら魔王様の離乳食デビューは成功らしい。
最初は一日のミルク時間の一回に一口だけやって少しずつ慣らしていき、慣れたら量を少し増やし、最後の方はミルクと離乳食の半々にしていくつもりだ。
(離乳食は赤ちゃんがご飯を覚える大切な時期だから慎重にやらないとな。時期を見極めるのが難しいから深刻な問題だけど、魔王様は大丈夫そうだしこのままやってくか!)


勇者到着まであと、、、、5日


しおりを挟む

処理中です...