愛しき魔王様はレベル1

あおい夜

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二章 魔王様はハイハイをする

癒しの者

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ハロハロ!
オレ、連夜!
ここではレーヤって呼ばれてるぜ!
今、オレはサージさんと部屋から居なくなった魔王様を探しに庭に来てるんだぜ!
魔王様が居そうな所に行こうと歩き出したらオレの悪口を言ってる奴らに出会わせたんだぜ!
まぁ、出会わせたといってもオレの悪口を言ってる奴らはオレとサージさんが近くに居るのを知らないんだけどな!
そして、今はサージさんがオレの悪口を言ってる奴らの前に出て行ったんだぜ!
優しそうで爽やかな笑顔でな!
そう!笑顔で!
サージさんが優しそうで爽やかに笑ってるんだぜ!
ちなみに、オレからはサージさんの後ろ姿しか見えないが、どうなってるんだ?っと思ったら何故か全体の光景が見えるようになっていたのでサージさんが笑っているのが分かったんだぜ!

めっちゃ怖いです。
サージさんの笑ってる顔は優しそうなのに放ってる気配が凄く冷たいというか、ピリピリ、ヒヤッっていう感じなのだ。
めっちゃ怖いです。

「それで?」
「え?」
「ん?お前達はあの世話係りと遊ぶのだろう?俺も参加して良いと了承を取ったが、、、どう遊ぶんだ?」
「え?あ、サ、サージ様?」
「何故、サージ様がここに?」
「、、、少し野暮用でな?それで?俺の質問には何時答えるんだ?」

サージさんは声も何時と違っていて、うわべだけだが優しそうな声をしていた。
ただ、何時の方が全然ましなほどに何の感情もない声だった。

何時のサージさんの声は淡々としているが魔王様だけでなくオレの事を気づかっているのが分かる声をしている。
簡単に言うと淡々と義務のように話している様だが、よく聞くとオレに優しさを向けている音がするのが分かるような声を出して話している。

だが、今のサージさんは声を聞いてると優しそうな声だがその実、一切の感情が無い声だと分かるものだった。
(もう、怒りを通り越して無関心になってるんだな、、、しかし、サージさんは何にそんなに怒ってるんだ?もしかして、魔王様の世話係りのオレの悪口は魔王様の悪口にもなるからとか?)

「ひっ!な、何で!」
「あ、あ、」
「そ、その、私達は別に、、」
「オレらはただ、その、じょ、冗談を」
「そ、そうです!俺らは冗談を言ってただけです!」
「冗談?」
「は、はい!」
「冗談です!」
「ええ!本当にやろうとは思っていません!」

オレの悪口を言ってた奴らは青い顔をしながら必死に冗談だと言っていた。
どう考えても嘘だと分かるが、かなり必死に言っているのでそれほどサージさんが怖いのだろう。
(まぁ、サージさんが怖いのはオレも分かるけど、、、そんなにか?それにアイツら、何か、、、死にそう?震えてるし、顔色が青すぎる。何か恐怖からだけじゃない感じ?何だろう?、、、、極寒の中に居る様な、、、寒くて死にそうな、そんな感じに似てる?)


サージ視点

コイツらは何を言っている?
冗談?
そう言えば俺が許すと思っているのか?
もし、本当に冗談でも許すわけがない。
言っていい冗談と悪い冗談があるのを知らないのか?

俺はそう思いながらゴミ共の方に向かう。

“ビシッ、ピキピキ”
「ひっ!」
「も、申し訳ありません、、ひっ、やだ!」
「あ、足が!」
「凍って、イヤだ!助けて!」

俺が近づくとゴミ共の体が凍っていく。
当たり前だ。
俺は魔性(ましょう)をコントロールしていない。
一応、近くのコイツら以外を巻き込まないようにはコントロールしているが。
ゴミ共は俺の魔性に耐えられずどんどん体が凍っていく。

「イヤだ!す、すみません!」
「凍っていく!オレの体が!サージ様、お助け下さい!」
「な、何故?オレ達は魔王様の悪口など言っていません!」
「そ、そうよ!何でこんな!イヤよ!全部あの世話係りのせいよ!あの世話係りは本当に何の役にもたってないじゃない!」
「そうよ!本当の事を言っただけで何で私達がこんな目に合わなきゃいけないのよ!」
「「そうだ!オレ (私)達は本当の事しか言ってない!」」

どんどん体が凍っていくゴミ共は何を開き直ったのかそんなことを言ってきた。
(、、、本当の事?何を言っているんだコイツらは?レーヤが役立たず?お前らの間違えだろう?コイツらは本当に分かってないな。レーヤは俺達にとって、、、)

「あんな奴、来なきゃ良かったんだ!」
「そうだ!あんな何の役にも立たない奴!」
「魔王様が興味を持ったのも珍しいからってだけよ!」
「私達の方が魔王様のためになるわ!」
「あんな奴はいらないんだよ!」

もう、我慢ならなかった。
(このゴミは捨てないといけないな。掃除をしてから部下を呼んで処分させるか)

「レーヤ、目をつぶり耳を塞いでいろ」

俺がそう言うと俺の後ろに居たレーヤは俺の言った通り目をつぶり耳を両手で塞いだ。
それを見てから俺はゴミ共に近づいて行った。

「お前らは何も分かっていないな。お前らが最初に失態をやらかしても処分せずにこの仕事を割り振ったのはレーヤ、、お前らが言う魔王様の役立たずな世話係りが優しいからだ。お前らを処分してレーヤが傷つくのが嫌だったからこの仕事を割り振ったというのにお前らは一切仕事をしなかったな?」
「、、ひ、は、は」
「あ、は、」
「は、は、ひ、」
「ふ、あ、あ、」

ゴミ共はもう何も話す事も動く事も出来ないだろう。
俺の魔性にあてられほとんど凍りついているからだ。

「お前らは最後のチャンスを無駄にしただけでは飽きたらずにまたレーヤの悪口を言っていたな?しかも、レーヤに害そうとしていたな?それを俺が許すと思うか?」
「ひ、、は、、あ」
「あ、う、、ふ」
「や、、あ」
「や、、や」

ゴミ共は涙を流していたがそれも直ぐに凍りつく。
俺はゴミ共の直ぐ近くまで近づいた。

「最後に教えてやる」
「は、、ふ」
「ふ、、、」
「は、、」
「レーヤはただの魔王様の世話係りではない。レーヤは、、、俺達のだ。この意味を馬鹿なお前らも知っているだろう?本当に馬鹿な事をしたな?」

俺がレーヤの事を話してやるとゴミ共は驚愕した顔をした。

「あ、あ、」
「は、あ、ひ」
「ひ、あ、」
「あ、う、」
「お前らは誰に何をしようとしたか分かったか?、、、もう、寝ろ、、、永遠にな?」

そう言って俺はゴミ共を完全に氷の中に閉じ込めた。
そして素早く部下に連絡を取ってから目をつぶり耳を塞いでいるレーヤを抱えこの場所から離れた。




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