愛しき魔王様はレベル1

あおい夜

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二章 魔王様はハイハイをする

魔王様は何処だ!?

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その部屋では赤ん坊が一人で眠っている。

「すぴー、、、うに、、、ん?、、、あう?」

どうやら赤ん坊は起きてしまったようだ。
赤ん坊は何かを探すようにキョロキョロと部屋の中を探っていた。

「、、、う?レーヤぁ?、、、レーヤぁ~、、ふぇっ」

探し人の名前を呼びながら泣きそうになっている赤ん坊はいきなり空中に浮かんだ。

「レーヤぁ~、ふぇ、うっ、、う?、、あう?」

急に空中に浮かんだ事で赤ん坊は泣きそうになったのを忘れて戸惑っていた。

「あう?、、レーヤ?、、!、、あうっ!うっ!、、レーヤぁ!」

赤ん坊は何かを思い付いたようで、いきなり空中で四つん這いになりハイハイし出した。
そうすると前に進める事が分かった赤ん坊は空気の入れ換えの為に開けてあった窓から外にハイハイをしながら部屋から出ていってしまった。


それから数分後

レーヤ視点

魔王様が消えた。
いや、本当に消えたわけじゃないのは分かってるんだ。
魔王様が眠ったのでオレは少し魔王様から離れて戻ってくると、、、魔王様の姿がなくなっていたんだ。
何で魔王様から離れたか?
トイレに行きたかったからだ。
トイレから帰ってきたら魔王様が居なくなってたんだよ!
(ハッ!そうだ!サージさん!)

「サージさん!サージさん!」
「なんだ」
「魔王様が居ないんです!」
「なに!?何時からだ!?」
「7、8分くらいです。魔王様が眠ったのを確認してオレが魔王様から離れた瞬間に居なくなってました」
「ああ、トイレか」
「はい。けど、こんな事になるなら行かなければ良かったです」
「生理現象だ、お前は悪くない」
「けど、魔王様は何処に?」

オレがそう言うとサージさんは少し考えてから話し出した。

「魔王様はお前を探しているのだろう。お前と、レーヤと行った事がある所に居るはずだ」
「オレと?なら、一番よく行くのは散歩してる庭ですけど、まだハイハイしか出来ないはずの魔王様はどうやって移動しているんでしょう?」
「たぶんだが、無意識に浮遊魔法を使って移動しているんだろう。魔王様はハイハイをお出来になられるから、それで動き回っているんだろう」
「浮遊魔法って空に浮かんだりするやつですか?」
「ああ、そうだ」
「空気の入れ換えで窓を開けていたので、それなら庭まで簡単に行けますね。早く探してやらないと」
「俺が連れて行く。その方が早いからな」
「え?」

庭に行こうとしたオレをサージさんがいきなり抱き抱えると魔王様の部屋に入り窓から外に飛び (比喩ではなく飛んだ。多分、浮遊魔法)出ながらあり得ない速度で移動した。
(うえっ!?はやっ!早っ、速い!景色がかき消えるほど速い!え?人一人を抱えてこんな速度出るのか!?)

「よし、着いたぞ、レーヤ」
「うえ?あ、本当だ!何時も散歩の時に来てるメーヤさんの所じゃん!って、違う!魔王様!何処ですか!?」
「魔王様の魔力は感じるが、魔王様の魔力の力が強すぎて近くに居る事しか分からないな。一キロ以内には居るんだが」
「一キロ、、、いえ、何処に居るかも分からないよりは全然ましです。ありがとうございます、サージさん」
「いや、それより、早く魔王様を探した方が良い。魔王様の城の中とはいっても良からぬ者も居るかな」
「そうなんですか?分かりました、、、ん?何かこっちに魔王様が居るような?気のせいか?」
「お前がそう感じるならそれは気のせいではないかも知れない。お前は魔王様の世話係りとして俺達が喚んだのだ。魔王様と何か繋がりが合っても可笑しくないからな」
「そう、ですね。なら、魔王様が居そうなこっちの方向に行きますね?」
「ああ」

サージさんにそう言われ、確かに魔王様の為に喚ばれたオレが魔王様と繋がった何かが合っても可笑しくないと思い、何となく魔王様が居るなと思う方向にサージさんと一緒に歩いていった。




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