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二章 魔王様はハイハイをする
魔王様の世話係りには手を出すべからず (メーヤ視点)
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こんにちは、初めまして、私は魔王様のお城でメイド見習いをしているメーヤと申します。
私は力だけなら上級魔族ですが攻撃魔法を使うのが下手で直ぐに近くの人に怪我をさせてしまう出来損ないです。
なので、私は魔王様のお城で働いているといっても魔王様の補佐官や側役などといったお偉方々に会えた事も見たこともありません。
魔王様など一目見る事も叶いません。
そんな私はいつもの様に静かに人気のない所で低底の仕事と馬鹿にされた掃除や洗濯の仕事をしていました。
その日もいつも通り大量の洗濯物を魔法 (攻撃魔法以外は上手いですよ)で洗い干そうとしていました。
私が魔法をかけて洗濯物を干そうとしたときに魔王様の側近であり補佐官である人で実質、魔族のナンバー2のサージ様が私の前に現れました。
「お前がここの仕事を任されている者だな?」
「は、はい、サージ様」
「今日からここの仕事の人数が増える」
「え?あ、はい」
「だが、お前は今日来た者達の仕事は手伝う事をするな。それとあまり関わるな」
「え?」
「もし、アイツに手伝えとしつこいようなら俺が、アイツらに頼まれようが、命令されようが、脅されようが、手伝う事は許さないと命令したと言っておけ」
「、、、はい、分かりました」
「それでもお前に手伝うことを要求したのなら俺に言え。これを見せれば俺の元に来ることが出来る」
そう言ってサージ様はサージ様の家の家紋を私に渡し去っていきました。
(どういうことなの?何が起こったのかしら?何故、私の仕事仲間が増えるのかしら?)
「うわっ、何よこれ!汚いわね!」
「洗濯物なんだから仕方ねぇだろ!汚いから洗濯しねぇとなんねぇんだよ!」
「何で私達みたいな高貴な存在がこんな仕事をしなければならないの?」
「あ?知られねぇよ!サージ様にいきなり魔王様付きから雑用係りにされたんだからよ!」
「しかも魔力も制限されるし!最悪よ!」
そんな口汚い事を言い合いながら十数人の男女が洗濯していない洗濯物を囲んでいました。
(あの方達が今日から私と同じ仕事をする仕事仲間でしょうか?挨拶をした方が良いのでしょうか?けれど、サージ様は関わるなと仰っていましたからやめた方が良いのかしら?)
「えい!」
“ビリッ”
「下手くそ、おら!」
「ビリリッ」
「あんたこそ下手くそじゃない!」
そんな事を言いながら洗濯物に魔法をかけながら洗濯物をビリビリに破いたり土の上に落として余計に汚したりと洗濯物が憐れに思うほど酷かったです。
(ああ!そんなに乱暴に扱わないで下さい!洗濯物は繊細なんですよ!これは言った方が良いのでしょうか?けれど、サージ様は関わるなと仰っておりましたし)
「あー!面倒くせぇ!こんなのそこらの庶民にやらせれば良いだろ!」
「そうよね!もう帰ってお茶でもしようかしら?」
「そうだな、帰るか!」
「誰かがやるわよね?こんなの私達がやる仕事じゃないし?」
そう言ってその人達は本当に帰ってしまいました。
自分達がボロボロにした洗濯物をそのままにして。
(ああ!酷いです!あの洗濯物はもう使えないほどボロボロになってます!しかも、あのまま放置するとか!何を考えているのでしょうか?)
「あら?居ないわね?」
「本当にここに居るの?」
「ええ、サージ様のお怒りを買った愚か者達は今日から魔王様付きを剥奪されてここの仕事になったはずなのだけど」
あの人達の洗濯物がどうなったか見ようとした時、二人の女性がこちらに歩いてくるのを見たので物陰に隠れる事にしました。
(どういうことでしょうか?私はいきなりサージ様に言われたので何であの人達がここに配属されたのか知らないのですが、、、あの方々は知っているみたいですね?)
「居ないわね?帰ったんじゃない?」
「そうかも知れないわね。屈辱的ですもの帰ってしまっても仕方ないんじゃないかしら」
「そういえば、ここに配属された人達は何故、サージ様のお怒りに?」
「自業自得なのだけど、ここに今日配属になった人達は魔王様の世話係りに下手なことをしたらしいわよ」
魔王様の世話係りの事は少し前にここで働く魔族全体に連絡がきたので私でも知っています。
(下手な事?ですか?)
「下手な事ってなによ?」
「あの人達、魔王様の世話係りの悪口を言っていたみたいなの」
「え?本当に?」
「ええ、本当に馬鹿な話でしょ?魔族のそれも最上級の方々が直々にここで働く魔族全体に連絡をしてきたのよ?そんな重大な人の悪口を言うなんて、、、自業自得でしょ?」
「魔王様ほどではなくてもそれと同じくらい大事な方にそんな事をしたの?本当に馬鹿で自業自得ね」
私もそれを聞き二人に共感してしまいました。
魔王様の世話係りとは最上級の方々がここで働く魔族全体に連絡するほどに大事で大切な方だと私でも分かりました。
(そんな方の悪口を言うなんて、、、どんなに優秀だろうと、どんなに家柄が良かろうとそんな事をしたなら魔王様付きから一番下の仕事だと言われているこの仕事に配属されるのも分かります)
それから色々な方がここに訪れて魔王様の世話係りの悪口を言った者達の顔を見ようとしておりました。
その方達も最後には
魔王様の世話係りに手を出すべからず
と言って帰っていきました。
私は力だけなら上級魔族ですが攻撃魔法を使うのが下手で直ぐに近くの人に怪我をさせてしまう出来損ないです。
なので、私は魔王様のお城で働いているといっても魔王様の補佐官や側役などといったお偉方々に会えた事も見たこともありません。
魔王様など一目見る事も叶いません。
そんな私はいつもの様に静かに人気のない所で低底の仕事と馬鹿にされた掃除や洗濯の仕事をしていました。
その日もいつも通り大量の洗濯物を魔法 (攻撃魔法以外は上手いですよ)で洗い干そうとしていました。
私が魔法をかけて洗濯物を干そうとしたときに魔王様の側近であり補佐官である人で実質、魔族のナンバー2のサージ様が私の前に現れました。
「お前がここの仕事を任されている者だな?」
「は、はい、サージ様」
「今日からここの仕事の人数が増える」
「え?あ、はい」
「だが、お前は今日来た者達の仕事は手伝う事をするな。それとあまり関わるな」
「え?」
「もし、アイツに手伝えとしつこいようなら俺が、アイツらに頼まれようが、命令されようが、脅されようが、手伝う事は許さないと命令したと言っておけ」
「、、、はい、分かりました」
「それでもお前に手伝うことを要求したのなら俺に言え。これを見せれば俺の元に来ることが出来る」
そう言ってサージ様はサージ様の家の家紋を私に渡し去っていきました。
(どういうことなの?何が起こったのかしら?何故、私の仕事仲間が増えるのかしら?)
「うわっ、何よこれ!汚いわね!」
「洗濯物なんだから仕方ねぇだろ!汚いから洗濯しねぇとなんねぇんだよ!」
「何で私達みたいな高貴な存在がこんな仕事をしなければならないの?」
「あ?知られねぇよ!サージ様にいきなり魔王様付きから雑用係りにされたんだからよ!」
「しかも魔力も制限されるし!最悪よ!」
そんな口汚い事を言い合いながら十数人の男女が洗濯していない洗濯物を囲んでいました。
(あの方達が今日から私と同じ仕事をする仕事仲間でしょうか?挨拶をした方が良いのでしょうか?けれど、サージ様は関わるなと仰っていましたからやめた方が良いのかしら?)
「えい!」
“ビリッ”
「下手くそ、おら!」
「ビリリッ」
「あんたこそ下手くそじゃない!」
そんな事を言いながら洗濯物に魔法をかけながら洗濯物をビリビリに破いたり土の上に落として余計に汚したりと洗濯物が憐れに思うほど酷かったです。
(ああ!そんなに乱暴に扱わないで下さい!洗濯物は繊細なんですよ!これは言った方が良いのでしょうか?けれど、サージ様は関わるなと仰っておりましたし)
「あー!面倒くせぇ!こんなのそこらの庶民にやらせれば良いだろ!」
「そうよね!もう帰ってお茶でもしようかしら?」
「そうだな、帰るか!」
「誰かがやるわよね?こんなの私達がやる仕事じゃないし?」
そう言ってその人達は本当に帰ってしまいました。
自分達がボロボロにした洗濯物をそのままにして。
(ああ!酷いです!あの洗濯物はもう使えないほどボロボロになってます!しかも、あのまま放置するとか!何を考えているのでしょうか?)
「あら?居ないわね?」
「本当にここに居るの?」
「ええ、サージ様のお怒りを買った愚か者達は今日から魔王様付きを剥奪されてここの仕事になったはずなのだけど」
あの人達の洗濯物がどうなったか見ようとした時、二人の女性がこちらに歩いてくるのを見たので物陰に隠れる事にしました。
(どういうことでしょうか?私はいきなりサージ様に言われたので何であの人達がここに配属されたのか知らないのですが、、、あの方々は知っているみたいですね?)
「居ないわね?帰ったんじゃない?」
「そうかも知れないわね。屈辱的ですもの帰ってしまっても仕方ないんじゃないかしら」
「そういえば、ここに配属された人達は何故、サージ様のお怒りに?」
「自業自得なのだけど、ここに今日配属になった人達は魔王様の世話係りに下手なことをしたらしいわよ」
魔王様の世話係りの事は少し前にここで働く魔族全体に連絡がきたので私でも知っています。
(下手な事?ですか?)
「下手な事ってなによ?」
「あの人達、魔王様の世話係りの悪口を言っていたみたいなの」
「え?本当に?」
「ええ、本当に馬鹿な話でしょ?魔族のそれも最上級の方々が直々にここで働く魔族全体に連絡をしてきたのよ?そんな重大な人の悪口を言うなんて、、、自業自得でしょ?」
「魔王様ほどではなくてもそれと同じくらい大事な方にそんな事をしたの?本当に馬鹿で自業自得ね」
私もそれを聞き二人に共感してしまいました。
魔王様の世話係りとは最上級の方々がここで働く魔族全体に連絡するほどに大事で大切な方だと私でも分かりました。
(そんな方の悪口を言うなんて、、、どんなに優秀だろうと、どんなに家柄が良かろうとそんな事をしたなら魔王様付きから一番下の仕事だと言われているこの仕事に配属されるのも分かります)
それから色々な方がここに訪れて魔王様の世話係りの悪口を言った者達の顔を見ようとしておりました。
その方達も最後には
魔王様の世話係りに手を出すべからず
と言って帰っていきました。
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