愛しき魔王様はレベル1

あおい夜

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一章 赤ちゃんは魔王様

あいつは選ばれた魔王様の世話係り (サージ視点)

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あの二人に忠告したあと魔王様の部屋に向かうと他の魔族達が驚愕した顔で部屋の中を見ていた。
そして部屋の前には壁にのめり込んでる奴と頭だけ天井を突き刺さった奴と遠くで倒れてる奴が居た。
(何が合ったんだ?魔王様にでもヤられたか?)

「うっ、うっ、きゃあ!レーヤぁ」
「はいはい、何ですか魔王様?」
「きゃきゃ、ふっ、きゅう、あ~、うっ!」
「お、うんちですか?よし、頑張って踏ん張りましょうね~」
「うっうっ、ん~っ!」
「そう、上手ですよ。ん~っです」
「あうっ、ん~っ、、ふぅ」
「上手に出来ましたね?オムツを替えましょうね?」

魔王様は寝起きの不機嫌さはなくなっており部屋では雷で色々と焦げている物と者があるが平和そうだ。
他の魔族達はこの光景を見て驚愕していたようだ。
(確かに、魔王様があそこまで懐くのは驚いたが、、、あいつは我ら上級の魔族、そのなかでも力が抜きん出ている最上級の者達が喚んだ魔王様の世話係りだぞ?普通のわけないだろう?)

「ここで何をしている」
「あ、サージ様」
「あ、あの者はいったい、、」
「魔王様があんな、あんな、、」
「それに、コイツらをこんな風(壁にのめり込んだ者達)にしたあいつの力はいったい」

魔族共はアイツ、レーヤに怯えや畏怖を向けながら俺に質問してきた。
(コイツらは本当に何も分かっていないな)

「少し前に魔王様の世話係りを喚ぶと魔族全てに連絡がいったと思うが?」
「え?あ、はい。確かに連絡はもらいました」
「それは、もしかして、、」
「そうだ。アイツが魔王様の世話係りだ」

俺がそう言うと魔族共はざわざわとうるさく騒ぎだした。

「アレが?」
「世話係りっ普通の世話係りじゃないのかよ!」
「私に聞かないでよ!」
「何であんな奴が?」
「ただの世話係りだろ?なんで魔王様の雷が当たってもピンピンしてるんだ!」
「あの様子じゃ当たったって事も気づいてないんじゃないか?」
「しかもアイツ、魔王様の方へ向かうときコイツら (天井に突き刺さってる奴を指差す)を軽く退けただけでこんなんにしたんだぞ?」
「ウソだろ?なんで世話係りがそんな力持ってんだ?」

本当にこの魔族共は何も分かっていない。
先ほどレーヤを引き止めていた二人の方がよほど分かっていた。
(の世話係りだぞ?その意味を分かってないのかコイツら)

「アイツは魔王様の世話係りだぞ?そんな者が普通なわけがないに決まっているだろう?もう一度言うぞ?アイツはの世話係りだ」
「それは分かっております!」
「ですが何故ただの世話係りが!」
「お前達は本当に何も分かってないな。丁寧にお前達(バカ)にも分かる様に説明してやろう」

俺はため息を吐きながらゆっくりとバカにも分かりやすく説明してやった。
(何故コイツらは泣くだけで普通の魔族なら黒こげにされるほどの雷を放つ魔王様の世話を普通の者が出来ると思っているんだ?本当に理解力のないバカ共だな)

「お前達は本当にあの魔王様の世話係りが普通の者に出来ると思っているのか?泣くだけで普通の魔族なら亡くなるほどの魔法を放つ魔王様の世話を普通の者が出来ると本当に思っているのか?」
「あ、」
「それは、その」
「無理、です」
「我々、中級でも泣く魔王様には近づくことも出来ません」

俺がゆっくりと丁寧に説明してやるとバカ共は顔を青ざめさせながら頷いたのでようやく分かったらしい。
(俺もさすがにあそこまで凄い者がくるとは思わなかったがな。ただのちょっとした威嚇用だとしても魔王様の雷に当たって気がつかないとは、、、良い者を喚んだな)



レーヤは知らない。
魔王様の世話係りを召喚するさい最上級の魔族達が立てなくなるほどの力を全て注ぎ込み召喚した事を
魔王様の護衛や召喚した世話係りのために一人だけ残した (力を注いでいないとは言ってない)のが俺という事を
そして、レーヤを召喚する時に使った力は魔族の力だけではなく聖なる者と言われる勇者の力が残っている歴代の勇者達がこの城に残した物全てを使ったという事を
魔王様の世話係りであるレーヤは何も知らない。

(あいつは選ばれた者だ。その力は歴代の勇者達を凌ぐほど強いだろう。魔王様に相応しい世話係りだ)





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