愛しき魔王様はレベル1

あおい夜

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一章 赤ちゃんは魔王様

オレは控えめで押しに弱い日本人なんです

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魔王様の部屋に赤ちゃんのオモチャやぬいぐるみなどがたくさん届いた。
(サージさん、仕事が早い!)

「まだ1日しかたってねぇのに、よくこんなに早く用意出来るよな?」

そう、オレが召喚されて魔王様の世話係りになって1日が経過した。
世話係りといっても魔王様は赤ちゃんなのでほとんど寝ている。
しかも夜泣きなどしない。
なので魔王様が寝ている間は暇なのだ。
(普通の赤ちゃんならもっと大変なんだけどな?やっぱり魔族だと何か違うんかな?サージさんに聞いておこう)

「あ、そういえばオムツがもう無くなりそうなんだった。早めに用意しとかないと」

寝たばかりの魔王様の横に届いたばかりのクマっぽいなにかのぬいぐるみを置いて部屋を出る。
(ん?サージさんの気配が無い?いつもは部屋を出たら直ぐにサージさんが居るのが分かるのに、、、近くに誰か、、あ、女官さんみたいな人発見!あの人にサージさんの事聞いてみよう!、、、話しかけるの緊張するけど)

「あの、すみません」
「はい?」
「あの、サージさ、」
「ああ、貴方サージ様の従者?サージ様なら会議でしょう?何か用?」

なんか食い気味に言われた上に勘違いされてるが用があるのは本当なので言ってみる。
(オレは魔王様の世話係りでサージさんの従者じゃないんだけどなぁ?まぁ良いか)

「あ、はい、魔王様のオムツがもう無いのですが用意し、」
「魔王様のオムツ?ならこっちよ!」

用意して欲しいと言おうとしたのにまた食い気味に言われた上に引っ張られた。
(え?自分で用意しろって事?けど、)

「あ、あの、オレ」
「ああ、はいはい、新人なのね?心配しなくても魔王様のストックが何処にあるかちゃんと教えるわよ」
「いえ、違く、」
「ほら、あそこが魔王様が使われる物のストックよ」

魔王様が起きるといけないから早く部屋に戻りたいんだけど、この女官 (?)さんは話を聞かないようでグイグイとオレを引っ張り部屋の説明をする。 
(人の話を聞かない上に話が長いとか、勘弁して!けど、言いづらい。オレって控えめでシャイな日本人だから、、、知らない人でも気分を害されるのはちょっと嫌なんだよなぁ)

「~だから、ここはいつも綺麗に保っているのよ!それから」
「あの!オレ、用事があるので魔王様のオムツを受け取ったら戻ります!」
「あら、用事があるの?サージ様のご用事かしら?なら、仕方ないわね。はい、魔王様のオムツ」
「ありがとうございます。では、」
「おや?こんな所で何をやっているのかな?」

ようやく自分の意見を言えて部屋に戻れると思ったらまた誰かに話しかけられた。
(マジで勘弁して!魔王様が起きちゃうじゃん!また一人だと思って泣いちゃうだろ!しかもオレはちょっと慣れないとちゃんとお話出来ないコミュ障なんだよ!)

「あの、オレ、用事があるので失礼し、」
「コラ、この方は魔王様の側近の部下よ!失礼な態度をとらないの!」
「いえ、そうでなく、オレは用事が、」
「いいから!失礼しました!この子まだ新人みたいで」
「いや、新人なら仕方ないさ。それでここで何を?」
「この子が魔王様のオムツのストックを取りに行くようにサージ様に頼まれたみたいで」

女官 (?)の人はオレに頭を下げさせて誤ると側近の部下の人の質問に答えてた。
(いや、オレはサージさんの従者じゃないしオムツを取りに行くよう言われてないし、それに早く戻らないと魔王様が起きちゃうっていうのに!)

「あの、」
「何をしている!」

もう一度勇気を出して話しかけようとしたらまた遮られた。
(なにこれ泣きたい)



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