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三章 嫌われ者達とぼく
遊んで?遊ぼう?捕まえてあげる!
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拓己達は走って走ってあの階段の所まで来ていた。
階段の主であるだろう女子高生が見えないはずのぼく達の気配を感じてこっちをじっと見ていた。
けれどやはりぼく達の事は見えないのだろう。その証拠に目線がぼく達から少し外れていた。
拓巳達は自分達が見えていると思ったのか固まっていた。
(迂闊に音を出したり声を出したりしないだけ良いんだろうけど、、、だんだん近づいて来てる。けど向こうに行くのはここを進むより危ない、、、どうしよう?)
『あは、アハハは、、、こっちに来タ?ミエナイけど気配がする。近くに居るヨネ?どこ?何処?ドコ?こっちから人間の匂いが、ガガ、するー、は、アハ?、、、』
女子高生は手で動かない足を引きずりながらぼく達の所に近づいて来る。
女子高生が手を伸ばせば届くくらい近くに来ると固まっていた拓巳はぼくを守る様に抱き抱え、兼太は雪夜を守る様に雪夜の前に立ち、一華は水希を守る様に抱き締めた。
女子高生は一番近くに居た兼太に気配だけを頼りにして手を伸ばしたが、途中で手を止めて狂った様に笑っていた声も止んだ。
(どうしたんだろう?兼太に何もなくて良かったけど)
『、、、い、イヤー!イヤいや嫌ぁー!』
女子高生は恐怖が滲んでいる叫び声を出しながら手だけで体を引きずりながら凄い速さで何かから逃げ出した。
(何かに酷く怯えてたみたいだけど何が、、ッ!)
「は、はぁ、ヤバかった!」
「しかし何かに怯えて逃げたようだが?」
「まぁ、どうでもいいから今のうちに早く階段を登って女子トイレに行って花子さんを呼びましょう」
「、、、。」
「せ、先輩達」
「ん?どうした?」
「あの、その、、、、守ってくれてありがとうございます」
「僕も助かりました。ありがとうございます」
「お前らはオレ達より年下だろ?」
「しかも俺達の大事な可愛い後輩でもある」
「守ってあげるのは当然でしょ?」
雪夜と水希は他の三人に頭を撫でられて顔を真っ赤にしていた。
ぼくもいつもなら守って貰ったお礼をしている所だろうけど、今のぼくにその余裕はなかった。
(みんなにはあの声が聞こえなかったのかな?あの、、小さな女の子の笑い声が)
『ふふっ、キャハハハ!お姉ちゃんとお兄ちゃんたち見ぃ~つけた!早く逃げないと捕まえちゃうよ?』
「ッ!」
「なっ!」
「えっ!?」
「あ、あ、、」
「くそ、忘れてた!みんな早く!」
『もう少しだけ待っててあげるから、もっと私と遊んでね?』
そしてまた数を数え始めた女の子をそこに残して拓巳達は全力で走って階段を登った。
(やっぱり、あの子は拓巳達の姿が見えてるんだ。だけどぼくの姿は見えてないみたいだった。多分このネックレスはぼくの事を一番守る対象に成ってるからあんなに強い幽霊にもぼくの姿ともしかしたら気配さえ感じ取れないんだろうな)
『は~ち、きゅ~う、じゅ~う!次は捕まえるからね?』
その声が階段の下から聞こえてきたけど、ぼく達の目の前には最初に会った関節が反対になったオジサンが女子トイレの前に居た。
ゆっくりと階段を上がって来る幼い女の子の足音がして来るがオジサンが目の前に居て何処にも行けない。
女の子がぼく達の後ろまで来たのが分かるが金縛りにあったかの様に拓巳達はピクリとも動かなかった。
(まさか本当に金縛りにあってる?どっちにしても捕まるのは駄目だ。どうすれば、、、空、海、陸、陽、陰、、、助けて)
”リィン、リィ~ン、リィ~“
そう強く願うと鈴が鳴りネックレスが緑と青の強い光を放った。
階段の主であるだろう女子高生が見えないはずのぼく達の気配を感じてこっちをじっと見ていた。
けれどやはりぼく達の事は見えないのだろう。その証拠に目線がぼく達から少し外れていた。
拓巳達は自分達が見えていると思ったのか固まっていた。
(迂闊に音を出したり声を出したりしないだけ良いんだろうけど、、、だんだん近づいて来てる。けど向こうに行くのはここを進むより危ない、、、どうしよう?)
『あは、アハハは、、、こっちに来タ?ミエナイけど気配がする。近くに居るヨネ?どこ?何処?ドコ?こっちから人間の匂いが、ガガ、するー、は、アハ?、、、』
女子高生は手で動かない足を引きずりながらぼく達の所に近づいて来る。
女子高生が手を伸ばせば届くくらい近くに来ると固まっていた拓巳はぼくを守る様に抱き抱え、兼太は雪夜を守る様に雪夜の前に立ち、一華は水希を守る様に抱き締めた。
女子高生は一番近くに居た兼太に気配だけを頼りにして手を伸ばしたが、途中で手を止めて狂った様に笑っていた声も止んだ。
(どうしたんだろう?兼太に何もなくて良かったけど)
『、、、い、イヤー!イヤいや嫌ぁー!』
女子高生は恐怖が滲んでいる叫び声を出しながら手だけで体を引きずりながら凄い速さで何かから逃げ出した。
(何かに酷く怯えてたみたいだけど何が、、ッ!)
「は、はぁ、ヤバかった!」
「しかし何かに怯えて逃げたようだが?」
「まぁ、どうでもいいから今のうちに早く階段を登って女子トイレに行って花子さんを呼びましょう」
「、、、。」
「せ、先輩達」
「ん?どうした?」
「あの、その、、、、守ってくれてありがとうございます」
「僕も助かりました。ありがとうございます」
「お前らはオレ達より年下だろ?」
「しかも俺達の大事な可愛い後輩でもある」
「守ってあげるのは当然でしょ?」
雪夜と水希は他の三人に頭を撫でられて顔を真っ赤にしていた。
ぼくもいつもなら守って貰ったお礼をしている所だろうけど、今のぼくにその余裕はなかった。
(みんなにはあの声が聞こえなかったのかな?あの、、小さな女の子の笑い声が)
『ふふっ、キャハハハ!お姉ちゃんとお兄ちゃんたち見ぃ~つけた!早く逃げないと捕まえちゃうよ?』
「ッ!」
「なっ!」
「えっ!?」
「あ、あ、、」
「くそ、忘れてた!みんな早く!」
『もう少しだけ待っててあげるから、もっと私と遊んでね?』
そしてまた数を数え始めた女の子をそこに残して拓巳達は全力で走って階段を登った。
(やっぱり、あの子は拓巳達の姿が見えてるんだ。だけどぼくの姿は見えてないみたいだった。多分このネックレスはぼくの事を一番守る対象に成ってるからあんなに強い幽霊にもぼくの姿ともしかしたら気配さえ感じ取れないんだろうな)
『は~ち、きゅ~う、じゅ~う!次は捕まえるからね?』
その声が階段の下から聞こえてきたけど、ぼく達の目の前には最初に会った関節が反対になったオジサンが女子トイレの前に居た。
ゆっくりと階段を上がって来る幼い女の子の足音がして来るがオジサンが目の前に居て何処にも行けない。
女の子がぼく達の後ろまで来たのが分かるが金縛りにあったかの様に拓巳達はピクリとも動かなかった。
(まさか本当に金縛りにあってる?どっちにしても捕まるのは駄目だ。どうすれば、、、空、海、陸、陽、陰、、、助けて)
”リィン、リィ~ン、リィ~“
そう強く願うと鈴が鳴りネックレスが緑と青の強い光を放った。
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