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三章 嫌われ者達とぼく
内側と外側~後編~
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青天視点
アレが現れた瞬間に花子さんじゃないと分かった。
それを知らない拓巳達が偽物の花子さんに話しかけた。
「本当に来た、良かった」
「それで助けは呼べた?」
「花子さんが居るなら少しの間は大丈夫だね」
拓巳達が話しかけている間にぼくは不自然じゃない様に偽物の花子さんから少しづつ離れて一番後ろに居た雪夜の袖を引っ張った。
「なに?」
「、、、アレは違う、ぼくの友達じゃない。けどバレたらダメだからバレない様に知らせて、アレから離れないとダメ」
「、、、アレは君の友達じゃないんだね?分かったみんなに知らせるよ」
「うん、頼むよ」
雪夜は拓巳達みんなに偽物の花子さんにバレない様に普通の態度で言った。
「花子さんが居る間に身を守れる物を探しませんか?良いですよね、花子さん?」
「ええ、もちろん良いわ」
「確かに身を守れる物を探さなくてはな」
「トイレの中にある物っていったらブラシ?」
「あとはトイレットペーパーとかですかね?」
「トイレットペーパーって何かの役に立つのかしら?」
そう言いながら偽物の花子さんの側からみんなが離れた。
偽物の花子さんはトイレのドアの中から出ないけどこっちをずっと見ている。
偽物の花子さんから少し離れて小さな声では聞こえない所まで来たらみんなに小声で雪夜が話した。
「みなさん話したい事があるのですが、知られるとヤバいので死ぬ気でそのままの態度でいて下さい」
「死ぬ気でって」
「青天から聞いたんですけど、、、あの花子さんは偽物です」
「はあ?」
「しぃー、、アレにバレない様にして下さい。バレたと分かった襲って来ますよ」
「わりぃ」
「今から青天が本物の花子さんを呼ぶそうですから僕達は邪魔にならない様に偽物から距離を取ったここで待機です。良いですね?」
「もちろんだ。だが青天は大丈夫なのか?」
「、、、花子さんが直ぐに来ると思うからアレが襲って来てもギリギリで大丈夫だと思う。じゃあ、行って来る」
ぼくは偽物の花子さんから一番離れたトイレの前に立ってから花子さんを呼んだ。
“コンコン”
「はな、」
「お前!何してる!やめろ!」
「花子さん、来て」
「やめろー!呼ぶな!死ねー!」
偽物の花子さんはその形を崩しどんどん大きくなり最後にはかなり太った偉そうなおじさんに成りぼくに襲いかかった。
そいつの手がぼくに届きそうになった時、空間が歪んだ。
(あ、来た)
「私の可愛い青天ちゃんに何しようとしてるの?ここはもう私の領域よ出ていきなさい!」
「な、本物が来るとは!くそ!こいつだけだけでも、、ぐっ!くっそー!」
太った偉そうなおじさんは弾かれる様に何処かに消えた。
「青天ちゃん!大丈夫?何処にも怪我してない?」
「うん、大丈夫。助けてくれてありがとう、花子さん」
「良いのよそんな事より青天ちゃんが無事で良かったわ!」
花子さんはぼくを抱き締めてそう言った。
それを見ていた拓巳達がぼく達の元に来る。
「良かった、今度は本物か」
「まさか偽物があんな偉そうなデブのオッサンとは思わなかった」
「確かにアレはないわね。可愛い女の子からのアレは一種の暴力だったわ」
「青天ちゃんも無事で良かった」
「そういえばどうしてアレが花子さんでは無いと分かったの?」
「最初は空間が歪んだ感じがしなかったのと最後まで花子さんの事を呼んでないのに来た事それと、、、花子さんがぼくの名前を呼んで抱き締めて来なかったから。後はぼくの中の何かがアレは違うって感じたからかな?」
「青天ちゃん!私、私、嬉しいわ!ちゃんと私の事を分かってるのね!」
「うん、ちゃんと花子さんが花子さんだって分かるよ。これも何故か分からないけど、どんなに花子さんに似ていてもそれがぼくの知ってる花子さんじゃなければ違うって感じると思う」
ぼくがそう言うと花子さんは嬉しかったのかぎゅうぎゅうとぼくを抱き締めてきた。
(ちょっと苦しいけど花子さんが嬉しそうだから良いか)
「あ、そういえばぼくの親達に説明出来た?」
「ええ、もう大丈夫よ。あの方達が青天ちゃんを迎えに来てくださるわ!ただ、、、」
「ただ?」
「この空間を探すのに時間がかかるでしょうね。ここは境道の中の歪みの中の空間ですからね」
境道と歪みの事をよく知らないぼく達に花子さんがどういうモノか説明してくれたので何となく分かった。
「それとごめんなさいね?青天ちゃん。さっきのアレを追い出した時に結構たくさん力を使ってしまったみたいでもう少しで私はここから居なくなるわ」
「助けてくれたんだから謝らないで?それより花子さんが居なくなる前にどうするか少しみんなで話し合おう?」
ぼくがそう言うと拓巳達が頷いてくれたので話し合う事になった。
海視点
月兎と俺達兄弟は境道に入り青天達が居る歪みを探していた。
(空の奴やっぱりまだ動揺してるな。青天は空の何よりも大切な者だから仕方ねぇな。まぁ、そんな事いってる俺達兄弟みんなまだ動揺してるんだけどな)
「あいつはお守りを持ってるはずだからそれを目印にして探してみるか」
「ああ、、、なぁ兄さん」
「うん?どうした?」
「青天は無事だよな?怪我をしてなければ良いんだが」
「あのお守りを持ってるんだぜ?無事に決まってるっての」
「、、、そうだな。すまない弱気になって」
「可愛い弟の事ならなんでも兄さんが受け止めてやるから謝んな、な?」
「ああ、ありがとな兄さん」
少し離れて歩いてた下の弟達と月兎がこっちに近づいて来たその時ある音と力を感じた。
『リィ~ン、リィ~、、、』
その音が聞こえた所から俺達兄弟の力を感じた。
「せ、い、、、青天?」
「これ青に渡したお守りの音と」
「ボク達がお守りに込めた力だ!」
「か、、、狐兄さん!音と力は何処から?」
「今探ってる!ちょっと待ってろ!、、、ここだ!」
俺が音と力の出てる場所を探り当てるとその空間を陸が力で無理矢理こじ開けた。
その空間が開いた瞬間、空が凄い速さで飛び込んだ。
「青天!」
「待て!そ、、くそ、お前ら早くカラスを追いかけるぞ!」
「分かってる!一人じゃ危ないってのに!」
「猫、ボクに掴まって」
「うん。あ、月兎もイヌ兄さんに掴まって」
「はい、分かりました」
俺達は空の後を追いかけてその空間に飛び込んだ。
(あのお守りがここまで力を出すって事は、、、青天、無事で居ろよ!)
アレが現れた瞬間に花子さんじゃないと分かった。
それを知らない拓巳達が偽物の花子さんに話しかけた。
「本当に来た、良かった」
「それで助けは呼べた?」
「花子さんが居るなら少しの間は大丈夫だね」
拓巳達が話しかけている間にぼくは不自然じゃない様に偽物の花子さんから少しづつ離れて一番後ろに居た雪夜の袖を引っ張った。
「なに?」
「、、、アレは違う、ぼくの友達じゃない。けどバレたらダメだからバレない様に知らせて、アレから離れないとダメ」
「、、、アレは君の友達じゃないんだね?分かったみんなに知らせるよ」
「うん、頼むよ」
雪夜は拓巳達みんなに偽物の花子さんにバレない様に普通の態度で言った。
「花子さんが居る間に身を守れる物を探しませんか?良いですよね、花子さん?」
「ええ、もちろん良いわ」
「確かに身を守れる物を探さなくてはな」
「トイレの中にある物っていったらブラシ?」
「あとはトイレットペーパーとかですかね?」
「トイレットペーパーって何かの役に立つのかしら?」
そう言いながら偽物の花子さんの側からみんなが離れた。
偽物の花子さんはトイレのドアの中から出ないけどこっちをずっと見ている。
偽物の花子さんから少し離れて小さな声では聞こえない所まで来たらみんなに小声で雪夜が話した。
「みなさん話したい事があるのですが、知られるとヤバいので死ぬ気でそのままの態度でいて下さい」
「死ぬ気でって」
「青天から聞いたんですけど、、、あの花子さんは偽物です」
「はあ?」
「しぃー、、アレにバレない様にして下さい。バレたと分かった襲って来ますよ」
「わりぃ」
「今から青天が本物の花子さんを呼ぶそうですから僕達は邪魔にならない様に偽物から距離を取ったここで待機です。良いですね?」
「もちろんだ。だが青天は大丈夫なのか?」
「、、、花子さんが直ぐに来ると思うからアレが襲って来てもギリギリで大丈夫だと思う。じゃあ、行って来る」
ぼくは偽物の花子さんから一番離れたトイレの前に立ってから花子さんを呼んだ。
“コンコン”
「はな、」
「お前!何してる!やめろ!」
「花子さん、来て」
「やめろー!呼ぶな!死ねー!」
偽物の花子さんはその形を崩しどんどん大きくなり最後にはかなり太った偉そうなおじさんに成りぼくに襲いかかった。
そいつの手がぼくに届きそうになった時、空間が歪んだ。
(あ、来た)
「私の可愛い青天ちゃんに何しようとしてるの?ここはもう私の領域よ出ていきなさい!」
「な、本物が来るとは!くそ!こいつだけだけでも、、ぐっ!くっそー!」
太った偉そうなおじさんは弾かれる様に何処かに消えた。
「青天ちゃん!大丈夫?何処にも怪我してない?」
「うん、大丈夫。助けてくれてありがとう、花子さん」
「良いのよそんな事より青天ちゃんが無事で良かったわ!」
花子さんはぼくを抱き締めてそう言った。
それを見ていた拓巳達がぼく達の元に来る。
「良かった、今度は本物か」
「まさか偽物があんな偉そうなデブのオッサンとは思わなかった」
「確かにアレはないわね。可愛い女の子からのアレは一種の暴力だったわ」
「青天ちゃんも無事で良かった」
「そういえばどうしてアレが花子さんでは無いと分かったの?」
「最初は空間が歪んだ感じがしなかったのと最後まで花子さんの事を呼んでないのに来た事それと、、、花子さんがぼくの名前を呼んで抱き締めて来なかったから。後はぼくの中の何かがアレは違うって感じたからかな?」
「青天ちゃん!私、私、嬉しいわ!ちゃんと私の事を分かってるのね!」
「うん、ちゃんと花子さんが花子さんだって分かるよ。これも何故か分からないけど、どんなに花子さんに似ていてもそれがぼくの知ってる花子さんじゃなければ違うって感じると思う」
ぼくがそう言うと花子さんは嬉しかったのかぎゅうぎゅうとぼくを抱き締めてきた。
(ちょっと苦しいけど花子さんが嬉しそうだから良いか)
「あ、そういえばぼくの親達に説明出来た?」
「ええ、もう大丈夫よ。あの方達が青天ちゃんを迎えに来てくださるわ!ただ、、、」
「ただ?」
「この空間を探すのに時間がかかるでしょうね。ここは境道の中の歪みの中の空間ですからね」
境道と歪みの事をよく知らないぼく達に花子さんがどういうモノか説明してくれたので何となく分かった。
「それとごめんなさいね?青天ちゃん。さっきのアレを追い出した時に結構たくさん力を使ってしまったみたいでもう少しで私はここから居なくなるわ」
「助けてくれたんだから謝らないで?それより花子さんが居なくなる前にどうするか少しみんなで話し合おう?」
ぼくがそう言うと拓巳達が頷いてくれたので話し合う事になった。
海視点
月兎と俺達兄弟は境道に入り青天達が居る歪みを探していた。
(空の奴やっぱりまだ動揺してるな。青天は空の何よりも大切な者だから仕方ねぇな。まぁ、そんな事いってる俺達兄弟みんなまだ動揺してるんだけどな)
「あいつはお守りを持ってるはずだからそれを目印にして探してみるか」
「ああ、、、なぁ兄さん」
「うん?どうした?」
「青天は無事だよな?怪我をしてなければ良いんだが」
「あのお守りを持ってるんだぜ?無事に決まってるっての」
「、、、そうだな。すまない弱気になって」
「可愛い弟の事ならなんでも兄さんが受け止めてやるから謝んな、な?」
「ああ、ありがとな兄さん」
少し離れて歩いてた下の弟達と月兎がこっちに近づいて来たその時ある音と力を感じた。
『リィ~ン、リィ~、、、』
その音が聞こえた所から俺達兄弟の力を感じた。
「せ、い、、、青天?」
「これ青に渡したお守りの音と」
「ボク達がお守りに込めた力だ!」
「か、、、狐兄さん!音と力は何処から?」
「今探ってる!ちょっと待ってろ!、、、ここだ!」
俺が音と力の出てる場所を探り当てるとその空間を陸が力で無理矢理こじ開けた。
その空間が開いた瞬間、空が凄い速さで飛び込んだ。
「青天!」
「待て!そ、、くそ、お前ら早くカラスを追いかけるぞ!」
「分かってる!一人じゃ危ないってのに!」
「猫、ボクに掴まって」
「うん。あ、月兎もイヌ兄さんに掴まって」
「はい、分かりました」
俺達は空の後を追いかけてその空間に飛び込んだ。
(あのお守りがここまで力を出すって事は、、、青天、無事で居ろよ!)
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