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三章 嫌われ者達とぼく
内側と外側~中編~
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青天視点
幽霊の女の子はずっと見え無いはずのぼく達の方を静かにじっと見て居る。
拓巳達は固まってしまって動かない。
(目線が少しずれてるから本当は見えて無いんだ。けど何で急にこっちを見て来たのかな?)
「ダレ?誰かイルの?見えナイ?ミエナァイ、私を落としたヤツも見えナカッた。ワタシを落としたヤツ?、、、ユルさない、見え無い、許さない、私の足をワタシのアシタを奪った奴!ユルさない!何処だ?ドコにイル?ミエ無い!ドコ、ドコだ?ドコだ何処だドコだ何処だ何処だドコだ」
“ズリズル、ずりずり、ずるずる”
見えていないが気配でぼく達の事を感じたのかその子は手で這いずってこっちに近づいて来た。
拓己達は恐怖のあまり動けなくなってるみたいなのでぼくは拓己から降りて被っていた帽子を思いっきり幽霊の女の子の後ろに投げた。
(これで少しは目をそらしてくれるはず)
“パサッ”
「、、、ソコかー!」
“ズルズルズル~”
帽子が落ちた方向に幽霊の女の子が反応してそっちに凄い速さで這いずって行った。
ぼくはこの面子のリーダーである拓己の袖を引き早く行こうと促した。
拓己も幽霊の女の子が気をそらした為、少し余裕が出たのかみんなの肩を叩いて音をたてない様に慎重に階段を降りた。
拓己に肩を叩かれたみんなも気を取り戻して拓己の後に続いた。
ぼく達は近くにあった女子トイレに入り中に何も居ないか確認して何も居ないと分かり少し気を抜いた。
「はぁ~、もう駄目かと思った!」
「私も」
「わ、私もです」
「まさか気づかれるとは思っていませんでしたからね」
「青天、すまない助かった。帽子は俺達でどうにか弁償するからな?」
「ううん、帽子はいっぱいあるから弁償しなくて良いよ」
「え?、、、」
「うわぁ、、、美少女」
「か、可愛い!」
「抱っこしたい!」
「綺麗な子だね、、、目が青い?」
実は今までは帽子で顔が隠れていたのでみんなに顔を見せるのは初めてなんだ。
三十分までまだ時間があるので少しお話をする事にした。
「ぼくの目が青いのは生まれつきだよ」
「ああ、アルビノと同じ様なやつだよね?」
「うん、ぼくは難しくて良く分からなかったけど雪夜は知ってるの?」
「僕も詳しくは知らないけどアルビノと同じで遺伝子のせいでそうなる人が少ないけど居るのは知ってるよ」
「そうなんだ。雪夜は賢いんだね」
「ああ、雪夜が居なかったら俺達は生きて居なかっただろうからな」
「ここよりヤバい所は行った事が無いけど危ない目に合った事は結構あるわ。雪夜みたいに頭が良くて冷静な子が居るお陰で助かった事が沢山あるわ」
「うん。雪夜くんにはいつも迷惑かけちゃうけどいつも助けてくれるの」
「ま、生意気だけど可愛い後輩だよ」
「うるさいですよ」
少し冷たい声でそう言った雪夜だけど背けた顔はぼくの方を向いていてその顔は少し赤くなっていて嬉しそうに見えた。
それから少し話をして緊張していた何かが少し解れたような気がした。
(みんな中が良いんだな、、、空達と少し似た様な雰囲気を感じるな)
「時間だ。花子さんを呼ぶね?」
“コンコン”
「花子さ」
“ガチャ”
「良かった、みんな無事ね?」
みんな花子さんが出て来てホッとしているけどぼくは少し焦った。
(、、、違う。コレは違う、、、、花子さんじゃ無い)
空視点
話して居るとやはり青天と一緒に居る混ざり子の仲間みたいだ。
「アヤカシが居てあいつらを連れて行った奴らかと思って警戒してしまったが烏天狗は人の子が大好きな者が多いから違うと思いまして。しかし、あなた方の子も巻き込まれてしまったとは」
「君は何故この場所が分かったんだ?何も知らなかったんだろう?」
「俺は占いが得意でしてね。嫌な予感がしてあいつらの事を占ってみたらここが浮かんだので来てみたんですよ」
「へぇー、俺は占い苦手だから羨ましいな」
「兄さん、、、すまないな人の子」
「あー、俺の名前は月兎って名前なのでそう呼んで下さい神様達」
「名前を安易に教えては、」
「いけないってのは知ってますが貴方達は良い神様達みたいだと俺の直感が言ってますので良いんですよ。それと勘違いしているみたいなので言いますが俺こう見えても大学一年生ですから」
「大学一年生?どう見ても十五才くらいにしか」
「俺もアヤカシと人間のハーフなのでちょっと普通の人より成長が遅いだけです神様」
「お前良く俺達が神様って分かったな?それも直感?」
「ええ、俺の直感は良く当たるので」
海兄さんは少し何か考えてから月兎に言った。
「俺達の名前はまだ教えられないが俺達の子を取り戻してからなら教えてやるよ。お前達は良い奴らみたいだしな?取り敢えず俺の事は狐って呼んで?」
「ならオレはカラスで良い」
「そうなると僕は鬼だね」
「ボクは!、、イヌ!」
「オレの事は猫って呼んで」
「はい分かりました」
取り敢えず月兎と協力して青天達を助ける事になった。
(兄さんは月兎の事を気に入ったみたいだな)
「それじゃあまずは俺達の子たちがいるはずの人とアヤカシ世界の境(さかい)の歪み(ひずみ)の何処に居るかを探さないとな」
「歪み?」
「人とアヤカシ世界は同じ場所にある違う所なのは知って居る?」
「鬼さん?はい、それは知っています」
「その人とアヤカシ世界を行き来する所が境なんだ境道(さかいみち)とも言うんだけどその境道の何処かに別の空間を作るのを歪みって言うんだ。簡単に言うと境道の何処かにある別の空間を探さないといけないから少し時間がかかるんだよ」
「そうなんですか、、、あいつらは強いけどまだ子供ですから早く見つけて助けてやらないと怖い思いをしてるはずなんで」
「そうだね。オレ達の子も冷静で強い子だけど本当はもう何にも怯えて欲しくないし幸せだけを感じて生きて欲しいんだ」
「猫さん」
「早くみんな助けてあげたいね!みんなボク達の事待ってるはずだから早く助けてあげようね!」
「イヌさん、、、はい、そうですね。早く助けてあげたいです」
オレ達は手分けして歪みを探す事にした。
(学校全体の境道から歪みを探さないとならないから時間がかかりそうだな、、、青天は大丈夫だろうか?)
幽霊の女の子はずっと見え無いはずのぼく達の方を静かにじっと見て居る。
拓巳達は固まってしまって動かない。
(目線が少しずれてるから本当は見えて無いんだ。けど何で急にこっちを見て来たのかな?)
「ダレ?誰かイルの?見えナイ?ミエナァイ、私を落としたヤツも見えナカッた。ワタシを落としたヤツ?、、、ユルさない、見え無い、許さない、私の足をワタシのアシタを奪った奴!ユルさない!何処だ?ドコにイル?ミエ無い!ドコ、ドコだ?ドコだ何処だドコだ何処だ何処だドコだ」
“ズリズル、ずりずり、ずるずる”
見えていないが気配でぼく達の事を感じたのかその子は手で這いずってこっちに近づいて来た。
拓己達は恐怖のあまり動けなくなってるみたいなのでぼくは拓己から降りて被っていた帽子を思いっきり幽霊の女の子の後ろに投げた。
(これで少しは目をそらしてくれるはず)
“パサッ”
「、、、ソコかー!」
“ズルズルズル~”
帽子が落ちた方向に幽霊の女の子が反応してそっちに凄い速さで這いずって行った。
ぼくはこの面子のリーダーである拓己の袖を引き早く行こうと促した。
拓己も幽霊の女の子が気をそらした為、少し余裕が出たのかみんなの肩を叩いて音をたてない様に慎重に階段を降りた。
拓己に肩を叩かれたみんなも気を取り戻して拓己の後に続いた。
ぼく達は近くにあった女子トイレに入り中に何も居ないか確認して何も居ないと分かり少し気を抜いた。
「はぁ~、もう駄目かと思った!」
「私も」
「わ、私もです」
「まさか気づかれるとは思っていませんでしたからね」
「青天、すまない助かった。帽子は俺達でどうにか弁償するからな?」
「ううん、帽子はいっぱいあるから弁償しなくて良いよ」
「え?、、、」
「うわぁ、、、美少女」
「か、可愛い!」
「抱っこしたい!」
「綺麗な子だね、、、目が青い?」
実は今までは帽子で顔が隠れていたのでみんなに顔を見せるのは初めてなんだ。
三十分までまだ時間があるので少しお話をする事にした。
「ぼくの目が青いのは生まれつきだよ」
「ああ、アルビノと同じ様なやつだよね?」
「うん、ぼくは難しくて良く分からなかったけど雪夜は知ってるの?」
「僕も詳しくは知らないけどアルビノと同じで遺伝子のせいでそうなる人が少ないけど居るのは知ってるよ」
「そうなんだ。雪夜は賢いんだね」
「ああ、雪夜が居なかったら俺達は生きて居なかっただろうからな」
「ここよりヤバい所は行った事が無いけど危ない目に合った事は結構あるわ。雪夜みたいに頭が良くて冷静な子が居るお陰で助かった事が沢山あるわ」
「うん。雪夜くんにはいつも迷惑かけちゃうけどいつも助けてくれるの」
「ま、生意気だけど可愛い後輩だよ」
「うるさいですよ」
少し冷たい声でそう言った雪夜だけど背けた顔はぼくの方を向いていてその顔は少し赤くなっていて嬉しそうに見えた。
それから少し話をして緊張していた何かが少し解れたような気がした。
(みんな中が良いんだな、、、空達と少し似た様な雰囲気を感じるな)
「時間だ。花子さんを呼ぶね?」
“コンコン”
「花子さ」
“ガチャ”
「良かった、みんな無事ね?」
みんな花子さんが出て来てホッとしているけどぼくは少し焦った。
(、、、違う。コレは違う、、、、花子さんじゃ無い)
空視点
話して居るとやはり青天と一緒に居る混ざり子の仲間みたいだ。
「アヤカシが居てあいつらを連れて行った奴らかと思って警戒してしまったが烏天狗は人の子が大好きな者が多いから違うと思いまして。しかし、あなた方の子も巻き込まれてしまったとは」
「君は何故この場所が分かったんだ?何も知らなかったんだろう?」
「俺は占いが得意でしてね。嫌な予感がしてあいつらの事を占ってみたらここが浮かんだので来てみたんですよ」
「へぇー、俺は占い苦手だから羨ましいな」
「兄さん、、、すまないな人の子」
「あー、俺の名前は月兎って名前なのでそう呼んで下さい神様達」
「名前を安易に教えては、」
「いけないってのは知ってますが貴方達は良い神様達みたいだと俺の直感が言ってますので良いんですよ。それと勘違いしているみたいなので言いますが俺こう見えても大学一年生ですから」
「大学一年生?どう見ても十五才くらいにしか」
「俺もアヤカシと人間のハーフなのでちょっと普通の人より成長が遅いだけです神様」
「お前良く俺達が神様って分かったな?それも直感?」
「ええ、俺の直感は良く当たるので」
海兄さんは少し何か考えてから月兎に言った。
「俺達の名前はまだ教えられないが俺達の子を取り戻してからなら教えてやるよ。お前達は良い奴らみたいだしな?取り敢えず俺の事は狐って呼んで?」
「ならオレはカラスで良い」
「そうなると僕は鬼だね」
「ボクは!、、イヌ!」
「オレの事は猫って呼んで」
「はい分かりました」
取り敢えず月兎と協力して青天達を助ける事になった。
(兄さんは月兎の事を気に入ったみたいだな)
「それじゃあまずは俺達の子たちがいるはずの人とアヤカシ世界の境(さかい)の歪み(ひずみ)の何処に居るかを探さないとな」
「歪み?」
「人とアヤカシ世界は同じ場所にある違う所なのは知って居る?」
「鬼さん?はい、それは知っています」
「その人とアヤカシ世界を行き来する所が境なんだ境道(さかいみち)とも言うんだけどその境道の何処かに別の空間を作るのを歪みって言うんだ。簡単に言うと境道の何処かにある別の空間を探さないといけないから少し時間がかかるんだよ」
「そうなんですか、、、あいつらは強いけどまだ子供ですから早く見つけて助けてやらないと怖い思いをしてるはずなんで」
「そうだね。オレ達の子も冷静で強い子だけど本当はもう何にも怯えて欲しくないし幸せだけを感じて生きて欲しいんだ」
「猫さん」
「早くみんな助けてあげたいね!みんなボク達の事待ってるはずだから早く助けてあげようね!」
「イヌさん、、、はい、そうですね。早く助けてあげたいです」
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