一人じゃないぼく達

あおい夜

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二章 ぼくと家族

ぼくと陽とお昼

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 今日も空と海は神様のお仕事だ。
昨日と違うのは陽の代わりに陰が空の付き添い兼護衛をしている事とお昼前に出掛けて行った事だ。
つまり、家にはぼくと陽の二人だけだ。
ちなみに今日の服は陽が用意してくれた服で、太ももまである黒い靴下に黒い短パン(カボチャパンツに少し似てる)に白いタートルネックにふちが橙色の緑の少し大きい上着(手は指先くらい出て、手首の所にベルトが付いていて下の方はお尻まで隠れる)を着ている。
少し可愛いけれどぼくくらい(見た目)の子供なら男で女でも着れる服だ。

「この服、動きやすいね」
「そう!天、その服似合ってる!思ってた以上に可愛い!」
「ありがとう」
「あのね!あのね!天、そのね、、、もうボク達の事は怖く無い?大人の人、怖いんだよね?」
「、、、みんなの事は三回くらい会った時から大丈夫になってたよ。みんなが空の事とっても大好きなの見てて分かったから怖い事より嬉しい事の方が大きくなったんだ」
「そうなんだ!へへへっ!」
“ぐぅ~”

陽は花が満開になった様な笑顔で笑った後、大きな音を鳴らした。

「陽、お腹空いたの?」
「うん!お腹空いた!、、、へへ、恥ずかしいや!」
「もうお昼だしお腹空いても仕方ないよ」
「けど、空兄さん居ないから何か買って来るね?天は何が良い?」
「ぼく?ぼくはうどんが食べたい」
「うどん?分かった直ぐに買って来るね?」

そう言って外に行こうとした陽を止めて言った。

「陽、ちょっと待って」
「何?どうかした?」
「あのね?昨日は陰と一緒にドーナツ作ったんだ」
「ドーナツ!良いな~!」
「だからね、今日のお昼ご飯は陽と一緒にうどんを作りたいんだ、、、そのね、だから、その、、、ぼくと一緒にうどん作ろう?」
「うん!もちろん、良いよ!」

今日はお昼ご飯のうどんを陽と一緒に作る事にした。
(これで少しは陽とも仲良く慣れるかな?)



陽視点


可愛い天からのお願いで一緒にお昼ご飯のうどんを作る事にしたんだ。

「あ、ボク、うどんの作り方知らないや!」
「ぼくが知ってるから大丈夫だよ」
「本当!何を用意すれば良いの?」
「えっと、おつゆは後で作るから初めはうどんから作ろう。うどんの材料はとりあえず、水と塩と中力粉それとラップだね」
「分かった!」

ボクは言われた材料を用意して天に渡した。

「まずは水と塩を混ぜる」
「混ぜる!」
「混ぜたら中力粉と混ぜる」
「混ぜる!」
「ふん、ふん、ふっふん~♪」
「あれ?ボロボロになっちゃったよ?」
「大丈夫、これをコネて一つの塊にするから」

そう言うと天はボロボロの生地を歌いながらコネ始めた。
(歌いながら作るのは空兄さんの影響かな?けど、楽しそうだから良いか!ボクも一緒にやろう!)

「~♪一つの塊になるまでコネコネ~♪」
「コネコネ~♪」
「う?、、、陽と一緒にコネコネ~♪」 
「!、、へへへっ!天と一緒にコネコネ~♪」

そうやっているとボロボロだった生地が一つの塊になった。

「うわぁ!凄い!本当に一つの塊になった!」
「途中から陽がコネてくれて助かったよ。ぼくには力が無いからコネるのが大変になる所だった。それで、これをいったん空気が入らない様にラップにくるんで30分くらい待つんだ」
「30分か~。何して待ってる?」
「、、、家の周りをお散歩でもする?」
「お散歩!天と一緒に散歩!早く行こう!」
「うん」

天と一緒に手を繋いで家の近くをゆっくり散歩してたら楽しくて直ぐに30分がたった。

「もう、30分たったから家に帰ろう?」
「、、うん、分かった」
「どうかした?」
「新しい家に来てからぼくあんまり外に出てなかったから家の近くってこんな感じなんだなって思っただけ」

そう言われてこれまでの天の事を思い出してみると確かに家の中にしか居ない。

「外に出るの好きじゃないの?」
「お散歩するくらいには好きかな?けど、家から出なかったのは空にお願いされたからだよ」
「空兄さんがお願い?」
「うん。外に行くなら誰かと一緒の時だけにして欲しいって言われた。多分、前の烏天狗達の事が合ったから心配してるんだろうね」
「あれか、、、あれが合った後なら心配するのは仕方ないね」
「うん、だから今まで外に出てなかったんだ」
「なら、今日の散歩は楽しかった?」
「うん、楽しかった。ありがとう陽」

その後も手を繋いで家に帰った。
(今度は少し遠くまで連れて行ってあげよう!怖い事からはボクが守ってあげれば大丈夫だよね?)

家に帰ってうどん作りの続きをする。

「これなら大丈夫かな?、、、よいしょっと」
「どうするの?」
「、、、陽、軽くもう一度コネて」
「良いよ!コネコネ~♪」
「それくらいで良いよ。そしたら、もう一度ねかす」
「どれくらいねかすの?」
「20分くらいかな?」
「そんなに!」
「でも、おつゆと具を作るから直ぐに20分くらいたっちゃうよ」

そう言って天は冷蔵庫の中を見て、何かを取り出した。

「卵まぜまぜ~♪そしたら玉ねぎを切って~♪」
「玉ねぎ~♪」
「切った玉ねぎはあめ色になるまで焼いて~♪」
「焼いて~♪」
「キャベツも適当に切って~♪」
「適当に~♪」
「おつゆを作ろう~♪お醤油、みりん、お砂糖、隠し味に少しの味噌をお湯に入れて~♪」
「うわ~!スッゴい、良い匂い!」
「切って洗ったキャベツと玉ねぎを入れて~♪はい、20分~♪」
「あ、本当だ!もう20分たっちゃってた!」
「よし、それじゃあ陽」
「ん~?何?」
「中力粉を振るって麺棒で生地伸ばすけど陽、やってみる?」
「良いの?ボク、やりたい!」

中力粉を振るった(打ち粉って言うんだって)生地を麺棒で頑張って綺麗に伸ばした。
ボクが生地を伸ばしてる時に天は鍋に水を入れて沸騰させてお湯にしてた。

「綺麗に出来たね。これに打ち粉を沢山つけてから、扇みたいに折って包丁で切る」
「うわぁ!うどんの麺だ!」
「切ったうどんを鍋の沸騰したお湯に入れて麺をほぐして、麺が浮き上がってきたら弱火にして10分間ゆでる。その間に使った物を片付けて時々麺が鍋にくっつかない様に混ぜるから手伝って」
「うん!」

そうして10分たったらザルに麺を入れて水で冷してからまたお湯に入れて麺を温めてから麺を取ってお湯を切り丼に麺を入れた。 

「あとはおつゆを入れて、、、出来上がり」
「うわぁ!美味しそう!早く食べよう!」
「うん。いただきます」
「いただきます!」

うどんはとっても美味しかった。
美味し過ぎて四回もおかわりしちゃったけど、麺はボクがいっぱい食べると思ってたから五人前で作ったって言ってたから全部食べちゃった。
天は少食だから一人前の半分くらいしか食べられなかったみたいだけど空と暮らし始めた最初の頃よりは食べてるらしい。

「うどんとっても美味しかったね!天と一緒に作ったから凄く美味しく出来たんだよね!」
「、、、うん。陽と一緒に作って楽しかった」
「ボクもボクも!とっても楽しかったよ!また一緒に作ろうね?今度は陰も一緒に三人で作って兄さん達に食べて貰おう!」
「、、、一緒に空達に?、、うん!」

そう言った天の顔はほんの少しだけど嬉しそうに笑ってた。
(可愛い!陰と天の二人が揃ったらもっと可愛くなるよね?ボクのたった一人の可愛い弟の陰と最近出来た可愛い妹の青天はボクが何があっても絶対に守るんだ!何があってもね!)





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