一人じゃないぼく達

あおい夜

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一章 家族は一緒が良い

ぼくの性別

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 空の兄弟達は一斉に喋り出したけど、みんな動揺していて何を言ってるのか分からない。

「え、あの、?」
「落ち着けお前ら、青天が困ってるだろう」
「あー、悪い。動揺した」
「青天、まずは自己紹介すれば良い」
「うん」

みんなが静かになったので自己紹介する事にした。

「ぼくは青天、青色の青に天気の天って書いて青天だよ。この名前は空が付けてくれたんだ」
「オレと同じ青色の目から青、天は空と同じ意味で繋げて青天だ」
「一ヶ月前に空がぼくを拐ってくれて親子になったんだ」
「拐ってくれて?お前の親は?」
「ずっと前に事故で亡くなったよ。その後はずっと一人ぼっちだったから空が拐ってくれて嬉しかったんだ」
「一人ぼっち?」
「色々あって人じゃなくなったんだ。そんなぼくを人は怖かったんだよ。仕方ない事だと思うけどね」
「そんな事ないよ?一人は寂しいもんね?」

陽がぼくにそう言ってぼくの頭を撫でてきた。

「、、、ありがとう。それと、ぼくこう見えても15歳くらいだからね?」
「え?どう見ても8~10歳くらいに見えるけど?」
「ぼくは親が亡くなった事故で記憶が曖昧なんだけどその後、色々あって10歳から姿が変わらなくなったんだ」
「色々ってのも気になるけど、記憶が曖昧?」

海が記憶の事を聞いてきたのでぼくの性別の事も話す事にした。

「うん。さっきぼくの性別を聞いてきたよね?」
「え?あ、うん」
「ぼくの前の性別は多分男だと思うよ多分」
「多分?」
「うん。ぼくの今の性別は無いから」
「は?無い?性別が無いって事?」
「そうだよ。体つきは女の子っぽいけど、医者がぼくに性別が無いって言ってたから無性別みたい。だから前の性別を覚えて無いけど、何となく男だったような気がしたから多分男だと思うって言ったんだ」

みんな驚いた顔をしてぼくを見ていた。
(今日は久しぶりにいっぱい喋って疲れたな) 

「青天、疲れたのか?」
「うん。久しぶりにいっぱい喋ったから少し疲れた」
「なら、今日はここまでだな」

空がそう言ってぼくを抱き上げた。

「青天が疲れているから今日はここまでだ」
「え?もう少し話をしようよ?」
「青天が疲れてるから駄目だ」
「けど」
「空、今日はなんだな?」
「、、、ああ」
「じゃあ、また来て良いって事だよな?」
「はっ!空兄さん、本当にまた来て良いの?」
「、、、ああ。青天がお前達を気に入ったみたいだからな」
「分かった。なら、今日はおとなしく帰るよ。じゃ、またな空」

空が苦い顔で了承すると海達兄弟は嬉しそうに笑い帰って行った。

「少しだけだけど仲良く出来る様になって良かったね?」
「ああ。ありがとう、青天」

空は兄弟達に見せなくなっただろう嬉しそうな顔で笑ってぼくにお礼を言った。

あれから一年くらいたっているけど兄弟達は神様業 (二回目に会った時に海が神様をしてる事を聞いた)が少し忙しいみたいで、あれから八回くらいしか会ってない。
しかも時間があまり無いのか10分もしないで帰って行ってしまうので、なかなか空との中を取り持てなかった。
(、、、次はちゃんと頑張ろう)



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