一人じゃないぼく達

あおい夜

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一章 家族は一緒が良い

空の家族は想像と違う

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 降りて来た空はぼくを自分の後ろに隠して兄弟を見た。

「この子は大人が怖いんだ。あまり近づかないでくれ」
「、、、え?あ、ああ、分かった」
「それで、何の用だ?」
「お前の子供を見る事といつも通り、空とまた暮らす為にお前を口説こうと思って来た」

冷たい口調で話す空に向かって天狐は軽く言った。

「お前らと暮らすつもりは、」
「空」
「っ!、、、すまない、青天」
「ううん」

空が反射的に思っていない事を言おうとしたのを止めたらお礼を言われ頭を撫でられた。

「、、、その子、お前の子供だよな?」
「ああ、そうだ」
「空兄さんの子供、空兄さんと同じ色の目をしてるんだね!」
「空と良く似てるね」
「空兄さんの子供って男?女?どっち?」
「空と同じで性別不明だよな」

色々質問してくるので、どう答えようと思っていると空がため息を吐いた。

「はぁ、、、先にお前らが自己紹介しろ。この子が困ってるだろう?」
「へ?あ、ゴメンゴメン」

先に天狐達から自己紹介するみたいだ。

「ごめんな?俺は天狐の海(かい)だ。空の育ての親であり、だった一人の兄でもある。俺は他の狐と違う青白い毛並みがチャームポイントだぜ!」
「軽い性格していて、直ぐに仕事をサボって何処かに遊びに行く様な人で」
「一人が大嫌いで兄弟の誰か一人でも側に居ないと直ぐに不機嫌になる人で」
「万単位を生きているのに子供みたいに駄々捏ねる駄目な長男だけどね」
「お前ら!酷い!もっと良い事言って!」

他の兄弟にボロクソ言われた海が文句を言うけどみんな聞いて無いみたいだ。
(やっぱり、軽い性格なのか)

「次は僕だね。僕は夜叉一族の鬼の陸(りく)だよ。一応、空の弟になるのかな?三男だよ。よろしくね」
「陸兄さんは真面目で誠実だよ!」
「それに、頭も良いし優しい」
「お前ら、俺の時とは全然違く無い?まぁ、良いや。陸は細かいし神経質だし母ちゃんみたいに口うるさいぞ」
「あんたがしっかりして無いからだろ」

暴れん坊のイメージがある鬼の陸は穏やかな人みたいだ。
(お母さん、、、怒ったら怖い人みたいな感じかな?)

「ハイハーイ!次はボクね!ボクは狗神の陽(よう)だよ!空兄さんに拾われた空兄さんの弟だよ!四男だよ!よろしくね!」
「陽は明るくて良い子だよ」
「優しくて温かい人だよ」
「まぁ、陽は俺達のムードメイカーで良い子だな」
「へへへ。恥ずかしいや!」

狗神の陽は兄弟みんなに可愛がられる様な良い人みたいだ。
(狗神ってもっと怖いイメージが合ったんだけど凄く良い人みたい)

「最後はオレだね。オレは猫又の陰(かげ)。陽兄さんと同じで空兄さんに拾われた空の弟で五男。よろしく」
「陰はね、ボクのたった一人の弟で可愛いんだよ!」
「少し甘えん坊だけど、そこが可愛いからね」
「人見知りだけど、なつくと甘えてくる可愛い俺達の末っ子だ」
「別に可愛く無いよ」

猫又の陰はツンとしていてプライドが高いイメージが合ったけど本当は甘えん坊で可愛い性格みたいだ。
(人見知りだからあんまり喋らないのかな?)

「それで、お前の子供は?」
「、、、自己紹介出来るか?」
「うん、大丈夫」
「あ、ちょっと待って」
「なんだ?」
「その子の自己紹介の前に聞いときたいんだけど、その子って他の奴が生んだの?それとも空、お前が生んだの?」
「え?、、、空が?」

空は男なので子供は生めないんじゃないのかな?と思っていたら疑問を少し口に出してた。

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