一人じゃないぼく達

あおい夜

文字の大きさ
上 下
4 / 31
一章 家族は一緒が良い

空の家族は想像と違う

しおりを挟む
 降りて来た空はぼくを自分の後ろに隠して兄弟を見た。

「この子は大人が怖いんだ。あまり近づかないでくれ」
「、、、え?あ、ああ、分かった」
「それで、何の用だ?」
「お前の子供を見る事といつも通り、空とまた暮らす為にお前を口説こうと思って来た」

冷たい口調で話す空に向かって天狐は軽く言った。

「お前らと暮らすつもりは、」
「空」
「っ!、、、すまない、青天」
「ううん」

空が反射的に思っていない事を言おうとしたのを止めたらお礼を言われ頭を撫でられた。

「、、、その子、お前の子供だよな?」
「ああ、そうだ」
「空兄さんの子供、空兄さんと同じ色の目をしてるんだね!」
「空と良く似てるね」
「空兄さんの子供って男?女?どっち?」
「空と同じで性別不明だよな」

色々質問してくるので、どう答えようと思っていると空がため息を吐いた。

「はぁ、、、先にお前らが自己紹介しろ。この子が困ってるだろう?」
「へ?あ、ゴメンゴメン」

先に天狐達から自己紹介するみたいだ。

「ごめんな?俺は天狐の海(かい)だ。空の育ての親であり、だった一人の兄でもある。俺は他の狐と違う青白い毛並みがチャームポイントだぜ!」
「軽い性格していて、直ぐに仕事をサボって何処かに遊びに行く様な人で」
「一人が大嫌いで兄弟の誰か一人でも側に居ないと直ぐに不機嫌になる人で」
「万単位を生きているのに子供みたいに駄々捏ねる駄目な長男だけどね」
「お前ら!酷い!もっと良い事言って!」

他の兄弟にボロクソ言われた海が文句を言うけどみんな聞いて無いみたいだ。
(やっぱり、軽い性格なのか)

「次は僕だね。僕は夜叉一族の鬼の陸(りく)だよ。一応、空の弟になるのかな?三男だよ。よろしくね」
「陸兄さんは真面目で誠実だよ!」
「それに、頭も良いし優しい」
「お前ら、俺の時とは全然違く無い?まぁ、良いや。陸は細かいし神経質だし母ちゃんみたいに口うるさいぞ」
「あんたがしっかりして無いからだろ」

暴れん坊のイメージがある鬼の陸は穏やかな人みたいだ。
(お母さん、、、怒ったら怖い人みたいな感じかな?)

「ハイハーイ!次はボクね!ボクは狗神の陽(よう)だよ!空兄さんに拾われた空兄さんの弟だよ!四男だよ!よろしくね!」
「陽は明るくて良い子だよ」
「優しくて温かい人だよ」
「まぁ、陽は俺達のムードメイカーで良い子だな」
「へへへ。恥ずかしいや!」

狗神の陽は兄弟みんなに可愛がられる様な良い人みたいだ。
(狗神ってもっと怖いイメージが合ったんだけど凄く良い人みたい)

「最後はオレだね。オレは猫又の陰(かげ)。陽兄さんと同じで空兄さんに拾われた空の弟で五男。よろしく」
「陰はね、ボクのたった一人の弟で可愛いんだよ!」
「少し甘えん坊だけど、そこが可愛いからね」
「人見知りだけど、なつくと甘えてくる可愛い俺達の末っ子だ」
「別に可愛く無いよ」

猫又の陰はツンとしていてプライドが高いイメージが合ったけど本当は甘えん坊で可愛い性格みたいだ。
(人見知りだからあんまり喋らないのかな?)

「それで、お前の子供は?」
「、、、自己紹介出来るか?」
「うん、大丈夫」
「あ、ちょっと待って」
「なんだ?」
「その子の自己紹介の前に聞いときたいんだけど、その子って他の奴が生んだの?それとも空、お前が生んだの?」
「え?、、、空が?」

空は男なので子供は生めないんじゃないのかな?と思っていたら疑問を少し口に出してた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

みちのく銀山温泉

沖田弥子
キャラ文芸
高校生の花野優香は山形の銀山温泉へやってきた。親戚の営む温泉宿「花湯屋」でお手伝いをしながら地元の高校へ通うため。ところが駅に現れた圭史郎に花湯屋へ連れて行ってもらうと、子鬼たちを発見。花野家当主の直系である優香は、あやかし使いの末裔であると聞かされる。さらに若女将を任されて、神使の圭史郎と共に花湯屋であやかしのお客様を迎えることになった。高校生若女将があやかしたちと出会い、成長する物語。◆後半に優香が前の彼氏について語るエピソードがありますが、私の実体験を交えています。◆第2回キャラ文芸大賞にて、大賞を受賞いたしました。応援ありがとうございました! 2019年7月11日、書籍化されました。

ひきこもり瑞祥妃は黒龍帝の寵愛を受ける

緋村燐
キャラ文芸
天に御座す黄龍帝が創りし中つ国には、白、黒、赤、青の四龍が治める国がある。 中でも特に広く豊かな大地を持つ龍湖国は、白黒対の龍が治める国だ。 龍帝と婚姻し地上に恵みをもたらす瑞祥の娘として生まれた李紅玉は、その力を抑えるためまじないを掛けた状態で入宮する。 だが事情を知らぬ白龍帝は呪われていると言い紅玉を下級妃とした。 それから二年が経ちまじないが消えたが、すっかり白龍帝の皇后になる気を無くしてしまった紅玉は他の方法で使命を果たそうと行動を起こす。 そう、この国には白龍帝の対となる黒龍帝もいるのだ。 黒龍帝の皇后となるため、位を上げるよう奮闘する中で紅玉は自身にまじないを掛けた道士の名を聞く。 道士と龍帝、瑞祥の娘の因果が絡み合う!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

セレナの居場所 ~下賜された側妃~

緑谷めい
恋愛
 後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

双葉病院小児病棟

moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。 病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。 この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。 すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。 メンタル面のケアも大事になってくる。 当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。 親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。 【集中して治療をして早く治す】 それがこの病院のモットーです。 ※この物語はフィクションです。 実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。

処理中です...