24 / 25
二章 祖と子供達と森の海
ボクは(祖を侮辱する)人魚達が嫌いだ
しおりを挟む
三代目・星輪視点
ボク達は人魚の王族の雷雨さんと大臣の冷水さんに森を案内してもらっている。
森の中は本当に静かで植物達が眠っているのが分かる。
たまに異常が出ている植物を遠目でみたけど。
ボクはみんなの一番後ろを雷と一緒に一番前に居る人魚の二人と少し距離をとって歩いている。
(あの人達の近くには居れない、、、だって、あの二人、、、)
「何であんな風に、、」
「輪、、、そうだね」
「氷に全部任せてしまったのは申し訳ないんだぞ、、、だけど」
「まぁ確かに胸くそ悪いもんな、、アレ」
「嵐!?」
雷と話しているとボク達の前を歩いてたはずの嵐が話に混ざってきた。
(びっくりしたんだぞ!けど、嵐の言ってる事も分かる)
「確かに、、、普通は考えられない事だ」
「だよなぁ?」
「ボクもそう思うんだぞ、、、何であんな風に自慢気に、、、」
ボク達が話しているのは人魚の自慢話だ。
普通の自慢話ならここまで嫌な気持ちにはならなかっただろうけど、あの二人が自慢気に話しているのはある意味悪口や侮辱みたいなものだ。
(しかも自分達の祖を何であんな風に言えるんだ?)
『先ほども話したが我らの祖は人魚の姿だと陸では呼吸が出来ず海の中でしか生きられないんだが今の我らは人魚の姿でも陸で暮らしていけるのだ。何故かというと我らは陸の者との子供だからそちらの性質も生まれながら持っているからだ』
『私達は死ぬと泡になって全て消えさる祖と違い死体は残ります。だから祖は子孫の私達には何も残せないのですが私達は死体を残し自分達の子供達の悲しみを受け止められるのです』
『祖は』
『私達は』
そんな話ばかりで二人は自分達の祖より今の自分達の方が優れている。
祖は今の自分達より色々と欠点があり劣っている。
というような自分達の祖を陥れ侮辱するような事ばかり話している。
(三代目だと言っていたけどこの様子じゃ純粋な神族じゃないんだぞ。悪意とまではいかないけど清らかでは全然ない。人族か魔族の間の子供なのかな?けど、それでもここまでになるのか?)
「へぇ、なら何か凄いことをあんたらの祖はやらかしてそうだな?」
「おお!分かってくれるか、天氷殿!まぁ、やらかしたのは二代目と祖なのだが」
「二代目が?」
「ああ、我らの二代目も祖と似た者達なのだが忌まわしいモノを生んだのだ」
「忌まわしいもの?」
どうやら氷はあの話を我慢して聞きながら何かを引き出そうとしているみたいだ。
(さすが氷なのだぞ!ボクは嫌悪感が隠しきれないくらいムカムカしていたからあんな風に何かを引き出せないんだぞ)
「雷雨様、この方々にならお話なされても大丈夫では?」
「うむ、そうだな」
「では、私がお話します。祖は忌まわしくも穢れている双子の二代目を生んだのです」
「双子?、、、」
氷と雷も双子なのだがそれを知らない二人はそのまま話し出した。
(双子の何処が穢れているんだ?氷も雷も綺麗なんだぞ!)
「私達人魚は卵から生まれるのですが、その卵から双子が生まれてきたのです」
「祖達と二代目達はとても喜んだらしいが一つの卵から双子が生まれるなど不吉で穢れているモノだ。人とは違い卵から一人一人違う姿と力を持って生まれるはずが」
「双子は全く同じ顔をしながらそれぞれ違う力を持っていたそうです」
「違うと何か悪いのか?」
「神族の祖達と同じ様に卵から生まれるというのに同じ卵に二人入って生まれてきただけでも不吉だというのに」
「双子が生まれてきてから不幸が続いたのです。双子の力もそれぞれ普通とは違い穢れていると伝わっています」
同じ卵から双子が生まれるのの何処が不吉なのか一切分からなかったけどそれでも話の続きを聞いた。
(さっきまでさんざん自分達の祖を馬鹿にしていたのに、その祖達と同じ卵で生まれるのを誇っているのはなんでなんだ?)
「我らの祖は600年前に絶滅したのだが最後の力で二代目と力を合わせ忌まわしい双子をこの森の中にある洞窟に600年前に封印したのだ」
「封印してから少し不幸は続きましたが今は平和そのものです」
「へぇ、、、その双子が封印されている洞窟に連れて行ってくれないか?もしかしたら妹がその近くに居るかも知れない」
「う~む、、、特に何もないから良いだろう」
「ええ、ここ600年間何も異変はありませんから」
「へぇ、そうなのかい、、、、なら、すまないが連れて行ってくれるかい?」
「ああ、良いだろう」
どうやら封印が封印された洞窟に連れて行ってくれるみたいだ。
(それより)
「さっき話している時に間があったが氷は何か思ったのか?」
「あ~、、、多分だけどな?さっき人魚達は双子が封印されている間に何も異変はなかったって言ってただろ?」
「うん」
「そうだね、私も聞いていたよ」
「この森に異常な植物を遠目だけど見たよな?」
「うん、何かとても変だったんだぞ」
「そうだね、何か、、、話すのが難しそうな感じだったね」
「つまり、その植物の異変ってのは双子ではなくて、、、人魚達が何かしてんじゃねぇのかってのが氷の考えだろうよ」
「え!なら何でなにも言わないのだ?」
「祖を探すためだろうよ」
「確かにね。氷の、というか私達の第一の目的は祖と合流することだからね」
「ああ、つまり植物の異変の原因より先に祖と会うためになにも言わないんだろ」
「なるほど、分かったんだぞ」
確かにボク達の一番の目的は離ればなれになった祖に会うことなのでその他のことは後にしたのだろう。
(あの人魚達は自分達の祖を侮辱したり下にみていたり植物の異変に関わっているみたいでとても嫌だし、、、嫌いだけど祖と会うために一緒に居るのをもう少し我慢するんだぞ!)
ボク達は人魚の王族の雷雨さんと大臣の冷水さんに森を案内してもらっている。
森の中は本当に静かで植物達が眠っているのが分かる。
たまに異常が出ている植物を遠目でみたけど。
ボクはみんなの一番後ろを雷と一緒に一番前に居る人魚の二人と少し距離をとって歩いている。
(あの人達の近くには居れない、、、だって、あの二人、、、)
「何であんな風に、、」
「輪、、、そうだね」
「氷に全部任せてしまったのは申し訳ないんだぞ、、、だけど」
「まぁ確かに胸くそ悪いもんな、、アレ」
「嵐!?」
雷と話しているとボク達の前を歩いてたはずの嵐が話に混ざってきた。
(びっくりしたんだぞ!けど、嵐の言ってる事も分かる)
「確かに、、、普通は考えられない事だ」
「だよなぁ?」
「ボクもそう思うんだぞ、、、何であんな風に自慢気に、、、」
ボク達が話しているのは人魚の自慢話だ。
普通の自慢話ならここまで嫌な気持ちにはならなかっただろうけど、あの二人が自慢気に話しているのはある意味悪口や侮辱みたいなものだ。
(しかも自分達の祖を何であんな風に言えるんだ?)
『先ほども話したが我らの祖は人魚の姿だと陸では呼吸が出来ず海の中でしか生きられないんだが今の我らは人魚の姿でも陸で暮らしていけるのだ。何故かというと我らは陸の者との子供だからそちらの性質も生まれながら持っているからだ』
『私達は死ぬと泡になって全て消えさる祖と違い死体は残ります。だから祖は子孫の私達には何も残せないのですが私達は死体を残し自分達の子供達の悲しみを受け止められるのです』
『祖は』
『私達は』
そんな話ばかりで二人は自分達の祖より今の自分達の方が優れている。
祖は今の自分達より色々と欠点があり劣っている。
というような自分達の祖を陥れ侮辱するような事ばかり話している。
(三代目だと言っていたけどこの様子じゃ純粋な神族じゃないんだぞ。悪意とまではいかないけど清らかでは全然ない。人族か魔族の間の子供なのかな?けど、それでもここまでになるのか?)
「へぇ、なら何か凄いことをあんたらの祖はやらかしてそうだな?」
「おお!分かってくれるか、天氷殿!まぁ、やらかしたのは二代目と祖なのだが」
「二代目が?」
「ああ、我らの二代目も祖と似た者達なのだが忌まわしいモノを生んだのだ」
「忌まわしいもの?」
どうやら氷はあの話を我慢して聞きながら何かを引き出そうとしているみたいだ。
(さすが氷なのだぞ!ボクは嫌悪感が隠しきれないくらいムカムカしていたからあんな風に何かを引き出せないんだぞ)
「雷雨様、この方々にならお話なされても大丈夫では?」
「うむ、そうだな」
「では、私がお話します。祖は忌まわしくも穢れている双子の二代目を生んだのです」
「双子?、、、」
氷と雷も双子なのだがそれを知らない二人はそのまま話し出した。
(双子の何処が穢れているんだ?氷も雷も綺麗なんだぞ!)
「私達人魚は卵から生まれるのですが、その卵から双子が生まれてきたのです」
「祖達と二代目達はとても喜んだらしいが一つの卵から双子が生まれるなど不吉で穢れているモノだ。人とは違い卵から一人一人違う姿と力を持って生まれるはずが」
「双子は全く同じ顔をしながらそれぞれ違う力を持っていたそうです」
「違うと何か悪いのか?」
「神族の祖達と同じ様に卵から生まれるというのに同じ卵に二人入って生まれてきただけでも不吉だというのに」
「双子が生まれてきてから不幸が続いたのです。双子の力もそれぞれ普通とは違い穢れていると伝わっています」
同じ卵から双子が生まれるのの何処が不吉なのか一切分からなかったけどそれでも話の続きを聞いた。
(さっきまでさんざん自分達の祖を馬鹿にしていたのに、その祖達と同じ卵で生まれるのを誇っているのはなんでなんだ?)
「我らの祖は600年前に絶滅したのだが最後の力で二代目と力を合わせ忌まわしい双子をこの森の中にある洞窟に600年前に封印したのだ」
「封印してから少し不幸は続きましたが今は平和そのものです」
「へぇ、、、その双子が封印されている洞窟に連れて行ってくれないか?もしかしたら妹がその近くに居るかも知れない」
「う~む、、、特に何もないから良いだろう」
「ええ、ここ600年間何も異変はありませんから」
「へぇ、そうなのかい、、、、なら、すまないが連れて行ってくれるかい?」
「ああ、良いだろう」
どうやら封印が封印された洞窟に連れて行ってくれるみたいだ。
(それより)
「さっき話している時に間があったが氷は何か思ったのか?」
「あ~、、、多分だけどな?さっき人魚達は双子が封印されている間に何も異変はなかったって言ってただろ?」
「うん」
「そうだね、私も聞いていたよ」
「この森に異常な植物を遠目だけど見たよな?」
「うん、何かとても変だったんだぞ」
「そうだね、何か、、、話すのが難しそうな感じだったね」
「つまり、その植物の異変ってのは双子ではなくて、、、人魚達が何かしてんじゃねぇのかってのが氷の考えだろうよ」
「え!なら何でなにも言わないのだ?」
「祖を探すためだろうよ」
「確かにね。氷の、というか私達の第一の目的は祖と合流することだからね」
「ああ、つまり植物の異変の原因より先に祖と会うためになにも言わないんだろ」
「なるほど、分かったんだぞ」
確かにボク達の一番の目的は離ればなれになった祖に会うことなのでその他のことは後にしたのだろう。
(あの人魚達は自分達の祖を侮辱したり下にみていたり植物の異変に関わっているみたいでとても嫌だし、、、嫌いだけど祖と会うために一緒に居るのをもう少し我慢するんだぞ!)
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説


もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
転生王子はダラけたい
朝比奈 和
ファンタジー
大学生の俺、一ノ瀬陽翔(いちのせ はると)が転生したのは、小さな王国グレスハートの末っ子王子、フィル・グレスハートだった。
束縛だらけだった前世、今世では好きなペットをモフモフしながら、ダラけて自由に生きるんだ!
と思ったのだが……召喚獣に精霊に鉱石に魔獣に、この世界のことを知れば知るほどトラブル発生で悪目立ち!
ぐーたら生活したいのに、全然出来ないんだけどっ!
ダラけたいのにダラけられない、フィルの物語は始まったばかり!
※2016年11月。第1巻
2017年 4月。第2巻
2017年 9月。第3巻
2017年12月。第4巻
2018年 3月。第5巻
2018年 8月。第6巻
2018年12月。第7巻
2019年 5月。第8巻
2019年10月。第9巻
2020年 6月。第10巻
2020年12月。第11巻 出版しました。
PNもエリン改め、朝比奈 和(あさひな なごむ)となります。
投稿継続中です。よろしくお願いします!

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?


プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる