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2羽 花と風車の村の黒羊

③ナイトメアシープの正体と空駒鳥の閃き

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再び二人きりになった銀色狼と空駒鳥のつがいは、まずは”動物嫌いの八百屋の奥さん”から当たってみることにした。
フォレストサイド村より小さな村なのため、チューリップ畑の丘の周囲に主だった店が集中しており、すぐに店を見つけることが出来た。
「この村が花畑と風車だけで回せないから畜産も必要なのはわかっているのさ!
でもね、あたしゃどうしても動物が嫌いなんだ!
特にハンスにいつもついて回ってる黒い羊なんか気味が悪いし、うちの前を通る度に怒鳴り散らしてやってるんだよ!
しかも最近見る悪い夢にあの黒いのばかりが出てくるから、あたしゃますます嫌いになったね!
お蔭でここ数日ずっと寝不足だよ!
ふぁぁぁぁ~…今も眠いったらありゃしない・・・!
旦那に店番させて昼間に寝てもやけにダルくて調子が悪いし嫌になっちゃうね・・・!」
と八百屋の女将は二人に饒舌じょうぜつに語った。
「夢にズワルトが出てくるんですか?
夢の中のズワルトはどんなふうでしたか?」
ライキが女将に尋ねた。
その後ろでリーネは夕食で使う野菜を真剣に選んでいる。
「どうって・・・宙にふわふわと漂って、紫の瞳を不気味に光らせて笑いながら他の羊をけしかけてきてたよ!」
「紫の瞳?
彼みたいな色ですか?」
キャベツとじゃがいもときゅうりとトマト、ラディッシュとアヒルの卵と苺を籠に入れたリーネがライキを指差しながら尋ねた。
「いや、兄ちゃんのより濃くて禍々しくて・・・というか、兄ちゃんよく見りゃとてもいい男じゃないか・・・!
あんたが添い寝してくれるならあたしゃいい夢が見れそうなんだけど、どうだい今夜♥」
女将がポッと頬を染めてそんなことを言うのでリーネはムスッ!と眉を吊り上げて言った。
「凄く新鮮なお野菜を扱ってるから色々買っちゃおうかと思ったけど、そんなこと言うならやめる・・・!」
それを聞いた女将は慌ててリーネにゴマすりをするが、リーネの機嫌はなかなか直らず、結局リーネの言い値で野菜を売ることになるのだった。

「・・・凄く素敵な村だけど、素敵な人ばかりが住んでいるとは限らないんだね・・・。」
八百屋から少し離れた通りを歩きながらリーネがぼやいた。
「まだ根に持ってるのか?
あんなのただのジョークだよ。
第一俺がそんな誘いに応じるわけがないだろ?」
ライキが小さくため息をつきながら言った。
「相手が若くておっぱいが大きい可愛い子だったら?」
リーネはぷくっと頬を膨らませて言った。
「相手が誰でも一緒だよ。
俺、3歳のときからリーネが好きだったんだぞ?
ようやく手に入れたリーネを裏切るような愚かなこと、俺がするわけないだろ?」
ライキはそう言いながらリーネの膨れた頬をプシュッと手で掴んで潰した。
「・・・えっ、3歳の時から!?
それ、初耳だよ!?」
リーネが驚いて足を止めた。
「そうだっけ?
俺が初めて西の森に入った日に、丘の薬屋の前にいたリーネと出会って、それからずっと好きだからな・・・。
ハント家の男の一途さを舐めんなよ?」
ライキは優しく微笑んでリーネに軽くデコピンをした。
「っ・・・うん・・・ありがとう。
ごめんね、不安になったりして・・・。」
「いいよ。
リーネが妬いてくれるの嬉しいしな♡」
二人は手をギュッと繋ぎ、人目もはばからずはにかみながらくっつくのだった。

続いて”白いもの好きの洗濯屋の奥さん”のいる店の前に二人は辿り着いていた。
「何か洗濯したいものがないと入りづらいかな?」
リーネがそう言うので、ライキはアイテムボックスから泥がついた黒い毛皮を取り出した。
「この間の通り雨のとき、雨避けに使った黒牛の毛皮を汚れたままでアイテムボックスに入れてたんだ。
丁度いいからこの機会に洗濯に出してみるよ。」
「うん!
でももし洗濯を引き受けてくれたとしたら、この村に滞在している間には終わらないよね?
受け取りはどうするの?」
リーネが小首を傾げた。
「その時は俺の移動の力で取りに行けばいいし。」
「あ、そっか!」
リーネが納得、と両手を合わせた。
「宿賃が勿体ないから、洗濯物を受け取ったらすぐに人気のないところに行って、リーネと気持ちのいいことをして飛んで帰るけどな!」
ライキがニヤリと笑いながら左手をピースサインにして、その2本の指の付け根に右手の人差し指を擦り付けて素股を想像させる仕草をしてみせると、リーネは真っ赤になって「バカぁ!」と言い、両手で顔を覆うのだった。

「まぁ!泥水のついた毛皮ですの?」
洗濯屋の女将は神経質そうな顔を酷くひそめてそれを凝視した。
「はい。
綺麗になりますか?」
「え、えぇ・・・まぁ、綺麗には出来ますけど、こんな黒い毛皮だなんて・・・。
この機会に白く漂白されてはいかが?」
「はぁ、ブラックオーガホーン(※黒牛の正式名称)の毛皮なのにですか?
漂白なんてしたら、毛皮の風合いを損ねてしまうのでは?」
とライキが冷や汗をかきながら言った。
「いいえ!
そこはプロですから上手にいたします!
漂白しても宜しければうちでお引受けいたしますけど、黒のままが宜しいと仰るのなら、うちではお引き受けしかねますわ。
いかが致しますの!?」
女将が物凄い剣幕で食いかかってくる。
「えっ、いや、俺は黒いのがいいのでそれなら洗濯は結構です・・・。」
とライキが引きりながら毛皮を引っ込めると、女将は我に返り、項垂れて言った。
「申しわけございません・・・。
今は私、黒い毛など仕事でも見たくもないものですから・・・・・。」
「い、いえ・・・いいんです。
フォレストサイドにも洗濯屋はありますから、帰ってから洗濯に出します。」
とライキは穏やかに返した。
「あの、どうしてそんなに黒い毛を見たくないのかお聞きしても・・・?」
リーネが恐る恐るに女将に尋ねた。
「えぇ・・・私、元々白が好きで黒は嫌いなんですの・・・。
でも、お客様からお預かりするお品が黒であっても、それをお断りする程極端ではなかったつもりなんです・・・。
そりゃあ多少漂白を勧めはしましたけどね?」
((やっぱり漂白は勧めるんだ・・・))
と二人は思い、顔を見合わせて苦笑いを浮かべた。
「そんなですから、ハンスがいつも連れているあの真っ黒な羊も嫌いですの・・・。
それで、家の前を通ると水をかけたりして追っ払っていたのが良くなかったのでしょうか・・・?
近頃あの羊が夢に出てきては、私がお客様からお預かりして真っ白に洗濯しましたお品を、紫の瞳を光らせてから他の羊達をけしかけて、片っ端から黒く汚していく夢ばかりを見るんですの!
それからは黒いものを見るだけでもう拒絶反応が酷くって・・・!
その夢のせいで寝不足が重なって、私の目の下にもこんなに黒いくまくままで出来てしまいましたの・・・!
もう、鏡を見るだけで憂鬱ですのよ・・・!?
それで昨日はお店を臨時休業にさせて頂いて、お昼に充分な睡眠を取りましたのに、それでもやけに身体がダルいんですの・・・。
ですが、そう何日もお店を休むわけにも参りませんから、今日はこうして営業しておりますの・・・。
うううっ・・・」
そう言って女将が泣き始めたので、リーネはポーチから白いハンカチを取り出して手渡した。
「あの、良かったらこれ・・・。」
「まぁ!白のハンカチ・・・!」
「それと、目の下のくまを隠す化粧品、私持ってますよ?
良かったらお売りしますけど・・・。」
「まぁ・・・!
なんて素敵な子なのかしら・・・!
貴方、この村に留まって私の娘にならない・・・!?」
「・・・は、はい?」
リーネはこの人は突然何を言い出すのかと怪訝な顔をした。
「だって、貴方白いハンカチを持ってるくらいだから白がお好きでなのでしょう?
私と気が合いますし・・・!
貴方なら私の作った白いワンピースがとても良く似合いそうだわ!
その空色のワンピースはやめて、そっちを着なさいな!
白のほうが貴方に似合うと思いますの!
それに貴方は、くまを隠す化粧品を私のために売って下さるだなんて心配りまでしてくれて、とても優しい子なんですもの・・・!
私、主人との間に子供が恵まれずにずっと寂しくて・・・!
貴方が娘になってくれたらきっと良い夢が見られますわ!
ねぇ、考えてみてはくれませんの・・・!?」
女将はそう言ってリーネに駆け寄るとその白く柔らかな手を握り、ひざまずいてすがった。
「・・・やめてください!
言っていることが無茶苦茶ですよ!?
ハンカチはたまたま持ってるのが白かっただけですし、眠れない夜の辛さとくまに悩む女性の気持ちはわかるから化粧品を売ると言っただけのことです。
それに、このワンピースは私の親友が私のために一生懸命作ってくれたものなんです!
だから私はこれを着て巡礼の旅をしたいんです!
それに、いくら黒が嫌いでも、ズワルトにお水をかけるなんて酷いことをする人がお母さんだなんて、私、嫌です!
・・・さようなら!」
リーネはキッパリとそう言い放ってから店を出るのだった。

「もう!
また変な人だった!
気分が悪くなっちゃったよ!」
リーネは通りを歩きながらまだプンスカ怒っていた。
「・・・そうだな。
でも寝不足が重なると誰だってイライラしたり、冷静さを欠いて極端な思考に陥ったりしやすい。
元々良い人じゃないにしても、今はその人の悪い部分ばかりが出ているっていうのはあると思う。」
ライキは何処か表情を曇らせながらそう答えた。
「・・・うん・・・そうだね・・・。
でも、ハンスくんや宿の人たちは平気なんでしょ?
悪夢を見る人と見ない人の違いってなんだろう・・・?」
「・・・・・それは・・・・・。」
リーネの問いかけにライキはそれだけ返して黙り込み、更に表情に影を落として俯いてしまった。
「・・・・・ライキ・・・・・?」
リーネが心配そうにそっと彼の顔を見上げた。
「・・・・・リーネ、先に宿に帰っててくれないか?」
ライキは低い声でリーネから目を逸して言った。
ライキのただならぬ様子にリーネは眉間に皺を寄せて、震える声で尋ねた。
「・・・ライキ・・・?
どうして急にそんなことを言うの・・・?」
「・・・・・。
この騒動の解決方法がわかったんだよ・・・。
後は俺一人で対処出来るから。」
ライキはリーネから目を逸したまま低いトーンで返した。
「えっ・・・!?
どういうこと!?
何かに気がついたなら私にも教えてよ!」
リーネがライキの胸元に手を当てて縋った。
「・・・リーネは知らなくていい。
俺は狩人だから魔獣を殺すことには慣れてる。
俺一人でやる方がいい。」
ライキは眉間に深く皺を刻み、拳を強く握りしめながら言った。
「だったらどうしてライキはそんなに泣き出しそうなの・・・!?」
リーネが尋ねた。
「泣き出しそう?
・・・俺が?」
「うん・・・。
何だか今のライキは、今にも雨が降り出しそうな、黒灰色の重たい雲のような顔をしてるよ・・・?
私、ライキのつがいだよ?
巡礼の旅は二人でするものだよね?
ライキの今の気持ち、私にもわけて・・・?」
リーネがライキの頬に手を当てて、真っ直ぐに菫の瞳を見つめながら言った。
「・・・・・リーネ・・・・・。
わかった・・・・・。」
二人の気持ちを映し出したかのように、ネーザ村上空を灰色の重たい雲が覆い、辺りの美しい景色は暗く沈んだ。
「結論から言うよ。
ナイトメアシープはズワルトで間違いないだろう。」
「えっ・・・!?
ま、待って・・・!
確かに八百屋さん、洗濯屋さん両方の女将さんが紫の眼をした黒い羊の話をしていたけれど、それだけでズワルトがナイトメアシープだって決めつけるのはおかしいよ・・・!
ナイトメアシープって、普段は普通の羊のふりをしていて、夜になったら全身黒くて紫の眼の姿になるんじゃないの!?」
「・・・いや、父さんが昔狩ったナイトメアシープは、昼間と変わらず夜も普通の白いやつで、眼だけが紫だったらしい。
だから体毛の色は元の個体の特徴をそのままに、力が発動しているときにだけ眼の色が紫に変化するんだと思う。
この村にいる全身真っ黒な羊なんて、突然変異体のズワルトくらいだろう?」
「で、でも・・・!」
リーネが信じたくないと目を伏せて首を横に振った。
「・・・他にもそうだと裏付ける理由がある。
悪夢を見ている人は皆ズワルトを差別的な目で見て酷い態度を取った人達だ。
一方でハンスを始め宿の人達は、ズワルトに対して好意的で親切だった。
これは偶然とは思えない。」
「でも・・・でも・・・!」
リーネは空色の瞳を涙で滲ませて唇を噛んだ。
ライキはこれを話せばリーネがそんな顔になるとわかっていたので、そんな顔を見たくなかったと言わんばかりに辛そうに顔を歪めて俯いた。
「信じたくないのはわかる・・・。
俺は狩人だから魔獣だけでなく、動物に対しても情が湧かないように距離を置くようにと教わったし、そうしている。
それでも、ハンスにくっついて回るズワルトを見て愛着が湧いてしまったし、正直、やりにくいよ・・・。
リーネは優しいから尚更そうだろう・・・。」
ライキはギリッと歯を食い縛って拳を強く握り締めた。
「・・・ズワルトをこのままにしておくわけにはいかないの?
だって、悪い夢を見る人にはそれなりの理由があるでしょ?
命の危機があるわけじゃないのなら、悪い夢を見る人達にズワルトに対する態度を改めるように説得すれば、見なくなるかもしれないよね・・・?」
「いや・・・人の差別心なんて、他人に言われたからって簡単に改められるものじゃない。
それに、放置しておくのは危険だ。
ナイトメアシープはただ悪夢を見せるだけじゃない。
魔獣の特性上、悪夢を見せた人から生気を吸い取っている。
今はまだナイトメアシープに覚醒して間もないからか、悪夢を見せられた人はなんとなくダルいと感じるだけで済んでいるが、生気を吸い取ることでズワルトの魔獣としての経験値が積まれていき、魔力が高まってくれば、短時間で多くの生気を吸い取れるようになり、悪夢を見せられた人の死に直結してしまう。
それに、きっと力が大きくなるにれ制御が難しくなって、ズワルトにとって大切な人にまで危害が及んでしまうようになるぞ。
そうなってからでは遅い。
早めに手を打たなければ・・・。」
「手を打つって・・・どうするつもりなの・・・!?
ねぇ・・・!!?」
リーネが震える声でライキのジャケットを掴み、縋るように問うと同時に雨が降り出した。
「・・・・・俺は狩人だ・・・・・。
人に危害を加える魔獣は狩らなければならない・・・・・。
・・・ハンスに直接手を下すところを見せたくはないから、まずはズワルトを気に入ったと言って買い取る・・・。
ハンスは反対するだろうけど、ハンスの父親は内心ではズワルトのことを快く思っていないだろうから、取り引きに応じるはずだ・・・。
そして、この村を離れたなら、俺がズワルトを殺す・・・・・!」
二人の背後で雷雲が轟きピカッと空が光ると同時にリーネの瞳から涙が零れ、頬を伝った。
「そんなの嫌だよ!!
嫌っ・・・嫌だよ・・・ぐすっ・・・ぐすっ・・・
・・・もう少し情報を集めてみようよ・・・
まだそうじゃないかもしれないよね・・・?」
リーネがぽろぽろとこぼれ落ちる涙を拭いながら言った。
「・・・うん。
俺もまだそうじゃないと思いたいし、出来ることは尽くしてみるつもりだ・・・。
さっきのは、もしそうだったときの仮定の話だ。
だが、ズワルトに手を下す覚悟は決めておかなければならない・・・。」
「・・・・・。」
それから二人は雨の中傘も差さずに聞き込みを続けた。
結局得られた情報は、ズワルトがナイトメアシープだと決定づけるものばかりだった──。

村中央のチューリップ畑に建てられた風車小屋の時計が15時を告げる鐘を鳴らす頃、二人は誰もいない風車小屋の中でびしょ濡れで抱きしめ合っていた。
「どうしてズワルトがナイトメアシープなの!?
ねぇ神様・・・!
ひっく・・・ひっく・・・」
リーネがそう悲痛な声を上げて泣きじゃくっていた。
ライキは彼女を抱きしめながら、辛そうに顔を歪めて言った。
「ごめん・・・
全部俺一人でやるから・・・!
リーネにこんなこととてもさせられない・・・!!」
リーネは嗚咽を零しながら胸元のペンダントを握りしめて神に祈った。
「・・・あぁ神様・・・!
どうか哀れなズワルトに御慈悲を・・・!
・・・神様・・・?
待ってライキ。」
リーネは急にピタッと泣き止むと、仕事モードのときの真剣さと強さを孕んだ瞳でライキを見上げた。
ライキもそれを受けて驚き思わず涙が引っ込んだ。
リーネは胸元のペンダント”フェリシアの守り”をライキに見せた。
外の雨はいつの間にか止んでおり、退いた雨雲の隙間からは太陽が覗き、明かり取りの為の天窓から差し込んだ陽の光がその空色の石をチカリと照らし出した。
「私達にとっての神様は、ただ祈るだけの遠い存在じゃないよ?
私達はフェリシア様から寵愛を授かったつがい・・・。
何かできることがある筈!
・・・今すぐフェリシア様に相談してみよう!!」
リーネはそう言うと、ライキのボトムのベルトをカチャカチャと外し、ジッパーをジィィィ…と下ろしてライキのまだ柔らかい性器を取り出した。
そして、リーネは濡れた髪を耳にかけ、片手でライキのモノを支えながらあむっとそれを咥え込んだ。
「うっ、うわっ!
ちょっ、まっ、待てっリーネ!!」
ライキはリーネの突然の行動に慌てて驚きの声をあげた。
だが、リーネの口の中の暖かく濡れた感触と、頬を赤く染めながら必死にライキのモノに舌を絡ませてくる彼女の艶かしい表情と、宿でも一旦スイッチが入ったのにお預けになっていたこともあり、すぐに身体が反応してムクムクと限界まで勃ちあがった。
「あっ・・・くっ・・・リーネっ・・・!!」
完全状態のライキのものは大きく、リーネは全ては口の中に収めることは出来ないので、足りない根元付近は右手を使って扱く。
同時に左手では優しく玉を擦り、更に口の中ではライキが一番感じるカリ首や裏スジを非の打ち所のない動きと強さで舐めあげてくる。
「っはっ・・・♡
何かを決意したときのリーネって・・・マジ強いよな・・・。
俺、敵わないよ・・・っ」
ライキは風車小屋の壁にもたれて息を乱し、リーネの濡れた髪に指を滑り込ませて彼女の与えてくれる快楽に身を委ねながら言った。
「おちんちん吸ってもいい?」と言わんばかりにリーネが少し頬を凹ませて見上げてくる。
ライキは本来であれば瞬殺されてしまうバキュームフェラは好まないが、状況が状況だけに今は自分の嗜好よりも早くフェリシアに相談すべきだと思ったため、ハァ、ハァと息を乱しながらリーネに答えた。
「いいよ・・・吸っても。
でもっ・・・この件が解決したらっ、改めてっ・・・吸うの無し…でっ♡ゆっくり、しゃぶって・・・あっ♥くっ…れよ・・・な・・・?」
リーネはライキが全て言い終わらないうちにライキのものを咥えたままワンピースの上に羽織った白い皮のケープを脱いで自分の頭に被せて目から下を隠した。
(こんな時でもバキューム顔を見られるのは嫌なんだな・・・。)
ライキがそう思って苦笑いを浮かべたと同時にリーネの”超必殺技”が発動し、絶妙な吸い込み加減と大胆なストロークで容赦なくライキを攻め立て始めた!
「あっ・・・あっ・・・!うはぁあぁっ♥
んっ・・・くっ、はあっ、はあっ、リーネっ、リーネ!
やばっ・・・もっ・・・もうたない・・・あっ・・・ああっ・・・リーネッ・・・♥」
ライキはリーネの湿り気を帯びた髪をもみくちゃにしながら忙しなく切なげな声を上げ、その腰を壁から浮かせて立っている足に力をギュッと込めた。
「ふぅ・・・んっ♥」
その動きで彼の絶頂が近いことを感じ取ったリーネは興奮して声を漏らし、ストロークを最大まで深く早くして、足りないところは唾液を絡めた手で口の動きと合わせて扱き、ラストスパートをかけた!
「くっ、あっ、はあっ♥あっ、あくっ…はあっ♥
リーネ、リーネ!リーネッ!!
っ・・・・・・・・くっ!!!」
ライキは上半身をのけ反らせ、リーネの頭をグッと押さえてその口の中に腰を深く沈めると、一際大きく硬くペニスを膨らませながらビクンビクン!と身体を震わせて、愛しの彼女の喉奥に大量の精を解き放った!
激しい快楽の余韻に浸ってまだ彼女の口の中に入ったままで荒い息をついていると、二人の体が徐々に透けていき、空へと導かれて行く──。
空に浮かんだリーネはチュポン!と音を立ててまだ硬さの残るライキのものを口の中から開放した。
「リーネの舌技、相変わらずエグすぎだろ・・・。」
ライキが顔を赤らめ口元を波打たせながらそう言うと、口の中の精液をコクン!と飲み込んだリーネが、
「どうも、お褒めに与りまして・・・」
と、はにかみながらてへっと舌を出した。
その表情が可愛すぎてライキの胸はキュン♥と締め付けられた。
空は先程の雷雲が嘘のように晴れ渡っており、二人の真下にある風車小屋から20m程離れた位置にあるオレンジ色の屋根の宿の二階窓から、記者らしき男がカメラを構えているのが見えた。
ライキはそれに気が付くと慌ててボトムのジッパーを引き上げ、リーネを抱き締めたまま空を仰いた。
「二人共明るいうちからお盛んね♥
・・・なんて、冗談を言っている状況でもないかしら?」
すると、二人の期待通りに空から明るい口調の聴き慣れた女性の声が降ってきて、気がつけば二人の周囲にはキラキラした光がまとっていた。
「「フェリシア様!!」」
「天界から見ていたから大体の事情はわかっているわ。
ナイトメアシープになってしまった黒い羊のズワルトを何とか助けてあげる方法がないかってことでしょう?」
「「は、はい・・・!」」
二人は同時に頷いた。
「まずは私を頼ってくれてありがとう!
私は下界に直接干渉する権限は無いのだけど、それでも可愛いつがいの力になれたらっていつも思っているの!
だから、これからも何か困ったことがあれば私に相談してね?」
フェリシアの心からの言葉に、二人は微笑み、頷いた。
「「はい・・・!」」
「さて、本題のズワルトのことだけど。
普通の羊だったズワルトがナイトメアシープになってしまったのは、一週間前にネーザ村付近に現れたダルタンテの放った◆の魔獣とズワルトが接触してしまったことが要因だと思うわ。
ダルダンテは人だけでなく、動物の負の感情にも付け入ることも得意だから、突然変異体として産まれてその黒い姿から村の一部の人達に嫌われ負の感情をぶつけられていた彼女には取り入りやすかったのでしょう。
それで、◆の魔獣を通して彼女の負の感情を媒体に魔力を植え付けてナイトメアシープにした。
その◆の魔獣についてはまた今度ヴィーから説明するとして、今はナイトメアシープになってしまったズワルトを無力化する方法について話すわね・・・。」
「「はい・・・。」」
二人はゴクッと生唾を飲むと、不安そうに頷いた。
「安心して頂戴。
その方法はあるわ!」
二人は安堵して表情を緩め、空中で手を取り合った。
「ナイトメアシープって雷羊らいようと同様に、体の中にある魔石の力を体毛を通して伝えているの。
体毛に魔力が満たされた状態になると、眼が紫色に光るわ。
だから、それを無力化するには魔力の元となる魔石を破壊するか、それを伝達する体毛を破壊するかの2つになるわ。
でも魔石の破壊は・・・狩人のライキならわかると思うけど、魔石って心臓の中にあるのよ。
だから、心臓を傷つけずにズワルトを生かしたまま魔石だけを取り除くことは今の私の国の文明ではまず不可能ね・・・。
だから、体毛を破壊する方法しかない。」
「えっ・・・それって、ズワルトの毛を狩ればいいってことですか?」
ライキが尋ねた。
「えぇ。
でも毛なんてすぐに生えてくるからね・・・。
あなた達がずっとズワルトを管理して、毛が少しでも生えてきたら狩り揃えていけるなら無力化させ続けられるでしょうけど、そんなの無理でしょう?
だから毛根から断つしかない訳だけど、それにはリーネのあれが使えるんじゃないかと思うの!」
「私のあれ?」
リーネが小首を傾げた。
「貴方が以前対ダルダンテ用に作ってくれた”剥げ+不能になる毒”よ!」
「あっ!」
「そうか・・・あれなら・・・!」 
ライキとリーネは互いにフェリシアの言うものに思い当たり、表情が更にパアッと明るくなり、抱きしめ合った。
「あれを使えばズワルトは毛根とおさらば。
永久につるつるすべすべのボディでいられるわ!
幸い女の子だから、不能の方は影響ないわけだしね!
リーネは護身用にその毒を常にポーチに入れて持ち歩いているでしょう?」
「は、はい・・・!」
リーネが頷いた。
(あの毒、常に持ち歩いてたんだな・・・。
まぁリーネはダルダンテの手の者にいつ狙われるかもわからないんだ。
何時でも身を守れるように持っているべきだけど・・・。
・・・リーネのポーチの中を勝手に触るのはやめておこう・・・。
万が一その毒と知らずに触れてしまったらと思うと恐ろしいからな・・・。)
とライキは密かに冷や汗をかくのだった。
「それならそれをズワルトに使えばすぐに解決するわ!
幸い彼女はまだ心までは魔獣にはなっていないし、誰かを殺してもいない。
今のズワルトならナイトメアシープとしての力を無力化させ、元の生活に戻すことが出来るわ!」
だが、リーネはすぐに心配ごとに思い当たったのか、また表情を曇らせて呟くように言った。
「・・・でもズワルト、女の子なのに・・・。
群の中で、ずっと自分だけが永遠に体毛がないのって、ズワルト的にはどうなのかな・・・?」
「・・・それはこの際仕方がないんじゃないかしら?」
フェリシアの(あぁ、何だ、そんなこと)という安堵と(リーネは本当に優しいわ・・・)という慈しみが混じった声が空から返ってきた。
「うん。
俺もナイトメアシープを傷付けずに無力化させられる最も最適な方法だと思う。
見た目なんて二の次だろ。」
ライキもフェリシアに賛同して頷いた。
「そんなことない!
女の子にとって見た目はとっても大切だよ!
何とかしてあげられないかなぁ・・・?」
そう呟きながら、リーネが真下に広がるレインボーカラーのチューリップ畑を見て何かを閃いた。
「・・・ちょっと待って・・・!
あれにあれを組み合わせれば・・・・・
ライキ、私に、いい考えがあるの!!
水晶うさぎの体毛は魔力を通さないんだよね?」
「あぁ、うん。
そうだけど・・・?」
「お昼に見せてくれたあの毛皮、薬の材料にしたいんだけど・・・私に譲ってくれない?
凄く貴重なものだって言ってたけど・・・無理かなぁ?」
リーネに上目遣いでお願いされ、ライキはドキン!と心音を高く跳ね上げた。
(・・・くっ・・・くっそ可愛い・・・!
反則だろその顔・・・落ち着け俺っ!)
とライキは頭の中で自分を制して一呼吸ついた後、なるべく平静を装って答えた。
「毛皮・・・ズワルトのために使うんだろう?
それなら全然いいから使ってくれよ。
水晶うさぎの盾みたいに魔法を完全に防げるわけじゃないけど、俺には高い魔法防御力を持つこの”銀色狼の鎧よろい”があるしな。」
と言って胸のプレートを指差すライキ。
「それに、冬が来たらまた水晶うさぎを狩ればいいだけだ。」
(くっ・・・つい強がってカッコつけてしまった・・・。
水晶うさぎを狩るの、マジで大変なのに・・・!
でも、ズワルトのことがなくてもリーネにあんな可愛い顔で頼まれたら、やっぱりあげてしまうよな・・・。)
ライキはそう心の中で苦笑いをした。
「ありがとうライキ!
だぁい好き!!」
花のように微笑んだリーネにぎゅーっと抱きしめられたライキは、格好をつける余裕もなくなって、だらしなく緩みきった顔で幸せそうに微笑んだ。
「それからね?
下に降りたらすぐに村長さんのところに行っていい?
村長さんに許可を貰って、チューリップ畑から全ての色のチューリップを少しずつ分けてもらいたいの!」
「うん、いいよ?
チューリップ、何に使うんだ?」
「えへへ!
それは出来てからのお楽しみ♥」
(俺のつがいくっそ可愛い・・・!!
今すぐ襲いたい・・・!!)
リーネの満面の笑みにライキは1人心の中でそう叫んだ。
「その後は宿に戻って薬を作りたいんだけど、今回は元からある毒に手を加えて薬にするだけだから、夕食のハンバーグの片手間に作れると思うんだ!
でもね、ぶっつけ本番のアレンジだし、元の毒を上書きするくらい強力な薬が必要になるの。
だから、私、神秘の薬の力を使いたい・・・!
それで、ライキにお願いなんだけど・・・・・・あの・・・・・は、恥ずかしいけど・・・・・その・・・・・」
そこから先はライキの耳元で囁くように、
『私を、イかせて・・・くれる・・・?』
と真っ赤な顔で伝えるリーネ。
”ズキューーーン!”
ライキの頭の中でそんな音が鳴り響き、ライキは瞳に♥を浮かべて声を上擦らせながらリーネを力いっぱい抱き締めた。
「・・・あぁもう!
何でそんなに可愛いことを言うんだよ!!
さっき出してばかりなのに、また勃って・・・!
これ、何度出したって全く収まる気がしない・・・!!」
ライキの言葉を聞いてリーネは元から赤かった顔に更に熱を込めて軽く目を回した。
「ぷっ・・・くっ・・・!!
さっきから弟子の思考を含めた台詞せりふが面白すぎて、笑いを堪えるのが大変なのですが・・・!」
そこでライキの師でありフェリシアの神使しんしであり夫でもあるヴィセルテの笑いを堪えた声が降ってきた。
「えっ!?師匠!?
フェリシア様のお隣で見ていたんですか・・・。」
ライキが真っ赤になって口元を波うたせた。
「えぇ、最近はダルダンテ神が動き出した関係で忙しく留守がちではありますが、今は手がいて天界に戻っておりまして、フェリシア様にお茶をお出ししていたところです。」
「うふふふふ!
さっきからすっかり二人の世界で、私達の目の前だってこと忘れてたでしょ!」
とフェリシアも二人を冷やかした。
二人は真っ赤になり、あわあわと慌てて手だけを繋いで身体を離した。
「あらら!もっとくっついててくれて良かったのに!」
フェリシアがクスクスと笑った。
「あっ、師匠!
この村の近くに現れたっていう◆の魔獣のことをお聞きしたかったのですが・・・」
ライキが顔を上げて師に尋ねた。
「えぇ。
そのことは今の所急を要する事態でもないので、この騒動が片付いた後にでも改めましょう。
今はリーネさんの薬づくりの支度を優先させてあげてください。」
「はい・・・!」
ライキは頷いた。
「リーネが何を作るつもりなのか、楽しみにしてるわ!」
「「それじゃ、また!」」
フェリシアとヴィセルテの声が同時に降りてきた。
「「はい!」」
二人もそれに同時に返事をすると、ライキがそっと目を閉じる。
その直後にシュン!と音を立てて二人の姿は空中から消え、元にいた風車小屋へと着地した。
「驚いた・・・!
空飛ぶつがいの噂は本当だったんだ・・・!!」
オレンジ色の屋根の宿屋の二階窓からカメラを構えていた男がそう口にしながらカメラを下ろし、嬉しそうに眼鏡の奥の目を輝かせていた──。

下に降り立った二人はまず濡れた服と髪をライキの─ウインド─の魔法でざっと乾かしてから、村長に頼んでチューリップの花を幾つかわけてもらった。
ついでにチューリップ畑の近くに咲いていた白詰草の花をいっぱい摘んでから宿に戻る。
ライキが女将から部屋の鍵を受け取ると、眼鏡をかけたカメラを首から下げた男が客室のある二階から物凄い速さで駆け下りてきて、二人を見るなり飛びつきそうな勢いで声をかけてきた。
「君たち、銀色狼と空駒鳥のつがいではないかい!?」
「えっ!?
は、はい?そうですけど・・・。」
ライキがびっくりして引き気味でそう返事をすると、男は目をキラキラと輝かせてライキの手を取った。
「僕、さっき窓から見ていたんだよ!
君たちが空に浮かんでいるところを!
きみたちが女神フェリシア様に寵愛を受けて、空を飛ぶことが出来るって噂は本当だったんだね!!」
ライキはさっき空から宿の窓からカメラを構える彼の姿を見た事を思い出してから、リーネと顔を見合わせた。
「えぇと、何故俺たちのことをご存知なんですか?
俺たちが飛べることは、フォレストサイド村の人しか知らないはずなのに・・・。
貴方、フォレストサイド村の人じゃないですよね?」
ライキは男に尋ねた。
「あぁ、僕はフランの町から来たんだよ。
名前はフレデリク・フォトグラファー・ジャーナリスト。
フレッドでいいよ。
宜しくね。
君たちってフランでも有名人なんだよ?
町の上空を君たちが飛ぶところを何度か目撃されているし、昨年の秋にローデリス邸にも来ただろう?
そこの従業員からの証言もあってね。
”空飛ぶつがいを見たら幸せになれる”って噂まであるよ!」
「えっ、そうなんですか?」
リーネが初耳!と言いたげに目を見開いて驚いた。
「うん、そうなんだ・・・!
それに彼のお兄さん、教会から発行されている”フェリシア神国 祝福の夫婦の写真集”の表紙になっているよね?
森の青鹿亭夫婦の結婚式に僕もカメラマンとして参加させてもらっているんだよ!」
ライキは昨年秋の兄の結婚式のときに来ていた取材陣の中に彼らしき人物がいたことを思い出した。
「あぁ!あのときの!」
「あっ!覚えていてくれたんだね!
光栄だなぁ!」
フレッドは嬉しそうに笑った。
「僕の撮った写真の中でも君のお兄さん夫婦の写真は最高の出来栄えなんだよ!
僕、綺麗な景色や感動的なシーンやワクワクするような場面を写真に収めたくてフォトグラファーになったからね!
今は仕事の上司と一緒にこの村に来ていて、あの素晴らしいチューリップ畑と風車を写真に収めるはずだったのに・・・。
何故か、悪夢を見る宿だなんて、撮りたくもない人をおとしめるような写真を撮る羽目になって・・・・・。」
フレッドはそう言うと影を落として俯いた。
「・・・大丈夫ですよ。
ナイトメア騒動は今夜で終わりますから、どうか顔を上げてください。」
リーネが穏やかに微笑むとフレッドに向けてそう言った。
「えっ、終わるってどういう・・・。」
フレッドは顔を上げてリーネを見た。
「えぇと、なんて説明すればいいのかな・・・?」
リーネが困っていると、ライキが横からこう言った。
「俺たちがフェリシア様から授かった力は、俺の空を飛ぶ能力だけじゃなく、リーネには凄い薬を作る力があるんです。
それを今から作って、必ず解決に導きますから。」
『ちょっ、ちょっとライキ!
何でそれを話しちゃうの?
そんなこと知られちゃうの、私恥ずかしいんだけど!』
リーネがライキを掴まえて耳打ちした。
『別に発動条件のことは言ってないんだからいいじゃないか。』
『でもっ・・・!』
『大体、俺だけが力を知られているのはフェアじゃない。』
『出たっ!ライキの口癖っ!!』
二人がそんなことをコソコソ言い合っているのを他所よそに、フレッドは暫くワナワナと震えてから感激が爆発したかのように声を張り上げて言った。
「えっ!!
つまりは銀色狼と空駒鳥のつがいは彼に飛ぶ力があり、彼女にはすごい薬を作れる力があると、そういうことなのかい!!?」
「はい、そうです。
でも、俺たちの力を発揮させるには、誰にも邪魔されずに二人だけで集中する時間が必要なんです・・・。
だから・・・」
ライキはそう言いながらこれから過ごす二人だけの濃厚な時間への期待が溢れてきて、下半身にまた血が集まるのを感じた。
「えっと・・・暫く、そっとしておいて、貰えますか・・・?」
ライキはそれだけ言うと、早く二人きりになって本能の赴くままにリーネを貪り食おうと、汗ばむ手でリーネの手を引くと部屋へと続く階段にそそくさと足をかけた。
「あの・・・待ってくれ!
一つだけ確認をさせて欲しい・・・!」
フレッドが階段の下から声をかけた。
(え゛っ、まだ何かあるのか?
俺もうそっちを振り返れないんだけど・・・!)
ライキは膨らんだ下半身をチラッと見て汗を飛ばしながら足だけを止めた。
それを察したリーネが代わりに「はい?」と振り返る。
「このナイトメア騒動が本当に解決したのなら・・・君たちのことを記事にしてもいいかい?」
フレッドは必死な形相で言った。
「・・・いいですよ?
でも、ナイトメア騒動のことは伏せて、私達はただ巡礼の旅で来たってことにしてください。
そして、この村の素晴らしい景色のことと、可愛い羊たちと元気な羊飼いの少年のこと、それから親切な女将さんと可愛い看板娘ちゃんがいる素敵なお部屋の宿屋さんのことも、きちんと紹介してあげてくださいね!」
リーネはそう言って会釈をしてから耳まで赤く染めたライキの方へと向き直り、二人ではにかみながら二階へと消えて行くのだった──。
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