金獅子とドSメイド物語

彩田和花

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16話 金獅子とドSメイドが繋がった夜

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※このお話にはHな挿絵が入りますのでご注意ください。
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レオンがモニカと共にエレベーターから出てくると、執事長のリチャードが待ち受けており、恭しく頭を下げるとこう言った。
「おかえりなさいませ、レオンハルト様。
この度は長期に渡る遠征、大変お疲れ様でした。
貴方様のご活躍のお蔭で我々の平和は守られました。
お疲れのところ恐れ入りますが、当主様がお部屋でお待ちですのでそのままお越ししただけますか?」
「・・・わかった。
モニカが同席しても?」
とレオン。
「いえ・・・。
今回は込み入ったお話になるため、レオンハルト様お一人でとのお申し付けでした。」
「そうか・・・わかった。」
レオンはどんな話をされるのかわかっているようで、憂鬱そうに眉を寄せた。
「レオン様。
私はお夕食の支度をしながらお部屋でお待ちしておりますわね。」
と笑いかけるモニカ。
「あぁ・・・。
モニカの作った食事を食べるのは久し振りだ・・・。
今晩は何を作るんだ?」
と少し機嫌を取り直して微笑みながら尋ねるレオン。
「レオン様が帰って来られましたし、すき焼きというジャポネではおめでたい時に食べられることもある鍋料理にしようかと思っていますの。
煮込んだ牛肉や様々な具材を生卵につけて食すのですが、卵かけご飯がお好きなレオン様ならきっとお気に召されますわ! 
実はレオン様が近々お帰りになるとお聞きしてから良いお肉を仕入れておいたのです。」
「そうか・・・それは楽しみだ!
それじゃ行ってくるよ。」 
「はい。
行ってらっしゃいませレオン様。」
モニカはそう言って頭を下げ、執事長リチャードに連れられてダズルの部屋へと向かうレオンを見送った。

リチャードがダズルの部屋をノックし、レオンは部屋に通された。
(この部屋に入るのは、男の証の指輪を貰い受けた時以来か・・・。)
とレオンは部屋の中を軽く見渡した。
部屋の右側には大きなベッドが置かれ、左の低い棚には大きな花瓶に生けられた大胆かつ鮮やかな花々が彩りを添えていた。
そして部屋の中央の窓際には豪華な机と椅子が置かれてあり、部屋の主であるダズル・ナイトはその椅子に座ってこちらを見ていた。
その脇には宰相であり2番目の腹違いの兄でもあるジェイドが控えている。
リチャードは彼ら3人に頭を下げてから退室した。
まずはジェイドがレオンににこやかに微笑みかけてこう言った。
「レオくんお帰り。
この度の遠征、本当にお疲れ様。
早速で悪いけど、ロジウムでの4ヶ月間の出来事を報告してくれるかい?
連絡役の騎士から大体の報告は訊いているけど、レオくんの口からもちゃんと聞いておきたいからさ。」
レオンは難しい顔で数秒間ダズルとジェイドを見てから答えた。
「わかった。
まず、ロジウム区域の様子についてだが・・・」

レオンは自分が知る限りの戦いの様子を彼らに話した。
どのような魔獣が出てきて、いかにその戦場が過酷であったか。
そしてグリントがどのようにして生き残り、どのようにして死んだのか。
また、ブルードラゴンと思われた魔獣群のボスが何故かレオンの火や光の魔法を吸収し、炎のブレスを吐いてきたこと。
そして、決戦前夜にグリントからナイト家の真実を聞かされたことも。
だがヘリオス連合国の神使でありジャポネの代表ファルガー・ニゲルがオリーブ騎士になりすましていたことは、モニカに配慮して黙っておいた。
「そうか・・・。
グリントには口止めをしていたのだが、ナイト家の真実をお前に話してしまったのだな・・・。
まぁどの道お前が15になるまでには話さなければならなかったことだし、グリントが戦死し、お前が次期当主になることが決定した今となってはそれも丁度良かったのかもしれん。
レオンハルト。
2ヶ月後のお前の15の誕生日に開催されるお披露目の場において、騎士名と共に次期当主であると民に公表するから、そのつもりでいるように。」
とダズルが言った。
レオンはそれに対して暗く沈んだ表情で俯いてからこう返した。
「・・・父様・・・
本心を言えば、僕は人の上に立つ器ではないと自覚しておりますし、次期当主になどなりたくはありません・・・。
ジェイド兄さんが次期当主では駄目なのですか?」
「僕かい?」
とジェイドが目を丸くして首を傾げた。
「僕個人としては人の上に立つのもレオくんと違って苦ではないし、なれるものならなってみたいけど、騎士じゃない僕がこの騎士の国の代表になることは、民が認めないだろうね。」
とジェイド。
ダズルはそれに頷きこう言った。
「その通りだ。
それにグリントが戦死せずともお前を次期当主にするつもりだった。
その理由はグリントから真実を聞かされたお前ならわかるだろう?」 
レオンは拳をギュッと握りしめ、鋭い眼差しを父親に向けながら低く押し殺した声でこう言った。
「・・・・・ならばせめてモニカを第1妃にする許可を下さい。
モニカは非常に優秀で、僕に足りないものを沢山持っています。
モニカの支えがあれば、僕は当主としてやっていけると思うのです。」
「・・・レオくん・・・」
ジェイドがレオンに同情して眉を寄せた。
だがダズルはレオンの気持ちを汲み取る様子もなく即答した。
「ならん!
モニカがいくら優秀な女であっても庶民だ!
お前が次期当主でないのならともかく、次期当主の第1妃に庶民がなろうなど、貴族共が認めるわけが無かろう!?
それにお前にはきたる魔王復活の時のため、ナイト家とラスター・ナイト双方の血を強く固めていく義務がある!」
レオンは父のその言葉に逆上し、敬語を使うのも忘れて反論した。
「義務だって!?
そんなの知るか!
自分達の先祖がしでかした過ちの尻拭いくらい自分達でしろよ!
そこに僕と母様を巻き込むな!!
モニカを第1妃にできないのなら、僕はこの国を捨ててやる!」
ダズルはレオンを睨みながらこう返した。
「そんな身勝手をしてみろ。
アンジェリカと貧民街の傍で武器屋をやっているお前の祖父母、オリガやその兄弟子供達がどうなるか・・・一通りの貴族教育を受けてきたお前なら考えずともわかるだろう!?」
レオンはビクッと反応して泣きそうな顔になり、眉を寄せて俯いた。
「・・・その者達が大切なら、その宿命を受け入れろ・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
レオンは悔しそうに歯を食いしばった。
ポタポタと涙が零れ落ち、足元の絨毯を濡らした。
ジェイドはそんなレオンが気の毒になり、父に厳しい顔を向けてこう言った。
「父様・・・
レオくんは父様の代わりに戦場に行き、今帰ってきてばかりなんだよ?
まずは労ってあげるべきだ・・・。
それなのに自分の要求ばかりを押し付けて・・・レオくんに対してあんまりじゃないか。
次期当主云々の話は、グリント兄さんの葬儀が終わってから改めてすればいいし、今はそれくらいにしておきなよ。」
「・・・わかった。
だがレオンハルト。
早急に証は立てろよ。
いつまでも童貞でいられては、お前を次期当主とするためのもろもろな下準備も進められず話にならんからな。
その相手としてならお前がご執心のモニカであっても別に構わん。
それともその相手探しもこちらで用意が必要か?」
レオンは眉をキッ!と釣り上げ父を睨みつけながらこう言った。
「必要ない!!
今夜モニカで証を立てると約束している!!」
「そうか。
ならば明日朝証が立てられたかどうか確認するから、バイコーンの指輪を見せに来るように。
それから白の剣はここに置いていけ。
・・・もう下がって良いぞ。」
レオンは無言で白の剣を父の机の上に置くと、踵を返してダズルの部屋を出て行った。

レオンはダズルの部屋での一件を引き摺って眉間に皺を刻んだまま自分の部屋をノックしたが、出迎えに出てきたモニカの顔を見てそんな気分も何処かへと吹き飛んでしまったのか、表情を優しく崩した。
「おかえりなさいませ!
レオン様!」
「うん・・・。
この部屋に帰って来るのも4ヶ月ぶりか。
懐かしくさえ感じるよ。
4ヶ月の間、君がこの部屋を綺麗にし続けていてくれたんだな。
ありがとう。
・・・モニカ。」
レオンはモニカの頬にそっと手を伸ばすとキスをした。
最初は優しく唇の形を確かめるかのようなキスだったが、次第に激しく深くなっていき、舌を絡め取られた。
モニカは頬を染めながらそれを受け入れた。
だがそのキスは何時までも終わる気配がなくどんどんエスカレートしていき、モニカの尻や胸にまで手を伸ばしてきて、更にはギンギンに硬くなった股間をグイグイと腹に押し付けてきたので、モニカは真っ赤な顔で彼の胸元を軽く押してそれを拒んだ。
「もう・・・レオン様ったら。
お夕食も召し上がられずにここで証を立てられるおつもりですか?」
「いや、だって4ヶ月も君に触れられなかったんだぞ?
やっとプライベート空間で2人きりになれたんだし、そりゃあ止まらなくなるよ・・・」
そう言って長いまつ毛を伏せ、またキスをしようとしてくるレオン。
モニカはその唇にそっと手を当ててはにかみ、こう言った。
「夜にしたいこと全部なさってくださって構いませんから・・・今はご飯の支度が整うまでゆっくりお風呂に入ってきてくださいな。
お風呂なんて久しぶりでしょう?」
レオンは決戦前夜、同じセリフを言ってダニイルが風呂を用意していた事を思い出し、急に険しい顔になった。
「どうかされましたか?
レオン様・・・」 
と心配そうにレオンの顔を覗き込むモニカ。
「いや・・・
少し嫌な相手のことを思い出した・・・。
・・・風呂、入ってくる・・・」
レオンはそう言って少し眉を寄せたままで脱衣所に入って行った。
モニカは、
(嫌な相手・・・?
ファルガー様から決戦前にレオン様と同じ班になったとは訊いていましたが、あくまでオリーブ騎士のダニイルとして私情を挟まず接するつもりだと仰られていましたし、任務完了後も特にレオン様と何かトラブルがあったという報告はなされませんでしたが・・・。
もしかして、ファルガー様が私に言いたくないやり取りが、レオン様との間になされた・・・?)
と思うも、
(いえ・・・きっと今夜全てレオン様がお話してくださるでしょう。
私は美味しい食事を心を込めて用意させていただくことに専念致しますわ。)
と気持ちを切り替え、調理台のある自分の部屋へと戻るのだった。

レオンがポメロの香りを漂わせながら風呂から上がって来た時には、既に夕食の支度が整っていた。
テーブルの上には魔石のついた調理用コンロと浅めの鉄鍋が置かれ、牛肉に白葱、豆腐に白菜、椎茸や糸こんにゃく等の様々な食材達が鍋に投入されるのを待っているかのように皿に綺麗に並べられており、小鍋にソイソースベースの甘辛い香りを放つ割り下が用意されていた。
つけダレとして用いる卵はすでに割られた状態で皿に入っており、すき焼きのサイドメニューとしてさっぱりとした春キャベツとラディッシュの浅漬けも皿に盛り付けられていた。
他には炊きたてのライスが入っていると思われる保温釜に、しゃもじと伏せたお茶碗が3つ置かれてあった。
「美味そうだ・・・」
レオンが涎を垂らしてそれらを見ると、モニカがクスクスと笑いながらレオンの濡れたままの髪を手で掬ってこう言った。
「まず髪を乾かしてからアンジェリカ様をお呼びしましょう。
そのままにして風邪を引かれてはいけませんから。」
「・・・君が乾かしてくれる?」
とモニカに甘えてすり寄るレオン。
「もう・・・本当に甘えん坊なんですから・・・」 
モニカはそう言って微笑むと、慣れた手つきで主人の髪を温風器で乾かしていく。
「やはりこの時間はとても好きだ・・・
・・・いつまでも君にこうして貰えたらいいけど、きっとそうもいかないんだろうな・・・」
とレオンは呟いた。
「あら。
以前はレオン様がお年を召されても、私にこうして乾かして貰うんだとおっしゃっていたではないですか。」
と誂うモニカ。
「うん・・・
あのときの僕は何も知らない子供で、それがそんなに難しいことじゃないと思ってたから・・・。」
モニカは彼のその言葉を訊いて、きっと先程ダズルの部屋に呼ばれた際、次期当主となる話をされたのだろうと察し、悲しげに栗色の瞳を揺らすのだった。

髪を乾かし終えた2人が揃ってアンジェリカを呼びに行くと、アンジェリカは4ヶ月ぶりに会った息子を見て瞳に涙を浮かべながら抱きしめた。
「・・・また少し背が伸びた?
顔立ちも何だか男らしくなったわね・・・!」
「ははっ母様、再会しての第一声がモニカと全く同じだ!」
とレオンは笑った。
「あらっ、そうなの?
だってねぇモニカさん!」
「えぇ、本当にぐんと大人らしくなられましたものね!」
レオンが2人に揃ってそう言われて照れくさそうに苦笑したところで、ぐぅ~~~っと腹の音が鳴った。
「うふふっ!
レオン様ったら、凄いお腹の音がしましたわよ?
すぐにお夕食に致しましょうね!」

その後は3人でお互いに会えなかった期間の報告を軽くしながらすき焼きを食べた。
すき焼きはモニカの予測通りレオンとアンジェリカのお気に召したようで、レオンはどんどんとお代わりをしていた。
食事が済み、モニカが食後のお茶を用意していると、アンジェリカが真剣な表情でレオンに向けてこう言った。
「レオンハルト。
貴方に話があります。
モニカさんにはこの間父さんから話してもらったことなのだけど、私達の先祖についての大切なことなの・・・」
と言った。
それに対してレオンは数秒の無言の後、「ふっ」と笑いを零してからこう答えた。
「・・・ナイト家の嘘、そしてラスター・ナイトの本当の子孫の話だろう?」
モニカはそれを訊いて、
(やはり・・・)
と得心がいった。
「貴方・・・帰宅して早々ダズルからそれを聞かされたの?」
と心配そうに眉を寄せながらアンジェリカが尋ねた。
「いや・・・
ロジウムでの決戦前夜にグリント兄さんから聞かされた・・・。
グリント兄さんは次期当主になりたがってた。
その目的を達成するのにブルードラゴン退治の手柄が欲しくて、僕にその手助けをさせるためにその話をする必要があったんだろう。
折角の手助けも虚しく死んでしまったがな・・・。」
とレオンは眉を寄せて答えた。
アンジェリカは暫く無言で俯いた後、深刻な表情で言った。
「・・・そう・・・。
・・・これからは貴方が次期当主になるために周りが動き始めると思うわ・・・。
でも・・・私は貴方達に添い遂げて欲しいと思っているの・・・。
今すぐには無理だけど、必ず何とかしてあげるから、どうか希望は捨てないで欲しいの・・・・・」
アンジェリカはレオンとモニカ2人の手を重ね合わせると、それを上から両手で包みこんでギュッと握った。
だがレオンは苛立ちを露わにして開いていたほうの手で母の手を掴むと、その手を外させた。
そして険しい顔をしてこう返した。
「・・・・・母様は、それがどんな結果を招くことになるのかわかって言っているのか?
そんなことをすれば母様だけじゃない。
じーちゃんもばーちゃんも、オリガもサーシャも、他の僕の親戚に当る皆にとばっちりが行くんだぞ!?
それに、貧民街の学校だってきっと犠牲になる・・・。」
アンジェリカは答えた。
「わかってるわ・・・。
でもオリガやサーシャ程貴方と血が離れていれば、交渉次第で無罪に出来るわ・・・!
学校のことは、経営を引き継いでくれそうな貴族に当たってみるから・・・」
「・・・母様とじーちゃんばーちゃんは?
・・・まさか僕たちのために犠牲になるつもりだとか言わないよな?
そんな事をされて、僕とモニカが平気でいられると思うのか!?」
とレオンは碧い瞳に涙を浮かべながら声を荒げた。
「いいの・・・
私達はもう覚悟ができているから・・・」
アンジェリカはそう言って微笑んだ。
「覚悟!??
そんなのは母様達の勝手な押し付けだ!!
僕は母様とじーちゃんばーちゃんを犠牲にしてまでモニカと添い遂げるつもりはない!!!
モニカだってそうだろう!??」
モニカはレオンにそう問われて、深刻な表情で深く頷いた。
「・・・・・はい・・・・・。」
だがモニカはそれだけでは終わらずに、顔を上げてこう続けた。
「ですが私は完全に諦めた訳ではありません・・・。
誰かが犠牲に遭うようなことなく、レオン様が自由を得られる方法がきっとあると・・・」
レオンはモニカのその言葉を遮り、感情を剥き出しにした声でこう被せてきた。
「そのために君は処女を捧げた男に頼るのか!?
僕はそいつの助けを借りるなど絶対に御免だ・・・!!!」
「・・・・・・!!」
モニカは彼の言葉に驚き言葉を失ってから、レオンに恐る恐るこう尋ねた。
「・・・ファルガー様と・・・戦地で何かあったのですか・・・?」
レオンは、
「あの男から何も訊いていないのか?」
と言ってから自嘲気味に笑うと、拳をグッと握り締め、つらつらと早口でぶち撒け始めた。
「あの男とは決戦前日から行動を共にしたが、君に愛を告げられ、本命がいながら君の魅力に抗えず抱いただの、君とのセックスが最高すぎて本命から乗り換えるつもりだの、初めて男を受け入れた時の君の特別な顔を知っているのは自分だけだと優越感を感じているだの、君が僕とうまく行かなくなって泣きついてきたなら遠慮なく攫っていくだの、僕に対して散々抜かしてから正体を明かして去っていったぞ?
だが僕はあいつに君を返すつもりなんてない。
僕は今夜君で証を立てて、奴の余韻を微塵も残さないくらいに抱き潰して僕のものへと上書きしなければならないんだ・・・!
あぁ・・・・君に話したかったこと、今ので全部言ってしまったな・・・。」
レオンはそう言って「ははっ・・・」と乾いた笑いを零した。
「そういうわけだから母様。
モニカと2人きりにしてくれないかな?
母様もそろそろ父様あいつとお楽しみの時間だろう?
早く帰ったほうがいい・・・。」
レオンはアンジェリカに向けて嘲りを含めた言葉を投げつけた。
「レオン様!!
アンジェリカ様に対してそのような物言いはあまりにも・・・!!」
モニカが主人を諌めようと声を荒げると、アンジェリカがそっとモニカの肩に手を置き頭を振った。
「わかった。
今日のところは帰るわ。
モニカさん、良ければ今レオンハルトが言った貴方絡みのこと・・・今度ちゃんと聞かせてくれる?
貴方の口からどんなことを聞かされても、私は貴方を信じてるから・・・。」
「アンジェリカ様・・・・・。
はい・・・・・。
明日全てお話します・・・。」
とモニカはアンジェリカに真剣な眼差しを向けてから返した。
「ありがとうモニカさん。
・・・レオンハルト。
出ていく前にこれだけは言わせて頂戴。
愛しあう2人が同意のもとで結ばれるのは素敵なことだと思うわ。
でも貴方のその怒りをモニカさんにぶつけるのは間違いよ?
折角好きな人と一つになれるのだから、今は煩わしいことを何もかも忘れて、本当の心で向き合って繋がりなさい。
いいわね?」
「・・・・・・・・・。」
レオンは母の言葉に何も返せず、ただ険しい顔で俯いていた。

アンジェリカが部屋に帰り2人きりになった後も、レオンは無言のままだった。
モニカは、
「・・・お片付けを致しますね。」
と言って使った食器を自分の部屋へと運び、洗った。
食器洗いを終えたモニカが再びレオンの部屋の方へと戻ってくると、レオンはベッドに移動して寝転んでいたが、まだ起きているようだった。
モニカは、
「私、お風呂に入って参りますね。
その後・・・夜伽の支度を整えてからレオン様の寝台に参りますが、お疲れでしたら寝てくださっても構いません。
その場合は私、自分の部屋で寝ますから・・・」
と声をかけた。
すると、
「・・・・・折角君が抱けるのに、先に寝たりなんかするものか・・・・・。
夜伽の支度なんていいから、風呂から上がったらすぐに来てくれ・・・
・・・産まれたままの姿の君がいい・・・。」
とまだ感情の切り替えが出来ていないのか少しぶっきらぼうではあったが、大分彼らしさを取り戻した返事が帰って来た。
モニカはホッとして優しく微笑むと、
「はい・・・」
と頷いた。

レオンはベッドに腰を掛け、白い石が輝くバイコーンの指輪をはめた左手と何もつけていない右手とを組み合わせ、それらを足の間に置いた姿勢でモニカが風呂から上がるのを待っていた。
そうしてロジウムへ出撃前、モニカと一緒に風呂に入った時に見た彼女の美しい身体を思い浮かべる。
(今からモニカのあの綺麗な身体を僕の好きに出来ると思うと酷く興奮する・・・)
その思考と連動し、限界まで硬くなった股間の剣が強く脈打った。
(だがファルガー・ニゲルがモニカに刻んだものを僕なんかが上書きすることなんて出来るのか・・・?
ただ事実上の性交回数で上回っても意味がない・・・。
やっぱりあいつのほうが気持ちよかったなんてモニカに思われてしまえば、それは何ら意味をなさなくなる・・・。
僕の持物は大きくない・・・。
あの男のモノのほうがきっと立派だったはずだ・・・。
僕は童貞・・・。
それに対して奴には本命との経験があっただろうし、女の喜ばし方を知っていた筈だ・・・。
モニカは大きさが全てではない、自分でどれだけ興奮したのかが大切だと言ってくれたが、今の僕は実際に恋のライバルを目の当たりにしたことで、奴に一つも勝てるところがないと自覚し、臆してしまっている・・・。)
その気持ちと連動して先程とは逆に、レオンの股間は元気を無くしてしまった。
(僕の唯一の取り柄がこんな不安定な状態じゃ、モニカの身と心を僕で上書きするどころか、証を立てられるかどうかさえわからないぞ・・・)
レオンがそんな事を思って頭を抱えていると、風呂から上がったモニカが主人の注文通りバスタオル1枚の姿で出てきて、おずおずとレオンの前に立った。
髪だけは温風器で乾かしたのかさらさらで、彼女が愛用している爽やかな桃の石鹸の香りがふわっとレオンの鼻をくすぐった。
「お待たせしましたレオン様・・・」
そう言う彼女の頬は恥じらっているのか赤く染まり、その表情も緊張からかいつもよりも硬く、不安気に眉を寄せて栗色の瞳が揺れていた。
「・・・モニカ・・・」
レオンはそんな彼女の姿にキュン…と胸の奥が疼き、先程までの葛藤も忘れて彼女に吸い寄せられるかのように手を伸ばすと、ぐいっと強く引き寄せた・・・!
そしてモニカをギュッと胸元で抱き止めてから、一緒にベットに転がる。
その勢いでモニカの身体を覆っていたバスタオルが開け、彼女の一糸まとわぬ姿がレオンの視界に広がった。
ふるん!ふるん!と豊かで美しい乳房が左右別々に揺れ、レオンの欲情を掻き立てる。
「っ・・・モニカ・・・!」
レオンはモニカの上に乗った状態でその細く白い両手を自らの同じもので捕まえて繋ぎ合わせると、そっと顔を傾けながら接近し、薄紅の艷やかな唇にキスを落とした。
一度唇が触れ合えばすぐに深く繋がりたくなり、唇を舌で割り入れ、歯列をなぞり、甘く柔らかな舌を何度も絡め取る。
モニカはレオンの背中に手を回して頬を紅潮させながらそれを受け入れた。
(あぁレオン様・・・・・
相変わらずキス・・・凄くお上手ですわ・・・)
ガクガクと腰が砕けそうな程情熱的なキスから開放され、モニカがその余韻から瞼をトロン・・・とさせていると、以前より男らしくなった手で即座に胸を捏ねられた。
「あっ・・・♥」
堪らずモニカが甘い声を上げた。
続けて乳首を摘まれ、絶妙な加減でクリクリされる。
「はっ・・・あっ♥・・・ああっ・・・レオン様ぁ・・・♡」
モニカはレオンの愛撫を素直に感じて息を乱し、身体をくねらせた。
レオンは彼女の反応に堪らなくなって、また熱と硬さを取り戻した股間の剣を彼女の下腹部にグリグリと押し付けながらも愛撫を続けた。
そしてモニカをもっと肌で感じたいと思ったレオンは、自分が着ている部屋着が邪魔だとバッと上半身を覆っていた部屋着を脱ぎ捨てた。
そして再びモニカに覆いかぶさり、今度はその綺麗な胸をなぞるように舌を這わせていく。
「あっ♡・・・はっ・・・ああっ♥・・・はぁ・・・気持ちいい・・・♥
レオン様っ・・・レオン様ぁ・・・♥」
モニカが忙しなく声を上げながらレオンの頭にギュッと手を回した。
レオンがモニカのつん!と物欲しげに尖った愛らしい乳首をもっと可愛がろうと口に含もうとしたその瞬間である。
ふとダニイル・・・ファルガー・ニゲルが、自分と同じようにモニカのこの胸を味わっている光景が頭に浮んだのだ・・・!
そして急激に冷めていく熱・・・。
レオンは苦い顔をしてモニカから身を離すと、額に手を当ててから髪を掻き上げ、頭を抱えた。
モニカは彼の異変に不安気に眉を寄せて声をかけた。
「・・・どうかされましたか?
レオン様・・・?」
レオンは低く押し殺した声でモニカに尋ねた。
「・・・・・あいつも・・・
ファルガー・ニゲルもこの胸に同じことをしたのか・・・?」
モニカはハッとしてから表情を暗く陰らせ、暫くの沈黙の後にこう答えた。
「・・・・・はい・・・・・」
レオンはその返事に反応してギリッと歯を食いしばると、再びモニカを押し倒して乱暴にモニカの胸を鷲掴みにした。
「くそっ・・・!くそっ・・・・!!」 
そして涙を浮かべながらモニカの乳首を口に含み、歯を立てた!
「っ・・・!!
レオン様・・・い、痛い・・・!
やめてください・・・!!」
モニカはその乱暴な刺激に堪らず主人の胸を押して拒んだ。
だがレオンに力では敵わず、強引に腕を掴まれ組み敷かれてしまった。
「やめてやるもんか!!
あいつは僕よりも先にこの感触を知り、舌を這わせたんだろう!?
それを君はさっきみたいに甘い声を上げて悦んだ・・・!!
そうとは知らない僕が、この綺麗な胸に夢中になり、股間を滾らせる様はさぞかし滑稽だったろうな!?
この売女・・・!!!」
レオンは感情任せにモニカにそう怒鳴りつけながら、また強く胸を掴んだ。
「・・・売女?」
と、そこでモニカが冷めた声を返した。
レオンは初めて聴く彼女の怒りを帯びたその言葉にハッとして、乱暴に胸を揉んでいた手を離した。
モニカはレオンに怒りを秘めた冷ややかな眼差しを向けながら続けた。
「・・・心外ですわ。
私は心より好きになった方にしか身体を許しませんのに・・・。
たまたまレオン様と出会うよりも先に、ずっとお慕いしていたファルガー様に抱いていただいた・・・それだけのことです・・・。
私がファルガー様に抱かれたという事実は決して消せませんが、全く後悔はしておりません・・・!
だってあの時の私は、自分に悔いの残らない道を精一杯に選択したのですから・・・。
あの一夜の経験が無ければ、私はアデルバートに来た初日、オリーブ騎士3人に襲われかけていたニーナさんを助けたくても足が竦んで路地裏まで追いかけられなかったでしょうし、結果的に他の町の人達と同様に彼女を見捨てる選択をしていたと思いますわ・・・。
そしてあの場でレオン様に助けていただくこともなく、職業紹介所を介して宮廷メイドに採用されたとしても、きっとレオン様の専属メイドではなかった筈です。
私はあの時、ニーナさんを助けるために一歩踏み出せることの出来た自分になれたのは、ファルガー様との一夜があったからだと思っております。
そんな私だからこそ、レオン様は好いてくださったのでしょう?
レオン様にとっては忌まわしきあの一夜の経験だって、今の私の一部なのです・・・。
レオン様が私のその一夜を許せず、受け入れられないのなら仕方がありません・・・。
ですが私はファルガー様に処女を捧げてしまってゴメンナサイだなんて、レオン様に謝るつもりは毛頭ございませんわ・・・!!」
レオンはモニカのその言葉を受けて、彼女を怒らせてしまったと焦ると同時に、その冷たい眼差しにゾクゾクとした悪寒とはまた違う、オーガズムが近い時に身体が震えるのに似た肌がそばだつ感覚を覚え、萎えてしまっていた股間がむくむくと勃ちあがるのを感じた。
(・・・・!?
何故こんな状況で・・・・・)
レオンはその事に戸惑い、だがモニカを怒らせてしまったことも気が気でなくて、そしてモニカの主でありながらメイドの彼女に叱られているこの状況にも納得が出来ずに、その複雑な心境を言葉でこう表した。
「・・・す、すまないモニカ・・・・・って何故僕が謝らなければならないんだよ・・・!!
くそっ!!!」
モニカはそう言って悔しそうに顔をゆがめるレオンの萎えてしまっていた股間の剣が、自分に叱られた事を切っ掛けに何故か再び元気になっていることに気がついた。
そして彼は自分を怒らせてしまったことに怯み、謝ることで許しを得たいのに、プライドが邪魔してそれを受け入れないのであろうと理解した。
そんな彼を知ったモニカは、背筋にゾクゾクと甘美なる電流が走り抜け、もっと彼を虐めてみたい衝動に駆られた。
だが今衝動の赴くままに行動をしてしまえば、プライドの高い彼の反発を受けるだろうと予測できたので、その衝動をぐっと堪えて、表情を少し和らげてからこう問いかけた。
「・・・私の胸を強く掴んだり噛んだりしたのは、ファルガー様に身体を許した過去の私を懲らしめるおつもりだったのですか?」
それに対してレオンは答えた。
「・・・・・それもあったと思う・・・・・。
だがそれだけじゃない・・・。
僕は君の中のファルガー・ニゲルに勝ちたいんだ・・・。
だから君に痛みを与えてやれば、奴よりももっと深く奥まで僕のことを君に刻みつけられる・・・そう思ったんだ・・・・・。」
モニカは(なるほど・・・)と溜め息をつくと、主人に向けてこう言った。
「お気持ちは理解致しました。
ですがそれは逆効果ですわレオン様・・・。
好きな殿方に痛みが伴うくらいに激しくされて感じる女性もいるのでしょうが、生憎と私はそうではありません・・・。
むしろレオン様に対してなんて子供地味た行動をされる方なのだろうとガッカリし、軽蔑してしまうかもしれませんわ・・・・・。」
レオンはその言葉にショックを受けて碧い瞳に涙を浮かべると同時に、股間を強く脈打たせた。
(・・・私の冷たい言葉で興奮なさっている・・・。
やはりレオン様はとんでもないドMなのですわ・・・)
とモニカは確信を得た。
「じゃああいつに勝つにはどうすればいい!?
僕はあいつのほうが気持ちよかったなんて、君に比較されて負けるのは嫌なんだよよ・・・・・」
レオンはそう言って縋るようにモニカを見た。
モニカは優しく微笑むと、主人の頭をそっと撫でながらこう言った。
「・・・別にいつも通りで宜しいのですよ?
レオン様の愛撫・・・とてもお上手なのですから・・・」
「僕の愛撫が上手?
・・・奴よりも?」
と瞳を潤ませるレオン。
そんなレオンにキュン♥としたモニカは、少し困ったように眉を寄せながら、
「・・・こんなことを教えるのはマナー違反なのかもしれませんし、お互いの性癖の相性等もあるので一概には言えないのでしょうけど・・・今の素直なレオン様がとても愛らしいので、特別に私の感じたことをお答えします。
・・・・・レオン様のほうがお上手ですわ・・・・・。
キス・・・は、レオン様としか経験が御座いませんので比較しようがありませんが、キスも凄くお上手で、私はすぐに腰が砕けてしまいます・・・・・。
どちらも自信を持って良いですわよ?」
と、後半は頬を染めながらも正直に答えた。
「そ、そうか・・・!
ならば仕切り直しをしてもいいか?
今度はちゃんと優しくする・・・・・」
モニカはクスクスと微笑んでから両手を広げた。
「えぇ、勿論ですわレオン様・・・♡」

それからレオンはモニカの胸を優しく舐めたり吸ったりした。
その最中ファルガー・ニゲルの姿が全く頭によぎらなかったといえば嘘になるが、モニカが自分の愛撫の方がファルガー・ニゲルのそれよりも感じると言ってくれたことを思い出すことでその幻を振り払い、彼女の感触と反応に集中することが出来た。
そうして暫く胸への愛撫を続けていると、モニカがギュッとレオンを抱きしめ耳元に唇を寄せて、
「レ、レオン様・・・
胸ばかりは切ないです・・・
下も触って・・・・」
とはぁ、はぁと熱い吐息を吐きながら囁いてきた。
レオンはドキン!と強く胸を高鳴らせると、
「あ、あぁ・・・」
と言ってからモニカの下腹部に視線を移し、そっと指の腹で腹のラインをなぞりながら下の方へと進んでいった。
そして辿り着いた柔らかな割れ目に指を割り入れてみると、そこはとろとろの蜜で充分に潤っていた。
レオンはモニカが自分の愛撫でこんなにも感じてくれたことが嬉しくて堪らなくなって、無言で彼女の足を持ち上げその下に潜り込み、彼女の股にむしゃぶりついた!
「ああっ・・・♥
レオン様っ・・・・・!!」
モニカが彼の頭に手を置き、恥じらいながらも身を仰け反らせて甘く喘いだ。
クンニをされるのはレオンが初めてだと彼女が言っていたので、その行為の間はファルガー・ニゲルの幻に邪魔されることもなかった。
モニカは敏感な蕾に与えられる甘美な刺激に、
「ひっ♡
あっあっああっ・・・♥あっあっあぁん・・・♥
気持ちいっ・・・レオン様・・・♥レオン様ぁ・・・♥
あっ♥もうきちゃう・・・きちゃいます・・・♥
ああぁああぁあああーーーーーっ・・・・♥♡♥」
と甘く艶めいた声を上げて、足の先をぴーんと伸ばしながら達するのだった。

モニカがはぁ、はぁと息を切らしながら快楽の余韻に浸っていると、今度はレオンが切なそうに眉を寄せ、ギンギンに熱り立った一物に手を添えながら、
「モニカ・・・
僕、もう堪らないよ・・・
君の中に入りたい・・・・・」
と言った。
モニカは柔らかく微笑むと、
「はい・・・
私もレオン様と早く繋がりたいです・・・。
来て・・・・・」
と言ってそっと足を開いた。
レオンはゴクッと生唾を飲み込むと、モニカの濡れた割れ目に自らの剣の先端を当てた。
そしてゆっくりと腰を沈めようとしたところで、モニカが破瓜の血を流しながら、ファルガー・ニゲルを受け入れているビジョンが鮮明に頭に浮かんでしまった・・・!
ファルガーにより何度も激しく打ち付けられる腰。
そして唇を噛み背中に爪を立て、痛みに耐えながら彼を受け入れるモニカ・・・。
レオンがどんなに求めても、もう決して手に入らないそんなモニカの艶めかしい姿が、何度振り払おうとしても頭から離れてくれない。
レオンはモニカからそっと離れると、背中を向けて嗚咽をこぼし始めた。
「レオン様・・・・・」
モニカは身体を起こし、彼の背中を優しく擦った。
そしてそっと彼の股間を覗き見ると、それはすっかり萎えてしまっていた。
「ご、ごめんモニカ・・・・・
君が凄く欲しい・・・!
欲しくて欲しくて堪らないのに、いざ挿入しようとしたら、あいつを君が受け入れるビジョンが頭に浮かんできて全然離れてくれないんだ・・・!
君は彼の剣で破瓜の血を流した。
そして彼の剣は僕よりも大きくて立派で、君を沢山感じさせたのだろう!?
そんなの、僕なんかに勝ち目なんかあるわけないじゃないか・・・!!
君は前に大きさだけが全てじゃない。
僕が君でどれだけ興奮したかを重視すると言ってくれたが、その唯一の取り柄の生きの良さまでなくした今の僕は、一体どうすれはいいんだよ・・・・・!!!」
モニカはレオンを背中からギュッと抱きしめるとこう言った。
「レオン様・・・
今日は戦場から帰られてばかりですし、色々と嫌なことが重なって、心がとても疲れておいでなのです・・・。
少し日をおいて、気持ちが落ち着かれてからでしたらきっと大丈夫です。
なので焦らずに日を改めましょう?
貴方が成人するまで、まだ2ヶ月もあるのですから・・・。」
レオンは泣きながら頭を振った。
「ぐすっ・・・明日になってもこの指輪が白いままだったら・・・ぐすっ・・・モニカでは出来なかったと父に判断されっ・・・毎晩女をあてがわれて・・・好きでもない女と・・・ぐすっ・・・証を立てなければならなく・・・なる・・・・・
僕はっ・・・初めて本当に好きになれた君と・・・証を立てたい・・・!
だからっ・・・今夜しかないんだよ僕には・・・・・!
それなのに・・・肝心な時に・・・役に立たないだなんて・・・・・!!」
モニカはそんな彼を見てこんな事を考えていた。
(・・・・・なんとかして差し上げたい・・・・・。
私だって本当は、大好きなレオン様の初めての女になりたい・・・・・。
ですがレオン様は性行為において、こうでありたいという理想がとても高いのですね・・・。
そしてそれを誰かと比較されたり、他の男性に劣っていると評価されることが我慢ならないのですわ・・・。
だから処女を求められる。
ですがレオン様は先程から私に冷たい言葉を投げかけられることで性的にとても興奮なさっていました・・・。
”ドM・・・。”
きっとそれが彼の偽りのない性癖なのでしょう・・・。
彼の本当の性癖をドSである私が暴き認めさせて導くことで、もしかしたら相手が非処女の私であっても萎えることなく性交が出来るかもしれませんわ・・・。
レオン様はプライドもお高いので、それを屈服させるには少々骨が折れるかもしれませんが、それでも本当に今夜私で証を立てたいと望まれるのであれば、試してみる価値はあります・・・。)
モニカはそう決意するとレオンの正面に回り込み、彼の顔を真剣に見つめながらこう言った。
「・・・本当に今夜私で証をお立てになりたいと望まれるのであれば、私に一つ算段がございます。
それは貴方の理想とされる初体験とは大きくかけ離れたものになるでしょうし、私の性癖をありのまま晒すことになるので、レオン様はドン引きなされるかもしれませんが・・・・・・それでもお試しになりますか?」
レオンは顔を上げ、涙を拭いながら尋ねた。
「君の性癖・・・・・?
・・・・・それはファルガー・ニゲルも知っているのか・・・・・?」
「えぇ・・・。
あの方からそう指摘されたのが切っ掛けで自覚しましたから・・・。
ですがファルガー様との夜では随分と衝動を抑えましたので、あの方は私の性癖の3割ほどしか体験なされてはいませんけれど・・・」
とモニカは苦笑した。
「・・・何故?」
とレオン。
「ファルガー様は私と同様の性癖をお持ちで、相性が良いとは言えなかったからです。
磁石のS局同士は反発し合いますでしょう?
それと同じことです。
ファルガー様との性交は、お互いが少しずつ我慢して譲り合わなければ満足な快楽を得られませんでした。
だからですわ。」
レオンはそれを訊いて少しホッとしたように表情を緩めると、モニカの手をギュッと握ってこう言った。
「そうか・・・・・。
ならば僕は君の性癖の全てを受け入れたい・・・。
本当の君を受け入れることに関してだけはあいつに勝てる気がするし、それで今夜君と一つになれるのなら、是非とも試してみたいんだ・・・・・」
モニカはそれを訊いてクスッと微笑むと、レオンの額にそっと自らの額を重ねてこう言った。
「私の中でレオン様は、既にオールジャンルにおいて1番ですのに・・・・・。
わかりました。
本当の私をお見せします。
後悔しても知りませんよ?」

それからのモニカはドSの本性をさらけ出し、愉悦感たっぷりの妖艶な笑みを浮かべながら主人を言葉と態度でなぶり、徐々に彼の本当の性癖を暴いていった。
「レオン様ぁ・・・♥
本当に貴方ってお方は、とんでもない変態のドM野郎なのですね・・・♡
メイドごときの足に踏まれて大切なつるぎをこんなにも滾らせているだなんて・・・♥」
そう言いながらレオンの既に限界までそそり勃っている剣を足で腹に押し付けるようにグリグリと踏んで見せた。
レオンはゾクゾクゾクッと肌をそばだたせながら、
「こ、これは違っ・・・ああっ♥
やっ・・・やめっ・・・も、モニカぁ・・・♡♥」
と喘ぎ、剣の先端から白い先走りを滲ませた。
「うふふっ♥
レオン様ったら女の子みたいな声を出されて・・・♡
可愛らしい♡♥」
そう言いながらモニカはその先走ったものを足の親指で拭ってレオンの口に運んだ。
「むぐっ・・・やっ・・・やめろっ・・・
君こそとんでもないドSメイドじゃないか・・・!
確かに今までも君は何処か飄々としていて掴みどころがなく、従順そうに見えてその実僕のほうが手玉に取られているような感覚があったが・・・ようやく納得がいったよ・・・!
この変態ドSメイド・・・・・!!」
「あら、そんな口を訊いて宜しいのかしら・・・・・?
あまり反抗的な子は、私のナカに入れて差し上げませんよ?
もう結構お辛いのではないですか?
ほら・・・ほら・・・♡♥
このままじゃメイドの足でイっちゃう情けない御主人様になってしまいますわよ?」
そう言いながらモニカは再び主人の剣に足を運びグリグリと踏みつけた。
「はあっ♥あっあっあっ・・・♥
やめっ・・・ふああっ♡♥
今そんなにされたら出るっ・・・出てしまうっ・・・♥
今出したらまた勃つかもわからないし・・・
僕は君で証を立てたいんだ・・・だから早くっ・・・!」
「早く・・・?
変態御主人様の分際で、何故命令口調なのです?
ちゃんと心を込めてお願いしてくださらないと、このまま朝が来るまで足で虐め続けるだけですわよ?」
レオンは屈辱に顔を歪めながらではあったが、
「くっ・・・・・・
君のナカにっ・・・入らせて下さい・・・
お願い・・・します・・・・・・」
と頭を下げた。
「大変良く出来ました♥♡♥」
とモニカは満足気に微笑むと、レオンの股間を踏んでいた足を離し、そっと彼を押し倒してベットに仰向けに寝かせた。
そして彼の腰の上に自分の腰が来るまで四つん這いで這い上がると、彼の限界までそそり勃った剣に手を添えた。
そしてつぷ♥と自らの入り口に彼の期待から涎を垂らした剣の先端を当てると、
「素直になられたご褒美をたっぷり差し上げますね♥」
と言ってからずぷん・・・♥と一気に腰を沈めた!
ずぷぷぷぷっ・・・と大好きな主人の硬い剣に自らのナカを開かれる感覚にモニカは身を震わせて、
「あぁあぁあっ♡♥♡」
と声を上げながら肌をそばだたせた。
一方でレオンも、
「ひああぁあっ♥♡♥」
と、愛しの彼女のナカに飲み込まれていく感覚に震えて感じるままに声を上げた。
(何だこの感覚・・・!!
あの名前も覚えていないドリル令嬢のナカに入った時は、なんだこんなものか…と落胆したのを覚えている。
だがモニカのナカは熱くて狭くてとろけそうで凄く心地よくて・・・っ・・・それだけじゃない!
まるで僕の剣がずっと探し求めていた鞘にやっと収まることが出来たかのようにぴったりだ・・・・!
はああぁ・・・堪らない・・・♡♥)
「モニカぁ・・・♡
モニカのナカ・・・凄く気持ちいい・・・・・♥」
レオンははぁ、はぁと熱い吐息を吐きながらビクン!ビクン!と股間を脈打たせた。
「あぁあっ・・・♥
レオン様の剣もとっても硬くて熱くて、私のナカでギチギチに主張してきて最高に気持ちいいですよ♥♡
わかります?
レオン様の剣、私の奥にちゃんと届いていますよ?」
そう言ってモニカは子宮口にグリグリとレオンの先端を擦りつけてみせた。
「ああっ♥
わ、わかるよ・・・
僕のものでもちゃんと君のナカを満たせるんだね・・・
嬉しいよ・・・・・」
そう言ってレオンは少し涙を浮かべながら微笑んだ。
「はい・・・♥
レオン様でいっぱいです♥
あぁ・・・もう堪らない・・・♡♥
今からたっぷりレオン様を可愛がってあげますからね・・・♥」
モニカはそう言うといきなり腰を動かし始めた。
ぱちゅん!ぱちゅん!と水音と肉のぶつかる音が混ざった音、そしてそれと連動してギシッ、ギシッとベッドが軋む音が暗い部屋の中で響く。
「あっあっあっひあっ・・・♡
や、やばいよモニカぁ・・・
じっとしててもっ・・・あっ♡気持ちよくて気が変になりそうだったのにっ・・・♡
そんなに擦られたらすぐに出ちゃうよっ♥
あっららめっ♥あっあっ・・・・♡♥」
「うふふっ!
今イッたら許しませんよ・・・?
私がいいと言うまで何とか堪えて下さい♥
だってレオン様のおちんちんっ・・・はあっ・・・もっと長く味わっていたいんですもの♥
ああっいいっ♥レオン様ぁ♡♥」
「そ、そんなモニカっ・・・♥
らめっほんとにもう僕っ我慢できないっ♡」
で、でるっ・・・♡でるよぉ・・・・・♡♥
このまま君のナカに全部出してしまいたい・・・♥♡」
「あっ♥いけませんわレオン様・・・
ナカに出したりしたらっ・・・んっ♡赤ちゃんが出来てしまいますよ?
・・・そしたら困るのはレオン様でしょうに・・・」
モニカは最後のほうはレオンが聞き取れないくらい小さな声で呟くと、少し寂しそうに微笑んだ。
だがレオンは本当にもう限界が違うようで、そんなモニカの様子に気付く余裕も無くより快楽を貪ろうと、
「モニカ♡
ああっ♥
モニカぁ♡♥」
とうわ言のようにモニカの名を呼びながら、下から激しく突き上げ始めた。
「ああんもう・・・♥
勝手に動いたりしていけないレオン様ですね♡
私としてはっ・・・もう少し長くっ・・・あっ♥レオン様と繋がっていたかったのですけど・・・んっ♡レオン様はっ・・初めてですものね・・・ああっ♥
仕方ありません・・・先にイっていいですよ?
その代わりっ・・・今夜は私が満足するまで寝かせてあげませんからね?」
モニカは妖艶に微笑んでそう宣言した後、いきなり腰を激しく上下させ始めた。
ぱちゅんぱちゅん!ギッギッギッ!という2種類の音と2人分の激しい吐息と喘ぎが部屋の中に響く。
「あっあっあああっ♥あっあっあっ♡♥
ひあっ♥あっくっあっ♥んっくっあっ♥
イク・・・イクイクモニカ・・・ッ・・・」
「あっあっあっ♡私の可愛いレオン様♥♡
思いっきりイっちゃいなさい♥」
「あっはあっうっあっ・・・・・
あぁあぁあーーーーーーっ♥♡♥♡」
モニカは自分のナカに挿入はいっている主人のつるぎが一際大きく膨らんだのを感じると、さっと己の身体からそれを抜き取った。
そしてレオンは何度も何度も剣を脈打たせながら、溜まりに溜まった熱い精液を吐き出した─。



その後も2人は何度も交わった。
性的にデリケートなレオンは一度モニカと交われれば万々歳だと思っていたようだが、前にジェイドが言っていたように、彼も絶倫なダズルの血を引いている為か本来はかなり絶倫なようで、モニカに虐められてドMな本性を曝け出すことで素直に感じることが出来、何度も勃起しては射精した。
モニカも2度目の性交以降はレオンが少し長持ちするようになったこともあり、彼の剣を良いところに何度も擦り付けて、共に上り詰め何度も達することが出来たのだった。
そしてついにバイコーンの指輪は、レオンが童貞でなくなったことを認めて黒く染まった─。

深夜3時─。
レオンはモニカに腕枕をし、すやすやと軽やかな寝息を立てる彼女の寝顔を見ながら考えていた。
(無事に男の証は立てられた・・・。
モニカと一つになれて最高に気持ちが良かった・・・。
僕が僕じゃないみたいになるまで僕の奥を暴かれて、沢山泣かされ乱されて・・・。
僕は自分の理想とは程遠く、カッコ悪くて情けなくて泣き虫な子供なんだと思い知らされた・・・。
でもそんな僕をモニカは罵りながらもすべて許して受け入れてくれて、私の前ではそのままでいいんだと、まるごと包み込んでくれたかのようだった・・・。
それが泣きたくなる程嬉しくて・・・切なくて・・・何度も何度もモニカを求めた・・・。
でも同時にどうしても満たされないものがあった・・・。
それはモニカへの征服欲だ・・・。
僕はモニカとセックスしたかっただけじゃなく、征服したい気持ちも強く持っていたんだ・・・。
僕に組み敷かれつつも僕を受け入れ、純血の証である赤い血を滲ませて、恥じらいながらも僕を感じ、僕の色に染まっていくモニカが世界の誰よりも1番欲しかった・・・。
それなのに君はもうファルガー・ニゲルにより既に染め上げられていて、それならせめて僕はそれを上から僕だけの色に染め直すつもりだったのに、僕は彼の染めた実にモニカに似合いの色には勝てないと、怯んでしまった・・・。
証を立てられないと泣く僕を見かねた君に逆に主導権を握られて、君と同じ色に染めて貰うことで僕は証を得たんだ・・・。
そしてモニカと僕は、性的な相性がこの上なく良いんだと思う・・・。
モニカに罵られて支配されることに僕は嫌悪どころかゾクゾクと興奮が止まらなくて、モニカと繋がると最初から一つだったみたいに互いの性器がピッタリと重なって、モニカが動く度に僕の良いところを絡め取られて、すぐに上り詰めてしまった・・・。
僕は多分モニカ以外であれだけの快楽を得られる相手には出会えないだろう・・・。
今までならそれで良かった。
モニカの初めてを僕の手で奪えなかったとしても、そんな彼女の全てを受け入れて結婚し、ヴィクトルみたいにモニカに手綱を握られながら、昼は気楽な立場で騎士を続け、夜はモニカとセックスして最高の快楽を得て子を残していく・・・。
そんな人生を歩めたらさぞかし幸せだったのかもしれない・・・・・。
だがグリント兄さんが死んでしまった今となっては、そうもいかない・・・・・。
次期当主となることが決定してしまった僕は、モニカに組み敷かれるような軟弱な男でいるわけにはいかないんだ・・・・・。
この国の次期当主として誇りと威厳を持ち、皆を引っ張っていける存在にならなくてはならないから・・・・・。
グリント兄さんが言っていたようなことなんて、僕がする筈がないと思っていた・・・。
でも僕が次期当主としてやっていくには、やはりモニカが妃では無理だろう。
地位のことだけではない。
夜に主導権を握るモニカが相手では、僕は快楽に流されて、どんどん次期当主に相応しくない牙を失ったドMになってしまうからだ・・・。
僕が次期当主としてやっていくためには、僕のなけなしの威厳と誇りを確固たるものにしていけるように、僕の征服欲を満たしてくれる、僕より弱くて大人しい、僕が理想とする僕を育てていける相手を妃にしないと・・・。
だが僕はモニカが好きだ・・・大好きだ・・・。
モニカを失うなんてとても考えられない・・・・・。
僕はどうすればいい・・・・・?)
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