イケメン大好きドルオタは異世界でも推し活する

kozzy

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決断の時編

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ここここ、これはーー!
そういえば…すっかり忘れていたあのニセ生誕珠。なるほど確かに〝触るな危険”。

頑丈そうな箱に入っているのに…これは…パズル型になっているのか。
積み木と間違えて外そうとしたの?それで外れちゃったって…恐るべしアビー。

「アビー貸して。これは触っちゃだめなんだよ」
「せーたんじゅ?」「わかるのっ?」「ちったいたま」

僕のお腹にグイグイ押し付けてくるアベニア。ひぃ!やめて。そんな縁起の悪い物。
クリフト陛下の光魔力はともかく、あのドノヴァン王の魔力はなんだか気持ち悪い…。

大体、光と水と風…、光なら自分で持ってるし、水ならお父様もお兄様たちでも持ってるし、風ならマカフィーさんが持ってて……うん?生誕珠…?

こ、これは…あれ?もしかして生誕珠って聖魔力の塊じゃないの?

アベニアが届かないように立ち上がる僕。足元でぴょんぴょん飛び跳ねるけど、いくら僕が小さくったって、さすがに今のアビーじゃ届かない。

生誕珠…聖魔力…

どうやったらこれを上手く利用できるかまだわかんないけど、思いがけないところから聖魔力が転がり込んできた。
…日頃の行いが良いからかな?だって多くの人を幸せにするお手伝いしてるからねっ。

その箱と珠を持ってグラナダ様にお伺いを立てに行く。
僕が異世界人であること以外は内緒にしないって決めたからね。ちゃんと許可をもらうのだ。アベニアだけじゃない。僕だって学習しているのだよ。


「と、言う訳でアビーが箱から出しちゃって」
「…まさか…」
「えっ!ダメでした?何か問題でも?ああっ、アビーになにかあったらどうしよう!」
「いや、違う、大丈夫だ。だがあの箱には封印が施してあったというに…アベニアが開けたのか?」
「そうなの⁉アベニアっ?アベニアどこ?」

「アベニア様は遊び疲れてお眠りにございますよ」

トマスさんに抱っこされて寝室に連れていかれるアベニア。明日からアベニアの魔法の特訓はいっそう厳しくなりそうだ。
僕はグラナダ様に「ほどほどにしてあげてね」って言っておくのを忘れなかった。


「この珠僕が貰っていい?例の研究に使いたいの。」
「どうする?過去へは行けぬのだぞ」
「どうすればいいかはまだわからないよ。だから研究。悪用はしないから」
「…いいか、経過は随時報告するのだぞ。決して一人で何かを起してはならぬ」

「危ない事はしない…アベニアも、お腹の子も居るのに。」「私もだ」

んんーちゅっ、んちゅっ。




一歩一歩確実に進んでる。









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