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新たな家族編

帰る場所

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お父様は二人の孫に囲まれて昇天しかけている。本当はここから離れたくないみたいだけど、すぐに中央神殿にご報告に行かなきゃいけないみたい。直系王族の家系石板に名前を刻むんだって。

「この子の名前はもう決めてあるのだ。〝ルミエール”いい響きであろう?私とワイアットで決めた。」
「元老院からはだいぶ嫌な顔をされましたね」
「なんで嫌な顔ですか?」
「アデルや、王族の名は慣習では元老院で決められるのだよ」

あぁ…そういう物ひとつひとつとワイアットお兄様は戦っているのか…

「陛下、それにお父様。転移陣を設置したらグラナダ様の帰省も簡単になります。困ったときにはグラナダ様、いいですね、困ったらグラナダ様を呼んでくださいね。元老院なんて黙らせてくれますから!」
「アデル…そう簡単には…」「いやアデルその気持ちありがたく受け取ろう。困ったときには叔父上…か。ふふ、いい言葉だ」





明日転移陣を設置したら僕とアビーと乳母は先に帰ることになってる。あとはみんなでゆっくりと休暇気分で帰ってきてね。特にマカフィーさんとジョッシュさんは僕が居る限り、ほとんどゆっくり休めない。
真面目なマカフィーさんは一緒に帰ると言ってきかなかったけど、どうせ2~3日はグラナダ様が離れないって言ったら納得してくれた。

「ルミエく~ん♡ほーら従兄弟のアビーくんだよ~。わぁ二人並ぶと世界がスウィートになるぅ~。可愛い…はぁはぁ、可愛い…語彙がなくなる…ん?ラフどうしたの?」
「だってはくしゃくさまが…アベニアさまは大きくなったら王宮でおしごとするんだって言ってて…」
「う~ん、アビーは後継者だからバーガンディから離れたりしないよ?けど、武者修行的な感じで一時来ることはあるかもね?心配いらないよ」
「むしゃしゅぎょー?」「行儀見習い?お勉強とか稽古的な感じ」
「帰ってきますか?」「うん、もちろん」

ラフにもいっぱい道中楽しんできてほしいからアビーと僕にお土産買って来てねとお小遣いを渡しておいた。あとはジョッシュさんあたりが連れまわしてくれるだろう。





長距離転移陣の設置がすめば、僕の長い長い旅行も終わり。でもこれでもう寂しくないよ。ここにだっていつでも来れるしカマーフィールドへもいつでも帰れる。

お父様の満たしてくれた魔力で転移陣を発動する。お兄様と同じ青い光柱。
「また来るねお兄様、お父様。陛下、誕生記念式典で会いましょう」
「アデル、お前が来てくれて本当に助かった…私と…ルミエールを助けてくれた事…忘れないよ」

手を振ってたらまたぐんにゃりとして…それが気持ち悪かったのか…

「ふんあーっふんあーっ」
「アデ…アベニア!アベニアどうしたのだ!」
「転移時の時空のゆがみが気持ち悪かったみたい。直ぐ泣き止みますよ」
「そうは言っても…、よしよし、トマス、何か遊具は無いか?」
泣いたアベニアにグラナダ様があたふたしてる。もうほんとに!アベニアの事になると正気がとんじゃうみたい。



それにしても…
この旅は僕にとってとても有意義な旅だった。僕の軌跡をたどることでアデルの気持ち、そして僕の身に起きたことの解明に少し近づいた気がする。だけどそれだけじゃない、それよりも大事な発見があった。




僕が今の家族をとても自然に…とっくの昔に本当の家族だって思ってたって事だよ!







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