145 / 247
新たな家族編
悪い先輩
しおりを挟む
「なあローラン、お前ホントに帰って来ねぇのバーガンディに」
「え、あ、ええ、もうしばらくはここに居ようかと思ってますけど」
「お前閣下の側付き目指してたんじゃないのか?」
「マカフィー先輩たちがいるじゃないですか」
「俺たち今はアデル様付きだしな。閣下には今専属では誰もついてねぇよ?」
ローランの態度がどうもおかしい。
こいつは隊員の中でも生粋の閣下信奉者だったはずだ。それがバーガンディに戻ってこないだと?ありえないだろう。伯爵夫人はここでの雇用を考えているようだが…ローランは剣士になりたかったんじゃないのか。
「なぁほんとのこと言えよ、なんで帰って来ないんだ。」
「…シツコイナァ……別に…何もないですよ…」
「あー、あれか?閣下たちの仲睦まじいとこ見ていられないとか?なぁマカフィー、痛って」
「やめてくださいよ。俺、閣下の事尊敬してますけどそんな眼で見たこと無いです。」
「そうだジョッシュ。不謹慎な事言うな!」
「あー、じゃぁ、ここに好きな人でも出来たとか。はははっ」
「…………ソンナンジャ…」
「「まじか」」
しぶといローランは、誰だ、会わせろとどれほど問い詰めても口を割りゃあしない。
まあ、そういうことなら仕方ない。もう少し飲ませるしかないな…強い酒…お、あったあった。
それにしてもマジでここに所属を変えるつもりなのかよ…。かわいい後輩だったんだがなぁ。先輩としてはどうすりゃいい?
「で、告白とか…したの?もう付き合ってんのかお前?」
「つきっ、そ、そんなの無理っ、ムリムリムリッ」
「なんでだよ。お、もしかして人の恋人か?」「よせ、やめとけそういうのは」
「ち、違う…違いますよ…」
「まさか…未成年かっ?」「お前!何をやっているんだ!」
「だから違いますって!ただ…」
「「ただ?」」
「身分が…」
このカマーフィールドは単一運営だ。領主カマーフィールド家以外に貴族は居ない…。
「お前…伯爵夫人は確かにお美しいが…人妻だ…。だめだろうそれは…」
「あー、お前すげー可愛がってもらってるもんなぁ…年上の女性、憧れるのは分かるけど」
「そんな恐れ多い事っありえないですよ!」
「えっ?」「まさか…」
俺たちは嫌がるローランを酔いつぶし根掘り葉掘りと聞き出した。
そして翌朝二日酔いの俺たちは、カマーフィールド家総出で叱られるのであった…
「え、あ、ええ、もうしばらくはここに居ようかと思ってますけど」
「お前閣下の側付き目指してたんじゃないのか?」
「マカフィー先輩たちがいるじゃないですか」
「俺たち今はアデル様付きだしな。閣下には今専属では誰もついてねぇよ?」
ローランの態度がどうもおかしい。
こいつは隊員の中でも生粋の閣下信奉者だったはずだ。それがバーガンディに戻ってこないだと?ありえないだろう。伯爵夫人はここでの雇用を考えているようだが…ローランは剣士になりたかったんじゃないのか。
「なぁほんとのこと言えよ、なんで帰って来ないんだ。」
「…シツコイナァ……別に…何もないですよ…」
「あー、あれか?閣下たちの仲睦まじいとこ見ていられないとか?なぁマカフィー、痛って」
「やめてくださいよ。俺、閣下の事尊敬してますけどそんな眼で見たこと無いです。」
「そうだジョッシュ。不謹慎な事言うな!」
「あー、じゃぁ、ここに好きな人でも出来たとか。はははっ」
「…………ソンナンジャ…」
「「まじか」」
しぶといローランは、誰だ、会わせろとどれほど問い詰めても口を割りゃあしない。
まあ、そういうことなら仕方ない。もう少し飲ませるしかないな…強い酒…お、あったあった。
それにしてもマジでここに所属を変えるつもりなのかよ…。かわいい後輩だったんだがなぁ。先輩としてはどうすりゃいい?
「で、告白とか…したの?もう付き合ってんのかお前?」
「つきっ、そ、そんなの無理っ、ムリムリムリッ」
「なんでだよ。お、もしかして人の恋人か?」「よせ、やめとけそういうのは」
「ち、違う…違いますよ…」
「まさか…未成年かっ?」「お前!何をやっているんだ!」
「だから違いますって!ただ…」
「「ただ?」」
「身分が…」
このカマーフィールドは単一運営だ。領主カマーフィールド家以外に貴族は居ない…。
「お前…伯爵夫人は確かにお美しいが…人妻だ…。だめだろうそれは…」
「あー、お前すげー可愛がってもらってるもんなぁ…年上の女性、憧れるのは分かるけど」
「そんな恐れ多い事っありえないですよ!」
「えっ?」「まさか…」
俺たちは嫌がるローランを酔いつぶし根掘り葉掘りと聞き出した。
そして翌朝二日酔いの俺たちは、カマーフィールド家総出で叱られるのであった…
268
お気に入りに追加
3,333
あなたにおすすめの小説

[離婚宣告]平凡オメガは結婚式当日にアルファから離婚されたのに反撃できません
月歌(ツキウタ)
BL
結婚式の当日に平凡オメガはアルファから離婚を切り出された。お色直しの衣装係がアルファの運命の番だったから、離婚してくれって酷くない?
☆表紙絵
AIピカソとAIイラストメーカーで作成しました。

BLR15【完結】ある日指輪を拾ったら、国を救った英雄の強面騎士団長と一緒に暮らすことになりました
厘/りん
BL
ナルン王国の下町に暮らす ルカ。
この国は一部の人だけに使える魔法が神様から贈られる。ルカはその一人で武器や防具、アクセサリーに『加護』を付けて売って生活をしていた。
ある日、配達の為に下町を歩いていたら指輪が落ちていた。見覚えのある指輪だったので届けに行くと…。
国を救った英雄(強面の可愛い物好き)と出生に秘密ありの痩せた青年のお話。
☆英雄騎士 現在28歳
ルカ 現在18歳
☆第11回BL小説大賞 21位
皆様のおかげで、奨励賞をいただきました。ありがとう御座いました。
【完結】冷血孤高と噂に聞く竜人は、俺の前じゃどうも言動が伴わない様子。
N2O
BL
愛想皆無の竜人 × 竜の言葉がわかる人間
ファンタジーしてます。
攻めが出てくるのは中盤から。
結局執着を抑えられなくなっちゃう竜人の話です。
表紙絵
⇨ろくずやこ 様 X(@Us4kBPHU0m63101)
挿絵『0 琥』
⇨からさね 様 X (@karasane03)
挿絵『34 森』
⇨くすなし 様 X(@cuth_masi)
◎独自設定、ご都合主義、素人作品です。

田舎育ちの天然令息、姉様の嫌がった婚約を押し付けられるも同性との婚約に困惑。その上性別は絶対バレちゃいけないのに、即行でバレた!?
下菊みこと
BL
髪色が呪われた黒であったことから両親から疎まれ、隠居した父方の祖父母のいる田舎で育ったアリスティア・ベレニス・カサンドル。カサンドル侯爵家のご令息として恥ずかしくない教養を祖父母の教えの元身につけた…のだが、農作業の手伝いの方が貴族として過ごすより好き。
そんなアリスティア十八歳に急な婚約が持ち上がった。アリスティアの双子の姉、アナイス・セレスト・カサンドル。アリスティアとは違い金の御髪の彼女は侯爵家で大変かわいがられていた。そんなアナイスに、とある同盟国の公爵家の当主との婚約が持ちかけられたのだが、アナイスは婿を取ってカサンドル家を継ぎたいからと男であるアリスティアに婚約を押し付けてしまう。アリスティアとアナイスは髪色以外は見た目がそっくりで、アリスティアは田舎に引っ込んでいたためいけてしまった。
アリスは自分の性別がバレたらどうなるか、また自分の呪われた黒を見て相手はどう思うかと心配になった。そして顔合わせすることになったが、なんと公爵家の執事長に性別が即行でバレた。
公爵家には公爵と歳の離れた腹違いの弟がいる。前公爵の正妻との唯一の子である。公爵は、正当な継承権を持つ正妻の息子があまりにも幼く家を継げないため、妾腹でありながら爵位を継承したのだ。なので公爵の後を継ぐのはこの弟と決まっている。そのため公爵に必要なのは同盟国の有力貴族との縁のみ。嫁が子供を産む必要はない。
アリスティアが男であることがバレたら捨てられると思いきや、公爵の弟に懐かれたアリスティアは公爵に「家同士の婚姻という事実だけがあれば良い」と言われてそのまま公爵家で暮らすことになる。
一方婚約者、二十五歳のクロヴィス・シリル・ドナシアンは嫁に来たのが男で困惑。しかし可愛い弟と仲良くなるのが早かったのと弟について黙って結婚しようとしていた負い目でアリスティアを追い出す気になれず婚約を結ぶことに。
これはそんなクロヴィスとアリスティアが少しずつ近づいていき、本物の夫婦になるまでの記録である。
小説家になろう様でも2023年 03月07日 15時11分から投稿しています。

学園の俺様と、辺境地の僕
そらうみ
BL
この国の三大貴族の一つであるルーン・ホワイトが、何故か僕に構ってくる。学園生活を平穏に過ごしたいだけなのに、ルーンのせいで僕は皆の注目の的となってしまった。卒業すれば関わることもなくなるのに、ルーンは一体…何を考えているんだ?
【全12話になります。よろしくお願いします。】
【完結】第三王子は、自由に踊りたい。〜豹の獣人と、第一王子に言い寄られてますが、僕は一体どうすればいいでしょうか?〜
N2O
BL
気弱で不憫属性の第三王子が、二人の男から寵愛を受けるはなし。
表紙絵
⇨元素 様 X(@10loveeeyy)
※独自設定、ご都合主義です。
※ハーレム要素を予定しています。
【完結】僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました
楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたエリオット伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。
ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。
喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。
「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」
契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。
エリオットのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。
⭐︎表紙イラストは針山糸様に描いていただきました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる