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新たな家族編
アデルの故郷
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はじめてのカマーフィールド!アデルの故郷
木しか無い所とは聞いていたけどホントだった。6割くらいの山間部に3割が農地、残りが街ってちゃんと勉強してきたよ。領主邸は山を背中にした麓にある。あの山の中で、森の中で、アデルはウサギと戯れていたのか…。
「お母様ー!」
「アデルっ、そんな大きな声ではしたない。辺境伯夫人として落ち着きがありませんよ。それよりも早くアベニアを抱かせなさい」
ぐぬ…お母様の関心はすでに僕ではなく孫のアベニアに……はっ!ワイアットお兄様がまだな今初孫なのか!なら仕方ない。
「まぁ…なんて凛々しい賢そうな…この子がバーガンディの次期領主となるのですね…今から楽しみだわ」
「お母様につけていただいた名前、グラナダ様も気に入ってましたよ。アベニア、響きがとても良いって」
「ところでねぇアデル…貴方二人目はどう?」
「ちょ、いきなり何をっ!まだ産んだばかりですよっ、いったい何事⁉」
「トールキンがいつまでも結婚しないものだから…このカマーフィールドの跡継ぎ問題が少しね。外孫は次から次だと言うのに…それにしてもワイアットがまさか王妃になるとは思ってもみなかったわ…ああ、頭が痛いこと…だからもしも貴方が生んでくれたら養子に貰ってと…貴方あちらに行ってから体力有り余ってそうだし…」
あうう…トールキンお兄様ぁ…しっかりしてよぉ…母親がこういうこと言い出すと面倒なんだよ、たいていの場合。
「あ、あ、でもワイアットお兄様が王妃になられたことでトールキンお兄様にも縁談とか…来ませんか?」
カマーフィールドは1年とちょっと前まで前王と悪徳徴税官の策略で相当な貧乏暮らしを強いられていて、当然そんな没落寸前貴族の家に縁談話がある訳が無く、そのうえ生真面目なトールキンお兄様はお父様と一緒になってこのカマーフィールドのためにわき目もふらず奔走されていた。
トールキンお兄様はそれでいいと思ってらしたみたいだし、なんならワイアットお兄様だって独身のままカマーフィールドに骨をうずめる覚悟はしていたからね。
こうしてワイアットお兄様が正妃になられた今、縁を繋ぎたいと思う貴族家は少なくないと思うんだけど…
「いままでどれ程の助力を願っても拱手傍観していた家門から、まるで掌を反したように縁組を望まれてもねぇ…トールキンがその気になれぬのも無理からぬ事でしょう…」
「あーうん。とっ、ところでそのお兄様は?どこにいるの?早く会いたいです」
荷下ろしをジョッシュさんやラフに任せて、アベニアをその腕から離さないお母様と一緒に裏の穀物庫へと足を向ける。作物の保管量が多く管理が大変らしい。
クリフト陛下の治世になって、お父様は官吏の長となられたし、ワイアットお兄様は王妃様だし、三男の僕は王弟グラナダ様の妻、と言う事で今カマーフィールドは未だかつてないくらい栄華を極めている。
農具も満足に新調できずしょぼしょぼの収穫だった作物は、最新の農具に僕が送った栄養価をガン上げした肥料でこれでもかっ!っていうくらいの豊作になってる。税収も増えた。街には沢山の商人が入り店を構え人が溢れて賑わっている。なんならバーガンディより賑わっている。
「なんでっ⁉」
「あー、カマーフィールドは王都から近いですからね。我らがバーガンディは辺境ですから」
解せぬ…。
木しか無い所とは聞いていたけどホントだった。6割くらいの山間部に3割が農地、残りが街ってちゃんと勉強してきたよ。領主邸は山を背中にした麓にある。あの山の中で、森の中で、アデルはウサギと戯れていたのか…。
「お母様ー!」
「アデルっ、そんな大きな声ではしたない。辺境伯夫人として落ち着きがありませんよ。それよりも早くアベニアを抱かせなさい」
ぐぬ…お母様の関心はすでに僕ではなく孫のアベニアに……はっ!ワイアットお兄様がまだな今初孫なのか!なら仕方ない。
「まぁ…なんて凛々しい賢そうな…この子がバーガンディの次期領主となるのですね…今から楽しみだわ」
「お母様につけていただいた名前、グラナダ様も気に入ってましたよ。アベニア、響きがとても良いって」
「ところでねぇアデル…貴方二人目はどう?」
「ちょ、いきなり何をっ!まだ産んだばかりですよっ、いったい何事⁉」
「トールキンがいつまでも結婚しないものだから…このカマーフィールドの跡継ぎ問題が少しね。外孫は次から次だと言うのに…それにしてもワイアットがまさか王妃になるとは思ってもみなかったわ…ああ、頭が痛いこと…だからもしも貴方が生んでくれたら養子に貰ってと…貴方あちらに行ってから体力有り余ってそうだし…」
あうう…トールキンお兄様ぁ…しっかりしてよぉ…母親がこういうこと言い出すと面倒なんだよ、たいていの場合。
「あ、あ、でもワイアットお兄様が王妃になられたことでトールキンお兄様にも縁談とか…来ませんか?」
カマーフィールドは1年とちょっと前まで前王と悪徳徴税官の策略で相当な貧乏暮らしを強いられていて、当然そんな没落寸前貴族の家に縁談話がある訳が無く、そのうえ生真面目なトールキンお兄様はお父様と一緒になってこのカマーフィールドのためにわき目もふらず奔走されていた。
トールキンお兄様はそれでいいと思ってらしたみたいだし、なんならワイアットお兄様だって独身のままカマーフィールドに骨をうずめる覚悟はしていたからね。
こうしてワイアットお兄様が正妃になられた今、縁を繋ぎたいと思う貴族家は少なくないと思うんだけど…
「いままでどれ程の助力を願っても拱手傍観していた家門から、まるで掌を反したように縁組を望まれてもねぇ…トールキンがその気になれぬのも無理からぬ事でしょう…」
「あーうん。とっ、ところでそのお兄様は?どこにいるの?早く会いたいです」
荷下ろしをジョッシュさんやラフに任せて、アベニアをその腕から離さないお母様と一緒に裏の穀物庫へと足を向ける。作物の保管量が多く管理が大変らしい。
クリフト陛下の治世になって、お父様は官吏の長となられたし、ワイアットお兄様は王妃様だし、三男の僕は王弟グラナダ様の妻、と言う事で今カマーフィールドは未だかつてないくらい栄華を極めている。
農具も満足に新調できずしょぼしょぼの収穫だった作物は、最新の農具に僕が送った栄養価をガン上げした肥料でこれでもかっ!っていうくらいの豊作になってる。税収も増えた。街には沢山の商人が入り店を構え人が溢れて賑わっている。なんならバーガンディより賑わっている。
「なんでっ⁉」
「あー、カマーフィールドは王都から近いですからね。我らがバーガンディは辺境ですから」
解せぬ…。
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