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エンタメ充実編

大切な人 救出②

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かろうじて息だけはしてる状態の焼け焦げた何かが転がっている。もう何も出来やしないだろう…。これなら後は兵士さんに任せてもいいだろうか?

「グラナダ様!早く誰か空間魔法のわかる人をっ!空間認識できる人をっ!早くっ!ぐひっ、ジ、ジョッシュさんと子供たちが…うえぇぇん」


ラクンの屋敷を制圧し、急ぎ駆け付けてくれたセイラム師団長とともにマカフィーさんから状況を確認する。
酸素は無事送れているみたい。だけどやっぱりその岩を崩しても何も出てこない…悔しい…

「アデル様の転移では行けぬのですか?」
「ズズッ、僕の転移は…見えるとこしかヒック行けない…僕…地図も見れない人だから…うぅ…」
「空間認識…ラクーンの屋敷にあった転移の陣が使えるかも知れませぬ?座標か明確な在処を感じることが出来れば、あるいは…」
「在処…明確な在処…ジョッシュさん…匂い…」

「ジョッシュさんの潮の匂い!」


ジョッシュさんの救出に転移で向かうと伝えたものの、グラナダ様からもお母様からも強固な反対にあってしまった。

「絶対にならぬ!お前の普段使う転移であれば問題はない。見えている場所であるからな。だが、知らぬ場所へ香りだけを頼りになど…行かせられるはずがなかろう!」
「そうですアデル。座標がずれたらどうします?無事で済む保証はないのですよ。ましてやあなたのお腹にはお子が…。転移の影響がないなどと、どうして言い切れましょうか」

そう言われてしまうと何も言えなくなってしまう。お腹の赤ちゃん…。でも岩屋に隠された子供たち…

「う…うぅ…ひっく…う、ぐす…で、でも…どうしたらいいの…?」
「アデル様、救出には私が向かいます。ジョッシュの潮の匂いなら、むしろ私の方が覚えています。風魔法でサーチすれば良いのですね?やり方、教えていただけますか?」
「マカフィーさん…でも、転移したこと無いでしょう?失敗したらどうする」「それはアデル様だって同じことでしょう。経験の有無など関係ない。どのみち一か八かなら私が向かいます。ジョッシュは私の、大切な幼馴染ですからね」




皆が見守る中、岩肌にぴたりと手を合わせ風を送り空気を混ぜる。
「ありました…ジョッシュの匂いだ…」
「うむ、そのまま嗅覚を維持せよ。そしてジョッシュを思い浮かべよ、出来る限り克明に。」
「…ジョッシュ…」

陣が発動した!陣の光に囲まれてマカフィーさんの身体が消えていく…お願い!上手くいって!

「グラナダ様…傍に居て…」
怖くて怖くてたまらない…。パーバートに捕まっている時だってこんなふうに怖くなかった。
長い時間がたっている気がするのに日の高さは少しも変わらない…。

「アデル…空気が震えた…」
「えっ?」

再び陣が光ったと思ったら…そこには…二人のイケメンと5人の可愛い子供が居た。
その姿を確認したとたん…



僕の意識は吹っ飛んだ…。






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