130 / 247
エンタメ充実編
大切な人 救出②
しおりを挟む
かろうじて息だけはしてる状態の焼け焦げた何かが転がっている。もう何も出来やしないだろう…。これなら後は兵士さんに任せてもいいだろうか?
「グラナダ様!早く誰か空間魔法のわかる人をっ!空間認識できる人をっ!早くっ!ぐひっ、ジ、ジョッシュさんと子供たちが…うえぇぇん」
ラクンの屋敷を制圧し、急ぎ駆け付けてくれたセイラム師団長とともにマカフィーさんから状況を確認する。
酸素は無事送れているみたい。だけどやっぱりその岩を崩しても何も出てこない…悔しい…
「アデル様の転移では行けぬのですか?」
「ズズッ、僕の転移は…見えるとこしかヒック行けない…僕…地図も見れない人だから…うぅ…」
「空間認識…ラクーンの屋敷にあった転移の陣が使えるかも知れませぬ?座標か明確な在処を感じることが出来れば、あるいは…」
「在処…明確な在処…ジョッシュさん…匂い…」
「ジョッシュさんの潮の匂い!」
ジョッシュさんの救出に転移で向かうと伝えたものの、グラナダ様からもお母様からも強固な反対にあってしまった。
「絶対にならぬ!お前の普段使う転移であれば問題はない。見えている場所であるからな。だが、知らぬ場所へ香りだけを頼りになど…行かせられるはずがなかろう!」
「そうですアデル。座標がずれたらどうします?無事で済む保証はないのですよ。ましてやあなたのお腹にはお子が…。転移の影響がないなどと、どうして言い切れましょうか」
そう言われてしまうと何も言えなくなってしまう。お腹の赤ちゃん…。でも岩屋に隠された子供たち…
「う…うぅ…ひっく…う、ぐす…で、でも…どうしたらいいの…?」
「アデル様、救出には私が向かいます。ジョッシュの潮の匂いなら、むしろ私の方が覚えています。風魔法でサーチすれば良いのですね?やり方、教えていただけますか?」
「マカフィーさん…でも、転移したこと無いでしょう?失敗したらどうする」「それはアデル様だって同じことでしょう。経験の有無など関係ない。どのみち一か八かなら私が向かいます。ジョッシュは私の、大切な幼馴染ですからね」
皆が見守る中、岩肌にぴたりと手を合わせ風を送り空気を混ぜる。
「ありました…ジョッシュの匂いだ…」
「うむ、そのまま嗅覚を維持せよ。そしてジョッシュを思い浮かべよ、出来る限り克明に。」
「…ジョッシュ…」
陣が発動した!陣の光に囲まれてマカフィーさんの身体が消えていく…お願い!上手くいって!
「グラナダ様…傍に居て…」
怖くて怖くてたまらない…。パーバートに捕まっている時だってこんなふうに怖くなかった。
長い時間がたっている気がするのに日の高さは少しも変わらない…。
「アデル…空気が震えた…」
「えっ?」
再び陣が光ったと思ったら…そこには…二人のイケメンと5人の可愛い子供が居た。
その姿を確認したとたん…
僕の意識は吹っ飛んだ…。
「グラナダ様!早く誰か空間魔法のわかる人をっ!空間認識できる人をっ!早くっ!ぐひっ、ジ、ジョッシュさんと子供たちが…うえぇぇん」
ラクンの屋敷を制圧し、急ぎ駆け付けてくれたセイラム師団長とともにマカフィーさんから状況を確認する。
酸素は無事送れているみたい。だけどやっぱりその岩を崩しても何も出てこない…悔しい…
「アデル様の転移では行けぬのですか?」
「ズズッ、僕の転移は…見えるとこしかヒック行けない…僕…地図も見れない人だから…うぅ…」
「空間認識…ラクーンの屋敷にあった転移の陣が使えるかも知れませぬ?座標か明確な在処を感じることが出来れば、あるいは…」
「在処…明確な在処…ジョッシュさん…匂い…」
「ジョッシュさんの潮の匂い!」
ジョッシュさんの救出に転移で向かうと伝えたものの、グラナダ様からもお母様からも強固な反対にあってしまった。
「絶対にならぬ!お前の普段使う転移であれば問題はない。見えている場所であるからな。だが、知らぬ場所へ香りだけを頼りになど…行かせられるはずがなかろう!」
「そうですアデル。座標がずれたらどうします?無事で済む保証はないのですよ。ましてやあなたのお腹にはお子が…。転移の影響がないなどと、どうして言い切れましょうか」
そう言われてしまうと何も言えなくなってしまう。お腹の赤ちゃん…。でも岩屋に隠された子供たち…
「う…うぅ…ひっく…う、ぐす…で、でも…どうしたらいいの…?」
「アデル様、救出には私が向かいます。ジョッシュの潮の匂いなら、むしろ私の方が覚えています。風魔法でサーチすれば良いのですね?やり方、教えていただけますか?」
「マカフィーさん…でも、転移したこと無いでしょう?失敗したらどうする」「それはアデル様だって同じことでしょう。経験の有無など関係ない。どのみち一か八かなら私が向かいます。ジョッシュは私の、大切な幼馴染ですからね」
皆が見守る中、岩肌にぴたりと手を合わせ風を送り空気を混ぜる。
「ありました…ジョッシュの匂いだ…」
「うむ、そのまま嗅覚を維持せよ。そしてジョッシュを思い浮かべよ、出来る限り克明に。」
「…ジョッシュ…」
陣が発動した!陣の光に囲まれてマカフィーさんの身体が消えていく…お願い!上手くいって!
「グラナダ様…傍に居て…」
怖くて怖くてたまらない…。パーバートに捕まっている時だってこんなふうに怖くなかった。
長い時間がたっている気がするのに日の高さは少しも変わらない…。
「アデル…空気が震えた…」
「えっ?」
再び陣が光ったと思ったら…そこには…二人のイケメンと5人の可愛い子供が居た。
その姿を確認したとたん…
僕の意識は吹っ飛んだ…。
227
お気に入りに追加
3,287
あなたにおすすめの小説
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
完結·助けた犬は騎士団長でした
禅
BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。
ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。
しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。
強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ……
※完結まで毎日投稿します
【完結】もふもふ獣人転生
*
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。
ちっちゃなもふもふ獣人と、攻略対象の凛々しい少年の、両片思い? な、いちゃらぶもふもふなお話です。
本編完結しました!
おまけをちょこちょこ更新しています。
第12回BL大賞、奨励賞をいただきました、読んでくださった方、応援してくださった方、投票してくださった方のおかげです、ほんとうにありがとうございました!
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み
ギルド職員は高ランク冒険者の執愛に気づかない
Ayari(橋本彩里)
BL
王都東支部の冒険者ギルド職員として働いているノアは、本部ギルドの嫌がらせに腹を立て飲みすぎ、酔った勢いで見知らぬ男性と夜をともにしてしまう。
かなり戸惑ったが、一夜限りだし相手もそう望んでいるだろうと挨拶もせずその場を後にした。
後日、一夜の相手が有名な高ランク冒険者パーティの一人、美貌の魔剣士ブラムウェルだと知る。
群れることを嫌い他者を寄せ付けないと噂されるブラムウェルだがノアには態度が違って……
冷淡冒険者(ノア限定で世話焼き甘えた)とマイペースギルド職員、周囲の思惑や過去が交差する。
表紙は友人絵師kouma.作です♪
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる