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エンタメ充実編

招かれざる客 ② グラナダ視点

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トマスから火急の用だと言われ急ぎサロン横の応接室に駆け込む。
そこにはすでに、貴族としての体裁を捨て落ち着きなく佇む伯爵夫人が居た。


「してどうなされたお義母上。アデルを置いて来たという事はあれに関わることなのだな?」
「ええ、実は見てはならぬ顔を見かけてしまって…。辺境伯様はヨシュア、わたくしの夫からアデルが幼少期かどわかされそうになった話をお聞き及びでございますか?」
「何⁉何だと?そ、それはどのような、いや、いつ頃、ええい、何処のどいつだ!私のアデルにそのような‼」

カマーフィールド卿からはそのような重大な話は聞いておらん。まったくうかつである。そういうところが爪が甘いというのだ卿は!

「落ち着きくださいませ辺境伯様。あれは5歳の頃でございます。幸いにして未然に防ぐことが出来ました故大事にはしなかったのです。犯人はバイル子爵家の四男パーバート。大変倫理観に乏しい男でございました。まだ当家に王都邸があった頃にございます。嫡男トールキンの15を祝う祝宴で…あの男は幼いアデルを見初め連れ去ろうとしたのです。見つけ出された時、アデルは素性を隠す為か訳もわからぬまま下町の女児の衣服を着せられ…」
「もう良いっ!」

臓腑が煮えるようだ!発見が遅ければ使用人の子供か庶子の子かのよう装い、いずれかの土地に連れていかれ、どのような目にあったかもわかるまい!

「何故大事にせなんだのだ!子爵家であればカマーフィールドのほうが格上であろう!」
「相手は子爵家とはいえ宮廷に食い込み当時大変に威勢の良い家門でして…。先んじて手を打たれていたのでございます。我が家では逆らえぬようトラッシュ侯爵家を仲介人にたて…微々たる慰謝料と四男を家から放逐することを条件に手打ちとなったのです。」

「ふむ。バイル子爵家もトラッシュ侯爵家も此度の粛清でお取りつぶしになっておるな。汚い家門だ。だが話の流れ的に…その関係者が居たという事か」
「関係者どころではございません。あの憎きパーバートが居たのでございます。」
「何だと!」
「ここに偶然現れたなどとは到底思えませぬ。あれはまだアデルをあきらめてはおらぬのでしょうか。アデルはこの輿入れが決まるまで領内から一切外へ出てはおりませぬ。公の場所へは一切出てはおらぬのです」
「好機と思ったか…舐められたものだな……だが良く気付いてくれたお義母上。感謝する。トマス、術師団長セイラムを呼べ。直ぐに警戒態勢に入るのだ。アデルに隠匿をかけよ。」





私のアデルに不埒な真似を!おのれパーバート…私からアデルを奪えると思っているのか!目にもの見せてくれる!





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