イケメン大好きドルオタは異世界でも推し活する

明るい家族計画編

カマーフィールド伯爵 終わらぬ苦悩 ①

ようやく王城に戻ってきた僕とグラナダ様。色々と濃い一日だったけど…お兄様に詰めよらなければ今日という一日は終わらない。

「おおアデルや、やっと帰って来たのか。閣下はどうされた。式典の事でお伺いを…っど、どうしたのだアデル？」

僕はグラナダ様を捕まえに来たお父様を逆に捕まえ有無を言わさず僕とグラナダ様がお泊りしている部屋に連行した。ここはグラナダ様がまだ王宮住まいだった時の居室…というか一棟で、諜報除けしっかりしてあるので安心なんだよ。

「お、お父様はご存じだったんですか⁉その、僕ので、で殿下とおに「言うな！アデルよ」」
「いやでも「聞きたくない！私は何も知らん！知りたくないのだ！」」
「……あのね…そーやって、不穏な事から目を逸らしてきたからカマーフィールドだって没落しかけたんですよ？お父様現実を見て！」
「なぜだっ…私は静かで平和な日々を、穏やかな余生を…妻のデラとともに送りたいだけなのに。息子二人がそろいもそろって…」

え、僕は別に何もしてなくない？グラナダ様の助けになろうと頑張ったらちょっと色々大事になっちゃったけど。貰い事故である。

「じゃぁやっぱりご存じだったんですね。いつから？いつからこんなことに⁉」
「私もハッキリ聞かされたわけではないのだ。その…二人の様子が…特に殿下の様子があれで。」
「あれ。」
「血は争えぬな…ははは…王家の血は〝執着”という特性を持つのかもしれぬ…殿下と言い閣下と言い…はは」
「あー、前の王様も強い魔力に執着してましたもんね。アハハ…って！笑ってる場合じゃないですよお父様。殿下とお兄様が神殿に！」
「それはもしや⁉」「そのもしやです！」

僕とお父様は殿下の私室へと足早に向かった…あれ？そういえばさっきからグラナダ様は？
脚の遅いお父様を置いてけぼりで先を急ぐ僕。マカフィーさんと扉の前の近衛兵の制止も振り切る勢いだ。



「辺境伯夫人？カマーフィールド卿はいかがされ？え、夫人！お待ちください！夫人！」
「アデル様、なりません！あ、ちょっと、ま」

バーン

「でで殿下！殿下はお戻りですかっ！」
「…静かにせぬかアデル…」「あれ？グラナダ様？いつの間に？」
「ふふ、いつもアデルは元気だね。物静かな子ってワイアットは言っていたけど違った？」
「領地では静かな子だったのですが…バーガンディの地とよほど相性が良かったのでしょうか…？」
「相性が良かったのは私とだがな」

「さらっと盛るのやめてください。じゃなくて、あのお兄様、さ、さっき」

がちゃり



息を切らしてお父様到着。緊急家族会議をはじめましょうか…