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明るい家族計画編
生誕珠の謎 ①
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3日後に戴冠式を控えたその日、今日は殿下の新王になるための禊の儀があり王宮内は静まり返っていた。
僕とグラナダ様はこの機会にと中央神殿を訪れた。
「これはこれはバーガンディ辺境伯様。ようこそお越しくださいました。此度は神殿の大掃除、尽力いただき感謝の念に堪えませぬ」
「うむ、風紀が正されより一層清浄な場になったことであろう。神官ともあろうものが暴利にまみれるとは嘆かわしいことこの上ないな」
「弁明のしようもありませぬ。恥ずべき事態でございました。ですが聖人様をそれらの汚れからお守りできたことは唯一の幸いでございました。」
「うむ、これからはしかと務めよ。それで今日妻を伴いここに参ったのは…」
「は、心得ております。生誕珠でございますな」
僕とグラナダ様は神殿の最奥へと通される。道すがら神官長さんに聞いたところによるとこの中央神殿で聖人様の祝福…つまり生誕珠を賜れるのは高位の者だけなのだそうだ。
聖人様の祝福を受けた生誕珠は魔力を備える為、乱発を防ぐために庶民や下位貴族では手が出せない程の高額なお布施が義務付けられているらしい。だからこそいくら貴族家の夫夫でも魔力を持つ子供を2子3子と気軽には増やせないんだって。そして、そのお布施のおかげで神殿は様々な貧しいものへの施し…つまりボランティアが出来ているという事だ。
そして、王都の中央以外の神殿や各領地にある地方の神殿には聖人様からの力を貸し与えられた聖女様達が祈りを捧げておいでで、その祈りを受けた生誕珠は夫夫で子供は授かれるけど魔力は備えないんだって。こっちの生誕珠はお志で可能らしい…。なるほど。
異世界のびっくりシステムに感心しているうちに最奥に着いた。そしてこのベールの向こうに聖人様がいらっしゃるのか…ドキドキ…
すると、静かにベールが持ち上げられ…聖人様が姿を現した。
普段、聖人様が神の祝福を得た者、つまり神殿関係者以外に姿を見せることはないみたいでその場にいた全員がとてもびっくりしている。
「これは…グラナダ・リーガル王弟閣下、御目文字叶って光栄に存じまする。夫夫同伴でお越し下さるとは、今度こそ本物の生誕珠をお授けできますな」
全体的に白い…っそして、うっすらと発光している…ような気がするくらいなんかすごい…神々しい…?
ローマの法皇様ってこんな感じなのかな?知らないけど。
「今度こそとは…失礼ながら聖人様は、我が兄ドノヴァンの愚かな行いをご存じであるのか」
「かの王の愚かな行いとやらは此度が初めてではありませぬ…。新しい治世への手向けに全て話して進ぜましょう。是を以て二度とこのようなことが起こらぬよう備えられるがよいでしょう」
なんか、嫌な予感しかしない…
嫡子に生まれ次代の王とされながら、第2皇子グラナダ様の力を目の当たりにしたドノヴァン王はその力に恐怖しそして欲した。これは王宮の者なら誰もが知ってる事。初めて聞く話はここからだった。
本来、夫婦の交わりによる魔力の継承は無作為で、夫婦どちらの魔力を持って生まれてくるかはわからない。
ドノヴァン王は水と風の魔力を主に氷結魔法として使っていたけど本来は2つの属性からなるもの。
この国ではみんな単一の魔力を持って生まれてくる。だからドノヴァン王はけっこうすごかったってことだね。
それが測定不可能なほどの魔力を内包したグラナダ様が現れたことで自分のアイデンティティが揺らいだ王は、王妃の持つ光属性と自らの水と風で、3属性をもつ子を誕生させようと考えたらしい。
受精の際、3つの魔力を無理やり定着させようと王は聖人様に力添えを強要したらしい。だから初めてじゃないって言ったのか…
だけど王妃はその行為に狂気を感じ、王の魔力が子宮に流れないよう抵抗し体内に留めた。それで体内に留めた魔力が暴走し命を落とすことになってしまったんだけど…無事クリフト殿下は王妃の光の属性だけを持って生まれてきた。良かった…
「…そんなことが…それが殿下を否定し続けた理由だったのか…」
「王は自分の属性を受け継がなかった殿下を…愛せなかったのかな…グズ…」
僕とグラナダ様はこの機会にと中央神殿を訪れた。
「これはこれはバーガンディ辺境伯様。ようこそお越しくださいました。此度は神殿の大掃除、尽力いただき感謝の念に堪えませぬ」
「うむ、風紀が正されより一層清浄な場になったことであろう。神官ともあろうものが暴利にまみれるとは嘆かわしいことこの上ないな」
「弁明のしようもありませぬ。恥ずべき事態でございました。ですが聖人様をそれらの汚れからお守りできたことは唯一の幸いでございました。」
「うむ、これからはしかと務めよ。それで今日妻を伴いここに参ったのは…」
「は、心得ております。生誕珠でございますな」
僕とグラナダ様は神殿の最奥へと通される。道すがら神官長さんに聞いたところによるとこの中央神殿で聖人様の祝福…つまり生誕珠を賜れるのは高位の者だけなのだそうだ。
聖人様の祝福を受けた生誕珠は魔力を備える為、乱発を防ぐために庶民や下位貴族では手が出せない程の高額なお布施が義務付けられているらしい。だからこそいくら貴族家の夫夫でも魔力を持つ子供を2子3子と気軽には増やせないんだって。そして、そのお布施のおかげで神殿は様々な貧しいものへの施し…つまりボランティアが出来ているという事だ。
そして、王都の中央以外の神殿や各領地にある地方の神殿には聖人様からの力を貸し与えられた聖女様達が祈りを捧げておいでで、その祈りを受けた生誕珠は夫夫で子供は授かれるけど魔力は備えないんだって。こっちの生誕珠はお志で可能らしい…。なるほど。
異世界のびっくりシステムに感心しているうちに最奥に着いた。そしてこのベールの向こうに聖人様がいらっしゃるのか…ドキドキ…
すると、静かにベールが持ち上げられ…聖人様が姿を現した。
普段、聖人様が神の祝福を得た者、つまり神殿関係者以外に姿を見せることはないみたいでその場にいた全員がとてもびっくりしている。
「これは…グラナダ・リーガル王弟閣下、御目文字叶って光栄に存じまする。夫夫同伴でお越し下さるとは、今度こそ本物の生誕珠をお授けできますな」
全体的に白い…っそして、うっすらと発光している…ような気がするくらいなんかすごい…神々しい…?
ローマの法皇様ってこんな感じなのかな?知らないけど。
「今度こそとは…失礼ながら聖人様は、我が兄ドノヴァンの愚かな行いをご存じであるのか」
「かの王の愚かな行いとやらは此度が初めてではありませぬ…。新しい治世への手向けに全て話して進ぜましょう。是を以て二度とこのようなことが起こらぬよう備えられるがよいでしょう」
なんか、嫌な予感しかしない…
嫡子に生まれ次代の王とされながら、第2皇子グラナダ様の力を目の当たりにしたドノヴァン王はその力に恐怖しそして欲した。これは王宮の者なら誰もが知ってる事。初めて聞く話はここからだった。
本来、夫婦の交わりによる魔力の継承は無作為で、夫婦どちらの魔力を持って生まれてくるかはわからない。
ドノヴァン王は水と風の魔力を主に氷結魔法として使っていたけど本来は2つの属性からなるもの。
この国ではみんな単一の魔力を持って生まれてくる。だからドノヴァン王はけっこうすごかったってことだね。
それが測定不可能なほどの魔力を内包したグラナダ様が現れたことで自分のアイデンティティが揺らいだ王は、王妃の持つ光属性と自らの水と風で、3属性をもつ子を誕生させようと考えたらしい。
受精の際、3つの魔力を無理やり定着させようと王は聖人様に力添えを強要したらしい。だから初めてじゃないって言ったのか…
だけど王妃はその行為に狂気を感じ、王の魔力が子宮に流れないよう抵抗し体内に留めた。それで体内に留めた魔力が暴走し命を落とすことになってしまったんだけど…無事クリフト殿下は王妃の光の属性だけを持って生まれてきた。良かった…
「…そんなことが…それが殿下を否定し続けた理由だったのか…」
「王は自分の属性を受け継がなかった殿下を…愛せなかったのかな…グズ…」
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