イケメン大好きドルオタは異世界でも推し活する

kozzy

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王位交代開始編

念願のPV撮影

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今日の僕はグラナダ様の巡回に引っ付いてきているよ。そう、ビデオ魔具を持ってね。
編集素材を撮るために今日は一日森に入るって宣言したら、いっそ側にって連れてきてくれた。
これでかっこいいグラナダ様のお姿を撮って撮って撮りまくって、あ、もちろん兵士さんたちも一緒に撮って、バーガンディがどれほど大切な任を背負っているのかみんなに解ってもらえる映像を編集するんだ。

「グラナダ様~、いい画撮れなかったら見せ場のために少しだけ魔獣呼び寄せちゃってもいいですか?」
「ふっ、構わぬよ。で、何を呼び寄せる?中層の魔獣で良いのであろう?」

いや~ん鼻で笑ったよこの人!カッコいい!雑魚ですか⁉中層程度雑魚なんですか⁉
僕の鼻息にラグーンがヒヒンと対抗した。ラグーンの背中は2人乗ってもびくともしない。あとで人参いっぱいあげるからね。

グラナダ様の大胸筋の安定感にうっかり寝こけてたら魔獣の森イベント会場に到着してた。
撮影中に事故があったらシャレにならないから一斉に強化をバフっておいた。回復の護符も渡してあるから安心してね。僕はグラナダ様に付いてゆきます!




しかし…行けども行けども…一角兎ホーンラビット赤石兎カーバンクルしか出ない!ちょ、もうっ!ウサギ天国?可愛いんだけどさぁ…今回の趣旨には合わない、なんかこうもう少し画面のいいのを…
なに捕まえてるんですかグラナダ様。耳?何の話ですか、それ?


2体のテラースコルピオンに遭遇し倒しつつ巡回を続ける。
まぁ、たくさん出ないのは良い事なんだろうけど…ん?あれは?

「グラナダ様!あれっ!キラービー!キラービーの群れですよっ!」
「虫ではないか?あのようなもので良いのか?」
「映えるんですって!みんなもホラ!いいから早く!」
ウハウハである。だがまだ足りぬ…僕はポケットからそ~っと、とある魔獣の好むハーブを取り出した…

「あーーー!出たー!やっと出たー!待ってましたー!ブラックサーペントですよグラナダ様!やっちゃってー!」
え、笑うの?そこで笑っちゃうのー?ぎゃーカッコいいー!
あーあーあーすごいー!しまった!腰布は…腰布はグレーにすればよかったー!ペンラっ!ペンラがないっ!イヤー!でもステキー!んあー!ターン決まった!あっ、ちょ、ロドリコさん邪魔っ!
「そうっそこ!真っ二つ!ひゃぁーーーイイーーー!」
「コッチ見てー!」


はぁはぁはぁ…いい汗かいた…くっ、無意識に前髪かき上げるなんて…なにこの天性のイケメン。プレゼントボックスはどこですかっ!!


何やら変な視線を感じふと振り返ると…隊員さんたちがすごい生温かい目で僕を見てた…


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