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王位交代開始編
トマス無双 グラナダ視点
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昨夜遅くまで続いた談義はなかなか良いまとまりをみせた。
カマーフィールド卿には早急に殿下の居られる東宮へ入ってもらわねば。そこで殿下のご指導と王位に就くものの道理を説いてもらう。
また伯爵にはアデルの魔道具を用い連絡要員となってもらう手はずだ。
万が一を考え表向き、検閲前提の伝書鷹も時折飛ばす。父親である伯爵と子であるアデルがをやり取りするのに何も不思議はあるまい。だが、これもまた情報操作のひとつである。
アデルが殿下の頼り無さ、自信の無さは不具のある身体にも一因があるのだと考えておった。言われてみればそうやも知れぬ。まったく私は人の心の機微にうとい。トマスの言う通りであるな。
「んん…おはようグラナダ様…」
「ああ、おはようアデル。もう起きるのか?」
「はいお父様と朝食の~んちゅ、もうっ」
伯爵の滞在中に詰めねばならぬ話がいくらでもある。アデルとの親子水入らずの時間は明日設ける事とした。
久しぶりの父親に随分と甘えているようだが、私以外の者に甘えるなど例えお義父上相手でもよい気分ではない。
朝食の席に着く前にしっかり言い含めておくべきだろう。
「ん?えっ?あっ、ちょっと、あ、あぁん、やだぁ~」
このバーガンディでは午前も身体を動かすことが多いため朝から食事をとるのは当たり前になっているがカマーフィールドではその習慣はないようだ。
ブランチとして昼前の食事をとるのに慣れておいでだというので私達も合わせることとした。そのおかげで、まぁ時間がたっぷりあったわけだが…有意義な時間を過ごしているうちにすっかりギリギリになってしまった。
「お父様、お待たせしてすみません。グラナダ様が言う事聞いてくれなくって」
唇を突き出したアデルも可愛いな。口づけておくか。
「あっ、も、もう!」
お義父上が微笑ましい目でこちらを見ているな。
「あきれておいででおられるのですよ」
トマス…いつの間に読心術を…
「ねぇお父様、東宮に入られたら殿下に会わせてもらうことってできますか?」
「ならぬ、アデルよ。私の側から離れることは許さぬ」
「…て、転移の「お前の転移は大きな跳躍ではないか」」
「でも、だって、必要なんだもん。ねぇグラナダ様、おねが~い」
「そ、そんな眼をしてもダメなものはダ「ねぇお願い!聞いてくれたら何でもするから」」
「そ、そうか!…考えておく…」
「アデルや、そう簡単に「何でもする」などと言ってはいけないよ…世の中お前が思うような善人ばかりではないのだよ…」
「全くでございます。アデル様、旦那様への発言にはご注意を。旦那様、真に受けておかしなまねはなさいませんよう」
いつの間に意気投合したのだこの二人は。
「閣下、私からも一つお願いが。」
「ふむ、申せ」
「アデルの母、妻のデラは残念ながらこの地へ入ることはかないませぬ。この計画が進み上手く事が収まった暁には、ぜひ一度アデルの里帰りを許してやってはもらえませぬか」
「それもならぬ」
カマーフィールドの領地に行くには片道だけでも馬車で10日ほどの日にちがかかる。往復20日、滞在日数まで含めたらいったいどれほど離れねばならぬというのか。
私の威圧に多少ひるみながら尚も伯爵は食い下がる。
「で、では隣の領ではいかがでしょうか?近くまで参らせます故そこでぜひ母子の対面を」
「うむ、それならよかろう」
後方から恐ろしいほどの視線を感じる。いつから威圧を放つようになったのだトマスよ。
カマーフィールド卿には早急に殿下の居られる東宮へ入ってもらわねば。そこで殿下のご指導と王位に就くものの道理を説いてもらう。
また伯爵にはアデルの魔道具を用い連絡要員となってもらう手はずだ。
万が一を考え表向き、検閲前提の伝書鷹も時折飛ばす。父親である伯爵と子であるアデルがをやり取りするのに何も不思議はあるまい。だが、これもまた情報操作のひとつである。
アデルが殿下の頼り無さ、自信の無さは不具のある身体にも一因があるのだと考えておった。言われてみればそうやも知れぬ。まったく私は人の心の機微にうとい。トマスの言う通りであるな。
「んん…おはようグラナダ様…」
「ああ、おはようアデル。もう起きるのか?」
「はいお父様と朝食の~んちゅ、もうっ」
伯爵の滞在中に詰めねばならぬ話がいくらでもある。アデルとの親子水入らずの時間は明日設ける事とした。
久しぶりの父親に随分と甘えているようだが、私以外の者に甘えるなど例えお義父上相手でもよい気分ではない。
朝食の席に着く前にしっかり言い含めておくべきだろう。
「ん?えっ?あっ、ちょっと、あ、あぁん、やだぁ~」
このバーガンディでは午前も身体を動かすことが多いため朝から食事をとるのは当たり前になっているがカマーフィールドではその習慣はないようだ。
ブランチとして昼前の食事をとるのに慣れておいでだというので私達も合わせることとした。そのおかげで、まぁ時間がたっぷりあったわけだが…有意義な時間を過ごしているうちにすっかりギリギリになってしまった。
「お父様、お待たせしてすみません。グラナダ様が言う事聞いてくれなくって」
唇を突き出したアデルも可愛いな。口づけておくか。
「あっ、も、もう!」
お義父上が微笑ましい目でこちらを見ているな。
「あきれておいででおられるのですよ」
トマス…いつの間に読心術を…
「ねぇお父様、東宮に入られたら殿下に会わせてもらうことってできますか?」
「ならぬ、アデルよ。私の側から離れることは許さぬ」
「…て、転移の「お前の転移は大きな跳躍ではないか」」
「でも、だって、必要なんだもん。ねぇグラナダ様、おねが~い」
「そ、そんな眼をしてもダメなものはダ「ねぇお願い!聞いてくれたら何でもするから」」
「そ、そうか!…考えておく…」
「アデルや、そう簡単に「何でもする」などと言ってはいけないよ…世の中お前が思うような善人ばかりではないのだよ…」
「全くでございます。アデル様、旦那様への発言にはご注意を。旦那様、真に受けておかしなまねはなさいませんよう」
いつの間に意気投合したのだこの二人は。
「閣下、私からも一つお願いが。」
「ふむ、申せ」
「アデルの母、妻のデラは残念ながらこの地へ入ることはかないませぬ。この計画が進み上手く事が収まった暁には、ぜひ一度アデルの里帰りを許してやってはもらえませぬか」
「それもならぬ」
カマーフィールドの領地に行くには片道だけでも馬車で10日ほどの日にちがかかる。往復20日、滞在日数まで含めたらいったいどれほど離れねばならぬというのか。
私の威圧に多少ひるみながら尚も伯爵は食い下がる。
「で、では隣の領ではいかがでしょうか?近くまで参らせます故そこでぜひ母子の対面を」
「うむ、それならよかろう」
後方から恐ろしいほどの視線を感じる。いつから威圧を放つようになったのだトマスよ。
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