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王位交代開始編

父子の対面 ③

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食後はシッティングルームに場所を移してもっとリラックスした家族のお話。


「しかしアデルがそのような魔法を…領地では開花し得なかった才ですな」
「そうなのか?素晴らしい魔法であった。ヒールもメタモルも、そしてあの…あれはなんだアデル?剣に付与した雷の…」
「あっ、あっ、えと、サンダーのことですか?ちょっとかけすぎちゃった、えへ。」

「アデル、もしや…魔獣との戦いに参加したのか…?まさかお前のように気の弱い子が…そんな…」
「し、してません。まさか!あの、付与を…剣に付与をかけただけデス…」

おっと、やばいやばい。やる気満々で観に行ってアドレナリン出まくりでバフりまくったのはナイショです。

「そうだろうとも、驚かせる…だがこちらに来ても研鑽を積み続けたのだな。母に伝えておこう、きっと喜ぶ」
「お母様は教育熱心ですもんね。あの、たくさんの魔法書…本当に助けになりました。あれだけでもとっても高価だって…今ならわかります。持たせてくれてありがとう…。」

売ってしまった宝飾品のことはナイショだ。グラナダ様が買い戻してくれるって言って今トマスさんが追跡してくれている。高いものではないんだけど…大切なものだから。

親子の間にあたたかい時間が流れてたその時、空気を読まないグラナダ様がとんでもないことを言い出した。



「だが卿よ、アデルにはその、一部教育が足りぬのではないか?…特に閨関係の…」
「ぶっ!」
「と言いますと…?」
「いや、責めておるのではない。むしろ構わぬのだが、どうしたものかと思ったまでだ」
「ちょ、グラナダ様、あの「夫夫の営みについてほとんど無知であるのだぞ」」
「そ、そ、そうでございましたか?あ、いや、その辺りは妻にその、任せきりでして。いやはや、家庭教師などを満足に雇うことも出来ぬ有様でしてな、妻が、そう妻が何かと躾けておったのですが、アデルはその、少々勉強嫌いでしてな」
「詳しく聞かせよ」
「いつも逃げ出しては領地の山野で花を摘んだり」「ほう」
「リスやウサギと戯れ」「ふむ」
「鳥と歌ったりしておったのでございます」

ぐっはぁ、誰だそれ。乙女かっ!

「ふふ、アデルらしい。ん、ゴホン、確かにそのようであるな、私の妻は時にずいぶんと幼い。」ちゅっ
「っあー、えーと、そのー」
「あー、うほん、時に閣下、その…腰に回した腕は「いつもの事だ気にするな」」
「ももに置かれた手「それもいつもの事だ」」
「旦那様は奥方様をいつも膝に乗せようとして逃げられているのですよ」
「言うでないわトマス」
あっ、お父様が激しく動揺してる!

「は、はあ、いえまあ、父としては夫夫仲が良好なようで一安心…で、ございますなぁ…」
もうほんとモウシワケナイ…


「しかしそうかアデルはウサギが好きか。では今度ホーンラビットでも捕まえてくるか?」
「え、欲し「旦那様、アデル様が戯れられたのはそのウサギではないかと…」」

ー良いな。ウサギの耳かー



不穏なワードが耳に聞こえた気がするけど…気のせいだよね?





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