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王位交代開始編
敏腕プロデューサー?
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「あー、そんなビラビラしたのじゃなくてもっとシンプルな。そう、そういう。」
「生地はもっと上質なものがいいなぁ。出ちゃうんだよね~素材感って。」
「そのボタンも変えてくれる?光沢が邪魔だねえ。」
「ジャケは、んー、も少しこう、フィットした感じ?」
「あーいいねぇいいねぇ」
「だから飾りはいらないって。わかってないなー。」
「グラナダ様の魅力を引き出すには極限まで装飾を削った中にただよう洗練された気品が必要なんだよ!」
持ち込まれた何点もの見本やデザイン画を机の上に広げてインチキプロデューサーが講釈をたれる。
そりゃあね、貴族然としたグラナダ様も大好きだし、武具を身にまとったグラナダ様もかっこいいけど、こう、なんていうか、も少し色っぽいグラナダ様を…大人の色香を、こう…
薄暗いバーガンディの空が恐怖の背景じゃなく、気怠い雰囲気のムーディーな背景に見えるようなそんな色気を演出したい。
そして、グラナダ様の威圧感を勇猛さに。瘴気漂うグラナダ様を魔物に対して果敢な姿に。黒っぽい瘴気はエフェクト扱いだ。カッコイイオーラに見えるよう演出するよ。
そしてポスターを作ったら行商の人に町々で配ってもらうんだ。国の守護神グラナダ・リーガル バーガンディ辺境伯って。
服飾職人がへとへとになるまで手直しを重ねたら今日の打ち合わせは終了になった。
納得のいく物つくりに妥協は許されないのだ!
「して、アデルよ。今日は何をしておったのだ」
「いろいろ進んでますよ。プロモーション計画の第一歩もスタートしましたし、あっ、グラナダ様、今度午後、僕にお時間くださいね。僕垂涎の催事がありまして、でへへ」
「ふむわかるぞ、アデルが喜ぶ催事と言う事だな、まかせておけ」
この後グレゴリー隊長そして第二軍とシークレットミッションの会合をするグラナダ様にお願いをしておく。
「そうだ、グラナダ様。えと王様の非道な行いの数々、噂とか集めておいてくださいね。グラナダ様の偉業と一緒に王様の悪行も流すんで」
「だが、兄は噂など簡単にもみ消すぞ。今までにも何度となく芳しくない噂は出たが広まることはついぞ無かった」
「見てわかる証拠が欲しいなぁ。それも決定的な奴。そっか、じゃぁ新しい悪行をここは一つ増やしてもらう方向でどうかなぁ」
「仕掛けるのだな。うむ、王宮内での工作に加えそれも考えておこう」
隊長たちとの軍議に向かうグラナダ様を見送ると僕はマカフィーさんに向き合った。
「僕の従者なんかで居るの退屈なんじゃないですか?」
「閣下の護衛も実際のところする事なんかありませんでしたよ。閣下は一番お強いですからね。護衛と言う名の雑用係のようなものでした。今の方がすること多くて刺激的ですよ。」
「え、ええ~…雑用…、ないわ~…」
「ハハッ、それでも閣下の傍付きとなるのは光栄でしたよ。なにしろ閣下は難しいお方ですからね。誰でもが話し相手になれるわけでもない」
「マカフィーさんは受け入れられたんだ…」
「そうだと光栄ですが」
僕といるのを楽しいって言ってくれて安心した。ちょっと心配だったんだ。こんな子供の手伝いなんてって思われてたらどうしようって。
風魔法の使い手マカフィーさんはその属性の通りに爽やかなイケメンだ。
いつかマカフィーさんにも撮影に参加してもらおうと、そう心で決意しながらトマスさんに会いに向かった。
大事なお願いをするために。
「生地はもっと上質なものがいいなぁ。出ちゃうんだよね~素材感って。」
「そのボタンも変えてくれる?光沢が邪魔だねえ。」
「ジャケは、んー、も少しこう、フィットした感じ?」
「あーいいねぇいいねぇ」
「だから飾りはいらないって。わかってないなー。」
「グラナダ様の魅力を引き出すには極限まで装飾を削った中にただよう洗練された気品が必要なんだよ!」
持ち込まれた何点もの見本やデザイン画を机の上に広げてインチキプロデューサーが講釈をたれる。
そりゃあね、貴族然としたグラナダ様も大好きだし、武具を身にまとったグラナダ様もかっこいいけど、こう、なんていうか、も少し色っぽいグラナダ様を…大人の色香を、こう…
薄暗いバーガンディの空が恐怖の背景じゃなく、気怠い雰囲気のムーディーな背景に見えるようなそんな色気を演出したい。
そして、グラナダ様の威圧感を勇猛さに。瘴気漂うグラナダ様を魔物に対して果敢な姿に。黒っぽい瘴気はエフェクト扱いだ。カッコイイオーラに見えるよう演出するよ。
そしてポスターを作ったら行商の人に町々で配ってもらうんだ。国の守護神グラナダ・リーガル バーガンディ辺境伯って。
服飾職人がへとへとになるまで手直しを重ねたら今日の打ち合わせは終了になった。
納得のいく物つくりに妥協は許されないのだ!
「して、アデルよ。今日は何をしておったのだ」
「いろいろ進んでますよ。プロモーション計画の第一歩もスタートしましたし、あっ、グラナダ様、今度午後、僕にお時間くださいね。僕垂涎の催事がありまして、でへへ」
「ふむわかるぞ、アデルが喜ぶ催事と言う事だな、まかせておけ」
この後グレゴリー隊長そして第二軍とシークレットミッションの会合をするグラナダ様にお願いをしておく。
「そうだ、グラナダ様。えと王様の非道な行いの数々、噂とか集めておいてくださいね。グラナダ様の偉業と一緒に王様の悪行も流すんで」
「だが、兄は噂など簡単にもみ消すぞ。今までにも何度となく芳しくない噂は出たが広まることはついぞ無かった」
「見てわかる証拠が欲しいなぁ。それも決定的な奴。そっか、じゃぁ新しい悪行をここは一つ増やしてもらう方向でどうかなぁ」
「仕掛けるのだな。うむ、王宮内での工作に加えそれも考えておこう」
隊長たちとの軍議に向かうグラナダ様を見送ると僕はマカフィーさんに向き合った。
「僕の従者なんかで居るの退屈なんじゃないですか?」
「閣下の護衛も実際のところする事なんかありませんでしたよ。閣下は一番お強いですからね。護衛と言う名の雑用係のようなものでした。今の方がすること多くて刺激的ですよ。」
「え、ええ~…雑用…、ないわ~…」
「ハハッ、それでも閣下の傍付きとなるのは光栄でしたよ。なにしろ閣下は難しいお方ですからね。誰でもが話し相手になれるわけでもない」
「マカフィーさんは受け入れられたんだ…」
「そうだと光栄ですが」
僕といるのを楽しいって言ってくれて安心した。ちょっと心配だったんだ。こんな子供の手伝いなんてって思われてたらどうしようって。
風魔法の使い手マカフィーさんはその属性の通りに爽やかなイケメンだ。
いつかマカフィーさんにも撮影に参加してもらおうと、そう心で決意しながらトマスさんに会いに向かった。
大事なお願いをするために。
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