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新生活順応編
目の前の姿
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「グラナダ様…どうでもいいなんて言わないで…」
「いまは思わぬ。が、これもまた身から出た錆よ。思えば…兄のような強欲な者と思われることを厭うたのだ私は。強すぎる力を私欲に使う利己的な者と侮られるのが我慢ならなかった。私は…本当は受け入れられたかったのだ人々に。だがその力は私を化け物にした。そして望まなかった悪名に…ただただ目を背け続けたのだ。」
「化け物なんてっ!グラナダ様がこんなにも命がけで魔獣討伐し続けているのは王国の、そこに住む人達のためでしょ?悪名?魔人ってやつ?なんで?なんでみんなグラナダ様のことひどく言うの?」
「思うにそこにも陛下の謀略を感じますな」
「何か存じておられるのですかなグレゴリー殿」
「うむ憶測ではあるが、私がまだ近衛を務めておった折にもなんどかかような事があった。陛下は武には劣るが謀には長けておるゆえ。人心の掌握術をよく存じておられる。」
「…ふむ、そういう事か…私が王都に戻っても居場が無いよう仕向けておるのだな…そうか…」
「う…ご、ごめんなさい…」
「今さら構わぬ。だから泣くなアデルよ」
…そうじゃない…そうじゃないよ。僕のごめんなさいはそこじゃないんだ…
僕はずっと坂下クンにそっくりなグラナダ様に恋してた。
…グラナダ様の後ろに、いつもいつも坂下クンを重ねてた。
ステージで真剣に踊る坂下クン。舞台の上の冷酷なボスだった坂下クン。ちょっとだるそうに雑誌のインタビュー受ける坂下クン。握手会、いつもサンキュってふって笑った坂下クン。
グラナダ様のそこかしこに坂下クンは見つかった。
だけど今、グラナダ様のおかれた状況や今までのつらい出来事…どうしてグラナダ様がこんなに歪んじゃったのか…やっと本当にわかって…わかった気になってた自分が恥ずかしくて…自分がそれまでどれほど客席にいたのか気づいたんだ。
赤ちゃんのことを聞いた時だって、ずっと〝グラナダ様の子”って思ってた。でも違う!〝僕たちの子”だよね。馬鹿な僕。
ごめんなさいグラナダ様…軽薄な僕でごめんなさい…
でもね僕とっくに今目の前にいる、坂下クンじゃないグラナダ様の事好きになってる。うそじゃない。本当だよ。
男らしい姿なのにどこか女々しいグラナダ様。
誰よりも強いのに心の弱いグラナダ様。
誰も要らないっていいながら誰よりも寂しがりだったグラナダ様。
坂下クンとは違うけど…えへへ…そんなグラナダ様が愛おしい。
心の中でいっぱいゴメンナサイして反省するから…これから僕たち恋をしよう…。
「いまは思わぬ。が、これもまた身から出た錆よ。思えば…兄のような強欲な者と思われることを厭うたのだ私は。強すぎる力を私欲に使う利己的な者と侮られるのが我慢ならなかった。私は…本当は受け入れられたかったのだ人々に。だがその力は私を化け物にした。そして望まなかった悪名に…ただただ目を背け続けたのだ。」
「化け物なんてっ!グラナダ様がこんなにも命がけで魔獣討伐し続けているのは王国の、そこに住む人達のためでしょ?悪名?魔人ってやつ?なんで?なんでみんなグラナダ様のことひどく言うの?」
「思うにそこにも陛下の謀略を感じますな」
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「…ふむ、そういう事か…私が王都に戻っても居場が無いよう仕向けておるのだな…そうか…」
「う…ご、ごめんなさい…」
「今さら構わぬ。だから泣くなアデルよ」
…そうじゃない…そうじゃないよ。僕のごめんなさいはそこじゃないんだ…
僕はずっと坂下クンにそっくりなグラナダ様に恋してた。
…グラナダ様の後ろに、いつもいつも坂下クンを重ねてた。
ステージで真剣に踊る坂下クン。舞台の上の冷酷なボスだった坂下クン。ちょっとだるそうに雑誌のインタビュー受ける坂下クン。握手会、いつもサンキュってふって笑った坂下クン。
グラナダ様のそこかしこに坂下クンは見つかった。
だけど今、グラナダ様のおかれた状況や今までのつらい出来事…どうしてグラナダ様がこんなに歪んじゃったのか…やっと本当にわかって…わかった気になってた自分が恥ずかしくて…自分がそれまでどれほど客席にいたのか気づいたんだ。
赤ちゃんのことを聞いた時だって、ずっと〝グラナダ様の子”って思ってた。でも違う!〝僕たちの子”だよね。馬鹿な僕。
ごめんなさいグラナダ様…軽薄な僕でごめんなさい…
でもね僕とっくに今目の前にいる、坂下クンじゃないグラナダ様の事好きになってる。うそじゃない。本当だよ。
男らしい姿なのにどこか女々しいグラナダ様。
誰よりも強いのに心の弱いグラナダ様。
誰も要らないっていいながら誰よりも寂しがりだったグラナダ様。
坂下クンとは違うけど…えへへ…そんなグラナダ様が愛おしい。
心の中でいっぱいゴメンナサイして反省するから…これから僕たち恋をしよう…。
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