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推し活満喫編
単身お引越し
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そうと決まれば行動あるのみ。引っ越しの準備をしなくっちゃ。
だってグラナダ様、僕の顔みるだけでサイテーな気分になるみたいだし。
自分のこの顔が推しにイヤな思いをさせてるって考えたら、もうもう、一刻も早くここを出ていかなくちゃって思ったよね。
まずは持ってきた荷物の確認をする。
徒歩で出てくんならたくさんの荷物は持っていけないな。けど魔術書だけは置いていけない。ある意味これは僕の生命線だからね。
ついでについこの間習得したばかりの変身魔法のページを確認する。
自分に掛けるのは初めてだからドキドキする。でもカエルでは成功したから…きっと大丈夫。
一回練習…ん、んん?ま、まぁ微妙だけどOK!微調整は後からしよう。
後からそろえればいいものは置いていくことにして…ポーション作成に必要なハーブの苗やら種やらは持って行かなくちゃ。使える道具も。
貴族服はいらない。シンプルな服2~3着を洗いながら着まわせばいいよね。洗浄が使えるって便利。
おっと、服はいらないけど宝飾品はもっていく。
僕の家は貧乏貴族だったみたいだけど、辺境伯家に嫁ぐ僕に情けない想いをさせないようにって、両親が精いっぱいで持たせてくれたいくつかの宝石の埋め込まれた装飾品。
貴族的にはそんなに高いものじゃないんだろうけど庶民の町で売れば家借りたりしばらくの生活資金にするくらいにはなるよね?
カマーフィールドのお父さんお母さん、せっかく持たせてくれたのにごめんなさい。僕がここで生きていくために1円だって無駄にしないで有効活用するので…売っぱらうことを許してください。
あとはこまごました物を入るだけ、持てるだけ。
自作の推しグッズはどうしよう…祭壇になっちゃってるんだけど…
小さくて軽いものだけ鞄に詰め込んだけど木板に描いたグラナダ様の似顔絵やサイズの大きいヌイは持って行けそうにない。
処分しようと思ったけど…………出来ないよっっっ!!!!
グラナダ様のグッズを処分なんて!!!!!
もう、開き直って置いてくことにした。
どうせ片付けは使用人さんたちだしアデルはもうこの世に存在しなくなるんだからなんて思われたってかまわないよっ!
こういうのも旅の恥はかき捨てって言うのかな?
本の入ったトランクと肩から掛けれる大き目の鞄を2つ。シーツを風呂敷代わりにして当座の食料を背負う。
初日の空腹…あんなのはもう勘弁だ。
そうこうしてたら夜が明けた。バーガンディの朝はそれほど明るくない。そもそも一日中うす暗い。霧の都ロンドンってこんな感じなのかな?知らないけど。
荷物が重くて肩が抜けそう…萎える…けど僕は自分自身を奮い立たせ新たな一歩を踏み出した。
使用人さんたちが出入りする目立たない通用口。そこまで来ると何人かはすでに朝の仕事を始めてた。見知った顔もある。
超大きな荷物を持った僕をみんなぎょっとした顔で見てくるから、どうせ言葉が返ってくることは無いんだろうけど…最後の挨拶をすることにした。
「おはようございます。僕、辺境伯様にここを出ていくように言われてしまったのでこれでもうお別れです。今までどうもありがとうございました。」
ぺこりとお辞儀して2歩進む。
あっ、貴族って使用人に頭下げちゃダメなんだった…まぁいいやこれでもう会わないし…
木戸をくぐり抜ける前、ふともう一度使用人さんたちのほうを見たら全員で僕をガン見してた。
「…ほんとは皆さんとたくさん楽しくお話したかったです。…さようなら…」
今度はもう振り返らずに、僕はグラナダ様と過ごした?この大きなお屋敷を後にした。
だってグラナダ様、僕の顔みるだけでサイテーな気分になるみたいだし。
自分のこの顔が推しにイヤな思いをさせてるって考えたら、もうもう、一刻も早くここを出ていかなくちゃって思ったよね。
まずは持ってきた荷物の確認をする。
徒歩で出てくんならたくさんの荷物は持っていけないな。けど魔術書だけは置いていけない。ある意味これは僕の生命線だからね。
ついでについこの間習得したばかりの変身魔法のページを確認する。
自分に掛けるのは初めてだからドキドキする。でもカエルでは成功したから…きっと大丈夫。
一回練習…ん、んん?ま、まぁ微妙だけどOK!微調整は後からしよう。
後からそろえればいいものは置いていくことにして…ポーション作成に必要なハーブの苗やら種やらは持って行かなくちゃ。使える道具も。
貴族服はいらない。シンプルな服2~3着を洗いながら着まわせばいいよね。洗浄が使えるって便利。
おっと、服はいらないけど宝飾品はもっていく。
僕の家は貧乏貴族だったみたいだけど、辺境伯家に嫁ぐ僕に情けない想いをさせないようにって、両親が精いっぱいで持たせてくれたいくつかの宝石の埋め込まれた装飾品。
貴族的にはそんなに高いものじゃないんだろうけど庶民の町で売れば家借りたりしばらくの生活資金にするくらいにはなるよね?
カマーフィールドのお父さんお母さん、せっかく持たせてくれたのにごめんなさい。僕がここで生きていくために1円だって無駄にしないで有効活用するので…売っぱらうことを許してください。
あとはこまごました物を入るだけ、持てるだけ。
自作の推しグッズはどうしよう…祭壇になっちゃってるんだけど…
小さくて軽いものだけ鞄に詰め込んだけど木板に描いたグラナダ様の似顔絵やサイズの大きいヌイは持って行けそうにない。
処分しようと思ったけど…………出来ないよっっっ!!!!
グラナダ様のグッズを処分なんて!!!!!
もう、開き直って置いてくことにした。
どうせ片付けは使用人さんたちだしアデルはもうこの世に存在しなくなるんだからなんて思われたってかまわないよっ!
こういうのも旅の恥はかき捨てって言うのかな?
本の入ったトランクと肩から掛けれる大き目の鞄を2つ。シーツを風呂敷代わりにして当座の食料を背負う。
初日の空腹…あんなのはもう勘弁だ。
そうこうしてたら夜が明けた。バーガンディの朝はそれほど明るくない。そもそも一日中うす暗い。霧の都ロンドンってこんな感じなのかな?知らないけど。
荷物が重くて肩が抜けそう…萎える…けど僕は自分自身を奮い立たせ新たな一歩を踏み出した。
使用人さんたちが出入りする目立たない通用口。そこまで来ると何人かはすでに朝の仕事を始めてた。見知った顔もある。
超大きな荷物を持った僕をみんなぎょっとした顔で見てくるから、どうせ言葉が返ってくることは無いんだろうけど…最後の挨拶をすることにした。
「おはようございます。僕、辺境伯様にここを出ていくように言われてしまったのでこれでもうお別れです。今までどうもありがとうございました。」
ぺこりとお辞儀して2歩進む。
あっ、貴族って使用人に頭下げちゃダメなんだった…まぁいいやこれでもう会わないし…
木戸をくぐり抜ける前、ふともう一度使用人さんたちのほうを見たら全員で僕をガン見してた。
「…ほんとは皆さんとたくさん楽しくお話したかったです。…さようなら…」
今度はもう振り返らずに、僕はグラナダ様と過ごした?この大きなお屋敷を後にした。
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