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201 断罪を回避した側妃
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第三宮からようやく呼び出しがかかり(遅いって)、僕は初の地上ルートで第三宮へと向かっていた。
まあまあ距離のある第三側妃宮。僕とアレイスターの無駄話はまだまだ終わらない。
「しかし…あのアドリアナ様と父を納得させるとは…恐れ入ったよ君には」
「恐れ入ったのは僕の方ですよ。……トレヴァー君に」
あの何も考えてません、風なトレヴァー君が全てを解決していくなんて…驚きだよ!開いた口がカラッカラだよ!
そりゃローザ嬢をけしかけたのは僕だよ?でもまさかこうくるとは…トレヴァー君、彼は何者だろう…
「以前話したろう?トレヴァーは無意識にその時一番最善と思われる行動をとるのだよ。あれで無自覚なのだから大したものだ」
「アレイスターは違うんですか?」
「私は精一杯考えてこの程度だ。君の足元にも及ばない」
「僕の足元にあるのは死活問題だけですよ?」
いやもうホントに。冗談抜きで。
せっかく手に入れたセカンドライフときたらはじめっからハンデ付きで。その後も一難去ってまた一難どころか災難の大渋滞。
けどそのどれもに耐えられたのは〝生きてるだけで丸儲け”、その精神あればこそだ。
パンの耳でもいい、なんでも美味しく食べられて…数は無くていい…パジャマ以外の服が着れて…学校と塾の往復でもいい…好きなだけ思うように身体が動かせて…
贅沢は言わない…そんな生活が出来れば僕は満足だ。
……
あ、あと居住空間に数人でいいから目の保養になるイケメンが居たらそれにこしたことはない。あ、一人か二人イケオジも欲しいところだ。そのイケメンたちに濃厚な絡みがあればなおヨシ!幼馴染とかも配置してほしい。あーそれから制服。制服を忘れちゃいけないよ?えーとそれから…下剋上?
「シャノン?」
「ウェッホイ!」
…脱線したが、それもこれも全部、僕がこの世界の誰より生きる事の尊さを知っているからだ。…身に染みて。
「はー…今やれることがあるなら何でもします。だって明日の保証なんてどこにも無いんですからね」
「私も今回それをようやく理解した。君の命がこの腕をすり抜けていくと感じた時、どれほど見苦しかろうが、誰を敵にまわそうが…、何故君を手に入れるためにもっと必死に抗わなかったのかと…心の底から後悔したよ」
産まれた時から微妙な立場のワケアリ王子。それがアレイスター・ルテティア第二王子。
彼は火種を起こさないよう、常に目立たず出しゃばらず、ただひたすら揉め事を回避し続けた。これも生き残るための処世術。うん。悪いことじゃない。
見ている限りそのやり方を完全に捨てたとは言い難いけど…でもこれからはちょっぴり欲張りになるそうだ。僕に関しては。テレテレ…
「でもちゃっかり手に入れたじゃないですか。なんですこの手?」
誰が指を絡めていいと言った!
「おや?この小指と小指は赤い糸で結ばれているのだろう?不満かい?」
「ううん。アレイスターといるのは楽チンだし楽しいし何かと楽ショーだし…」
今年の漢字は〝楽”で決まりだな…
「それに見てるだけなら許してくれるんでしょ?黒髪。アイタ!」
「君って人は…、恋心は整理したんじゃなかったのかい?」
「恋心は整理しました。でも黒髪と制服はまた別というか」
「では仕方ない。まあほどほどに」
「え?ほんとにいいの?冗談のつもりだったのに…」
「君に振り回されるのが楽しいと思うのだから…私も大概どうかしている」
気が合うねアレイスター。フラッシュモブ撲滅派の僕がアレイスターのサプライズが楽しみだ…とか思うんだから僕もたいがいどうかしてる。
図に乗りそうだから絶対教えないけどね。
さて、到着したのは第三宮。立ち並ぶ後宮群の最奥だ。
「ようやく会えたわね、シャノン」
「は、はじめまして第三側妃ヘイザール様」
おお…艶っぽい…という言葉が似あう美人。王妃様とは違う種類の迫力がある…。横顔はアレイスターにそっくりだ。
「かしこまらないで頂戴。わたくしの出自を知っているでしょう?あなたの方が余程高貴なお立場よ」
「でも僕はずっとお話したいって思ってましたから」
「あら?あなたがわたくしに会いたがるなんて…思いもよらなかったわ」
「いろいろ気になって」
これはお愛想ではない。本当の気持ちだ。
聞きたいことはたくさんある。
あの王様のどこが良かったの?とか、王宮の住み心地は?とか。あと一番聞きたいのが王様が南に行っちゃったらヘイザール様はどうするの?ってこと。
アレイスターのお母さんということは…彼女は僕にとって姑になる。もし北部に来るとなれば…同居か…。病院のロビーで読んだ女性週刊誌にも、同居はモメゴトの元、回避すべしと書かれていた。ちょっとどうしよう…
だから僕は伝えたのだ。「もしヘイザール様が王都に残るというなら全力で住環境の改善に尽力しようと思っている」と。これは実質北部に来るな、だ。姑息だろうか…、いいや!適度な距離感こそが上手くやるコツだと週刊誌にも書いてあった!
「まあシャノン様、なんと嬉しいことを…。ですが心配いりませんわ」
「と言いますと?」
「わたくしローグとともに南へ行くつもりですの。誘いを受け二つ返事で了承しましたわ」
「ええっ!だってそこは前線になるんですよ?危険ですよ?」
「母上、本気ですか!? 」
アレイスターも初耳だったのか…
「ローグに昔話したことがありますの。南の小国群、かの地がとても開放的だと聞いて…もしあの地を手に入れたらそこにわたくしの領地を作って欲しい…などと戯れ言を。ローグが覚えているとは思ってもみませんでしたが」
開放的…つまりここは窮屈、ということだな。
「王様が大好きなんですね」
「妃殿下方には申し訳ないのだけど…、あの方を真に理解できるのはわたくしだけですわ」
…王妃様には聞かせられないな…
「アドリアナ様はわたくしに冷たく当たることも出来たでしょうに…好意的とまでは言えませんが、感情を抑え周囲の悪意から今日までわたくしを守ってくださいました。ですがもう十分です。これ以上あの方を苦しめたくはありません」
みみっちい意地悪しないところが王妃様なんだよね…カッコいい。でもちょっと可哀想。だから僕はもうじき女王様になる王妃様に「側妃ならぬ側配(宅配みたいだな…)でも持ったらどうか」と勧めるつもりでいる。
「王様は愛人を連れていくとばっかり思ってました」
「ほほほ。あれは隠れて遊ぶから楽しいのですよ」
よ、余裕だ…王様は手の平でころっころだ…
「それに…憂いが無くなるのならもう一人子を抱いてもいいかしら」
「え!」
「母上!」
「冗談よ。それよりシャノン、グレーサファイヤの指輪は?」
「ここにあります…」
ヘイザール様は指輪をチェーンから抜き取ると分かりやすく大きなため息をついて…
「アレイスター、あなたは何をやっているの?早くはめて差し上げなさい」
「は、はい。すまないシャノン。気がまわらなかった」
「しょうのない子ね」
ばつのわるい顔をしながら、それでも指輪はアレイスターの手により僕の首から指へ。おお…
「息子をお願いしますね。この子は小賢しいけど詰めが甘いの」
ニコッ!「知ってます!」
とても気さくなヘイザール様。嫁姑の仲は心配無さそうだ。
まあまあ距離のある第三側妃宮。僕とアレイスターの無駄話はまだまだ終わらない。
「しかし…あのアドリアナ様と父を納得させるとは…恐れ入ったよ君には」
「恐れ入ったのは僕の方ですよ。……トレヴァー君に」
あの何も考えてません、風なトレヴァー君が全てを解決していくなんて…驚きだよ!開いた口がカラッカラだよ!
そりゃローザ嬢をけしかけたのは僕だよ?でもまさかこうくるとは…トレヴァー君、彼は何者だろう…
「以前話したろう?トレヴァーは無意識にその時一番最善と思われる行動をとるのだよ。あれで無自覚なのだから大したものだ」
「アレイスターは違うんですか?」
「私は精一杯考えてこの程度だ。君の足元にも及ばない」
「僕の足元にあるのは死活問題だけですよ?」
いやもうホントに。冗談抜きで。
せっかく手に入れたセカンドライフときたらはじめっからハンデ付きで。その後も一難去ってまた一難どころか災難の大渋滞。
けどそのどれもに耐えられたのは〝生きてるだけで丸儲け”、その精神あればこそだ。
パンの耳でもいい、なんでも美味しく食べられて…数は無くていい…パジャマ以外の服が着れて…学校と塾の往復でもいい…好きなだけ思うように身体が動かせて…
贅沢は言わない…そんな生活が出来れば僕は満足だ。
……
あ、あと居住空間に数人でいいから目の保養になるイケメンが居たらそれにこしたことはない。あ、一人か二人イケオジも欲しいところだ。そのイケメンたちに濃厚な絡みがあればなおヨシ!幼馴染とかも配置してほしい。あーそれから制服。制服を忘れちゃいけないよ?えーとそれから…下剋上?
「シャノン?」
「ウェッホイ!」
…脱線したが、それもこれも全部、僕がこの世界の誰より生きる事の尊さを知っているからだ。…身に染みて。
「はー…今やれることがあるなら何でもします。だって明日の保証なんてどこにも無いんですからね」
「私も今回それをようやく理解した。君の命がこの腕をすり抜けていくと感じた時、どれほど見苦しかろうが、誰を敵にまわそうが…、何故君を手に入れるためにもっと必死に抗わなかったのかと…心の底から後悔したよ」
産まれた時から微妙な立場のワケアリ王子。それがアレイスター・ルテティア第二王子。
彼は火種を起こさないよう、常に目立たず出しゃばらず、ただひたすら揉め事を回避し続けた。これも生き残るための処世術。うん。悪いことじゃない。
見ている限りそのやり方を完全に捨てたとは言い難いけど…でもこれからはちょっぴり欲張りになるそうだ。僕に関しては。テレテレ…
「でもちゃっかり手に入れたじゃないですか。なんですこの手?」
誰が指を絡めていいと言った!
「おや?この小指と小指は赤い糸で結ばれているのだろう?不満かい?」
「ううん。アレイスターといるのは楽チンだし楽しいし何かと楽ショーだし…」
今年の漢字は〝楽”で決まりだな…
「それに見てるだけなら許してくれるんでしょ?黒髪。アイタ!」
「君って人は…、恋心は整理したんじゃなかったのかい?」
「恋心は整理しました。でも黒髪と制服はまた別というか」
「では仕方ない。まあほどほどに」
「え?ほんとにいいの?冗談のつもりだったのに…」
「君に振り回されるのが楽しいと思うのだから…私も大概どうかしている」
気が合うねアレイスター。フラッシュモブ撲滅派の僕がアレイスターのサプライズが楽しみだ…とか思うんだから僕もたいがいどうかしてる。
図に乗りそうだから絶対教えないけどね。
さて、到着したのは第三宮。立ち並ぶ後宮群の最奥だ。
「ようやく会えたわね、シャノン」
「は、はじめまして第三側妃ヘイザール様」
おお…艶っぽい…という言葉が似あう美人。王妃様とは違う種類の迫力がある…。横顔はアレイスターにそっくりだ。
「かしこまらないで頂戴。わたくしの出自を知っているでしょう?あなたの方が余程高貴なお立場よ」
「でも僕はずっとお話したいって思ってましたから」
「あら?あなたがわたくしに会いたがるなんて…思いもよらなかったわ」
「いろいろ気になって」
これはお愛想ではない。本当の気持ちだ。
聞きたいことはたくさんある。
あの王様のどこが良かったの?とか、王宮の住み心地は?とか。あと一番聞きたいのが王様が南に行っちゃったらヘイザール様はどうするの?ってこと。
アレイスターのお母さんということは…彼女は僕にとって姑になる。もし北部に来るとなれば…同居か…。病院のロビーで読んだ女性週刊誌にも、同居はモメゴトの元、回避すべしと書かれていた。ちょっとどうしよう…
だから僕は伝えたのだ。「もしヘイザール様が王都に残るというなら全力で住環境の改善に尽力しようと思っている」と。これは実質北部に来るな、だ。姑息だろうか…、いいや!適度な距離感こそが上手くやるコツだと週刊誌にも書いてあった!
「まあシャノン様、なんと嬉しいことを…。ですが心配いりませんわ」
「と言いますと?」
「わたくしローグとともに南へ行くつもりですの。誘いを受け二つ返事で了承しましたわ」
「ええっ!だってそこは前線になるんですよ?危険ですよ?」
「母上、本気ですか!? 」
アレイスターも初耳だったのか…
「ローグに昔話したことがありますの。南の小国群、かの地がとても開放的だと聞いて…もしあの地を手に入れたらそこにわたくしの領地を作って欲しい…などと戯れ言を。ローグが覚えているとは思ってもみませんでしたが」
開放的…つまりここは窮屈、ということだな。
「王様が大好きなんですね」
「妃殿下方には申し訳ないのだけど…、あの方を真に理解できるのはわたくしだけですわ」
…王妃様には聞かせられないな…
「アドリアナ様はわたくしに冷たく当たることも出来たでしょうに…好意的とまでは言えませんが、感情を抑え周囲の悪意から今日までわたくしを守ってくださいました。ですがもう十分です。これ以上あの方を苦しめたくはありません」
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「王様は愛人を連れていくとばっかり思ってました」
「ほほほ。あれは隠れて遊ぶから楽しいのですよ」
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「それに…憂いが無くなるのならもう一人子を抱いてもいいかしら」
「え!」
「母上!」
「冗談よ。それよりシャノン、グレーサファイヤの指輪は?」
「ここにあります…」
ヘイザール様は指輪をチェーンから抜き取ると分かりやすく大きなため息をついて…
「アレイスター、あなたは何をやっているの?早くはめて差し上げなさい」
「は、はい。すまないシャノン。気がまわらなかった」
「しょうのない子ね」
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