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181 断罪済んで日も暮れて…
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王座から赤い髪を取り除いて、これで最後のデバック完了っと。
唖然…としたまま静まり返る室内。シェイナなんかは「こいつ正気か?」みたいな顔。
んん?僕は何かおかしいことを言っただろうか?いいや言ってない。
王様は自らすすんで退位を口にしたんですけど?見てよほら、本人何も違和感感じてないし。
絶対このほうが良いって!王妃様だってそのほうがやりやすいじゃん。たかが肩書、されど肩書。役職名は大事だ。
「え…、と。じゃ僕はそろそろ屋敷に戻ります。明日のアフタープロムパーティーの準備もありますし」
アフタープロムは建て前で、首尾よくいったら祝賀会しようって計画してたんだよね。シェイナと。
無事断罪も済んだことだし一件落着ってことで。誰の断罪って?フレッチャーだけど。
「王妃様。いいえ女王様。後の手続きはお任せしますね」
「え…、ええ…」
「コンラッド、アーロンをちゃんと送ってあげてくださいね」
「あ…、ああ…」
「ブラッド、行くよ」
「は…、はい…」
「お父様帰りましょう」
「う…、うむ…」
「ロイド様、例の約束お願いしますね」
「それはもう喜んで!」
キツネにつままれたような面子の中にあってロイドだけが平常心。チキンだチキンだって思ってたけど…ずいぶん成長したなあ…。ヒナを見守る母鳥みたいな気分だ。ちょっとホッコリ。
「シャノン」
「アレイスター…、あの、手紙…ありがとう。あれが無かったらロアン侯爵家の再興まで話が進まなかったと思う。助かっちゃった…」
「いや、むしろあんなことしか力になれず心苦しい。だがあの場に居たところで私に出来ることは何も無いと思ってね」
…しかたないよ。だってノベルゲーの中でアレイスターはモブですらない名前だけの存在だったんだから。
「それよりシャノン。屋敷までは私が送ろう。いいだろうかプリチャード候」
「もちろんですとも。シャノン送っていただきなさい」
「え…?」
送ってもらうのはいいんだけど…でも確かアレイスターってば騎馬で来たって…
「やっぱり…」
「なにか?」
連れて来られたのは馬止めだった…
「僕馬って乗った事なくて…」
「そういえば君は乗馬の授業をいつも休んでいたね」
「動物の毛がダメで…」
「ああそうだったか…。やめておくかい?」
「ううん、乗る。ちょっとなら多分大丈夫」
興味はあるのだ。興味は。
「シャノン、コートは?そのままで冬の夜は…」
「あ、馬車に置いてきちゃった」
「そうか…、ではこうしよう」
「あっ、それ」
アレイスターが羽織るのは僕がプレゼントしたモコモココート。
どうするのかと思ったら、そのコートごと覆い被さるアレイスター。二人羽織り状態とか…、みっ、密着がエグい…
いや、そんなことより今はむしろ…
「ひ、ひぁぁ」
「怖いのかい?」
「た、高い…」
「大丈夫。私が支えているから。ほら力を抜いて」
そう言われても…
生まれて初めての乗馬でビビるなというのが無理な話で…
「もっと私に身体を預けてごらん」
「こ、こう?」
「そうだ」
「う、動いた…」
ポクリポクリとお馬さんの足音に合わせて体が揺れる。その度に可能性の塊、しなやかなアレイスターの身体が後ろから僕をグッと支える。
んん?
ドッドッドッ…
これもしかして…
「…アレイスター、もしかして照れてます?心臓バクバクしてる」
「…ハッ!」ピシィ
「で!」
鞭のしなる音と供にいきなりスピードを上げるアレイスターの愛馬。いやちょ、ま!なんだこれいきなり!こ、怖、…速いってば!
「ゆっくり!アレイスターゆっくり!あー!!!」
パカッパカッっと上下する振動で気が付いたら鼓動の音は掻き消されてて…はは~ん?さては図星だな?って、言ってる場合か、止めー!!!
「はぁはぁはぁ…」
丘陵を下りきってようやくスピードを落とす栗毛の馬。ただでさえ今日は一回ビビり倒したのに二度目とか。アレイスターめ、縮んだ寿命をどうしてくれる!
「あ、道が違う…」
「思いがけず早くここまで来たのでね。少し遠回りしよう。いいだろう?」
「いいけど…」
思いがけずって…、時短で到着したのは何故でしょうかね。敢えて言わないけど…
少し慣れてくると馬上から見る景色は馬車から見る景色と全然違ってて。これは視点が高いせいだろうか?屋根もないし。閑静な住宅エリアは冬枯れの木々の間から星が見える。冷え冷えとした冬の夜空はなんか神聖な感じ…
「それで…、すべきことはすんだかい?」
「すべきこと?」
「これが伝承における『神託』と『神子』の役目だったのだろう?大叔母上の手紙はそう結ばれていたじゃないか」
「あ…」
そういえばそんなこと書いてあったっけ。
「私は感じていたよ。『神託』としての使命を終えなければ、君は君の人生を生きられないのだと」
いやー、シナリオの縛りがなければもっと簡単だったんだけどねー。
でも、アレイスターの感じたことは本当で…、ようやく僕は強制力から解き放たれた真の自由を謳歌できるのだ。イヤッホウ!
「それにしてもシャノン、君の心は強靭だ。その不屈の精神を見習わなくてはね」
「北部のこと?」
「そうだ」
僕の図太さは前世の主治医のお墨付きだ。そうそう真似は出来ないよ?
けど…
教えてあげたい。本物のシャノンは氷の彫像のように繊細なんだよ、って。一見堅くて冷たいけど…衝撃を加えたら簡単に壊れてしまう。
だからね…脆いシェイナにはフワフワしたクッションが必要だ。
僕?僕は凹んでも板金可能だから。むしろ日々の刺激が欲しい派だ。
「図太い男は嫌いですか?」
「いいや、実に頼もしく理想的だ。枷を外してからの君はとても自由で見ていて飽きない」
飽きない…だと?…褒められてる…のか?わりと微妙だ。
「君の全てが愛おしいよ」
ボボボボボ
だからやめてってそういうの。免疫がないんだってば!ああ…経験値が…僕にはBL経験値がもっと必要だ。早くBLバーをマックスにしなくては。
「春には北部に行っちゃうんですか?」
「ああ」
ゲームの強制力が届かない第二王子。彼は何時だって僕の孫の手だった。…奥の手だった。…奥…孫…、孫で。その彼はもうじき大いなる使命に身を委ねる。僕も彼の孫の手になりたいなって、今ならそう思う。
「…僕は今まで海って行ったことが無くて…」
前世も含めてね。機会が無くて。
「うん?」
「早く北部と海洋国ルッソの街道繋げて大きなマーケット通り作ってくださいね。待ってるから」
やる気でるかな?僕の持論だよ。頑張るには確定報酬が必要だって。ガチャじゃダメなんだよ。ガチャじゃ。
「…仰せのままに。マイロード」
「……」
マイロード…大きな街道のことだろうか。もしかして『シャノンロード』とでも名付けるつもりなんだろうか?それはちょっと…
「だが先に繋げるのはエンブリーとの街道だ」
「あ、砂金を運ぶから?」
「運ぶのはそれだけではないのだけどね」
「……」
鈍い僕にもさすがに分かる。これはあれだ。あれに決まってる。
…屋敷に帰ったら真っ先にお風呂に入ろう。今日の僕は汗でびっしょりだ。
さっきは冷や汗で。
今は…上がりまくった体温で。
唖然…としたまま静まり返る室内。シェイナなんかは「こいつ正気か?」みたいな顔。
んん?僕は何かおかしいことを言っただろうか?いいや言ってない。
王様は自らすすんで退位を口にしたんですけど?見てよほら、本人何も違和感感じてないし。
絶対このほうが良いって!王妃様だってそのほうがやりやすいじゃん。たかが肩書、されど肩書。役職名は大事だ。
「え…、と。じゃ僕はそろそろ屋敷に戻ります。明日のアフタープロムパーティーの準備もありますし」
アフタープロムは建て前で、首尾よくいったら祝賀会しようって計画してたんだよね。シェイナと。
無事断罪も済んだことだし一件落着ってことで。誰の断罪って?フレッチャーだけど。
「王妃様。いいえ女王様。後の手続きはお任せしますね」
「え…、ええ…」
「コンラッド、アーロンをちゃんと送ってあげてくださいね」
「あ…、ああ…」
「ブラッド、行くよ」
「は…、はい…」
「お父様帰りましょう」
「う…、うむ…」
「ロイド様、例の約束お願いしますね」
「それはもう喜んで!」
キツネにつままれたような面子の中にあってロイドだけが平常心。チキンだチキンだって思ってたけど…ずいぶん成長したなあ…。ヒナを見守る母鳥みたいな気分だ。ちょっとホッコリ。
「シャノン」
「アレイスター…、あの、手紙…ありがとう。あれが無かったらロアン侯爵家の再興まで話が進まなかったと思う。助かっちゃった…」
「いや、むしろあんなことしか力になれず心苦しい。だがあの場に居たところで私に出来ることは何も無いと思ってね」
…しかたないよ。だってノベルゲーの中でアレイスターはモブですらない名前だけの存在だったんだから。
「それよりシャノン。屋敷までは私が送ろう。いいだろうかプリチャード候」
「もちろんですとも。シャノン送っていただきなさい」
「え…?」
送ってもらうのはいいんだけど…でも確かアレイスターってば騎馬で来たって…
「やっぱり…」
「なにか?」
連れて来られたのは馬止めだった…
「僕馬って乗った事なくて…」
「そういえば君は乗馬の授業をいつも休んでいたね」
「動物の毛がダメで…」
「ああそうだったか…。やめておくかい?」
「ううん、乗る。ちょっとなら多分大丈夫」
興味はあるのだ。興味は。
「シャノン、コートは?そのままで冬の夜は…」
「あ、馬車に置いてきちゃった」
「そうか…、ではこうしよう」
「あっ、それ」
アレイスターが羽織るのは僕がプレゼントしたモコモココート。
どうするのかと思ったら、そのコートごと覆い被さるアレイスター。二人羽織り状態とか…、みっ、密着がエグい…
いや、そんなことより今はむしろ…
「ひ、ひぁぁ」
「怖いのかい?」
「た、高い…」
「大丈夫。私が支えているから。ほら力を抜いて」
そう言われても…
生まれて初めての乗馬でビビるなというのが無理な話で…
「もっと私に身体を預けてごらん」
「こ、こう?」
「そうだ」
「う、動いた…」
ポクリポクリとお馬さんの足音に合わせて体が揺れる。その度に可能性の塊、しなやかなアレイスターの身体が後ろから僕をグッと支える。
んん?
ドッドッドッ…
これもしかして…
「…アレイスター、もしかして照れてます?心臓バクバクしてる」
「…ハッ!」ピシィ
「で!」
鞭のしなる音と供にいきなりスピードを上げるアレイスターの愛馬。いやちょ、ま!なんだこれいきなり!こ、怖、…速いってば!
「ゆっくり!アレイスターゆっくり!あー!!!」
パカッパカッっと上下する振動で気が付いたら鼓動の音は掻き消されてて…はは~ん?さては図星だな?って、言ってる場合か、止めー!!!
「はぁはぁはぁ…」
丘陵を下りきってようやくスピードを落とす栗毛の馬。ただでさえ今日は一回ビビり倒したのに二度目とか。アレイスターめ、縮んだ寿命をどうしてくれる!
「あ、道が違う…」
「思いがけず早くここまで来たのでね。少し遠回りしよう。いいだろう?」
「いいけど…」
思いがけずって…、時短で到着したのは何故でしょうかね。敢えて言わないけど…
少し慣れてくると馬上から見る景色は馬車から見る景色と全然違ってて。これは視点が高いせいだろうか?屋根もないし。閑静な住宅エリアは冬枯れの木々の間から星が見える。冷え冷えとした冬の夜空はなんか神聖な感じ…
「それで…、すべきことはすんだかい?」
「すべきこと?」
「これが伝承における『神託』と『神子』の役目だったのだろう?大叔母上の手紙はそう結ばれていたじゃないか」
「あ…」
そういえばそんなこと書いてあったっけ。
「私は感じていたよ。『神託』としての使命を終えなければ、君は君の人生を生きられないのだと」
いやー、シナリオの縛りがなければもっと簡単だったんだけどねー。
でも、アレイスターの感じたことは本当で…、ようやく僕は強制力から解き放たれた真の自由を謳歌できるのだ。イヤッホウ!
「それにしてもシャノン、君の心は強靭だ。その不屈の精神を見習わなくてはね」
「北部のこと?」
「そうだ」
僕の図太さは前世の主治医のお墨付きだ。そうそう真似は出来ないよ?
けど…
教えてあげたい。本物のシャノンは氷の彫像のように繊細なんだよ、って。一見堅くて冷たいけど…衝撃を加えたら簡単に壊れてしまう。
だからね…脆いシェイナにはフワフワしたクッションが必要だ。
僕?僕は凹んでも板金可能だから。むしろ日々の刺激が欲しい派だ。
「図太い男は嫌いですか?」
「いいや、実に頼もしく理想的だ。枷を外してからの君はとても自由で見ていて飽きない」
飽きない…だと?…褒められてる…のか?わりと微妙だ。
「君の全てが愛おしいよ」
ボボボボボ
だからやめてってそういうの。免疫がないんだってば!ああ…経験値が…僕にはBL経験値がもっと必要だ。早くBLバーをマックスにしなくては。
「春には北部に行っちゃうんですか?」
「ああ」
ゲームの強制力が届かない第二王子。彼は何時だって僕の孫の手だった。…奥の手だった。…奥…孫…、孫で。その彼はもうじき大いなる使命に身を委ねる。僕も彼の孫の手になりたいなって、今ならそう思う。
「…僕は今まで海って行ったことが無くて…」
前世も含めてね。機会が無くて。
「うん?」
「早く北部と海洋国ルッソの街道繋げて大きなマーケット通り作ってくださいね。待ってるから」
やる気でるかな?僕の持論だよ。頑張るには確定報酬が必要だって。ガチャじゃダメなんだよ。ガチャじゃ。
「…仰せのままに。マイロード」
「……」
マイロード…大きな街道のことだろうか。もしかして『シャノンロード』とでも名付けるつもりなんだろうか?それはちょっと…
「だが先に繋げるのはエンブリーとの街道だ」
「あ、砂金を運ぶから?」
「運ぶのはそれだけではないのだけどね」
「……」
鈍い僕にもさすがに分かる。これはあれだ。あれに決まってる。
…屋敷に帰ったら真っ先にお風呂に入ろう。今日の僕は汗でびっしょりだ。
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