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175 断罪スタンバイ!
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「…せっかくだから一曲ぐらい踊りますか?」
「良いのですか!」
号泣したロイドから、それでも卒業後の去就に承諾を貰いちょっと一安心。せっかくなのでお祝いに一曲ぐらいは踊っておこうかと誘ってみたのだが…
「イタ!」
「す、すみません…」
「アウチ!」
「も、申し訳ない…」
「何で離れるんですか!男はリードでしょうが!」
「いやその…恐れ多くて」
「こうですよ、こう!」グイッ!
ボスッ!「あsdfghjkj」
「ぎゃー!鼻血!」
暗転
「…マイナス三十点」
「精進します…」
全くもうっ!…けどロイドには何となくオタ芸を教えたい衝動にかられる…、いや、教えないけど。
「ああっ!な、何なんですかこの行列…」
「僕たちもシャノン様と踊りたくて…」
「一曲よろしいですか?」
「ええい!シャノン様は病み上がりだ!散れ!」
「うるさいぞロイド!シャノン様を独り占めするな!」
「そーだそーだ!」
「黙れ‼ 」
「あーもう、いいです。…三人までですよ?」
大乱闘。
とまあこんな感じでヒラメ筋がコンクリートになるまでダンスを満喫したのだが、遊びの時間はそろそろ終わり。
ノベルゲーでいったら王様と王妃様を従えたコンラッドが僕を正面へと呼びつける頃だ。
パーティーが進むにつれ各ボックスには、保護者達がお迎えと品位が保たれているかの監督を兼ねて姿を現し始めている。人口密度は三割増しだ。
当然プリチャード家も一家総出でボックス席にやって来た。そしてお父様から、コソッと「首尾は上々」と報告がある。やっぱりね、思った通り。奴ならきっとそうするって思ったよ。
さあ、段取りは済んだ。ってことでシナリオの強制力よ、どう出る?
が、残念なことにコンラッドが僕を呼びつけることはもうあるまい。何故ならコンラッドに自由への切符を手渡してやった恩人がまさにこの僕だからだ。
因みに僕はこのプロムで、コンラッドとアーロンのカップル参加を推奨しておいた。
というのもブラッドから、コンラッドもアーロンもカップル参加を躊躇っている、と聞いたからだ。
そこで表向きは「どうせ当分離れ離れなんだし学生生活の集大成として思い出くらいはあっても良いんじゃない?」と親切面で、本音は「極力ノベルゲーと同じ状況は作っておきたい」という思惑ありきで。
僕の言葉とブラッド、ロイドの応援に背中を押され今夜のコンラッドは心置きなくアーロンを連れまわしている。はいはい、お熱いことで。
そのコンラッドが正面に立ち扉に視線を向けるとようやく王様と王妃様の到着が告げられる。
着席した二人の横にサっと立つコンラッド。この構図はまさにいつか見た画だ。
ひとつ違うのは…アーロンがコンラッドの隣じゃなく、マリエッタ嬢から離れたブラッドと僕から離れたロイドの真ん中に居ること。ロイド、いつの間に…。
けどこの動きは想定内。シナリオに沿ってるといえなくもない。
「このルテティアの未来を担う若樹たちよ。ここで得た時間、友との絆を生涯の宝とし其方たちがいずれ大樹となる日を楽しみにしておる。そしてそれが大地に雄々しく根を張った時、それは私の至宝となるだろう」
王様から卒業する学生たちに祝福の言葉(添削by王妃様)が掛けられる。
「シャノンプリチャード、これへ!」
へっ?ど、どういうこと?
僕に断罪のネタはもう無くなったはずだよね?
はっ!もしかして調子にのって言いまくった暴言の数々を、コンラッドも王様も実は根に持ってたとか?
アレくらいで不敬罪とか…、ちっちゃい男どもだな!
…いやいやいや、さすがにそれはないわ。…けど強制力によってもしかしたら、断罪の代わりにお叱りぐらいはあるのかもしれない…
……
仕方ない…素直に叱られるか。こういうものはごねると長引くって相場が決まっている。経験者が言うんだから間違いない。
「はー…」
神妙な顔で僕を見守るシェイナ。これ以上シェイナに心配かけてもいけないし…諦め気分で渋々前に立つと王様は事も無げに話し始めた。
「シャノンよ、先だっての事件については聞き及んでおる。大事ないか」
なんだ、その話か。
「おかげさまで。もうすっかり」
「ふむ、どういった経緯であったか申すがよい」
「経緯もなにも…、先祖の犯した大罪を隠したいどこかの貴族が藪をつついた僕を消そうとしただけですよ」
「藪と申すか。その藪とは何だ。言って見せよ」
えっ⁉ そ、そんな…
こんな衆人環視の前で王家の恥部を明らかにしろと?それも英雄と称えられたマーグ王をケチョンケチョンにこき下ろすような恥部を?それこそ不敬罪で断罪まっしぐらじゃん…それも蟄居ですまないやつ…、はっ!まさか!
こ、これがシナリオの強制力…⁉
「良いのですか!」
号泣したロイドから、それでも卒業後の去就に承諾を貰いちょっと一安心。せっかくなのでお祝いに一曲ぐらいは踊っておこうかと誘ってみたのだが…
「イタ!」
「す、すみません…」
「アウチ!」
「も、申し訳ない…」
「何で離れるんですか!男はリードでしょうが!」
「いやその…恐れ多くて」
「こうですよ、こう!」グイッ!
ボスッ!「あsdfghjkj」
「ぎゃー!鼻血!」
暗転
「…マイナス三十点」
「精進します…」
全くもうっ!…けどロイドには何となくオタ芸を教えたい衝動にかられる…、いや、教えないけど。
「ああっ!な、何なんですかこの行列…」
「僕たちもシャノン様と踊りたくて…」
「一曲よろしいですか?」
「ええい!シャノン様は病み上がりだ!散れ!」
「うるさいぞロイド!シャノン様を独り占めするな!」
「そーだそーだ!」
「黙れ‼ 」
「あーもう、いいです。…三人までですよ?」
大乱闘。
とまあこんな感じでヒラメ筋がコンクリートになるまでダンスを満喫したのだが、遊びの時間はそろそろ終わり。
ノベルゲーでいったら王様と王妃様を従えたコンラッドが僕を正面へと呼びつける頃だ。
パーティーが進むにつれ各ボックスには、保護者達がお迎えと品位が保たれているかの監督を兼ねて姿を現し始めている。人口密度は三割増しだ。
当然プリチャード家も一家総出でボックス席にやって来た。そしてお父様から、コソッと「首尾は上々」と報告がある。やっぱりね、思った通り。奴ならきっとそうするって思ったよ。
さあ、段取りは済んだ。ってことでシナリオの強制力よ、どう出る?
が、残念なことにコンラッドが僕を呼びつけることはもうあるまい。何故ならコンラッドに自由への切符を手渡してやった恩人がまさにこの僕だからだ。
因みに僕はこのプロムで、コンラッドとアーロンのカップル参加を推奨しておいた。
というのもブラッドから、コンラッドもアーロンもカップル参加を躊躇っている、と聞いたからだ。
そこで表向きは「どうせ当分離れ離れなんだし学生生活の集大成として思い出くらいはあっても良いんじゃない?」と親切面で、本音は「極力ノベルゲーと同じ状況は作っておきたい」という思惑ありきで。
僕の言葉とブラッド、ロイドの応援に背中を押され今夜のコンラッドは心置きなくアーロンを連れまわしている。はいはい、お熱いことで。
そのコンラッドが正面に立ち扉に視線を向けるとようやく王様と王妃様の到着が告げられる。
着席した二人の横にサっと立つコンラッド。この構図はまさにいつか見た画だ。
ひとつ違うのは…アーロンがコンラッドの隣じゃなく、マリエッタ嬢から離れたブラッドと僕から離れたロイドの真ん中に居ること。ロイド、いつの間に…。
けどこの動きは想定内。シナリオに沿ってるといえなくもない。
「このルテティアの未来を担う若樹たちよ。ここで得た時間、友との絆を生涯の宝とし其方たちがいずれ大樹となる日を楽しみにしておる。そしてそれが大地に雄々しく根を張った時、それは私の至宝となるだろう」
王様から卒業する学生たちに祝福の言葉(添削by王妃様)が掛けられる。
「シャノンプリチャード、これへ!」
へっ?ど、どういうこと?
僕に断罪のネタはもう無くなったはずだよね?
はっ!もしかして調子にのって言いまくった暴言の数々を、コンラッドも王様も実は根に持ってたとか?
アレくらいで不敬罪とか…、ちっちゃい男どもだな!
…いやいやいや、さすがにそれはないわ。…けど強制力によってもしかしたら、断罪の代わりにお叱りぐらいはあるのかもしれない…
……
仕方ない…素直に叱られるか。こういうものはごねると長引くって相場が決まっている。経験者が言うんだから間違いない。
「はー…」
神妙な顔で僕を見守るシェイナ。これ以上シェイナに心配かけてもいけないし…諦め気分で渋々前に立つと王様は事も無げに話し始めた。
「シャノンよ、先だっての事件については聞き及んでおる。大事ないか」
なんだ、その話か。
「おかげさまで。もうすっかり」
「ふむ、どういった経緯であったか申すがよい」
「経緯もなにも…、先祖の犯した大罪を隠したいどこかの貴族が藪をつついた僕を消そうとしただけですよ」
「藪と申すか。その藪とは何だ。言って見せよ」
えっ⁉ そ、そんな…
こんな衆人環視の前で王家の恥部を明らかにしろと?それも英雄と称えられたマーグ王をケチョンケチョンにこき下ろすような恥部を?それこそ不敬罪で断罪まっしぐらじゃん…それも蟄居ですまないやつ…、はっ!まさか!
こ、これがシナリオの強制力…⁉
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