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77 断罪へスタートダッシュ
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一言も発しなくなってしまったアーロンを置いて仕方なく懺悔室をでる。あの深く神秘的なマーブルの瞳は今何を思うのか…
すると待機していた取り巻き三人の様子がどことなくおかしい…何事かと思えば木の影に居るのはアレイスターじゃないか。
「アレイスター様、どうしたんですかこんなところで」
「いや、君がアーロンに対峙していると耳にしてね」
「アレイスター様の耳は地獄の三丁目ですね。でも大丈夫ですよ?アーロンとも今日は本音で語りあえましたし」
「本音…?それは一体…」
「さすがにそれは言えません」
「そうだろうな…。それよりシャノン、君にお願いがあってね」
「なんですか?」
「文化祭の二日目、私を手伝って欲しい」
「手伝い…?」
なんでもアレイスターは来訪されたゲスト向けに、北の地の向こうにある海の国について調べた発表を行うそうだ。
けどそれはアーロンのように壇上ではなく、一番小さな研究室を使うらしい。
そこで板に図画を貼ったりめくったり、のアシスタントをお願いしてきたのだ。
「この図画ですか?ぷぷっ!誰が描いたんですかこれ…」
「私だが…笑うほどひどいだろうか」
「これはこれで味がありますけど…、僕が描き直しましょうか?」
「いいのかい?」
「これくらい楽勝です」ニコ
何でも出来そうなアレイスターの絵がちょっと画伯で…なんかカワイイ。はっ!これがギャップ萌え…
そしてもうじき後半のイベント、トップバッターである文化祭がある。
今年の僕は、ミーガン嬢たちと四人共同で、『偶像の行きつく先 狂信の危険な境界線』について、論文、その他、分かりやすくイラストを添えた図表を鋭意制作中だ。
部屋に居るのは取り巻き三人。アレイスターの図画も一緒に製作中である。
「相変わらずシャノン様の描かれる挿絵は可愛らしいですわね」
「デフォルメといいます。最終的にここまで小さくすることも出来ますよ?」
「まぁ!これわたくしですの?」
「シャノン様、その、それをいただいても?」
「リアム様…いいですけど…」ニヤニヤ
「リアムは片時もあなたと離れたくないらしい」
「およしになってアリソン様。恥ずかしいですわ」
微笑ましい…、ラブラブカップルを見てると胸がこう、ホワッとする。
「皆さん楽しそうですね。何をしておいででしたか?」
「ブラッド…、とロイド様?」
親友を訪ねてきたらしいロイドは、そのままブラッドと一緒に僕たちと合流するようだ。この間も一度来てるし…いいんだけどね。
そのブラッドが手にしているのは隊長から手渡された最新の報告書。
「兄さん親衛隊長がこれをと」チラ
「ゴホン!」
「わぁ!さすが僕の親衛隊長!仕事が早い!もう帰っちゃった?」
「…ええまあ…」チラ
「ゴホン!」
「そっか…よろしく言っておいてね」
「…ええ…」チラ
「ゴホン!」
ロイドは喉の調子が悪いんだろうか?夏風邪とか…ちょっと迷惑。
報告書をめくればいつもの見慣れた丁寧な文字。そこには女性が今はもう裏通りには居ないことが記されていた。客との諍いで腹部を刺され命を落としたらしい。一人暮らしの薄暗い部屋で、憐れむ者もいない、孤独な娼婦の悲しい末路…。
「何々…、娼婦の亡骸は平民街の教会で弔われた…。平民街の教会って、当時の中流地区のことだよね?」
「その通りです」
「じゃあアーロンはその亡骸を自分の手で弔ったのか…」
「アーロンさんがどうかは分かりませんが、少なくともその女性はアーロンさんが誰か知ってて近づいたのですわ」
「僕もそう思う。母親か姉か知らないけど…」
「母親だ。当時その女性が住んでいた裏通りの小部屋からは一時赤子の泣き声が聞こえたそうだ。すぐにその泣き声も聞こえなくなり…隣家の男はてっきり育たず死んだと思っていたそうだ。…とその紙面に書かれていた」
「ロイド様…、ねぇブラッド、ロイド様にも報告書見せたの?」
「ええまあ」チラ
「ゴホン!」
「そっか。…二人にとっても初恋の人だもんね。気になって当然だよね」
「ち、ちが!違いますシャノン様、あれはほんの気の迷いで!私は!」
うおっ!ロイドってば、そんなにムキになって訂正しなくてもいいじゃないか。気持ちは分かる。辛いからこそ忘れたい、ってこともそりゃあるよね。でも、初恋は特別。たった一度しかないほろ苦い青春の一ページなんだから…
「こら!ロイド様、いくら振られたからってそういうこと言っちゃダメ!」ペチ「楽しかった思い出だってあるでしょう?」
「そ、そうです。はい。そ、その…」
「なに?」
「反省の意味を込めて反対側にももう一度…」
「え…」
「ロイド、君…」
えーと、これは…右の頬を差し出したら左の頬も…ってやつでおけ?
「いいですけど…」ペチ
「あ、ありがlkjhgf」
うっわ!膝から崩れ落ちた…
「正気か…?」
「どうするこれ?」
「放っておけばよろしいですわ」
「カイル」
「はい」
「ロイド様お熱があるみたいだから氷嚢持って来て」
「……畏まりました」
さて、顔の真っ赤な伯爵子息は置いといて…僕は思いつくままに幾つかの疑問を並べてみた。
「そもそも下町には孤児院だってあるでしょ?どうして教会だったんだろう?」
それに、労働力とみなされる歩いて話せる幼児ならともかく、手のかかる赤ん坊を何故教会で育てたのか。その理由も分からない。
「当時の孤児院は定員の倍ほど子供が溢れていたそうだ。国からの援助、下町の管理者であるバーナード伯の援助をもってしても運営はひっ迫していたらしい。当然食べ物も服も全てが取り合いだ。子供たちは荒み、外での素行も悪くなる。孤児院と言うだけで煙たがられるようになったのも、実はこの頃からだ」
「じゃあ孤児院でなく教会に捨てたのはなけなしの情だったのかな…」シンミリ…
「そうですわね…」
「それにしても詳しいですね、ロイド様」
「…それもそこに書かれていた」
「ああ」
復活したロイドはこともなげに言う。彼はこの部屋へ来る僅かな時間に、相当報告書を読み込んだようだ。さすが頭だけは良い男。だが負けじとそれを追うのがミーガン嬢だ。
「わたくしも多少は調べましたのよ。シャノン様の仰る通りですわ。教会に捨てられた赤子は、ほとんどの場合王都外の農村などに養子に出されるのだそうですわ」
「それぐらい私だって知っている!」
「ああら、手柄を横取りしてごめんあそばせ」
この二人はいつもこう…なにかバチバチしているような…まあミーガン嬢は負けず嫌いだし?ロイドは見栄っ張りだし…必然か。
「ところでなんで王都外?」
「生みの親が近くにいれば揉め事の種になることもありますから。王都外で子の無い夫夫などのもとに引き取られるのですよ」
「リアム様…。そっか、そうなんだ…」
ここがBLゲーの世界で良かった。悲しい子供たちにもちゃんと望まれて迎えられる場所がある。幸せになるんだよ…、というか。
「けどそれなら尚更、教会の行動には疑問が残るんだけど?」
「そこには重要な秘密が隠されているかもしれない。調査は継続する、……と書かれている」
「え?え?どこに?ロイド様、その記述どこに、え?」
「兄さん!それより僕の展示論文を見てくださいませんか?」
「ブラッド!君の論文は『農場の生産性と農地整理の重要性』かい?いや、素晴らしいテーマだね」
アリソン君とブラッドが着々と友情を深めている。あんなに顔を寄せて仲良さそうに…だが…
やっぱり今更…ブラッドじゃ萌えないわー!
すると待機していた取り巻き三人の様子がどことなくおかしい…何事かと思えば木の影に居るのはアレイスターじゃないか。
「アレイスター様、どうしたんですかこんなところで」
「いや、君がアーロンに対峙していると耳にしてね」
「アレイスター様の耳は地獄の三丁目ですね。でも大丈夫ですよ?アーロンとも今日は本音で語りあえましたし」
「本音…?それは一体…」
「さすがにそれは言えません」
「そうだろうな…。それよりシャノン、君にお願いがあってね」
「なんですか?」
「文化祭の二日目、私を手伝って欲しい」
「手伝い…?」
なんでもアレイスターは来訪されたゲスト向けに、北の地の向こうにある海の国について調べた発表を行うそうだ。
けどそれはアーロンのように壇上ではなく、一番小さな研究室を使うらしい。
そこで板に図画を貼ったりめくったり、のアシスタントをお願いしてきたのだ。
「この図画ですか?ぷぷっ!誰が描いたんですかこれ…」
「私だが…笑うほどひどいだろうか」
「これはこれで味がありますけど…、僕が描き直しましょうか?」
「いいのかい?」
「これくらい楽勝です」ニコ
何でも出来そうなアレイスターの絵がちょっと画伯で…なんかカワイイ。はっ!これがギャップ萌え…
そしてもうじき後半のイベント、トップバッターである文化祭がある。
今年の僕は、ミーガン嬢たちと四人共同で、『偶像の行きつく先 狂信の危険な境界線』について、論文、その他、分かりやすくイラストを添えた図表を鋭意制作中だ。
部屋に居るのは取り巻き三人。アレイスターの図画も一緒に製作中である。
「相変わらずシャノン様の描かれる挿絵は可愛らしいですわね」
「デフォルメといいます。最終的にここまで小さくすることも出来ますよ?」
「まぁ!これわたくしですの?」
「シャノン様、その、それをいただいても?」
「リアム様…いいですけど…」ニヤニヤ
「リアムは片時もあなたと離れたくないらしい」
「およしになってアリソン様。恥ずかしいですわ」
微笑ましい…、ラブラブカップルを見てると胸がこう、ホワッとする。
「皆さん楽しそうですね。何をしておいででしたか?」
「ブラッド…、とロイド様?」
親友を訪ねてきたらしいロイドは、そのままブラッドと一緒に僕たちと合流するようだ。この間も一度来てるし…いいんだけどね。
そのブラッドが手にしているのは隊長から手渡された最新の報告書。
「兄さん親衛隊長がこれをと」チラ
「ゴホン!」
「わぁ!さすが僕の親衛隊長!仕事が早い!もう帰っちゃった?」
「…ええまあ…」チラ
「ゴホン!」
「そっか…よろしく言っておいてね」
「…ええ…」チラ
「ゴホン!」
ロイドは喉の調子が悪いんだろうか?夏風邪とか…ちょっと迷惑。
報告書をめくればいつもの見慣れた丁寧な文字。そこには女性が今はもう裏通りには居ないことが記されていた。客との諍いで腹部を刺され命を落としたらしい。一人暮らしの薄暗い部屋で、憐れむ者もいない、孤独な娼婦の悲しい末路…。
「何々…、娼婦の亡骸は平民街の教会で弔われた…。平民街の教会って、当時の中流地区のことだよね?」
「その通りです」
「じゃあアーロンはその亡骸を自分の手で弔ったのか…」
「アーロンさんがどうかは分かりませんが、少なくともその女性はアーロンさんが誰か知ってて近づいたのですわ」
「僕もそう思う。母親か姉か知らないけど…」
「母親だ。当時その女性が住んでいた裏通りの小部屋からは一時赤子の泣き声が聞こえたそうだ。すぐにその泣き声も聞こえなくなり…隣家の男はてっきり育たず死んだと思っていたそうだ。…とその紙面に書かれていた」
「ロイド様…、ねぇブラッド、ロイド様にも報告書見せたの?」
「ええまあ」チラ
「ゴホン!」
「そっか。…二人にとっても初恋の人だもんね。気になって当然だよね」
「ち、ちが!違いますシャノン様、あれはほんの気の迷いで!私は!」
うおっ!ロイドってば、そんなにムキになって訂正しなくてもいいじゃないか。気持ちは分かる。辛いからこそ忘れたい、ってこともそりゃあるよね。でも、初恋は特別。たった一度しかないほろ苦い青春の一ページなんだから…
「こら!ロイド様、いくら振られたからってそういうこと言っちゃダメ!」ペチ「楽しかった思い出だってあるでしょう?」
「そ、そうです。はい。そ、その…」
「なに?」
「反省の意味を込めて反対側にももう一度…」
「え…」
「ロイド、君…」
えーと、これは…右の頬を差し出したら左の頬も…ってやつでおけ?
「いいですけど…」ペチ
「あ、ありがlkjhgf」
うっわ!膝から崩れ落ちた…
「正気か…?」
「どうするこれ?」
「放っておけばよろしいですわ」
「カイル」
「はい」
「ロイド様お熱があるみたいだから氷嚢持って来て」
「……畏まりました」
さて、顔の真っ赤な伯爵子息は置いといて…僕は思いつくままに幾つかの疑問を並べてみた。
「そもそも下町には孤児院だってあるでしょ?どうして教会だったんだろう?」
それに、労働力とみなされる歩いて話せる幼児ならともかく、手のかかる赤ん坊を何故教会で育てたのか。その理由も分からない。
「当時の孤児院は定員の倍ほど子供が溢れていたそうだ。国からの援助、下町の管理者であるバーナード伯の援助をもってしても運営はひっ迫していたらしい。当然食べ物も服も全てが取り合いだ。子供たちは荒み、外での素行も悪くなる。孤児院と言うだけで煙たがられるようになったのも、実はこの頃からだ」
「じゃあ孤児院でなく教会に捨てたのはなけなしの情だったのかな…」シンミリ…
「そうですわね…」
「それにしても詳しいですね、ロイド様」
「…それもそこに書かれていた」
「ああ」
復活したロイドはこともなげに言う。彼はこの部屋へ来る僅かな時間に、相当報告書を読み込んだようだ。さすが頭だけは良い男。だが負けじとそれを追うのがミーガン嬢だ。
「わたくしも多少は調べましたのよ。シャノン様の仰る通りですわ。教会に捨てられた赤子は、ほとんどの場合王都外の農村などに養子に出されるのだそうですわ」
「それぐらい私だって知っている!」
「ああら、手柄を横取りしてごめんあそばせ」
この二人はいつもこう…なにかバチバチしているような…まあミーガン嬢は負けず嫌いだし?ロイドは見栄っ張りだし…必然か。
「ところでなんで王都外?」
「生みの親が近くにいれば揉め事の種になることもありますから。王都外で子の無い夫夫などのもとに引き取られるのですよ」
「リアム様…。そっか、そうなんだ…」
ここがBLゲーの世界で良かった。悲しい子供たちにもちゃんと望まれて迎えられる場所がある。幸せになるんだよ…、というか。
「けどそれなら尚更、教会の行動には疑問が残るんだけど?」
「そこには重要な秘密が隠されているかもしれない。調査は継続する、……と書かれている」
「え?え?どこに?ロイド様、その記述どこに、え?」
「兄さん!それより僕の展示論文を見てくださいませんか?」
「ブラッド!君の論文は『農場の生産性と農地整理の重要性』かい?いや、素晴らしいテーマだね」
アリソン君とブラッドが着々と友情を深めている。あんなに顔を寄せて仲良さそうに…だが…
やっぱり今更…ブラッドじゃ萌えないわー!
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