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41 断罪の改悪
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さてさて、僕はお兄ちゃんである前に学生であるわけで、当然そこには通学というお仕事がある。
今日も泣く泣く双子と別れ、後ろ髪を引かれながら馬車に乗る。
今朝は珍しくブラッドが同乗だ。ブラッドの馬車の調子が悪く、それでも今までだったら他の馬車を出していたんだろうけど、なんと、ブラッドから乗せて欲しいと申し出があったのだ。うーん、成長したね…、ホロリ…
「ようやくアノンとシェイナが僕を兄として認めてくれたように思います」
「顔見ても泣かなくなってきたね。一安心だ」
ブラッドは、双子とはまだ僕が一緒の時しか触れ合わない。過敏なシェイナが嫌がったためだ。当然連動してアノンも泣く。その度に気まずい僕と乳母。
僕も交えて接することで少しづつ慣れてきたけど…笑いかけるまでにはまだあと少し。
「兄さん、コンラッドがアーロンのために、高位貴族の子女を集めた茶会を開こうとしています」
「え…」
茶会…。それは断罪への重要な二つ目のピース。弟妹達の誕生に浮かれてすっかり忘れてた…。イッケナーイ。
ブラッドが言うには、アーロンの作法もようやく整ったので(最低限)そろそろ高位貴族の子女にも人脈を広げてやりたい考えなのだとか…
つか、これって本当なら僕が招待するはずの茶会だよね?どうする…?
「ブラッド。コンラッドには余計な真似するなって伝えてくれる?アーロンを招いての茶会は僕が開くって」
「本気ですか?」
「そりゃもう。それにこれ以上社交界に不穏な噂を撒き散らすなって言っといて。やっと収まったのに…」
「ええ、まあ…」
不穏になるのはこっちの役目だっつーの!
この第二関門さえ超えれば直接接触はもう無いし、なるべく大勢招いておけば僕の貞操は大丈夫でしょ。
「では兄さん、その茶会には必ず僕も招待ください。お願いします」
「え、なんで?」
せっかくアーロン引き離し作戦続行中なのに…勘弁してよ…まあ…弟妹も生まれた今、ブラッドを疑ったりしないけど。
「そんな目で見ないでください。変な意味じゃありません」
「そう?」
「もう間違えたりしない」
「ん?何か言った?」
「いいえ」
何かを小さく呟いたブラッドは、ゲームでも見たことの無い、少し大人の顔になっていた。
学院に着いて早々、僕はそれをリアム君たちに相談したが、帰ってきたのは喧々諤々の反対意見。
「およしくださいシャノン様。それはあまりいい考えに思えません」
「ようやくアーロンの周囲が静かになりつつあるのですよ?」
「そもそもシャノン様、なんのために殿下に代わって招待なさいますの」
困った…。ノベルゲーのフラグだから。それ以外の理由なんかあるわけない。えーと…たしかシナリオでは…
ーーアーロンはコンラッド様のお傍に侍る者です。学院を卒業すれば重鎮を交えた場に同席することもあるでしょう。ですがアーロンにまともな振る舞いが出来るとは思えません。コンラッド様は全てを美化しておいでです。ならば僕が見定めなくてはーー
だったっけ。えーと、長いな…
「コンラッド様はアーロンに関してフォトショ状態ですからね。こういうことは僕がチェックしないと」
これでよし。
「フォート…確かにそうですね」
「崩さねばなりませんか、アーロンを守る砦を…」
「その通りですわシャノン様。シャノン様と殿下が割り切った関係を築かれるのと、アーロンさんが大きな顔をするのは別の話。アレイスター殿下のお母上、第三側妃様だって弁えてございますでしょう?わたくし加勢いたしますわ!」
おっと!ノベルゲーの片鱗をここに発見!
「心強いですミーガン様。どうか僕を手伝って下さい」
「もちろんですわ」
仕込みは上々。
そしてやって来た直接対決二回戦目の日。といっても前回は勝負に勝って試合に負けた気分だったけど…
「ん?これは…?」
お花の人からの秘密の手紙、これは僕が困った時に差し込まれる、痒い所に手が届く孫の手みたいな手紙だ。
試しにこの間、「あーん、北部の地形がわからないよー」とボヤいてみたら、次の日詳細な手書きの地図が、青いアイルスに括り付けられていた。
その彼からの手紙だと?彼の手紙はいつもなら早朝、誰もいない時間にそっと置かれる。それがこんなお昼間に置かれたことなんて…、なら、急を要することが書かれているに違いない。どれどれ…?
「『飲食物に気を付けろ…』…え?」
飲食物に気を付けろ…、これって…今日のお茶会のことだよね?
どういうこと?お茶を用意するのは僕で、淹れるのは個室付きのメイド。お菓子を用意するのは、えーと、今日はリアム君だ。
メイドが何か…、いいや、まさか!彼らは学院が雇った、対王家用の、身元のかなりしっかりした、鍛え上げられたプロメイドさんたちだ。
じゃあリアム君が異物を混入?まさか。あり得ない。
と、とりあえず三人に…
「これは…」
「どういうことかしら…」
一緒にいた三人には見せたけど…どうしよう、困ったな。
お茶会にはにはミーガン嬢が見繕った高位貴族家の上級生が5人参加している。その中にはこっそりアレイスターの側近、ヘクターさんが混ざっている。いや~、さすがに本人は断られちゃって…。そうしたらサラっとヘクターさんが来たんだよね。
でもアレイスターは学内でいつも目立たないように行動してたから、当然ヘクターさんも目立っていない。アーロンも、学年の違うヘクターさんが誰かまでは、さすがに分かってないみたいだ。
僕の動揺などお構いなしに、すでにサロンにいたアーロンはブラッドといつものように話している。
まだ空っぽの茶器やカトラリーを手に取り、その意匠に感心したりなんかして。
因みにブラッドは今でもコンラッドの側近だ。だけど彼は「今までと変わらないよう振る舞いますが、どうかご心配なさらず…」とそう言った。
信じてるよブラッド、アーロンをプリチャードに二度と持ち込まないって!
ああもう!高飛車にお茶ぶっかけて、「僕に手を出すなんて100年早い!」ってこの間のリベンジするつもりだったのにー!
なんでこんな、火曜サスペンス劇場になってんの?
ミーガン嬢は、お茶とお菓子を用意するメイドさんから「本日のお茶はわたくしがお淹れしますわ」と、お役目を強奪した。それを見てすかさずリアム君がお菓子を皿に乗せていく…途中でさりげなくお毒見をする忠義…、リアム君、何がかあったら骨は拾うからね。
ドキドキドキ…
お茶会を銘うった以上、お茶を飲まない、という選択肢はないわけで…ここまで見てた限り、今のところ大丈夫だと思うんだけど…
緊張の一瞬…、僕を含めた男三人がビビり倒すなか、意を決し、真っ先にティーカップへ口を付けるミーガン嬢。
コクリ「…大変美味しいお茶でございますわ」
ほぉぉー…、良かった。
「さあ皆様も、どうぞお召し上がりくださいませ」
お花の人、いつもありがとう。でも、その心配は杞憂に終わったよ。
ミーガン嬢の声掛けを合図に、各自砂糖とミルクを入れティースプーンでかき混ぜている。
この貴族社会において、お茶とは砂糖を入れて飲むのが普通である。何故なら、お茶も砂糖も贅沢品で、砂糖たっぷりのお茶とは富裕層のシンボルとも言えるからだ。
違いの分かる男はストレートで、…などとは間違っても言わないのがリッチな貴族である。
さて、安心したところで、ど・れ・に・し・よ・う・か・な。僕もそろそろお菓子を……を?おおーーー⁉
ちょっと目を離した隙に、上級生が次々とテーブルに突っ伏していくーー!!!
ガシャン!
「アリソン様!」
ガチャリ!
「リアム様!」
カシャリ!
「む、無念です…わ…」パタリ
「ミーガン様!」
ノォー!!!!!
ナニコレ…ナニガオキテルノ…
お茶会はまだ始まって30分しかたっていないのに…あわわわわ…
ガチャ!
「ああっ!ブラッド!ブラッドしっかりして!」
「に、にいさ…」
「ダメ!寝ちゃダメ!ここで寝たら死ぬよ!」
「…う…」
「ブラーーーッド!!!」
って、アホかー自分!遭難してる場合か!
今日も泣く泣く双子と別れ、後ろ髪を引かれながら馬車に乗る。
今朝は珍しくブラッドが同乗だ。ブラッドの馬車の調子が悪く、それでも今までだったら他の馬車を出していたんだろうけど、なんと、ブラッドから乗せて欲しいと申し出があったのだ。うーん、成長したね…、ホロリ…
「ようやくアノンとシェイナが僕を兄として認めてくれたように思います」
「顔見ても泣かなくなってきたね。一安心だ」
ブラッドは、双子とはまだ僕が一緒の時しか触れ合わない。過敏なシェイナが嫌がったためだ。当然連動してアノンも泣く。その度に気まずい僕と乳母。
僕も交えて接することで少しづつ慣れてきたけど…笑いかけるまでにはまだあと少し。
「兄さん、コンラッドがアーロンのために、高位貴族の子女を集めた茶会を開こうとしています」
「え…」
茶会…。それは断罪への重要な二つ目のピース。弟妹達の誕生に浮かれてすっかり忘れてた…。イッケナーイ。
ブラッドが言うには、アーロンの作法もようやく整ったので(最低限)そろそろ高位貴族の子女にも人脈を広げてやりたい考えなのだとか…
つか、これって本当なら僕が招待するはずの茶会だよね?どうする…?
「ブラッド。コンラッドには余計な真似するなって伝えてくれる?アーロンを招いての茶会は僕が開くって」
「本気ですか?」
「そりゃもう。それにこれ以上社交界に不穏な噂を撒き散らすなって言っといて。やっと収まったのに…」
「ええ、まあ…」
不穏になるのはこっちの役目だっつーの!
この第二関門さえ超えれば直接接触はもう無いし、なるべく大勢招いておけば僕の貞操は大丈夫でしょ。
「では兄さん、その茶会には必ず僕も招待ください。お願いします」
「え、なんで?」
せっかくアーロン引き離し作戦続行中なのに…勘弁してよ…まあ…弟妹も生まれた今、ブラッドを疑ったりしないけど。
「そんな目で見ないでください。変な意味じゃありません」
「そう?」
「もう間違えたりしない」
「ん?何か言った?」
「いいえ」
何かを小さく呟いたブラッドは、ゲームでも見たことの無い、少し大人の顔になっていた。
学院に着いて早々、僕はそれをリアム君たちに相談したが、帰ってきたのは喧々諤々の反対意見。
「およしくださいシャノン様。それはあまりいい考えに思えません」
「ようやくアーロンの周囲が静かになりつつあるのですよ?」
「そもそもシャノン様、なんのために殿下に代わって招待なさいますの」
困った…。ノベルゲーのフラグだから。それ以外の理由なんかあるわけない。えーと…たしかシナリオでは…
ーーアーロンはコンラッド様のお傍に侍る者です。学院を卒業すれば重鎮を交えた場に同席することもあるでしょう。ですがアーロンにまともな振る舞いが出来るとは思えません。コンラッド様は全てを美化しておいでです。ならば僕が見定めなくてはーー
だったっけ。えーと、長いな…
「コンラッド様はアーロンに関してフォトショ状態ですからね。こういうことは僕がチェックしないと」
これでよし。
「フォート…確かにそうですね」
「崩さねばなりませんか、アーロンを守る砦を…」
「その通りですわシャノン様。シャノン様と殿下が割り切った関係を築かれるのと、アーロンさんが大きな顔をするのは別の話。アレイスター殿下のお母上、第三側妃様だって弁えてございますでしょう?わたくし加勢いたしますわ!」
おっと!ノベルゲーの片鱗をここに発見!
「心強いですミーガン様。どうか僕を手伝って下さい」
「もちろんですわ」
仕込みは上々。
そしてやって来た直接対決二回戦目の日。といっても前回は勝負に勝って試合に負けた気分だったけど…
「ん?これは…?」
お花の人からの秘密の手紙、これは僕が困った時に差し込まれる、痒い所に手が届く孫の手みたいな手紙だ。
試しにこの間、「あーん、北部の地形がわからないよー」とボヤいてみたら、次の日詳細な手書きの地図が、青いアイルスに括り付けられていた。
その彼からの手紙だと?彼の手紙はいつもなら早朝、誰もいない時間にそっと置かれる。それがこんなお昼間に置かれたことなんて…、なら、急を要することが書かれているに違いない。どれどれ…?
「『飲食物に気を付けろ…』…え?」
飲食物に気を付けろ…、これって…今日のお茶会のことだよね?
どういうこと?お茶を用意するのは僕で、淹れるのは個室付きのメイド。お菓子を用意するのは、えーと、今日はリアム君だ。
メイドが何か…、いいや、まさか!彼らは学院が雇った、対王家用の、身元のかなりしっかりした、鍛え上げられたプロメイドさんたちだ。
じゃあリアム君が異物を混入?まさか。あり得ない。
と、とりあえず三人に…
「これは…」
「どういうことかしら…」
一緒にいた三人には見せたけど…どうしよう、困ったな。
お茶会にはにはミーガン嬢が見繕った高位貴族家の上級生が5人参加している。その中にはこっそりアレイスターの側近、ヘクターさんが混ざっている。いや~、さすがに本人は断られちゃって…。そうしたらサラっとヘクターさんが来たんだよね。
でもアレイスターは学内でいつも目立たないように行動してたから、当然ヘクターさんも目立っていない。アーロンも、学年の違うヘクターさんが誰かまでは、さすがに分かってないみたいだ。
僕の動揺などお構いなしに、すでにサロンにいたアーロンはブラッドといつものように話している。
まだ空っぽの茶器やカトラリーを手に取り、その意匠に感心したりなんかして。
因みにブラッドは今でもコンラッドの側近だ。だけど彼は「今までと変わらないよう振る舞いますが、どうかご心配なさらず…」とそう言った。
信じてるよブラッド、アーロンをプリチャードに二度と持ち込まないって!
ああもう!高飛車にお茶ぶっかけて、「僕に手を出すなんて100年早い!」ってこの間のリベンジするつもりだったのにー!
なんでこんな、火曜サスペンス劇場になってんの?
ミーガン嬢は、お茶とお菓子を用意するメイドさんから「本日のお茶はわたくしがお淹れしますわ」と、お役目を強奪した。それを見てすかさずリアム君がお菓子を皿に乗せていく…途中でさりげなくお毒見をする忠義…、リアム君、何がかあったら骨は拾うからね。
ドキドキドキ…
お茶会を銘うった以上、お茶を飲まない、という選択肢はないわけで…ここまで見てた限り、今のところ大丈夫だと思うんだけど…
緊張の一瞬…、僕を含めた男三人がビビり倒すなか、意を決し、真っ先にティーカップへ口を付けるミーガン嬢。
コクリ「…大変美味しいお茶でございますわ」
ほぉぉー…、良かった。
「さあ皆様も、どうぞお召し上がりくださいませ」
お花の人、いつもありがとう。でも、その心配は杞憂に終わったよ。
ミーガン嬢の声掛けを合図に、各自砂糖とミルクを入れティースプーンでかき混ぜている。
この貴族社会において、お茶とは砂糖を入れて飲むのが普通である。何故なら、お茶も砂糖も贅沢品で、砂糖たっぷりのお茶とは富裕層のシンボルとも言えるからだ。
違いの分かる男はストレートで、…などとは間違っても言わないのがリッチな貴族である。
さて、安心したところで、ど・れ・に・し・よ・う・か・な。僕もそろそろお菓子を……を?おおーーー⁉
ちょっと目を離した隙に、上級生が次々とテーブルに突っ伏していくーー!!!
ガシャン!
「アリソン様!」
ガチャリ!
「リアム様!」
カシャリ!
「む、無念です…わ…」パタリ
「ミーガン様!」
ノォー!!!!!
ナニコレ…ナニガオキテルノ…
お茶会はまだ始まって30分しかたっていないのに…あわわわわ…
ガチャ!
「ああっ!ブラッド!ブラッドしっかりして!」
「に、にいさ…」
「ダメ!寝ちゃダメ!ここで寝たら死ぬよ!」
「…う…」
「ブラーーーッド!!!」
って、アホかー自分!遭難してる場合か!
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