43 / 308
26 断罪の…味方?
しおりを挟む
変態と変態のパートナーには関わらないのが一番だが懸念が一つ…。
コンラッドは誤解している。博愛とは人類愛であって色魔のことではない。アーロンのそれは後者だ。あの怪しい空気感が全てを物語っている。
でもそれを教えてやる義理もない。浮気者の伴侶を娶り、「こんなはずじゃなかった…」と言いながら貞淑なシャノンを愛さなかった自分を後悔するがいい。
アーロンが『救い』をエサに人の心を掴むエロ星人だとして、僕にその手は無効だ。
こう見えて僕は一度死んでいる。…人生の情も無情も、この身で知る僕は何かに縋ったりしない。もちろん神様は和洋必要だと思っている。ほら、年末年始とか困ったときとか。だからと言って神様がお願いを聞いてくれないことは知っている。何度も口にした「神様仏様おねがいします!」はただのヒーリング詠唱だ。
けど!気力と体力は僕のゴールを半年から5年に引き延ばした!それは揺るがざる事実!
結論。僕はいつだって僕を信じる。僕の救いは断罪と男らしいイケメン以外ありえない。
ん?何を言っているのかって?
…もっと早くにお伝えするべきだったが(誰に?)BLノベルゲーのシャノンに転生したことで、僕はナチュラルに腐男子から夢男子へと進化している。いいんだか悪いんだか…
報告もすんだところで(何の?)待ちに待った文化祭。と言う名の研究展示発表会。
このルテティア国立貴族学院における文化祭とは学業に振り切ったとても真面目な催しである。
これは祭りと言っても、各自、各班でテーマを決めて調べ上げた何某かを講義室で展示したり、二年時からは選ばれし学生が壇上で難しそうなテーマをプレゼンしたりするため、宮廷の人事的な人や同じくお屋敷や領地で事務方を探しているどこかの当主が人材チェックに来てたりするのだ。
そのため爵位を継げない次男以下や許嫁の居ない令嬢なんかは去就に関わる大事なチャンスになっていたりする。だからこそこんなに盛大なのだ。
逆に言えばだよ?将来が決まっている令嬢令息にとっては、盛大なお祭りでしかない、ということでもある。
僕がどちらに分類されるかは言うまでもない。ということで、行ってきまーす!
「シャノン」
げっ!愛の奴隷と書いてコンラッド。といつもの面子。出足くじかれた…。何の用だろう…
「私は今から学院長と共に来賓への挨拶がある。君にも来てもらいたい」
しくったな…。割り切った関係…とかに同意したもんだから、却って儀礼的なお役目が割り振られるようになってしまった。面倒な…
「…お願いしますシャノン様、って言えたら行ってやってもいいですよ」
「兄さん!」
「冗談です」
ブラッドはもう少し心に余裕が欲しい。やっぱり今度お茶に誘っていい男の極意を教えてやろう。
「仕方ない…、少しだけですよ。リアム様、先に行ってください」
「お戻りお待ちしています」
世にも珍しい僕とコンラッドの連れ立って歩く姿に、それを目にした周囲がガヤガヤと騒めいている。それほど珍しい…って事自体が、末期だな。
ノベルゲーでは確かこんな場面でさえアーロンを連れ歩いていた気がする。
立太子していない、ということは色んな意味でまだまだ自由ということだ。多少の無作法も学院内なら許されてしまっていたんだろう。だからこそノベル内のコンラッドは卒業までにシャノンを押し退けアーロンを公式婚約者にしたかったのだ。
そして連れて来られた学長室。目の前には偉そうなおっさんが一人。事実偉いんだろう。貴族名鑑の上位な方で見た気がする。
「これはシャノン様。プリチャード侯はお元気かな?」
開放!記憶の引き出し!…あれじゃない…これでもない…あ、あったあった。
「フレッチャー侯爵…、父は相変わらず過労死寸前の社畜です」
「…シャチクとは外国語ですかな。さすがは聡明と名高いシャノン様。随分難しい物言いをなさる。ところでシャノン様、スキッド地区のことであるが…」
んー?あの貧民街がどうしたっていうんだろうか。でもあれは王妃様にも「立派な行い」って褒められたから問題ないはず…。
「それがどうかしましたか?」
「その直前にあった事故のことは聞いております。殿下もまだまだお若い。つれぬ振舞いへの腹いせであれば仕方ないが…あれきりにしていただきたい」
「んー?意味が分かりません。どこに問題が?」
「平民街には教会がある。『聖なる力』を持つ神子、アーロン様を抱く教会が。たとえ慈善とは言え、その教会を無視してはなりませんな。慈善なら教会が主導で施しましょうぞ」
はは~ん。この間子爵から情報を仕入れておいたのは正解だった。そういえばこいつが川向うを下町から切り離したがっている侯爵だったっけ。王家からの寄付と教会の施しをネタに、バーナード伯を抑えつけようってワケか…。だが…、残念だったな!その利害は一致している!
「下町に教会の庇護は必要ありません」
「なんと…」
「シャノン!君は何と非情なことを…」
「まあまあ殿下、それはどう言う意味であるか、シャノン様の考えを聞いてみねば…」
「彼らに必要なのは祈りでなく日々の糧。炊き出し程度で恩を売るくらいなら最初からない方がいいです」
「炊き出し程度とはなんだ!」
「だってそうでしょう?知ってますかコンラッド様。人は祈りだけでお腹は膨れないんですよ。月一の慈善行為にどれほどの意味が?それすら最近は十分ではないみたいですけど」
「どういうことだ…」
「アーロン様をお守りせよと仰ったのは殿下ではありませんか。そしてそれが陛下からの勅命であることも心得ておりますれば、危険な川向こうへ教会の無垢な者は行かせられませぬ」
「だ、だが…」
「かまいません。信仰とはそれぞれの心にあるもの。祈りの形は自由。それと同じく、下町の人々は自分の力で立ってこそ自由。彼らの自由を奪ってはなりません」
僕の為にも。
「つまり?お話しの趣旨が見えませぬな」
炊き出し程度で僕の断罪後生活を覗き見る監視網はいらないって言ってんの!
「教会のあるエリアはさっさと準貴族街にするべきです。なんなら運河沿いにセコイアでも埋めますか?徹底的に分けましょう」
「シャノン!君の勝手が通じるものか」
「僕から王妃様に進言します」
「なっ!」
ここは断固分断で!
「おおっ!シャノン様はよくお分かりだ!」
「その代わり、切り離した真の下町はバーナード伯爵、モリセット子爵に任せ、侯爵は口も手も出してはいけません」
「良いのですかな?手出し無用…とは、今後支援も出来ませぬぞ」
「もちろん。それに同意しますか?」
「そうまで仰るのであれば」
よっしゃ!王子も学長もいる前で言質は取った!
「ところでシャノン様…、バーナード伯がアレイスター殿下の後援者であることをご存知ですかな」
ご存知ないけど…
「だったらどうかしましたか?」
「…お分かりであればよろしい。王妃殿下は安心なさるでしょう」
「では侯爵、一つだけ。アーロンはまだ神子じゃないってご存知ですか?」
「…そうでしたな…」
何気に話しを盛るんじゃない!
ふーやれやれ、でもこれで心置きなく文化祭を楽しめる…と思ったら、おや?
退室して一息ついた僕の前には…挙動不審なロイドが居た。
「あの…」
「なんの用でしょう」
「私の勉強会にぜひ一度来ていただきたい」
「ええ…?それはちょっと…」
「お願いしますシャノン様」
「 ‼ 」
自分の言葉には…責任を持たねばならな…、いや無いって!
コンラッドは誤解している。博愛とは人類愛であって色魔のことではない。アーロンのそれは後者だ。あの怪しい空気感が全てを物語っている。
でもそれを教えてやる義理もない。浮気者の伴侶を娶り、「こんなはずじゃなかった…」と言いながら貞淑なシャノンを愛さなかった自分を後悔するがいい。
アーロンが『救い』をエサに人の心を掴むエロ星人だとして、僕にその手は無効だ。
こう見えて僕は一度死んでいる。…人生の情も無情も、この身で知る僕は何かに縋ったりしない。もちろん神様は和洋必要だと思っている。ほら、年末年始とか困ったときとか。だからと言って神様がお願いを聞いてくれないことは知っている。何度も口にした「神様仏様おねがいします!」はただのヒーリング詠唱だ。
けど!気力と体力は僕のゴールを半年から5年に引き延ばした!それは揺るがざる事実!
結論。僕はいつだって僕を信じる。僕の救いは断罪と男らしいイケメン以外ありえない。
ん?何を言っているのかって?
…もっと早くにお伝えするべきだったが(誰に?)BLノベルゲーのシャノンに転生したことで、僕はナチュラルに腐男子から夢男子へと進化している。いいんだか悪いんだか…
報告もすんだところで(何の?)待ちに待った文化祭。と言う名の研究展示発表会。
このルテティア国立貴族学院における文化祭とは学業に振り切ったとても真面目な催しである。
これは祭りと言っても、各自、各班でテーマを決めて調べ上げた何某かを講義室で展示したり、二年時からは選ばれし学生が壇上で難しそうなテーマをプレゼンしたりするため、宮廷の人事的な人や同じくお屋敷や領地で事務方を探しているどこかの当主が人材チェックに来てたりするのだ。
そのため爵位を継げない次男以下や許嫁の居ない令嬢なんかは去就に関わる大事なチャンスになっていたりする。だからこそこんなに盛大なのだ。
逆に言えばだよ?将来が決まっている令嬢令息にとっては、盛大なお祭りでしかない、ということでもある。
僕がどちらに分類されるかは言うまでもない。ということで、行ってきまーす!
「シャノン」
げっ!愛の奴隷と書いてコンラッド。といつもの面子。出足くじかれた…。何の用だろう…
「私は今から学院長と共に来賓への挨拶がある。君にも来てもらいたい」
しくったな…。割り切った関係…とかに同意したもんだから、却って儀礼的なお役目が割り振られるようになってしまった。面倒な…
「…お願いしますシャノン様、って言えたら行ってやってもいいですよ」
「兄さん!」
「冗談です」
ブラッドはもう少し心に余裕が欲しい。やっぱり今度お茶に誘っていい男の極意を教えてやろう。
「仕方ない…、少しだけですよ。リアム様、先に行ってください」
「お戻りお待ちしています」
世にも珍しい僕とコンラッドの連れ立って歩く姿に、それを目にした周囲がガヤガヤと騒めいている。それほど珍しい…って事自体が、末期だな。
ノベルゲーでは確かこんな場面でさえアーロンを連れ歩いていた気がする。
立太子していない、ということは色んな意味でまだまだ自由ということだ。多少の無作法も学院内なら許されてしまっていたんだろう。だからこそノベル内のコンラッドは卒業までにシャノンを押し退けアーロンを公式婚約者にしたかったのだ。
そして連れて来られた学長室。目の前には偉そうなおっさんが一人。事実偉いんだろう。貴族名鑑の上位な方で見た気がする。
「これはシャノン様。プリチャード侯はお元気かな?」
開放!記憶の引き出し!…あれじゃない…これでもない…あ、あったあった。
「フレッチャー侯爵…、父は相変わらず過労死寸前の社畜です」
「…シャチクとは外国語ですかな。さすがは聡明と名高いシャノン様。随分難しい物言いをなさる。ところでシャノン様、スキッド地区のことであるが…」
んー?あの貧民街がどうしたっていうんだろうか。でもあれは王妃様にも「立派な行い」って褒められたから問題ないはず…。
「それがどうかしましたか?」
「その直前にあった事故のことは聞いております。殿下もまだまだお若い。つれぬ振舞いへの腹いせであれば仕方ないが…あれきりにしていただきたい」
「んー?意味が分かりません。どこに問題が?」
「平民街には教会がある。『聖なる力』を持つ神子、アーロン様を抱く教会が。たとえ慈善とは言え、その教会を無視してはなりませんな。慈善なら教会が主導で施しましょうぞ」
はは~ん。この間子爵から情報を仕入れておいたのは正解だった。そういえばこいつが川向うを下町から切り離したがっている侯爵だったっけ。王家からの寄付と教会の施しをネタに、バーナード伯を抑えつけようってワケか…。だが…、残念だったな!その利害は一致している!
「下町に教会の庇護は必要ありません」
「なんと…」
「シャノン!君は何と非情なことを…」
「まあまあ殿下、それはどう言う意味であるか、シャノン様の考えを聞いてみねば…」
「彼らに必要なのは祈りでなく日々の糧。炊き出し程度で恩を売るくらいなら最初からない方がいいです」
「炊き出し程度とはなんだ!」
「だってそうでしょう?知ってますかコンラッド様。人は祈りだけでお腹は膨れないんですよ。月一の慈善行為にどれほどの意味が?それすら最近は十分ではないみたいですけど」
「どういうことだ…」
「アーロン様をお守りせよと仰ったのは殿下ではありませんか。そしてそれが陛下からの勅命であることも心得ておりますれば、危険な川向こうへ教会の無垢な者は行かせられませぬ」
「だ、だが…」
「かまいません。信仰とはそれぞれの心にあるもの。祈りの形は自由。それと同じく、下町の人々は自分の力で立ってこそ自由。彼らの自由を奪ってはなりません」
僕の為にも。
「つまり?お話しの趣旨が見えませぬな」
炊き出し程度で僕の断罪後生活を覗き見る監視網はいらないって言ってんの!
「教会のあるエリアはさっさと準貴族街にするべきです。なんなら運河沿いにセコイアでも埋めますか?徹底的に分けましょう」
「シャノン!君の勝手が通じるものか」
「僕から王妃様に進言します」
「なっ!」
ここは断固分断で!
「おおっ!シャノン様はよくお分かりだ!」
「その代わり、切り離した真の下町はバーナード伯爵、モリセット子爵に任せ、侯爵は口も手も出してはいけません」
「良いのですかな?手出し無用…とは、今後支援も出来ませぬぞ」
「もちろん。それに同意しますか?」
「そうまで仰るのであれば」
よっしゃ!王子も学長もいる前で言質は取った!
「ところでシャノン様…、バーナード伯がアレイスター殿下の後援者であることをご存知ですかな」
ご存知ないけど…
「だったらどうかしましたか?」
「…お分かりであればよろしい。王妃殿下は安心なさるでしょう」
「では侯爵、一つだけ。アーロンはまだ神子じゃないってご存知ですか?」
「…そうでしたな…」
何気に話しを盛るんじゃない!
ふーやれやれ、でもこれで心置きなく文化祭を楽しめる…と思ったら、おや?
退室して一息ついた僕の前には…挙動不審なロイドが居た。
「あの…」
「なんの用でしょう」
「私の勉強会にぜひ一度来ていただきたい」
「ええ…?それはちょっと…」
「お願いしますシャノン様」
「 ‼ 」
自分の言葉には…責任を持たねばならな…、いや無いって!
3,971
お気に入りに追加
5,786
あなたにおすすめの小説
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~
空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」
氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。
「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」
ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。
成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。
悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
*
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、自らを反省しました。BLゲームの世界で推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。

【完結】え、別れましょう?
須木 水夏
恋愛
「実は他に好きな人が出来て」
「は?え?別れましょう?」
何言ってんだこいつ、とアリエットは目を瞬かせながらも。まあこちらも好きな訳では無いし都合がいいわ、と長年の婚約者(腐れ縁)だったディオルにお別れを申し出た。
ところがその出来事の裏側にはある双子が絡んでいて…?
だる絡みをしてくる美しい双子の兄妹(?)と、のんびりかつ冷静なアリエットのお話。
※毎度ですが空想であり、架空のお話です。史実に全く関係ありません。
ヨーロッパの雰囲気出してますが、別物です。

婚約破棄署名したらどうでも良くなった僕の話
黄金
BL
婚約破棄を言い渡され、署名をしたら前世を思い出した。
恋も恋愛もどうでもいい。
そう考えたノジュエール・セディエルトは、騎士団で魔法使いとして生きていくことにする。
二万字程度の短い話です。
6話完結。+おまけフィーリオルのを1話追加します。
【奨励賞】恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する
SKYTRICK
BL
☆11/28完結しました。
☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます!
冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫
——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」
元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。
ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。
その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。
ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、
——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」
噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。
誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。
しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。
サラが未だにロイを愛しているという事実だ。
仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——……
☆描写はありませんが、受けがモブに抱かれている示唆はあります(男娼なので)
☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる