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7 VSロイド
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「やあシャノン、あれから一週間だ。具合はどうだい?」
「最悪ですね。腰は痛いし肩はこるし、足も何だか浮腫んでます」
単なる寝過ぎである。
「…骨には異常なかったようだね。ブラッドに聞いたよ。君があの晩歩いていたと…」
ブラッド…、そんな家庭内のささやかな出来事まで報告するんじゃない!プライバシーの侵害だっての!
「…たった今具合が悪化しました。そろそろお帰り下さい」
「シャノン、その、君は…」
「よせコンラッド。シャノン、どれほどしおらしくしようが私は騙されない。同情をかえばコンラッドの気が引けるとでも思っているのか。あれだって勝手に暴れて勝手に落ちただけだ」
「やめないかロイド!」
ロイド…、シャノンが嫌いなのは分かったけど、ケガ人相手にその態度はちょっと…。無いわ~…、だからアーロンに見向きもされないんだって。
言っておくけど僕は王子に執着したシャノンと違って断罪希望だからね?守るものがないってことは、無敵ってことだ!ウハハハハ!
「えーと、勝手に暴れて勝手に落ちたのは否定しませんけど…、マーベリック伯爵家では大した貴族教育を施してるんですね。僕の常識では怪我人相手に暴言を吐く…っていうのは貴族どころか人としてありえないですけど」
「そ、…それは失礼した。だが屋敷を歩き回っていたなら実際はもっと軽傷ということじゃないか」
「だとしてロイド様に何か迷惑かけました?」
「え…?」
「ロイド様に関係あります?」
「い、いや、だが…」
「僕の奇行でロイド様に不都合が?」
「……」
言い返せないなら言うな!
「ではシャノン、お妃教育にはいつから出仕するのだ。母がそう聞いているのだが…」
「イタ、アイタタタ、痛いわー、タンコブが痛い。まだ当分無理ですね」
…むしろ延長したい勢いなんですが…。も一回窓から落ちようか…
「ほら見ろコンラッド、これは仮病だ。グズグズと理由をつけて出仕を拒んでいるんだ!不敬だぞ!」
なんだと⁉ そもそも僕はこのロイドが何故シャノンをあれほど嫌っていたのかいまいち分ってないんだよね。コンラッドが勝手に決められた婚約者を好きになれないのもしょうがないし、ブラッドがシャノンを嫌うのも、心当たりがあるだけに分かる。でもこのロイドとは、ほとんど話したこともないんだけど?
あ、あれか?口もきかない、イコール、馬鹿にされてる…って図式?被害妄想もいいとこだって!…いや、本物のシャノンはホントに馬鹿にしてたかも…。…ええい!
「仮に僕がお妃教育をサボっているのだとして、むしろ皆さんにとっては好都合じゃないですか?王宮で僕の顔を見なくて済むならコンラッド様も清々するだろうし?そもそも僕がいなきゃ遠慮なくアーロンを王城に呼んで楽しくやれるし?良いこと尽くめ。誰か困ります?」
あ、講師の先生方が困るか。でも叱られるのは僕なんだし。なんだろ?コンラッドがバツの悪そうな顔してる。あ、図星か!
ん?まだ何か言うのか…。粘着質だなロイド。そういやこいつ、コンラッドと結婚したアーロンにも理由をつけては会いに行ってたっけ。ストーカー気質め…。
「そういう問題ではないだろう…」
「もしかして僕を出仕させたら金一封でも出るんですか?」
「ばかなことを…」
「じゃあ口挟まないでください。あ、それとも…」
「なんだ…」
「嫌よ嫌よも好きの内…ロイド様、それほど僕に会いたいんですか?」
「くだらないことを言うな!」
「ですよねー。じゃあ口出し無用で」
ブラッド遅いな…、早くしろってば!
「…そうやって私を馬鹿にして…今も陰で笑っているのだろう!無能な腰巾着と!」
あー…、そういやそうだった…。えーと何て誤魔化せば、…待て待て、フォローしてどうする。むしろここは被せるところでしょうが。予定通り断罪されるためには!
「無能を無能と言って何か悪いですか?」
「何だと!」
「僕がロイド様を無能…と呼んだ記憶は曖昧ですが、そう言ったのには理由があります」
「理由だと…?」
「聞き捨てならないな。私も聞かせてもらおう。大切な側近のことだ。馬鹿にされたままでは許しがたい」
ゲーム時から思っていたが、見たところロイドは非常にネガティブで自己評価の低いキャラだ。だからこそロイドは何でも優しく肯定してくれるアーロンに、依存にも似た感情を抱いてしまうのだろう。
だが僕は…大変申しわけないが敢えて傷口に塩を塗らせてもらう!
「無能と言われたのが不満ですか?では自分で自身を有能だとお思いになれますか?」
「っ…」
「でしょうね。ロイド様はどれだけ優秀な成績をおさめても、いちいち周囲と比べて自ら自分の欠点を探す。つまりご自分を卑下なさってばかりいるから無能だと言ったんです。つまり…自分で自分の能力をお認めにならない限り、永遠にあなたは無能だという事です。お分かりですか?」
「…そ、それは…」
ロイドが自信家になる日はきっとこない。と言う事は、未来永劫ロイドは劣等感に苛まれて生きていくのだ。それをこんな形で知らしめるなんて…ああ!なんて性格の悪い断罪令息!
「言っておきますけど僕はロイド様を見下したことなどありません。そう見えたなら…それはロイド様自身の問題です。自分の劣等感まで僕のせいにされるのは…ハッキリ言って迷惑です」
いや、多分めっちゃ見下してたけど…。
「そもそも、ロイド様のお立場は何ですか?コンラッド様の側近ではないですか?じゃあ腰巾着でいいじゃないですか?」
「だ、だが」
「物には言い方があるだろう、シャノン」
「僕に『茨姫』とか名付けた人は黙っててください」
「うっ…」
目くそ鼻くそだからね。
「腰巾着…そう言われるのが嫌ならどうしてコンラッド様に忠告しないんですか?僕に対する子供じみた真似も、嫌がらせみたいな真似も止せって。…シャ、僕は王家の認めた婚約者でありながら、コンラッド様から直接お誘いを受けたこともあの棘だらけの花束以外の贈り物を受け取った事もない。婚約者の振舞いとしておかしくないですか?ああそうそう、婚約者の僕ですら夜会に同伴したことないのに、それより先にアーロンをエスコートするのはいくらなんでも無作法だ、とかもね。言わないんですか?普通に考えてあり得ないですよ?そういう事を忠言するのが側近の役割だと思いましたが。一緒になって笑ってました?いや、普通にないから」
見よ!この一気に二人とも凹ませる畳み掛けるような正論の連打!
「NOが言えないならやっぱり腰巾着で良くないですか?」
かなり卵とニワトリが逆だが…。
「反論があるなら聞きますけど」
「……」
「……」
「シャノン様、ブラッド様がお戻りになられました」
「ですって。出口はそちらです。ああそうそう。今日のお見舞いで傷口が開きました。お妃教育のお休み期間は延長の方向でお願いします」
「一体何の傷口だろうか」
ドサクサに紛れなかったか…
「こ、心の」
「…そうか…」
ここでノック音と共にブラッドの登場だ。だがブラッドが部屋に足を踏み入れるより先に、僕の眼力に圧され二人は部屋を出ていった。これだけ言っとけば相当ヘイトもたまったことだろう。
これで断罪も安泰だ。
「最悪ですね。腰は痛いし肩はこるし、足も何だか浮腫んでます」
単なる寝過ぎである。
「…骨には異常なかったようだね。ブラッドに聞いたよ。君があの晩歩いていたと…」
ブラッド…、そんな家庭内のささやかな出来事まで報告するんじゃない!プライバシーの侵害だっての!
「…たった今具合が悪化しました。そろそろお帰り下さい」
「シャノン、その、君は…」
「よせコンラッド。シャノン、どれほどしおらしくしようが私は騙されない。同情をかえばコンラッドの気が引けるとでも思っているのか。あれだって勝手に暴れて勝手に落ちただけだ」
「やめないかロイド!」
ロイド…、シャノンが嫌いなのは分かったけど、ケガ人相手にその態度はちょっと…。無いわ~…、だからアーロンに見向きもされないんだって。
言っておくけど僕は王子に執着したシャノンと違って断罪希望だからね?守るものがないってことは、無敵ってことだ!ウハハハハ!
「えーと、勝手に暴れて勝手に落ちたのは否定しませんけど…、マーベリック伯爵家では大した貴族教育を施してるんですね。僕の常識では怪我人相手に暴言を吐く…っていうのは貴族どころか人としてありえないですけど」
「そ、…それは失礼した。だが屋敷を歩き回っていたなら実際はもっと軽傷ということじゃないか」
「だとしてロイド様に何か迷惑かけました?」
「え…?」
「ロイド様に関係あります?」
「い、いや、だが…」
「僕の奇行でロイド様に不都合が?」
「……」
言い返せないなら言うな!
「ではシャノン、お妃教育にはいつから出仕するのだ。母がそう聞いているのだが…」
「イタ、アイタタタ、痛いわー、タンコブが痛い。まだ当分無理ですね」
…むしろ延長したい勢いなんですが…。も一回窓から落ちようか…
「ほら見ろコンラッド、これは仮病だ。グズグズと理由をつけて出仕を拒んでいるんだ!不敬だぞ!」
なんだと⁉ そもそも僕はこのロイドが何故シャノンをあれほど嫌っていたのかいまいち分ってないんだよね。コンラッドが勝手に決められた婚約者を好きになれないのもしょうがないし、ブラッドがシャノンを嫌うのも、心当たりがあるだけに分かる。でもこのロイドとは、ほとんど話したこともないんだけど?
あ、あれか?口もきかない、イコール、馬鹿にされてる…って図式?被害妄想もいいとこだって!…いや、本物のシャノンはホントに馬鹿にしてたかも…。…ええい!
「仮に僕がお妃教育をサボっているのだとして、むしろ皆さんにとっては好都合じゃないですか?王宮で僕の顔を見なくて済むならコンラッド様も清々するだろうし?そもそも僕がいなきゃ遠慮なくアーロンを王城に呼んで楽しくやれるし?良いこと尽くめ。誰か困ります?」
あ、講師の先生方が困るか。でも叱られるのは僕なんだし。なんだろ?コンラッドがバツの悪そうな顔してる。あ、図星か!
ん?まだ何か言うのか…。粘着質だなロイド。そういやこいつ、コンラッドと結婚したアーロンにも理由をつけては会いに行ってたっけ。ストーカー気質め…。
「そういう問題ではないだろう…」
「もしかして僕を出仕させたら金一封でも出るんですか?」
「ばかなことを…」
「じゃあ口挟まないでください。あ、それとも…」
「なんだ…」
「嫌よ嫌よも好きの内…ロイド様、それほど僕に会いたいんですか?」
「くだらないことを言うな!」
「ですよねー。じゃあ口出し無用で」
ブラッド遅いな…、早くしろってば!
「…そうやって私を馬鹿にして…今も陰で笑っているのだろう!無能な腰巾着と!」
あー…、そういやそうだった…。えーと何て誤魔化せば、…待て待て、フォローしてどうする。むしろここは被せるところでしょうが。予定通り断罪されるためには!
「無能を無能と言って何か悪いですか?」
「何だと!」
「僕がロイド様を無能…と呼んだ記憶は曖昧ですが、そう言ったのには理由があります」
「理由だと…?」
「聞き捨てならないな。私も聞かせてもらおう。大切な側近のことだ。馬鹿にされたままでは許しがたい」
ゲーム時から思っていたが、見たところロイドは非常にネガティブで自己評価の低いキャラだ。だからこそロイドは何でも優しく肯定してくれるアーロンに、依存にも似た感情を抱いてしまうのだろう。
だが僕は…大変申しわけないが敢えて傷口に塩を塗らせてもらう!
「無能と言われたのが不満ですか?では自分で自身を有能だとお思いになれますか?」
「っ…」
「でしょうね。ロイド様はどれだけ優秀な成績をおさめても、いちいち周囲と比べて自ら自分の欠点を探す。つまりご自分を卑下なさってばかりいるから無能だと言ったんです。つまり…自分で自分の能力をお認めにならない限り、永遠にあなたは無能だという事です。お分かりですか?」
「…そ、それは…」
ロイドが自信家になる日はきっとこない。と言う事は、未来永劫ロイドは劣等感に苛まれて生きていくのだ。それをこんな形で知らしめるなんて…ああ!なんて性格の悪い断罪令息!
「言っておきますけど僕はロイド様を見下したことなどありません。そう見えたなら…それはロイド様自身の問題です。自分の劣等感まで僕のせいにされるのは…ハッキリ言って迷惑です」
いや、多分めっちゃ見下してたけど…。
「そもそも、ロイド様のお立場は何ですか?コンラッド様の側近ではないですか?じゃあ腰巾着でいいじゃないですか?」
「だ、だが」
「物には言い方があるだろう、シャノン」
「僕に『茨姫』とか名付けた人は黙っててください」
「うっ…」
目くそ鼻くそだからね。
「腰巾着…そう言われるのが嫌ならどうしてコンラッド様に忠告しないんですか?僕に対する子供じみた真似も、嫌がらせみたいな真似も止せって。…シャ、僕は王家の認めた婚約者でありながら、コンラッド様から直接お誘いを受けたこともあの棘だらけの花束以外の贈り物を受け取った事もない。婚約者の振舞いとしておかしくないですか?ああそうそう、婚約者の僕ですら夜会に同伴したことないのに、それより先にアーロンをエスコートするのはいくらなんでも無作法だ、とかもね。言わないんですか?普通に考えてあり得ないですよ?そういう事を忠言するのが側近の役割だと思いましたが。一緒になって笑ってました?いや、普通にないから」
見よ!この一気に二人とも凹ませる畳み掛けるような正論の連打!
「NOが言えないならやっぱり腰巾着で良くないですか?」
かなり卵とニワトリが逆だが…。
「反論があるなら聞きますけど」
「……」
「……」
「シャノン様、ブラッド様がお戻りになられました」
「ですって。出口はそちらです。ああそうそう。今日のお見舞いで傷口が開きました。お妃教育のお休み期間は延長の方向でお願いします」
「一体何の傷口だろうか」
ドサクサに紛れなかったか…
「こ、心の」
「…そうか…」
ここでノック音と共にブラッドの登場だ。だがブラッドが部屋に足を踏み入れるより先に、僕の眼力に圧され二人は部屋を出ていった。これだけ言っとけば相当ヘイトもたまったことだろう。
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