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暑中見舞い
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「ルーイ!ルーイどこに居るんだ」
「ここだよー。グレアムさん、僕はここだよー」
「ルーイ…何故そんなところで寝ているんだ」
「暑いから」
グレアムさんのお屋敷はあっちとこっちの窓を開けると風が吹いてとっても気持ちいい。
でもそんなもんでこの暑さは無くならない。
困ったな。僕は暑いのがとっても苦手。なのにここにはエアコンがない。だからお庭に大きな穴を掘ってそこで涼んでいたのだ。穴の中は地面がひんやりして気持ちいい。僕ってあったまいーい!
「ここ涼しいよ?グレアムさんにも掘ってあげようか?」
「…いや、私は遠慮しておこう」
遠慮しなくていいのにね。
「では川に水浴びでもしに行こうか?あそこはきっと気持ちいい」
「僕水キライ」
「ふふ、ルーイは風呂もあまり好きではないものな」
「うん。でもグレアムさんに髪を乾かしてもらうのは大好き。グレアムさんの指は気持ちいいよ」
「…ルーイ。おやつがあるからそろそろ出て来なさい」
「でもグレアムさん何も持ってないよ?」
「寝室においてある」
寝室?マクラの下かな?いつからグレアムさんも隠すようになったんだろう。僕に見つからないように?へそくりおやつかな?
「じゃあ行く」
「ああ~ん!熱いよ~!グレアムさんのバカー!」
「すまないルーイ。可愛いことを言うからつい我慢できず」
ただでさえ暑いのに汗でベタベタになったよ!クルミだけじゃ許さないからね!
でもそのあとグレアムさんは悪いと思ったのか、お水を入れたガラス瓶を凍らせて僕に持たせてくれた。冷たくて気持ちい~い!
「それで今からどうするんだ?」
「ここにいると汗ばっかりかくから『止まり木』まで遊びに行ってくるね」
「では私も行こう」
大きくなった『止まり木』には獣人の子供が5人いる。
子犬に子イタチ、子キツネと子アライグマ、それから…子ウサギも!みんな穴掘りの仲間ばかりだ!
ムムム…、この子たちはお城のある町から一緒にやって来た新入り。僕はセンパイだから負けてらんないよ。そう!穴掘り名人の名をかけて!
「よーいドンで競争だよ!僕が一番大きな穴を掘るからね」
「ボクだって!」
「あたしの方が得意だもん!」
『止まり木』の窓からグレアムさんがこっちを見てる。ムフフ、ちょっとイイとこ見せなくちゃ!
「いくよー!よーい…ドン!」
えっほえっほ、ホリホリホリ
よいしょよいしょ ホリホリホリ
だいぶん深くまで来たかな?どれくらいこうしていたのか。えーっと…、あっ!
「わぁぁん!グレアムさん助けてー!」
「ルーイ!」
ドバーっと噴き出したお水で、僕は濡れネズミならぬ濡れハムスター…ぺしょり…自慢の毛並みが台無しだよ…
「よしよしルーイ。家に帰って乾かしてやろう」
「僕帰る」
早く乾かしてもらわなくっちゃ。髪も服もびしょ濡れでキモチワルイ…
「レイ!水脈に突き当たったようだ。後のことは任せたぞ!」
「待てグレアム!…全く…。こういう時のあいつは素早い。マシュー、子供たちを頼む」
「いいけど…ねぇレイ、…グレアム様ってドライも使えるよね?」
「当たり前だ」
「どうしてわざわざ屋敷に帰って乾かすんだろ?」
「さあな」
「ああ~ん!さっきより熱いよ~!グレアムさんのバカー!」
「すまないルーイ。濡れたお前が煽情的でつい我慢できず」
今度はホントに許さないからね!
これが僕とグレアムさんの暑い夏の一日♪
「ここだよー。グレアムさん、僕はここだよー」
「ルーイ…何故そんなところで寝ているんだ」
「暑いから」
グレアムさんのお屋敷はあっちとこっちの窓を開けると風が吹いてとっても気持ちいい。
でもそんなもんでこの暑さは無くならない。
困ったな。僕は暑いのがとっても苦手。なのにここにはエアコンがない。だからお庭に大きな穴を掘ってそこで涼んでいたのだ。穴の中は地面がひんやりして気持ちいい。僕ってあったまいーい!
「ここ涼しいよ?グレアムさんにも掘ってあげようか?」
「…いや、私は遠慮しておこう」
遠慮しなくていいのにね。
「では川に水浴びでもしに行こうか?あそこはきっと気持ちいい」
「僕水キライ」
「ふふ、ルーイは風呂もあまり好きではないものな」
「うん。でもグレアムさんに髪を乾かしてもらうのは大好き。グレアムさんの指は気持ちいいよ」
「…ルーイ。おやつがあるからそろそろ出て来なさい」
「でもグレアムさん何も持ってないよ?」
「寝室においてある」
寝室?マクラの下かな?いつからグレアムさんも隠すようになったんだろう。僕に見つからないように?へそくりおやつかな?
「じゃあ行く」
「ああ~ん!熱いよ~!グレアムさんのバカー!」
「すまないルーイ。可愛いことを言うからつい我慢できず」
ただでさえ暑いのに汗でベタベタになったよ!クルミだけじゃ許さないからね!
でもそのあとグレアムさんは悪いと思ったのか、お水を入れたガラス瓶を凍らせて僕に持たせてくれた。冷たくて気持ちい~い!
「それで今からどうするんだ?」
「ここにいると汗ばっかりかくから『止まり木』まで遊びに行ってくるね」
「では私も行こう」
大きくなった『止まり木』には獣人の子供が5人いる。
子犬に子イタチ、子キツネと子アライグマ、それから…子ウサギも!みんな穴掘りの仲間ばかりだ!
ムムム…、この子たちはお城のある町から一緒にやって来た新入り。僕はセンパイだから負けてらんないよ。そう!穴掘り名人の名をかけて!
「よーいドンで競争だよ!僕が一番大きな穴を掘るからね」
「ボクだって!」
「あたしの方が得意だもん!」
『止まり木』の窓からグレアムさんがこっちを見てる。ムフフ、ちょっとイイとこ見せなくちゃ!
「いくよー!よーい…ドン!」
えっほえっほ、ホリホリホリ
よいしょよいしょ ホリホリホリ
だいぶん深くまで来たかな?どれくらいこうしていたのか。えーっと…、あっ!
「わぁぁん!グレアムさん助けてー!」
「ルーイ!」
ドバーっと噴き出したお水で、僕は濡れネズミならぬ濡れハムスター…ぺしょり…自慢の毛並みが台無しだよ…
「よしよしルーイ。家に帰って乾かしてやろう」
「僕帰る」
早く乾かしてもらわなくっちゃ。髪も服もびしょ濡れでキモチワルイ…
「レイ!水脈に突き当たったようだ。後のことは任せたぞ!」
「待てグレアム!…全く…。こういう時のあいつは素早い。マシュー、子供たちを頼む」
「いいけど…ねぇレイ、…グレアム様ってドライも使えるよね?」
「当たり前だ」
「どうしてわざわざ屋敷に帰って乾かすんだろ?」
「さあな」
「ああ~ん!さっきより熱いよ~!グレアムさんのバカー!」
「すまないルーイ。濡れたお前が煽情的でつい我慢できず」
今度はホントに許さないからね!
これが僕とグレアムさんの暑い夏の一日♪
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読了しましたー。
お知らせしなきゃ❣️でお城まで走ったルーイくん凄い✨
きちんとグレアムさんにお使いできましたね。
ついでに国のわるーい膿も出すとは恐れ入りました👏
ご褒美がリュックいっぱいのヒマワリのたね🤣
ルーイくんらしいですが、王様はきっと途方にくれたことでしょう(国を助けたご褒美としてはとてもお安い(笑))功績に見合わないので、グレアムさんがご褒美もらいました。
そのおかげで、嫌ーな実家と手を切れたのですから万歳ですね♪
しかも止まり木も大きくなって、何より獣人達を助けられました☺
メルビンさんが何気にスパダリですΣ(*´◯`ノ)ノ
完結おめでとうございます🎉
ルーイは普通の獣人よりも野生に近いので人一倍体力あります。大丈夫です!
そしてルーイはものすごく贅沢なご褒美をもらった気でいるから四方八方win-winです(笑)
あ、バレた。
そうなんです。実は一番スパダリ要素あるのがメルビンさんという…
グレアム氏はルーイに関しては大体ヘタレてますからね(笑)
暑中見舞い、最高でした✨有難うございます🙂↕️
グレアムさんったら、夏バテ知らずで元気イッパ〜イ🤭
可愛いルーイが大好き&もっと愛でたいので、これからも番外編を首を長〜くしてお待ちしております🥰
季節もの…ぐらいでお待ちいただけると(;^_^A
グレアム氏はタフですね…ι(´Д`υ)アツィー
暑い中でもアッツアッツな二人をありがとうございます💕まだまだ暑い日も続きますのでお身体にはお気をつけてくださいませ。他の作品も含め応援しております☺💕
清涼感は出ませんでした(;´∀`)…ァハハハ おかしいな…
応援ありがとうございます( ̄0 ̄)/エイエイオー!!