26 / 26
暑中見舞い
しおりを挟む
「ルーイ!ルーイどこに居るんだ」
「ここだよー。グレアムさん、僕はここだよー」
「ルーイ…何故そんなところで寝ているんだ」
「暑いから」
グレアムさんのお屋敷はあっちとこっちの窓を開けると風が吹いてとっても気持ちいい。
でもそんなもんでこの暑さは無くならない。
困ったな。僕は暑いのがとっても苦手。なのにここにはエアコンがない。だからお庭に大きな穴を掘ってそこで涼んでいたのだ。穴の中は地面がひんやりして気持ちいい。僕ってあったまいーい!
「ここ涼しいよ?グレアムさんにも掘ってあげようか?」
「…いや、私は遠慮しておこう」
遠慮しなくていいのにね。
「では川に水浴びでもしに行こうか?あそこはきっと気持ちいい」
「僕水キライ」
「ふふ、ルーイは風呂もあまり好きではないものな」
「うん。でもグレアムさんに髪を乾かしてもらうのは大好き。グレアムさんの指は気持ちいいよ」
「…ルーイ。おやつがあるからそろそろ出て来なさい」
「でもグレアムさん何も持ってないよ?」
「寝室においてある」
寝室?マクラの下かな?いつからグレアムさんも隠すようになったんだろう。僕に見つからないように?へそくりおやつかな?
「じゃあ行く」
「ああ~ん!熱いよ~!グレアムさんのバカー!」
「すまないルーイ。可愛いことを言うからつい我慢できず」
ただでさえ暑いのに汗でベタベタになったよ!クルミだけじゃ許さないからね!
でもそのあとグレアムさんは悪いと思ったのか、お水を入れたガラス瓶を凍らせて僕に持たせてくれた。冷たくて気持ちい~い!
「それで今からどうするんだ?」
「ここにいると汗ばっかりかくから『止まり木』まで遊びに行ってくるね」
「では私も行こう」
大きくなった『止まり木』には獣人の子供が5人いる。
子犬に子イタチ、子キツネと子アライグマ、それから…子ウサギも!みんな穴掘りの仲間ばかりだ!
ムムム…、この子たちはお城のある町から一緒にやって来た新入り。僕はセンパイだから負けてらんないよ。そう!穴掘り名人の名をかけて!
「よーいドンで競争だよ!僕が一番大きな穴を掘るからね」
「ボクだって!」
「あたしの方が得意だもん!」
『止まり木』の窓からグレアムさんがこっちを見てる。ムフフ、ちょっとイイとこ見せなくちゃ!
「いくよー!よーい…ドン!」
えっほえっほ、ホリホリホリ
よいしょよいしょ ホリホリホリ
だいぶん深くまで来たかな?どれくらいこうしていたのか。えーっと…、あっ!
「わぁぁん!グレアムさん助けてー!」
「ルーイ!」
ドバーっと噴き出したお水で、僕は濡れネズミならぬ濡れハムスター…ぺしょり…自慢の毛並みが台無しだよ…
「よしよしルーイ。家に帰って乾かしてやろう」
「僕帰る」
早く乾かしてもらわなくっちゃ。髪も服もびしょ濡れでキモチワルイ…
「レイ!水脈に突き当たったようだ。後のことは任せたぞ!」
「待てグレアム!…全く…。こういう時のあいつは素早い。マシュー、子供たちを頼む」
「いいけど…ねぇレイ、…グレアム様ってドライも使えるよね?」
「当たり前だ」
「どうしてわざわざ屋敷に帰って乾かすんだろ?」
「さあな」
「ああ~ん!さっきより熱いよ~!グレアムさんのバカー!」
「すまないルーイ。濡れたお前が煽情的でつい我慢できず」
今度はホントに許さないからね!
これが僕とグレアムさんの暑い夏の一日♪
「ここだよー。グレアムさん、僕はここだよー」
「ルーイ…何故そんなところで寝ているんだ」
「暑いから」
グレアムさんのお屋敷はあっちとこっちの窓を開けると風が吹いてとっても気持ちいい。
でもそんなもんでこの暑さは無くならない。
困ったな。僕は暑いのがとっても苦手。なのにここにはエアコンがない。だからお庭に大きな穴を掘ってそこで涼んでいたのだ。穴の中は地面がひんやりして気持ちいい。僕ってあったまいーい!
「ここ涼しいよ?グレアムさんにも掘ってあげようか?」
「…いや、私は遠慮しておこう」
遠慮しなくていいのにね。
「では川に水浴びでもしに行こうか?あそこはきっと気持ちいい」
「僕水キライ」
「ふふ、ルーイは風呂もあまり好きではないものな」
「うん。でもグレアムさんに髪を乾かしてもらうのは大好き。グレアムさんの指は気持ちいいよ」
「…ルーイ。おやつがあるからそろそろ出て来なさい」
「でもグレアムさん何も持ってないよ?」
「寝室においてある」
寝室?マクラの下かな?いつからグレアムさんも隠すようになったんだろう。僕に見つからないように?へそくりおやつかな?
「じゃあ行く」
「ああ~ん!熱いよ~!グレアムさんのバカー!」
「すまないルーイ。可愛いことを言うからつい我慢できず」
ただでさえ暑いのに汗でベタベタになったよ!クルミだけじゃ許さないからね!
でもそのあとグレアムさんは悪いと思ったのか、お水を入れたガラス瓶を凍らせて僕に持たせてくれた。冷たくて気持ちい~い!
「それで今からどうするんだ?」
「ここにいると汗ばっかりかくから『止まり木』まで遊びに行ってくるね」
「では私も行こう」
大きくなった『止まり木』には獣人の子供が5人いる。
子犬に子イタチ、子キツネと子アライグマ、それから…子ウサギも!みんな穴掘りの仲間ばかりだ!
ムムム…、この子たちはお城のある町から一緒にやって来た新入り。僕はセンパイだから負けてらんないよ。そう!穴掘り名人の名をかけて!
「よーいドンで競争だよ!僕が一番大きな穴を掘るからね」
「ボクだって!」
「あたしの方が得意だもん!」
『止まり木』の窓からグレアムさんがこっちを見てる。ムフフ、ちょっとイイとこ見せなくちゃ!
「いくよー!よーい…ドン!」
えっほえっほ、ホリホリホリ
よいしょよいしょ ホリホリホリ
だいぶん深くまで来たかな?どれくらいこうしていたのか。えーっと…、あっ!
「わぁぁん!グレアムさん助けてー!」
「ルーイ!」
ドバーっと噴き出したお水で、僕は濡れネズミならぬ濡れハムスター…ぺしょり…自慢の毛並みが台無しだよ…
「よしよしルーイ。家に帰って乾かしてやろう」
「僕帰る」
早く乾かしてもらわなくっちゃ。髪も服もびしょ濡れでキモチワルイ…
「レイ!水脈に突き当たったようだ。後のことは任せたぞ!」
「待てグレアム!…全く…。こういう時のあいつは素早い。マシュー、子供たちを頼む」
「いいけど…ねぇレイ、…グレアム様ってドライも使えるよね?」
「当たり前だ」
「どうしてわざわざ屋敷に帰って乾かすんだろ?」
「さあな」
「ああ~ん!さっきより熱いよ~!グレアムさんのバカー!」
「すまないルーイ。濡れたお前が煽情的でつい我慢できず」
今度はホントに許さないからね!
これが僕とグレアムさんの暑い夏の一日♪
722
お気に入りに追加
892
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(24件)
あなたにおすすめの小説

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み

悪役令嬢と同じ名前だけど、僕は男です。
みあき
BL
名前はティータイムがテーマ。主人公と婚約者の王子がいちゃいちゃする話。
男女共に子どもを産める世界です。容姿についての描写は敢えてしていません。
メインカプが男性同士のためBLジャンルに設定していますが、周辺は異性のカプも多いです。
奇数話が主人公視点、偶数話が婚約者の王子視点です。
pixivでは既に最終回まで投稿しています。
婚約破棄された婚活オメガの憂鬱な日々
月歌(ツキウタ)
BL
運命の番と巡り合う確率はとても低い。なのに、俺の婚約者のアルファが運命の番と巡り合ってしまった。運命の番が出逢った場合、二人が結ばれる措置として婚約破棄や離婚することが認められている。これは国の法律で、婚約破棄または離婚された人物には一生一人で生きていけるだけの年金が支給される。ただし、運命の番となった二人に関わることは一生禁じられ、破れば投獄されることも。
俺は年金をもらい実家暮らししている。だが、一人で暮らすのは辛いので婚活を始めることにした。
竜王陛下、番う相手、間違えてますよ
てんつぶ
BL
大陸の支配者は竜人であるこの世界。
『我が国に暮らすサネリという夫婦から生まれしその長子は、竜王陛下の番いである』―――これが俺たちサネリ
姉弟が生まれたる数日前に、竜王を神と抱く神殿から発表されたお触れだ。
俺の双子の姉、ナージュは生まれる瞬間から竜王妃決定。すなわち勝ち組人生決定。 弟の俺はいつかかわいい奥さんをもらう日を夢みて、平凡な毎日を過ごしていた。 姉の嫁入りである18歳の誕生日、何故か俺のもとに竜王陛下がやってきた!? 王道ストーリー。竜王×凡人。
20230805 完結しましたので全て公開していきます。
乙女ゲームが俺のせいでバグだらけになった件について
はかまる
BL
異世界転生配属係の神様に間違えて何の関係もない乙女ゲームの悪役令状ポジションに転生させられた元男子高校生が、世界がバグだらけになった世界で頑張る話。
鈍感モブは俺様主人公に溺愛される?
桃栗
BL
地味なモブがカーストトップに溺愛される、ただそれだけの話。
前作がなかなか進まないので、とりあえずリハビリ的に書きました。
ほんの少しの間お付き合い下さい。

モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中
risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。
任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。
快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。
アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——?
24000字程度の短編です。
※BL(ボーイズラブ)作品です。
この作品は小説家になろうさんでも公開します。

僕のユニークスキルはお菓子を出すことです
野鳥
BL
魔法のある世界で、異世界転生した主人公の唯一使えるユニークスキルがお菓子を出すことだった。
あれ?これって材料費なしでお菓子屋さん出来るのでは??
お菓子無双を夢見る主人公です。
********
小説は読み専なので、思い立った時にしか書けないです。
基本全ての小説は不定期に書いておりますので、ご了承くださいませー。
ショートショートじゃ終わらないので短編に切り替えます……こんなはずじゃ…( `ᾥ´ )クッ
本編完結しました〜
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
読了しましたー。
お知らせしなきゃ❣️でお城まで走ったルーイくん凄い✨
きちんとグレアムさんにお使いできましたね。
ついでに国のわるーい膿も出すとは恐れ入りました👏
ご褒美がリュックいっぱいのヒマワリのたね🤣
ルーイくんらしいですが、王様はきっと途方にくれたことでしょう(国を助けたご褒美としてはとてもお安い(笑))功績に見合わないので、グレアムさんがご褒美もらいました。
そのおかげで、嫌ーな実家と手を切れたのですから万歳ですね♪
しかも止まり木も大きくなって、何より獣人達を助けられました☺
メルビンさんが何気にスパダリですΣ(*´◯`ノ)ノ
完結おめでとうございます🎉
ルーイは普通の獣人よりも野生に近いので人一倍体力あります。大丈夫です!
そしてルーイはものすごく贅沢なご褒美をもらった気でいるから四方八方win-winです(笑)
あ、バレた。
そうなんです。実は一番スパダリ要素あるのがメルビンさんという…
グレアム氏はルーイに関しては大体ヘタレてますからね(笑)
暑中見舞い、最高でした✨有難うございます🙂↕️
グレアムさんったら、夏バテ知らずで元気イッパ〜イ🤭
可愛いルーイが大好き&もっと愛でたいので、これからも番外編を首を長〜くしてお待ちしております🥰
季節もの…ぐらいでお待ちいただけると(;^_^A
グレアム氏はタフですね…ι(´Д`υ)アツィー
暑い中でもアッツアッツな二人をありがとうございます💕まだまだ暑い日も続きますのでお身体にはお気をつけてくださいませ。他の作品も含め応援しております☺💕
清涼感は出ませんでした(;´∀`)…ァハハハ おかしいな…
応援ありがとうございます( ̄0 ̄)/エイエイオー!!