19 / 26
19 鬼ごっこ
しおりを挟む
「コラー!待たんかー!」
「うおっ!なんだなんだ!」
「あの子供を捕まえてくれー!」
「獣人の子供!?」
「おい!とまれ‼」
「やだよー!」
「そっちは行かさぬ!」
「じゃぁこっち!」
タタタタタ…
僕は逃げ足の速いハムスターだよ?捕まるわけないじゃん。ママだってソウタだって僕を捕まえるのにはすごく苦労してたんだから。僕は2日間逃げ切って隠れてた、言わば逃亡のプロ、これくらいお手の物だよ?
するり…、ぬるり…、ぺしょり…、上にだってスルスルっとな!天井裏に入っちゃえばこっちのもの。それよりグレアムさん。グレアムさんを探さなくっちゃ!
クンクンクンクン……
🐹🐹
ああ…一体何が起きているのか…。
今回の登城にあたり、私は現在戦争中である隣国の重要な作戦が書かれた文書の解読を依頼された。
一見すると意味を成さない乱雑な文章。それは困難な作業であったが、私の持つ魔法の力はなんとかそれを読み解くことに成功した。
これは諜報が手に入れた重要な機密文書である。
私の持つ『解読』の魔法は、見知らぬ外国の言語であったり、また創作された言語、つまり暗号を正しき言語に直してくれるものだ。だが、それを意味ある文章にするためにはあらゆる知識を加味せねばならない。そしていくつもの情報を綜合的に判断する必要がある。つまりこの場合、隣国の地理や軍部の構造、重要人物の名、過去の戦いなどと言ったものだ。
実際私の『解読』により交戦が有利に運んだことも一度や二度ではない。
その成果と王からの信頼を以て、今回私には大きな褒章が与えられると伝えられていた。
普段はなかなか表に出ることの無い地道な作業である『解読』。それがこうして評価を得ることは散々社交界で見下げられてきた私にとって溜飲の下がる想いであった。
なのに今私は王城内にある兵舎の一室に軟禁されている。
提出した書類、…それらに不備があったためだ。
その不備を補うまでこの部屋を出ることは罷り成らぬと長官の指示により押し込められたのだ。ご丁寧に見張りまでたてて…。だが手元に何の資料もない状態で全てを思い出すことなどどうして出来よう。
だがそれが出来なければ、王は私に失望され、今のこの地位さえ奪われるやもしれぬ…。
…どうしてこんなことに…。
何故だ…。私は全てを完璧に仕上げ、最終確認も怠らず、何もかもを整えこの登城に備えたはずだ。
だが提出したそれは何枚もの項が不規則にとんだ使い物にならぬもの…。
騎士を束ねる長官は大変に激昂なされた。当然だ。私の提出する最終局面の敵方戦術書をあてにして、騎士たちはすでに出兵している。今からそれを中止にすることは多大な経費の無駄を生む。人的経費、食糧、時間、そして長官の手柄…諸々だ。
何とかして思い出すのだ!だがどうすればいい…!1日も早くここを出て屋敷に戻らなければあの小さなアプリコットは…、私のルーイはどうなってしまう、彼の世話が出来るのは私だけなのだというのに…!
それにしても先程から城内が騒々しい。だが扉の外には守衛が居る。私には何が起きたか知る由もない。
カリ…、カリカリ…
この音は?不思議と耳に馴染みのいい…どこかで聞いたような…
「見つけたグレアムさん!」
「ルーイ!?」
幻聴?ルーイを想う余り居もしない彼の声が聞こえたというのか⁉ いいや違う。天井から聞こえてきたのは間違いない!ルーイの声だ!
カタン…ガタガタ
「グレアムさん、ここ開けて!」
「ルーイ!!!何故ここに!どうやって来た!?」
「いいから開けて!この羽目板重たいの」
あり得ない事態に頭の中が混乱する。だがルーイは私の言葉を聞かずに天井裏でガリガリと引っ掻き続ける。
「ルーイ、開けられるか?」
「分かんない」
「困った…、マズイ!守衛が近づいて来る!ルーイ!静かにするんだ!」
「えっ?えっ?そんなぁ…」カサカサ…スルリ…「じゃあこれだけ…」
羽目板の間にあるほんの僅かな隙間、そこから差し込まれたのは数枚の紙…、これはっ!これは欠損した提出書類!これを何故ルーイが⁉
「ルーイ!これをどうした!何故?どういうことだルーイ!」
「グレアムさんの悪いお兄さんたちが燃やそうとしてたから取り返したの。ジュウヨウなトジョウだもんね。これで大丈夫?」
「ルーイ…ああなんと…ルーイ…」
では兄たちがこれをどこかで抜き取ったというのか?屋敷を出る前、私は確かに書類を確認した。そこからは肌身離さず傍らに置いていた。書類の束から離れたのは…、そうだ。酒場近くの道で馬車がゴロツキどもに絡まれた時。仲裁するため下車する際、何かあってはならぬと置いて馬車を離れたのだ…。ではあの時に…
私を貶めるためにこの様な事まで…何という…、だが思考はそこで遮られた。
「男爵殿、何か物音がしたようだが…」
「いや、少し椅子を動かしただけだ。それよりその後ろに居るのは…?」
守衛の背後に居たのは裏門の門番。彼は私を確認に来たという。聞けば獣人の子供が王城に侵入したと大騒ぎになっているらしい…。
「子供の言うグレアムとは男爵殿で相違ないか?」
「ああ。私のことだ」
長官に命ぜられた守衛は扉の外だ。そこで私は躊躇なく懐から金貨を数枚抜き取りその門番に差し出した。
裏門の門番は騎士でなく従士であったはず。つまりは平民位、おそらく裕福とは言えまい。
「すまないが門番殿。その子供を見つけたら警備に突き出さず黙って城門の外に連れ出してはくれないだろうか…。何も悪事に加担するわけではない。彼は私を恋しがっただけ。お願い出来ないか」
「…、いいだろう」チャリ「だが私が見つける保証はないぞ?」
「…いや。獣人の彼は鼻が利く。必ずこの部屋近くで見つかるはずだ」
「そうであるか?」
私は天井裏に潜むルーイに聞こえるよう声を上げた。
「門番殿!ここから右には空き部屋が続いていたな?そのどれかに子供は居よう。早く探してやってくれ!」
「分かった!分かったから興奮するな!」
後で分かった事だがこの守衛はメルビンからも金貨を受け取っていた…。なるほどな。道理でやけにすんなりと…、いいや、だがそれで収まるなら何も言うまい。
🐹🐹
「不審者は見つかったのか!」
「侵入者とはこの子供のことか?」
「大袈裟な…、子ネズミが1匹走り回っただけではないか。それを大の大人が寄ってたかって…大人気なかろう」
えええっ!失礼な!僕はネズミじゃないってば!このまあるい顔が愛くるしいハムスターをネズミと一緒にするなんて…この人たち目、悪いのかな。
「とにかくこれは城外へ放り出すことにする」
「それだけか?」
「大事にするほどのことでもないだろう。長官は侵攻に備え忙しい。それは王とて同じことだ」
ポイッ!
「これでよい。おい子供!もう勝手に入るなよ!」
「はーい」
まぁいいや。グレアムさんとの約束だもんね。僕をネズミって呼んだのは見逃してあげる。あとはグレアムさんが出てくるのをどっかで待ってれば…
ここでいいかな。人通りの少ない路地に隠れて…あっ!
ガバッ!
キュー!!!いきなり何この袋!
頭から大きな袋をかぶせられて…これがホントの袋のネズミ、違った。袋のハムスター…
「うおっ!なんだなんだ!」
「あの子供を捕まえてくれー!」
「獣人の子供!?」
「おい!とまれ‼」
「やだよー!」
「そっちは行かさぬ!」
「じゃぁこっち!」
タタタタタ…
僕は逃げ足の速いハムスターだよ?捕まるわけないじゃん。ママだってソウタだって僕を捕まえるのにはすごく苦労してたんだから。僕は2日間逃げ切って隠れてた、言わば逃亡のプロ、これくらいお手の物だよ?
するり…、ぬるり…、ぺしょり…、上にだってスルスルっとな!天井裏に入っちゃえばこっちのもの。それよりグレアムさん。グレアムさんを探さなくっちゃ!
クンクンクンクン……
🐹🐹
ああ…一体何が起きているのか…。
今回の登城にあたり、私は現在戦争中である隣国の重要な作戦が書かれた文書の解読を依頼された。
一見すると意味を成さない乱雑な文章。それは困難な作業であったが、私の持つ魔法の力はなんとかそれを読み解くことに成功した。
これは諜報が手に入れた重要な機密文書である。
私の持つ『解読』の魔法は、見知らぬ外国の言語であったり、また創作された言語、つまり暗号を正しき言語に直してくれるものだ。だが、それを意味ある文章にするためにはあらゆる知識を加味せねばならない。そしていくつもの情報を綜合的に判断する必要がある。つまりこの場合、隣国の地理や軍部の構造、重要人物の名、過去の戦いなどと言ったものだ。
実際私の『解読』により交戦が有利に運んだことも一度や二度ではない。
その成果と王からの信頼を以て、今回私には大きな褒章が与えられると伝えられていた。
普段はなかなか表に出ることの無い地道な作業である『解読』。それがこうして評価を得ることは散々社交界で見下げられてきた私にとって溜飲の下がる想いであった。
なのに今私は王城内にある兵舎の一室に軟禁されている。
提出した書類、…それらに不備があったためだ。
その不備を補うまでこの部屋を出ることは罷り成らぬと長官の指示により押し込められたのだ。ご丁寧に見張りまでたてて…。だが手元に何の資料もない状態で全てを思い出すことなどどうして出来よう。
だがそれが出来なければ、王は私に失望され、今のこの地位さえ奪われるやもしれぬ…。
…どうしてこんなことに…。
何故だ…。私は全てを完璧に仕上げ、最終確認も怠らず、何もかもを整えこの登城に備えたはずだ。
だが提出したそれは何枚もの項が不規則にとんだ使い物にならぬもの…。
騎士を束ねる長官は大変に激昂なされた。当然だ。私の提出する最終局面の敵方戦術書をあてにして、騎士たちはすでに出兵している。今からそれを中止にすることは多大な経費の無駄を生む。人的経費、食糧、時間、そして長官の手柄…諸々だ。
何とかして思い出すのだ!だがどうすればいい…!1日も早くここを出て屋敷に戻らなければあの小さなアプリコットは…、私のルーイはどうなってしまう、彼の世話が出来るのは私だけなのだというのに…!
それにしても先程から城内が騒々しい。だが扉の外には守衛が居る。私には何が起きたか知る由もない。
カリ…、カリカリ…
この音は?不思議と耳に馴染みのいい…どこかで聞いたような…
「見つけたグレアムさん!」
「ルーイ!?」
幻聴?ルーイを想う余り居もしない彼の声が聞こえたというのか⁉ いいや違う。天井から聞こえてきたのは間違いない!ルーイの声だ!
カタン…ガタガタ
「グレアムさん、ここ開けて!」
「ルーイ!!!何故ここに!どうやって来た!?」
「いいから開けて!この羽目板重たいの」
あり得ない事態に頭の中が混乱する。だがルーイは私の言葉を聞かずに天井裏でガリガリと引っ掻き続ける。
「ルーイ、開けられるか?」
「分かんない」
「困った…、マズイ!守衛が近づいて来る!ルーイ!静かにするんだ!」
「えっ?えっ?そんなぁ…」カサカサ…スルリ…「じゃあこれだけ…」
羽目板の間にあるほんの僅かな隙間、そこから差し込まれたのは数枚の紙…、これはっ!これは欠損した提出書類!これを何故ルーイが⁉
「ルーイ!これをどうした!何故?どういうことだルーイ!」
「グレアムさんの悪いお兄さんたちが燃やそうとしてたから取り返したの。ジュウヨウなトジョウだもんね。これで大丈夫?」
「ルーイ…ああなんと…ルーイ…」
では兄たちがこれをどこかで抜き取ったというのか?屋敷を出る前、私は確かに書類を確認した。そこからは肌身離さず傍らに置いていた。書類の束から離れたのは…、そうだ。酒場近くの道で馬車がゴロツキどもに絡まれた時。仲裁するため下車する際、何かあってはならぬと置いて馬車を離れたのだ…。ではあの時に…
私を貶めるためにこの様な事まで…何という…、だが思考はそこで遮られた。
「男爵殿、何か物音がしたようだが…」
「いや、少し椅子を動かしただけだ。それよりその後ろに居るのは…?」
守衛の背後に居たのは裏門の門番。彼は私を確認に来たという。聞けば獣人の子供が王城に侵入したと大騒ぎになっているらしい…。
「子供の言うグレアムとは男爵殿で相違ないか?」
「ああ。私のことだ」
長官に命ぜられた守衛は扉の外だ。そこで私は躊躇なく懐から金貨を数枚抜き取りその門番に差し出した。
裏門の門番は騎士でなく従士であったはず。つまりは平民位、おそらく裕福とは言えまい。
「すまないが門番殿。その子供を見つけたら警備に突き出さず黙って城門の外に連れ出してはくれないだろうか…。何も悪事に加担するわけではない。彼は私を恋しがっただけ。お願い出来ないか」
「…、いいだろう」チャリ「だが私が見つける保証はないぞ?」
「…いや。獣人の彼は鼻が利く。必ずこの部屋近くで見つかるはずだ」
「そうであるか?」
私は天井裏に潜むルーイに聞こえるよう声を上げた。
「門番殿!ここから右には空き部屋が続いていたな?そのどれかに子供は居よう。早く探してやってくれ!」
「分かった!分かったから興奮するな!」
後で分かった事だがこの守衛はメルビンからも金貨を受け取っていた…。なるほどな。道理でやけにすんなりと…、いいや、だがそれで収まるなら何も言うまい。
🐹🐹
「不審者は見つかったのか!」
「侵入者とはこの子供のことか?」
「大袈裟な…、子ネズミが1匹走り回っただけではないか。それを大の大人が寄ってたかって…大人気なかろう」
えええっ!失礼な!僕はネズミじゃないってば!このまあるい顔が愛くるしいハムスターをネズミと一緒にするなんて…この人たち目、悪いのかな。
「とにかくこれは城外へ放り出すことにする」
「それだけか?」
「大事にするほどのことでもないだろう。長官は侵攻に備え忙しい。それは王とて同じことだ」
ポイッ!
「これでよい。おい子供!もう勝手に入るなよ!」
「はーい」
まぁいいや。グレアムさんとの約束だもんね。僕をネズミって呼んだのは見逃してあげる。あとはグレアムさんが出てくるのをどっかで待ってれば…
ここでいいかな。人通りの少ない路地に隠れて…あっ!
ガバッ!
キュー!!!いきなり何この袋!
頭から大きな袋をかぶせられて…これがホントの袋のネズミ、違った。袋のハムスター…
645
お気に入りに追加
892
あなたにおすすめの小説

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み

悪役令嬢と同じ名前だけど、僕は男です。
みあき
BL
名前はティータイムがテーマ。主人公と婚約者の王子がいちゃいちゃする話。
男女共に子どもを産める世界です。容姿についての描写は敢えてしていません。
メインカプが男性同士のためBLジャンルに設定していますが、周辺は異性のカプも多いです。
奇数話が主人公視点、偶数話が婚約者の王子視点です。
pixivでは既に最終回まで投稿しています。
乙女ゲームが俺のせいでバグだらけになった件について
はかまる
BL
異世界転生配属係の神様に間違えて何の関係もない乙女ゲームの悪役令状ポジションに転生させられた元男子高校生が、世界がバグだらけになった世界で頑張る話。
婚約破棄された婚活オメガの憂鬱な日々
月歌(ツキウタ)
BL
運命の番と巡り合う確率はとても低い。なのに、俺の婚約者のアルファが運命の番と巡り合ってしまった。運命の番が出逢った場合、二人が結ばれる措置として婚約破棄や離婚することが認められている。これは国の法律で、婚約破棄または離婚された人物には一生一人で生きていけるだけの年金が支給される。ただし、運命の番となった二人に関わることは一生禁じられ、破れば投獄されることも。
俺は年金をもらい実家暮らししている。だが、一人で暮らすのは辛いので婚活を始めることにした。
鈍感モブは俺様主人公に溺愛される?
桃栗
BL
地味なモブがカーストトップに溺愛される、ただそれだけの話。
前作がなかなか進まないので、とりあえずリハビリ的に書きました。
ほんの少しの間お付き合い下さい。

不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!
タッター
BL
ボスは悲しく一人閉じ込められていた俺を助け、たくさんの仲間達に出会わせてくれた俺の大切な人だ。
自分だけでなく、他者にまでその不幸を撒き散らすような体質を持つ厄病神な俺を、みんな側に置いてくれて仲間だと笑顔を向けてくれる。とても毎日が楽しい。ずっとずっとみんなと一緒にいたい。
――だから俺はそれ以上を求めない。不幸は幸せが好きだから。この幸せが崩れてしまわないためにも。
そうやって俺は今日も仲間達――家族達の、そして大好きなボスの役に立てるように――
「頑張るっす!! ……から置いてかないで下さいっす!! 寂しいっすよ!!」
「無理。邪魔」
「ガーン!」
とした日常の中で俺達は美少年君を助けた。
「……その子、生きてるっすか?」
「……ああ」
◆◆◆
溺愛攻め
×
明るいが不幸体質を持つが故に想いを受け入れることが怖く、役に立てなければ捨てられるかもと内心怯えている受け
僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました
楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたエリオット伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。
ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。
喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。
「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」
契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。
エリオットのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。

モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中
risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。
任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。
快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。
アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——?
24000字程度の短編です。
※BL(ボーイズラブ)作品です。
この作品は小説家になろうさんでも公開します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる