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10 冒険の結末
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夜明けを待って再び捜索を始めた僕とレイ。メルビンは村の人に声を掛けてくれるみたいだ。
「村人が誰もルーイを見ていない以上行き先はきっと〝幻惑の森”だろう。」
「〝幻惑の森”って…ルーイを発見した森じゃない!あ…そんな…、ルーイ!」
〝幻惑の森”それは人の方向感覚を狂わせ奥へ奥へと誘い込み、囚われたものは皆一様に獣のエサにされる恐ろしい森。
それゆえ成人した獣人と強い魔法を持つ人間以外は決して足を踏み入れないという…。
「気をしっかり持つんだマシュー!いいか、ルーイは小さくとも獣人、森に対し耐性はあるはずだ。それに賭けよう…」
「う…ルーイ、ルーイ…、どうしそんなところに…」
「ルーイがどうしたのだ!」
「グレアム様!」
「グレアム…!」
そのとき背後からかけられたのは今この村にはいないはずの彼の庇護者、グレアム様だった…。
🐹🐹
「何と迂闊な!レイモンド!お前が付いていながら何と言う…」
「弁解の言葉もない、すまないグレアム…」
「レイは悪くない!寝てるだろうと思って目を離した僕が悪い!全部僕のせいだ…あぁ…」
「マシュー泣いていても始まらない。それよりグレアムどうしてここに?戻るのは2日後のはずだろう」
「ルーイのことが心配で急いだのだ。まさかその予感が的中するとは…」
こんなことなら王都へ連れて行くのだった…。いいや馬鹿な!娼館のある王都へ連れて行くなど出来ようはずもない!くっ…!ではどうすればよかったのだ!
ルーイと過ごす穏やかな日々。それは私の心にかつてない程の充足感をもたらした。そして知ってしまったその感情がどれほど自分自身を臆病にするか…。
見るがいい。
孤独を友としたはずのこの私が…彼を失うかもしれないという、ただそれだけの恐怖に身も世も無く打ちひしがれている。
「こうしていても埒が明かない。森へ急ごう」
焦る気持ちのままやって来た森の入り口には犬獣人を連れたメルビンの姿があった。
「グレアム!どうしてここに?」
「仕事が早く終わった。それだけだ。それより行くぞ!」
嗅覚が優れているというその獣人は的確に匂いを辿り森の幻惑を打ち破っていく。
魔法が使える私でさえ日頃立ち入らぬ幻惑の森…。だがレイモンドはこの森でしか採れない食材目当てで時折入るのだという。そしてそこで…裸で横たわるルーイを見つけたのだ!
思えば王都の娼館に居たルーイが何故この森で発見されたのか…。
店ではなく特定の個人に売られそうになった…というのか?そして道中この村の近くを通りかかり、ルーイは奴らの隙をついて逃げだしたのか?…それしかあるまい。
その後さ迷い歩き森に誘い込まれたのか…、それとも追手から逃れようと自ら分け入ったのか…。あの時ちいさな彼を見つけたのがレイモンドであったことは幸いだった。
だがルーイ…。今日お前を見つけるのはこの私だ…!
🐹🐹
フワァァァ…、あーよく寝た。
今日も空は快晴。今何時だろう?でもお日様が高くないからまだ早いはず。
昨夜は何も言わずに泊まっちゃったから今朝は早くに帰ってマシューさんとレイさんにゴメンナサイしなくっちゃ。
お詫びの印はポケットいっぱいのキノコ。これ絶対美味しいやつ。
僕はあんまり目が良くないけど匂いは人一倍敏感なの。食べられないのと食べられるのは匂いが違うんだよ。
それにこの森は風景が時々グニャグニャするけど、僕は匂いだけじゃなく耳も人一倍よく聞こえるから騙されたりなんかしないんだからね!
さあて、うろから出て…出発、ん?どこか遠くの方で声がする…。あっ!これ…レイさんとメルビンさんと…、お店によく来る犬獣人のジョンさんだ!待って…、もう一人…、これって…あ、あれ?
「こっちの方だ!こっちだ!ルーイ君の匂いだ!」
「よし、ではこの付近の穴倉か洞を探すんだ!ルーイは狭くて暗い所に安心する。きっとそういう場所に隠れているはずだ!」
グレアムさん⁉
「不自然に散らばった松の実…、ルーイの好物!こっちだ!」
「グレア…え、ナニコレ…」
どんどん足音が近づいてくる。えっ?えっ?どうしよう…本能が出ちゃいけないって叫んでる…。
「椎の実の殻…、見つけたぞルーイ!!!」
「グ、グレ…なん…」
「この馬鹿!こんなところで何してる!外へは出るなと言ったはずだ!!!」
「キューゥ!!!」パタリ
僕失神…。だって僕は気の小さいハムだから…。
🐹🐹
「マシュー、ルーイは目覚めたのか。」
「目覚めたけど…、今怯えてるからグレアム様は入らないで!あんな形相であんな風に怒鳴るなんて…酷い!」
「すまなかった…、だが私も気が動転して…」
「だからってお前…、あのルーイに「外へ出るな」などとよく言えたな。お前を見損なったぞ」
レイモンドの言う通りだ。
攫われた挙句監禁されていたルーイに向かって「外に出るな」などと…無神経にも程がある!その言葉は恐らく彼が何度となく浴びせられてきた言葉。
だからこそ失神するほど怯えたのだろう…。
「あの時ああ言ったが正確には「店と小屋以外行くな」と言っただけだ。いや、言い訳にもならない…ルーイに聞かせて良い言葉では無かった…」
「ルーイは気を失うほどショックを受けて…、とにかく!事情は僕が聞くからそれまで外で待っててください!」
こうまで言われて私に反論の余地はない。同じ獣人であり似た種族でもある優しいマシューであればルーイの怯えも和らぐだろう。それを待つしかない…。
そして半刻も待っただろうか、空になったカップを持って、ようやくマシューが廊下へと姿を見せた。
「それでルーイはなんと…」
「ずいぶん動揺していて切れ切れだったんだけど…、分かったのは花を取りに森へ入ったって事とそれから…」
「それから…?」
「フー…、黒い鳥が居たから怖くて帰れなかった…って。」
「黒い鳥…?それは…」
「娼館の追手の名だ、〝鴉”と言う…。」
「黒い鳥…、鴉…!」
「では追手が森に居たと?」
「足抜け獣人を捜索に来て迷い込んだか…」
「でも姿を見られてはいないみたい。あの洞に隠れてたらどこかに行ったって…」
「そりゃ何よりだな…。鴉なんていう名前で呼ばれようがただの人間、そのうち獣の餌になる。因果応報とはこのことだ」
知ってて来たのか、それとも無作為にここへ来たのか…?
いずれにしても事情も聞かずに怒鳴り飛ばすなど…、ああ!私はなんと浅はかなのだ。今まで自身を悔いた事など無かった。だが今この瞬間、私は自分自身の短慮を心底後悔するばかりだ…。
「ルーイに謝らねば。入っても良いだろうか…」
「良いけど…」
「何かあるのか?」
「見たらわかるよ。どうぞ…」
「ルーイ、少し話を…、ルーイ?」
そこには布団を頭から被って丸い尻だけをこちらに突き出す、…何とも言えないルーイの姿があった。
「村人が誰もルーイを見ていない以上行き先はきっと〝幻惑の森”だろう。」
「〝幻惑の森”って…ルーイを発見した森じゃない!あ…そんな…、ルーイ!」
〝幻惑の森”それは人の方向感覚を狂わせ奥へ奥へと誘い込み、囚われたものは皆一様に獣のエサにされる恐ろしい森。
それゆえ成人した獣人と強い魔法を持つ人間以外は決して足を踏み入れないという…。
「気をしっかり持つんだマシュー!いいか、ルーイは小さくとも獣人、森に対し耐性はあるはずだ。それに賭けよう…」
「う…ルーイ、ルーイ…、どうしそんなところに…」
「ルーイがどうしたのだ!」
「グレアム様!」
「グレアム…!」
そのとき背後からかけられたのは今この村にはいないはずの彼の庇護者、グレアム様だった…。
🐹🐹
「何と迂闊な!レイモンド!お前が付いていながら何と言う…」
「弁解の言葉もない、すまないグレアム…」
「レイは悪くない!寝てるだろうと思って目を離した僕が悪い!全部僕のせいだ…あぁ…」
「マシュー泣いていても始まらない。それよりグレアムどうしてここに?戻るのは2日後のはずだろう」
「ルーイのことが心配で急いだのだ。まさかその予感が的中するとは…」
こんなことなら王都へ連れて行くのだった…。いいや馬鹿な!娼館のある王都へ連れて行くなど出来ようはずもない!くっ…!ではどうすればよかったのだ!
ルーイと過ごす穏やかな日々。それは私の心にかつてない程の充足感をもたらした。そして知ってしまったその感情がどれほど自分自身を臆病にするか…。
見るがいい。
孤独を友としたはずのこの私が…彼を失うかもしれないという、ただそれだけの恐怖に身も世も無く打ちひしがれている。
「こうしていても埒が明かない。森へ急ごう」
焦る気持ちのままやって来た森の入り口には犬獣人を連れたメルビンの姿があった。
「グレアム!どうしてここに?」
「仕事が早く終わった。それだけだ。それより行くぞ!」
嗅覚が優れているというその獣人は的確に匂いを辿り森の幻惑を打ち破っていく。
魔法が使える私でさえ日頃立ち入らぬ幻惑の森…。だがレイモンドはこの森でしか採れない食材目当てで時折入るのだという。そしてそこで…裸で横たわるルーイを見つけたのだ!
思えば王都の娼館に居たルーイが何故この森で発見されたのか…。
店ではなく特定の個人に売られそうになった…というのか?そして道中この村の近くを通りかかり、ルーイは奴らの隙をついて逃げだしたのか?…それしかあるまい。
その後さ迷い歩き森に誘い込まれたのか…、それとも追手から逃れようと自ら分け入ったのか…。あの時ちいさな彼を見つけたのがレイモンドであったことは幸いだった。
だがルーイ…。今日お前を見つけるのはこの私だ…!
🐹🐹
フワァァァ…、あーよく寝た。
今日も空は快晴。今何時だろう?でもお日様が高くないからまだ早いはず。
昨夜は何も言わずに泊まっちゃったから今朝は早くに帰ってマシューさんとレイさんにゴメンナサイしなくっちゃ。
お詫びの印はポケットいっぱいのキノコ。これ絶対美味しいやつ。
僕はあんまり目が良くないけど匂いは人一倍敏感なの。食べられないのと食べられるのは匂いが違うんだよ。
それにこの森は風景が時々グニャグニャするけど、僕は匂いだけじゃなく耳も人一倍よく聞こえるから騙されたりなんかしないんだからね!
さあて、うろから出て…出発、ん?どこか遠くの方で声がする…。あっ!これ…レイさんとメルビンさんと…、お店によく来る犬獣人のジョンさんだ!待って…、もう一人…、これって…あ、あれ?
「こっちの方だ!こっちだ!ルーイ君の匂いだ!」
「よし、ではこの付近の穴倉か洞を探すんだ!ルーイは狭くて暗い所に安心する。きっとそういう場所に隠れているはずだ!」
グレアムさん⁉
「不自然に散らばった松の実…、ルーイの好物!こっちだ!」
「グレア…え、ナニコレ…」
どんどん足音が近づいてくる。えっ?えっ?どうしよう…本能が出ちゃいけないって叫んでる…。
「椎の実の殻…、見つけたぞルーイ!!!」
「グ、グレ…なん…」
「この馬鹿!こんなところで何してる!外へは出るなと言ったはずだ!!!」
「キューゥ!!!」パタリ
僕失神…。だって僕は気の小さいハムだから…。
🐹🐹
「マシュー、ルーイは目覚めたのか。」
「目覚めたけど…、今怯えてるからグレアム様は入らないで!あんな形相であんな風に怒鳴るなんて…酷い!」
「すまなかった…、だが私も気が動転して…」
「だからってお前…、あのルーイに「外へ出るな」などとよく言えたな。お前を見損なったぞ」
レイモンドの言う通りだ。
攫われた挙句監禁されていたルーイに向かって「外に出るな」などと…無神経にも程がある!その言葉は恐らく彼が何度となく浴びせられてきた言葉。
だからこそ失神するほど怯えたのだろう…。
「あの時ああ言ったが正確には「店と小屋以外行くな」と言っただけだ。いや、言い訳にもならない…ルーイに聞かせて良い言葉では無かった…」
「ルーイは気を失うほどショックを受けて…、とにかく!事情は僕が聞くからそれまで外で待っててください!」
こうまで言われて私に反論の余地はない。同じ獣人であり似た種族でもある優しいマシューであればルーイの怯えも和らぐだろう。それを待つしかない…。
そして半刻も待っただろうか、空になったカップを持って、ようやくマシューが廊下へと姿を見せた。
「それでルーイはなんと…」
「ずいぶん動揺していて切れ切れだったんだけど…、分かったのは花を取りに森へ入ったって事とそれから…」
「それから…?」
「フー…、黒い鳥が居たから怖くて帰れなかった…って。」
「黒い鳥…?それは…」
「娼館の追手の名だ、〝鴉”と言う…。」
「黒い鳥…、鴉…!」
「では追手が森に居たと?」
「足抜け獣人を捜索に来て迷い込んだか…」
「でも姿を見られてはいないみたい。あの洞に隠れてたらどこかに行ったって…」
「そりゃ何よりだな…。鴉なんていう名前で呼ばれようがただの人間、そのうち獣の餌になる。因果応報とはこのことだ」
知ってて来たのか、それとも無作為にここへ来たのか…?
いずれにしても事情も聞かずに怒鳴り飛ばすなど…、ああ!私はなんと浅はかなのだ。今まで自身を悔いた事など無かった。だが今この瞬間、私は自分自身の短慮を心底後悔するばかりだ…。
「ルーイに謝らねば。入っても良いだろうか…」
「良いけど…」
「何かあるのか?」
「見たらわかるよ。どうぞ…」
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