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155.5 その頃の騎士たち…
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「セザール様に続きシュバルツ様…。レジナルド様なら至極当然とは言え…、ああ…俺たちの天使がどんどん遠ざかっていく。手の届かない天高くに…」
「馬鹿を言うなリナルド!セザール様もシュバルツ様も形だけと仰ったじゃないか!」
「う…うう…、形だけなら俺でもいいじゃないか…、う、うわぁぁぁぁ!」
「ユーウィンお前飲みすぎだ!」
「そいつはな、10歳の時騎士見習いとして初めてこの屋敷でレジー様に出会って本邸の裏庭で野犬に絡まれたところを5歳のレジー様に助けてもらったんだと」
「なんだと!羨ましい…」
「あの時のレジー様を俺は忘れない…。ラベンダーの髪をふわふわ揺らしながら蝶のように舞いアッという間に野犬の群れを蹴散らして…俺の天使がここにいた!そう思ったのに…くそぉ!もう一杯!」
「ほどほどにな。いいか、俺たちは既にレジー様とは騎士の誓いを交した身。主君のために忠誠を尽くす俺たち以上にレジー様と結ばれた者がいると思うか?」
「そうとも。レジー様も仰ったじゃないか。われわれの卓絶した勇気、忍耐、寛容、慈悲、そして高潔な品位を誇りに思うと。取り乱すのは下品だぞ」
「オレガリオ…何を偉そうに。お前だって鍛練場でヴォルフの奴をベルト地帯に放り出したいと叫びながら『ファイアーストーム』を繰り出してたじゃないか…」
「…見てたのか…」
「ええい黙れ!レジー様は獣毛がお好きなのだ!見ろ!あのパンダ獣人やウサギ獣人に囲まれた時の、周囲一帯を幸せにする蕩けそうなお顔を…。ヴォルフも同じこと、気にしたら負けだ!」
「ダノワ…、じゃあアーニーやシャリムはどうなんだ。お前が馴れ馴れしいと舌打ちしてたのを俺たちが知らないとでも?」
「…馴れ馴れしいとは今も思っている。だがあいつらはレジー様にとって初めて出来た齢の近い友人…。成人前の幼いレジー様がここに来てようやくそれを得たのだ。どうしてそれを奪えよう」
「そうだな…。初めて友達を得てアーニーと嬉しそうに食堂で軽食を楽しんだりシャリムと楽しそうに夜の西山を散策していた成人前の無邪気な姿…、今思い出しても愛らしい…」
「ああ。とても愛らしかった。」
「そこへいくと成人してからのレジナルド様ときたらまさに人知を超えた気高さ…。こう言っては何だが、王国の美姫、第一王女ですら足元に及ばない程美しい…」
「ああ。とても美しい。」
「美しいと言えば…、知っているかロジェ。最近レジナルド様はエルフの長から気を与えられているらしい…」
「アストルフォ…それ本当か?じゃあ最近直視するのもはばかられるほど輝いて見えるのはもしや…」
「そうだ。気のせいではない。あれは漏れ出るオーラだ。」
「俺のラビエル、レジー様ー!俺は…俺は…、俺は一生ついて行きますー!」
「ユーウィン…、それを言うなら俺もだ!」
「もちろん俺も!」
「俺こそ!」「俺がだ!」
バァアアン!!!
「やかましい!さっさと寝ろ!」
「「「すいません。ホルス副団長…」」」
「馬鹿を言うなリナルド!セザール様もシュバルツ様も形だけと仰ったじゃないか!」
「う…うう…、形だけなら俺でもいいじゃないか…、う、うわぁぁぁぁ!」
「ユーウィンお前飲みすぎだ!」
「そいつはな、10歳の時騎士見習いとして初めてこの屋敷でレジー様に出会って本邸の裏庭で野犬に絡まれたところを5歳のレジー様に助けてもらったんだと」
「なんだと!羨ましい…」
「あの時のレジー様を俺は忘れない…。ラベンダーの髪をふわふわ揺らしながら蝶のように舞いアッという間に野犬の群れを蹴散らして…俺の天使がここにいた!そう思ったのに…くそぉ!もう一杯!」
「ほどほどにな。いいか、俺たちは既にレジー様とは騎士の誓いを交した身。主君のために忠誠を尽くす俺たち以上にレジー様と結ばれた者がいると思うか?」
「そうとも。レジー様も仰ったじゃないか。われわれの卓絶した勇気、忍耐、寛容、慈悲、そして高潔な品位を誇りに思うと。取り乱すのは下品だぞ」
「オレガリオ…何を偉そうに。お前だって鍛練場でヴォルフの奴をベルト地帯に放り出したいと叫びながら『ファイアーストーム』を繰り出してたじゃないか…」
「…見てたのか…」
「ええい黙れ!レジー様は獣毛がお好きなのだ!見ろ!あのパンダ獣人やウサギ獣人に囲まれた時の、周囲一帯を幸せにする蕩けそうなお顔を…。ヴォルフも同じこと、気にしたら負けだ!」
「ダノワ…、じゃあアーニーやシャリムはどうなんだ。お前が馴れ馴れしいと舌打ちしてたのを俺たちが知らないとでも?」
「…馴れ馴れしいとは今も思っている。だがあいつらはレジー様にとって初めて出来た齢の近い友人…。成人前の幼いレジー様がここに来てようやくそれを得たのだ。どうしてそれを奪えよう」
「そうだな…。初めて友達を得てアーニーと嬉しそうに食堂で軽食を楽しんだりシャリムと楽しそうに夜の西山を散策していた成人前の無邪気な姿…、今思い出しても愛らしい…」
「ああ。とても愛らしかった。」
「そこへいくと成人してからのレジナルド様ときたらまさに人知を超えた気高さ…。こう言っては何だが、王国の美姫、第一王女ですら足元に及ばない程美しい…」
「ああ。とても美しい。」
「美しいと言えば…、知っているかロジェ。最近レジナルド様はエルフの長から気を与えられているらしい…」
「アストルフォ…それ本当か?じゃあ最近直視するのもはばかられるほど輝いて見えるのはもしや…」
「そうだ。気のせいではない。あれは漏れ出るオーラだ。」
「俺のラビエル、レジー様ー!俺は…俺は…、俺は一生ついて行きますー!」
「ユーウィン…、それを言うなら俺もだ!」
「もちろん俺も!」
「俺こそ!」「俺がだ!」
バァアアン!!!
「やかましい!さっさと寝ろ!」
「「「すいません。ホルス副団長…」」」
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