191 / 246
159 18歳 information クーデンホーフ領
しおりを挟む
さすがにこの地を旅立つときて、ビフとビルの二人は本村にて送別の宴に参加している。
思った通り、残念ながら僕たちの参加は歓迎されなかった。そこで代わりに火を落とした工房をゆっくり見学させてもらっている。もちろん何も触るな!と固く言われたうえでだ。
資料館にでも来た気分の僕と違ってアーニーは何かを目に焼き付けているみたい。時々ブツブツつぶやいたりなんかして…参考になると良いね。
そうそう、ヴォルフはヤクを捕獲しに牧草地帯に出掛けている。二人を連れて行くお詫びに…ってわけでもないけど僕からの気持ちとしてもう一頭差し上げることにしたのである。番なら繁殖させることもできるだろうし。
ビフは問題のあるドワーフだが彼らは同胞意識のとても強い種族だ。こうして村を出て行くことには寂しさもあるのだろう。出て行くほうも見送るほうも、わだかまりは全て水に流して涙ながらに別れを惜しんでいる。
全員が酔いつぶれるまで続けられる酒宴…。地獄絵図…。
そして翌日。
「じゃあこれ、性別違いのヤクもう一頭と…」
「いいのか?」
「宿泊延長代ね。頑張って増やしてください。あと少しだけど魔石。移籍金代わりに置いて行きますね」
「おおっ!これはまたなんとも純度の高い魔石ではないか!」
「10日間か…、短い間だったけどお世話になりました。あ、そうそう。集会所の柱だけど少しヴォルフが齧っちゃって…スイマセン。」
「なにぃ!…う、まあよい。これだけの魔石。釣りが出るわい。」
よし。リカバリー成功。
「ビル、元気でやるのだぞ」
「ああトッド。お前もな」
「ビフ、これからはあまりビルに心配をかけるな。いいか?」
「うるさ、…いいや、そうだな。気をつけよう…」
「何かあったらいつでも戻って来い。色々あったがここはいつまでもお前たちの故郷じゃて」
村長の言葉を背に受けながら彼らは黙って歩き出した。
けどその目の端がほんの少し光っていたことに僕らは気が付かないふりをし…
「なんだおっさん、泣いてんのか」バシィ!「痛ってぇな…」
「…お前は本当に馬鹿だな」
ハリセン必須!
「さて。無事橋も超えたことだし…」
「何だ。何をする」
「半年もかけてクラレンス王国を目指すと本気で思ってたんじゃねぇよな?」
「そりゃ悠長なことだ。だが俺はそれほど暇じゃない」
「二人とも言い方!」
ホントにこの二人は…。
「驚かないでね。はい、『ワープゲート』」
「「なんじゃこりゃ!!」」
見せろ寄越せとうるさいビフとビルを放り込んだらあっという間の凱旋!
「お帰りなさいレジー様!見て下さい!今日は泣いてませんよ!」
「ただいまウィル。お留守番ありがとう。お土産はドワーフの奥さんに作ってもらった木工のからくり箱だよ」
「小僧!お前いつの間に…」
「小僧…?…坊ちゃま、この者どもは…」
「あー…、スカウトしてきたドワーフさんたちで…、明日クーデンホーフに連れて行くから今日はここで泊っていただくよ。そのつもりで」
「畏まりました。」
ジェイコブ…目の奥がコワイ…。
豪華な本邸は落ち着かない、と本人たちが言うので彼らはヴォルフが住まいにしている、屋敷裏手の元貯蔵庫へと案内することになった。
元貯蔵庫とは言っても彼らの山小屋よりも立派な倉庫であり、ヴォルフが好き勝手に家具をはじめとした諸々を運び込んでいる。おかげでここはちょっとした、ブリック壁がおしゃれな男のガレージ風ハウスである。
その貯蔵庫から少し離れたところには騎士たちの宿舎がある。
彼らが各国の身分証や例の透明化ボックスの発明者だと分かると、クラウスをはじめとした騎士たちまでもが話を聞こうとぞろぞろ集まって来た。
その片手には各々酒瓶を持っており、…この後の飲み比べ大会が軽く予想ついたので早々に退散しようと思う…。
「じゃあビルとビフに勝った騎士には賞品あげちゃおうかな。ほら、ドワーフの村で買って来たこの懐中時計。僕とお揃いだよ」
「小僧!それはダニーの工房だな?」
「すごくいい感じ。気に入ったよ」
「レジーお前…、何だかんだで満喫してねぇ?」
「あれ?アーニーも何か買ってなかった?」
「…ガキどもに揃いのネームタグをな」
相変わらず面倒見のいい…。
それにしても…、ドワーフ印の逸品である懐中時計は騎士たちの男心にジャストミート!
「ドワーフ…、この勝負、勝ちは譲らん!」
「ばかもの!勝つのはわしだ!」
「ふざけるな!あの時計は俺のものだ!」
さっそく打ち解けたようで何よりだ。
そうそう。酔いつぶれる前に確認したところ、透明化ボックスは確かにキャラバンと共に買い付けに来たどこかの大商人に売ったとか。多分ウォーデモンね。
でも魔力増幅の義眼や魔力共有の杖などは、彼らだけじゃなくドワーフの誰も作っていないという話だった。
つまりあれらはゲスマンのお抱え魔導士が開発した道具であり別口ってことね。どうりで品の無い魔道具だと思った!
そして翌朝、朝食後すぐに屋敷を発った僕とアーニー、二日酔い…いや、三日酔いのドワーフ兄弟。彼らは初めて見るウエストエンドに身を白黒させている…。
「本当に獣人族と暮らしておるのだな…。」
「今からいくクーデンホーフ領にもここほどじゃねぇが居るぜ。」
「クラレンス王国は元々獣人を受け入れようとしてたんだよ。けど上から言うんじゃ獣人さんだって受け入れ難いじゃない?うちはそういうとこフラットだから。完全能力主義ね。その能力にも色々あるよ?頭でも力でも爽やかな笑顔でも…、モフモフでも」
「お前…、毛触りで手当て出すの止めろよ。どこのエロじじいだ。スキニーピッグが泣いてたぞ」
「彼はあのままで十分可愛いのに。でも抜かりなく暖かい帽子贈っておいた。僕は気の付く男だよ?」
「はぁ?」
「なんだ。お前は毛が好きなのか」
「あ、ケモ毛ね。」
ドワーフの誤解を招いては大変である。
「ほう、ここには海…、いや大湖があるのだな」
「人工のね」
「こいつが作ったんだぜ。狂魔力で」
「狂魔…?つまりお前は相当の魔力持ちということか?」
はい、ドワーフも狂魔力はご存じない、と。
「ほら、そこにあんのがカピパラの風呂屋だぜ。俺のおすすめ。」
「時々ニホンザル獣人のニッコウさんも肩まで浸かってるよ。顔真っ赤にして」
「ほほう」
「あっちがカバのイソジンがやってる一杯飲み屋な。」
「常連はお酒の強いスイギュウさんとサイさん、木こりだよ。主にタックルで倒してるけど」
「そうかそうか」
「あ、カワウソのレディには絶対テンとか言っちゃダメだからね…コワイから…」
「覚えておこう」
窓から見えるのは山と水辺のあるまだまだ発展途上なクーデンホーフ領。農民と獣が和気あいあいと立ち話をするその光景は彼らの警戒心を緩めたようだ。
ほら、ウエストエンドは結構貴族の方(ほぼ旅行者)多いから…。
「さあ着いた!ビルさん、ビフさん、ここがあなたたちの第二の故郷となるクーデンホーフ領だよ。シュバルツお出迎えありがとう」
「いや、大役を果たされお疲れであろう。…、…、その、…レジナルド」
「アーニーもヴォルフもいたから大丈夫」
「ぷっ!」バシィ!「痛てぇ」
まだ少しぎこちないけど…よく出来ました。…ってか、アーニー、その顔ヤメロ!
思った通り、残念ながら僕たちの参加は歓迎されなかった。そこで代わりに火を落とした工房をゆっくり見学させてもらっている。もちろん何も触るな!と固く言われたうえでだ。
資料館にでも来た気分の僕と違ってアーニーは何かを目に焼き付けているみたい。時々ブツブツつぶやいたりなんかして…参考になると良いね。
そうそう、ヴォルフはヤクを捕獲しに牧草地帯に出掛けている。二人を連れて行くお詫びに…ってわけでもないけど僕からの気持ちとしてもう一頭差し上げることにしたのである。番なら繁殖させることもできるだろうし。
ビフは問題のあるドワーフだが彼らは同胞意識のとても強い種族だ。こうして村を出て行くことには寂しさもあるのだろう。出て行くほうも見送るほうも、わだかまりは全て水に流して涙ながらに別れを惜しんでいる。
全員が酔いつぶれるまで続けられる酒宴…。地獄絵図…。
そして翌日。
「じゃあこれ、性別違いのヤクもう一頭と…」
「いいのか?」
「宿泊延長代ね。頑張って増やしてください。あと少しだけど魔石。移籍金代わりに置いて行きますね」
「おおっ!これはまたなんとも純度の高い魔石ではないか!」
「10日間か…、短い間だったけどお世話になりました。あ、そうそう。集会所の柱だけど少しヴォルフが齧っちゃって…スイマセン。」
「なにぃ!…う、まあよい。これだけの魔石。釣りが出るわい。」
よし。リカバリー成功。
「ビル、元気でやるのだぞ」
「ああトッド。お前もな」
「ビフ、これからはあまりビルに心配をかけるな。いいか?」
「うるさ、…いいや、そうだな。気をつけよう…」
「何かあったらいつでも戻って来い。色々あったがここはいつまでもお前たちの故郷じゃて」
村長の言葉を背に受けながら彼らは黙って歩き出した。
けどその目の端がほんの少し光っていたことに僕らは気が付かないふりをし…
「なんだおっさん、泣いてんのか」バシィ!「痛ってぇな…」
「…お前は本当に馬鹿だな」
ハリセン必須!
「さて。無事橋も超えたことだし…」
「何だ。何をする」
「半年もかけてクラレンス王国を目指すと本気で思ってたんじゃねぇよな?」
「そりゃ悠長なことだ。だが俺はそれほど暇じゃない」
「二人とも言い方!」
ホントにこの二人は…。
「驚かないでね。はい、『ワープゲート』」
「「なんじゃこりゃ!!」」
見せろ寄越せとうるさいビフとビルを放り込んだらあっという間の凱旋!
「お帰りなさいレジー様!見て下さい!今日は泣いてませんよ!」
「ただいまウィル。お留守番ありがとう。お土産はドワーフの奥さんに作ってもらった木工のからくり箱だよ」
「小僧!お前いつの間に…」
「小僧…?…坊ちゃま、この者どもは…」
「あー…、スカウトしてきたドワーフさんたちで…、明日クーデンホーフに連れて行くから今日はここで泊っていただくよ。そのつもりで」
「畏まりました。」
ジェイコブ…目の奥がコワイ…。
豪華な本邸は落ち着かない、と本人たちが言うので彼らはヴォルフが住まいにしている、屋敷裏手の元貯蔵庫へと案内することになった。
元貯蔵庫とは言っても彼らの山小屋よりも立派な倉庫であり、ヴォルフが好き勝手に家具をはじめとした諸々を運び込んでいる。おかげでここはちょっとした、ブリック壁がおしゃれな男のガレージ風ハウスである。
その貯蔵庫から少し離れたところには騎士たちの宿舎がある。
彼らが各国の身分証や例の透明化ボックスの発明者だと分かると、クラウスをはじめとした騎士たちまでもが話を聞こうとぞろぞろ集まって来た。
その片手には各々酒瓶を持っており、…この後の飲み比べ大会が軽く予想ついたので早々に退散しようと思う…。
「じゃあビルとビフに勝った騎士には賞品あげちゃおうかな。ほら、ドワーフの村で買って来たこの懐中時計。僕とお揃いだよ」
「小僧!それはダニーの工房だな?」
「すごくいい感じ。気に入ったよ」
「レジーお前…、何だかんだで満喫してねぇ?」
「あれ?アーニーも何か買ってなかった?」
「…ガキどもに揃いのネームタグをな」
相変わらず面倒見のいい…。
それにしても…、ドワーフ印の逸品である懐中時計は騎士たちの男心にジャストミート!
「ドワーフ…、この勝負、勝ちは譲らん!」
「ばかもの!勝つのはわしだ!」
「ふざけるな!あの時計は俺のものだ!」
さっそく打ち解けたようで何よりだ。
そうそう。酔いつぶれる前に確認したところ、透明化ボックスは確かにキャラバンと共に買い付けに来たどこかの大商人に売ったとか。多分ウォーデモンね。
でも魔力増幅の義眼や魔力共有の杖などは、彼らだけじゃなくドワーフの誰も作っていないという話だった。
つまりあれらはゲスマンのお抱え魔導士が開発した道具であり別口ってことね。どうりで品の無い魔道具だと思った!
そして翌朝、朝食後すぐに屋敷を発った僕とアーニー、二日酔い…いや、三日酔いのドワーフ兄弟。彼らは初めて見るウエストエンドに身を白黒させている…。
「本当に獣人族と暮らしておるのだな…。」
「今からいくクーデンホーフ領にもここほどじゃねぇが居るぜ。」
「クラレンス王国は元々獣人を受け入れようとしてたんだよ。けど上から言うんじゃ獣人さんだって受け入れ難いじゃない?うちはそういうとこフラットだから。完全能力主義ね。その能力にも色々あるよ?頭でも力でも爽やかな笑顔でも…、モフモフでも」
「お前…、毛触りで手当て出すの止めろよ。どこのエロじじいだ。スキニーピッグが泣いてたぞ」
「彼はあのままで十分可愛いのに。でも抜かりなく暖かい帽子贈っておいた。僕は気の付く男だよ?」
「はぁ?」
「なんだ。お前は毛が好きなのか」
「あ、ケモ毛ね。」
ドワーフの誤解を招いては大変である。
「ほう、ここには海…、いや大湖があるのだな」
「人工のね」
「こいつが作ったんだぜ。狂魔力で」
「狂魔…?つまりお前は相当の魔力持ちということか?」
はい、ドワーフも狂魔力はご存じない、と。
「ほら、そこにあんのがカピパラの風呂屋だぜ。俺のおすすめ。」
「時々ニホンザル獣人のニッコウさんも肩まで浸かってるよ。顔真っ赤にして」
「ほほう」
「あっちがカバのイソジンがやってる一杯飲み屋な。」
「常連はお酒の強いスイギュウさんとサイさん、木こりだよ。主にタックルで倒してるけど」
「そうかそうか」
「あ、カワウソのレディには絶対テンとか言っちゃダメだからね…コワイから…」
「覚えておこう」
窓から見えるのは山と水辺のあるまだまだ発展途上なクーデンホーフ領。農民と獣が和気あいあいと立ち話をするその光景は彼らの警戒心を緩めたようだ。
ほら、ウエストエンドは結構貴族の方(ほぼ旅行者)多いから…。
「さあ着いた!ビルさん、ビフさん、ここがあなたたちの第二の故郷となるクーデンホーフ領だよ。シュバルツお出迎えありがとう」
「いや、大役を果たされお疲れであろう。…、…、その、…レジナルド」
「アーニーもヴォルフもいたから大丈夫」
「ぷっ!」バシィ!「痛てぇ」
まだ少しぎこちないけど…よく出来ました。…ってか、アーニー、その顔ヤメロ!
316
お気に入りに追加
2,335
あなたにおすすめの小説
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 独自設定、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈
めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。
しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈
記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。
しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。
異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆!
推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!
総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?
寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。
ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの男子高校生。
ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。
その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。
そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。
それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。
女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。
BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の好感度がバグレベルで上がっていくということ。
このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう!
男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!?
溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?
異世界でエルフに転生したら狙われている件
紅音
BL
とある男子校の生徒会副会長である立華 白蓮(タチバナ ハクレン)は、異世界でアルフレイドという名のエルフとして精霊たちと共にのどかに暮らしていた。
ある日、夜の森の中に入ったアルフレイドは、人食い魔獣に襲われている人を助けようとするのだが…………。
クールでイケメンな半獣勇者と美人でちょっと天然なエルフの青年がおりなす、優しくて深い愛と感動がぎゅーっと詰まった異世界ファンタジーBLです。
※第一部は完結いたしました。ただいま第二部絶賛更新中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる