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59 15歳 too late お屋敷
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「…あの三人が…危機一髪、セーフ…」
「なによ?あの三人って…知ってるの?」
「知ってるも何も…全員もれなくうちに居るけど?ウエストエンドの僕の街に…。」
「何よそれ‼あたし未プレイなのよ!それがどれだけ心残りだったか…転生するほどよ!まだ公式のキャラ紹介と数枚のカットしか見てないのに!その動いてる姿ですって?そんなの…そんなの…シャリムに会わせなさいよ!一刻も早く!」
スゴイ食いつきなんだけど…。これ会わせて大丈夫かな…うわっ!襟首取られた!
「ちょっと待って…す、ストップ、ちょ、待てって!…って言うかさ、ニコの使命とやらは分かったけど、結局どうする気?学院も行かずにここでどうすんの?」
「…ここが『恋エロ』の世界なら『恋バト』の問題は起きてないか解決してるって事でしょ?どうもしないわよ。あたしはここでモブみたいなものだもの。このままここで修道女になって…」
「聖魔法は?あれはどうなってんの?」
「…アー…」
この反応…!目が泳いでいる…だと?無きゃこんな反応には…
「あるんだな!?吐け!正直に言え!」
「…あるわよ…。大してレベル上げしてないけど…」
「何で上げないんだよ、もったいない!」
その聖魔力さえあれば僕には手に入れられないエリクサーだって手に入れられるのに!真のコンプが叶うのに!キィィィl!
「いいの!あたしそう言うの興味ないんだから。『恋バト』もローランド以外やりこんでないの。好きなキャラを極めるのが好きなのね。クエストも基本札束でぶっ叩くタイプだったし。ボーナスどんなけつぎこんだと思ってんのよ。社畜舐めんな‼」
うわ!大人の暴論!ま、まぁでもね…、学生の僕と違ってプレイ時間が限られちゃうからしょうがないよね…。
「あたしはね、オタ活が楽しすぎて前世でも結婚しないって決めてたのよ。だからここに転生した時も下手に一般家庭に生まれて結婚結婚ってせかされるより修道院で丁度良かったって心底ホッとしたわ。ここで祈りの傍ら静かに読書と執筆に全てをつぎ込んで布教活動にいそしむの!少しばかり神父様とお局修道女が口うるさいけど、でもまあ願ったり叶ったりってこういうことよ!」
「けど修道院だよ?女性ばっかりじゃないか。僕が言うのもなんだけど…」
「こちとら小6から目覚めた生粋の腐女子よ!そこに男が二人いれば近所の肉屋と魚屋だってそう言う目で見れんのよ!」
な、何だと!さっき見たけどあんな爽やかで威勢のいい兄ちゃんたちを…
「や、止めたげて!そんな腐ったフィルターで商店街の人を見るのは…」
「神父様と修道士は流石に自重したわよ。とにかく!このまま教会に居続けることに不満は無いの。そっとしといて頂戴」
「え…、ああ!じゃぁさニコ、大神殿で試練と洗礼受けてウエストエンドの女神官になってよ。聖魔力があるなら余裕でしょ?なんなら楽勝クリアの裏技教えてあげるし。男いっぱいだよ?そうだよ!そうしようよ!」
「いやよそんな面倒くさい」
いい事思いつきました!見たいな僕をあっけなく一刀両断するニコ…。う~ん…日頃過保護にされてるせいかこういうのも久しぶりで悪くないな。
この国の国教であるクラレンス聖教は大神官を頭として神官、副神官、神父と続いていく。神殿に詰めるのが神官、教会に詰めるのが神父ね。
その聖職者だが…中世寄りの近世ヨーロッパ世界観の中では残念ながら男性に限られる。そんな中、唯一の例外が女神官という特別な地位だ。
女神官になるにはかなり過酷な『試練』を受けなければならない。相当上級の浄化系スキルか治癒系スキルが無ければクリア出来ない難易度の『試練』。つまり有事に備え、上級スキルの持ち主だけは女性でも神殿で抱えこんじゃおう!ってワケ。
ってことは類まれな聖魔法を行使できる彼女なら何も聖女じゃなくたって本気だせば『試練』なんてチョロい…はず。
それからここ一番大事!ホントに大事だから!!
聖女であるニコはモブとは言ってもレアキャラ。それもSかSSは付きそうなレアキャラであり、それは僕の大好物である。
ぜひ彼女にはウエストエンドの一部になっていただきたい…。いやしなくては!何か…、何か手はないか。交換条件とか…あっ!そうだ!
「ローランドに会わせてあげる」
「えっ!ホント?って、そう言えばさっきアルバートが来てるって言ってたわよね?もしかして…」
「いるけど『恋バト』攻略者全員。いま保養に来てる。」
「ふーん、でもやだ」
「え~、頼むってば~!…もし来てくれるならすごく立派な神殿用意したげるからぁ~。専用の神殿。全部ニコの。自由にしていいよ?」
「神殿…あたし専用神殿…。保守的な神父様にもクソ真面目な修道女にも邪魔されない聖なる薔薇の神殿…。朗読会とか…?いずれは即売も…?布教活動にも拠点は必要…ブツブツ…そうね分かった。そうまで言われちゃ仕方ないわね、ちゃちゃっと試練受けてくるわ!あ、とりあえず裏技全部教えなさいよ。」
よ、よく分からないけど…、聖職者ゲットだぜ!
ニコとはその後も少し打ち合わせをして今後は彼女の部屋に直接転移することになった。
女性の部屋に…と思わないでもないけど「子供に見られて何が困るのよ(笑)」との事だった…。子供って言うな!
彼女はこれから『試練』の克服に必要な最低限のレベル上げをして、ある程度力をつけたら『試練』を受け、合格次第洗礼を受け僕のウエストエンドにやって来る。その許可は僕がアルバートからもぎ取り、また彼女が女神官になるまでに神殿を建てる、と、ここまでが決定事項だ。
「どれくらいかかりそう?」
「2~3か月特訓して…試練に2か月…、洗礼受けて諸々…半年かからない…ぐらいかな?」
「ニコ、ここで会えて本当に良かった。前世の記憶を共有できる人が居るって…、すごい安心感だよ!」
「あたしもよ。これからよろしくね礼二クン。」
「レジーって言って…」
さて、屋敷に帰ってきた訳だが…うっかり話し込んでたら時刻はすでに20時。いつもならそろそろ歯を磨いたりして就寝の準備に入る時間だ…。
メイドたちの気の毒な人を見るような眼が何かを物語る…。あ、これベビーカステラでは誤魔化せないヤツ…
「た、ただいまぁ…」
「はっ!れ、レジー様こちらに!そっちは危険です!」
「え?ウィル、何?どこに引っ張って、あ」
「坊ちゃま!ようやくお戻りですかな?」
「兄さん!レジー様をどこに連れていくつもりです?」
「あ…、コリン、これは、その…」
「レジー様。連絡も寄こさずこんな時間まで出歩いて…、みんなにどれ程心配かけたかおわかりですか?」
「これコリン、落ち着きなさい。ですが坊ちゃま、反省するまで当分領外への外出は控えていただきますぞ」
「こ、これには理由が…」
「レジー様!」
「坊ちゃま!」
ジェイコブ、コリン…、僕は小学生の子供かな…?
それにしても今日の僕は子供にかえっていたようだ…、違う意味で…。
「なによ?あの三人って…知ってるの?」
「知ってるも何も…全員もれなくうちに居るけど?ウエストエンドの僕の街に…。」
「何よそれ‼あたし未プレイなのよ!それがどれだけ心残りだったか…転生するほどよ!まだ公式のキャラ紹介と数枚のカットしか見てないのに!その動いてる姿ですって?そんなの…そんなの…シャリムに会わせなさいよ!一刻も早く!」
スゴイ食いつきなんだけど…。これ会わせて大丈夫かな…うわっ!襟首取られた!
「ちょっと待って…す、ストップ、ちょ、待てって!…って言うかさ、ニコの使命とやらは分かったけど、結局どうする気?学院も行かずにここでどうすんの?」
「…ここが『恋エロ』の世界なら『恋バト』の問題は起きてないか解決してるって事でしょ?どうもしないわよ。あたしはここでモブみたいなものだもの。このままここで修道女になって…」
「聖魔法は?あれはどうなってんの?」
「…アー…」
この反応…!目が泳いでいる…だと?無きゃこんな反応には…
「あるんだな!?吐け!正直に言え!」
「…あるわよ…。大してレベル上げしてないけど…」
「何で上げないんだよ、もったいない!」
その聖魔力さえあれば僕には手に入れられないエリクサーだって手に入れられるのに!真のコンプが叶うのに!キィィィl!
「いいの!あたしそう言うの興味ないんだから。『恋バト』もローランド以外やりこんでないの。好きなキャラを極めるのが好きなのね。クエストも基本札束でぶっ叩くタイプだったし。ボーナスどんなけつぎこんだと思ってんのよ。社畜舐めんな‼」
うわ!大人の暴論!ま、まぁでもね…、学生の僕と違ってプレイ時間が限られちゃうからしょうがないよね…。
「あたしはね、オタ活が楽しすぎて前世でも結婚しないって決めてたのよ。だからここに転生した時も下手に一般家庭に生まれて結婚結婚ってせかされるより修道院で丁度良かったって心底ホッとしたわ。ここで祈りの傍ら静かに読書と執筆に全てをつぎ込んで布教活動にいそしむの!少しばかり神父様とお局修道女が口うるさいけど、でもまあ願ったり叶ったりってこういうことよ!」
「けど修道院だよ?女性ばっかりじゃないか。僕が言うのもなんだけど…」
「こちとら小6から目覚めた生粋の腐女子よ!そこに男が二人いれば近所の肉屋と魚屋だってそう言う目で見れんのよ!」
な、何だと!さっき見たけどあんな爽やかで威勢のいい兄ちゃんたちを…
「や、止めたげて!そんな腐ったフィルターで商店街の人を見るのは…」
「神父様と修道士は流石に自重したわよ。とにかく!このまま教会に居続けることに不満は無いの。そっとしといて頂戴」
「え…、ああ!じゃぁさニコ、大神殿で試練と洗礼受けてウエストエンドの女神官になってよ。聖魔力があるなら余裕でしょ?なんなら楽勝クリアの裏技教えてあげるし。男いっぱいだよ?そうだよ!そうしようよ!」
「いやよそんな面倒くさい」
いい事思いつきました!見たいな僕をあっけなく一刀両断するニコ…。う~ん…日頃過保護にされてるせいかこういうのも久しぶりで悪くないな。
この国の国教であるクラレンス聖教は大神官を頭として神官、副神官、神父と続いていく。神殿に詰めるのが神官、教会に詰めるのが神父ね。
その聖職者だが…中世寄りの近世ヨーロッパ世界観の中では残念ながら男性に限られる。そんな中、唯一の例外が女神官という特別な地位だ。
女神官になるにはかなり過酷な『試練』を受けなければならない。相当上級の浄化系スキルか治癒系スキルが無ければクリア出来ない難易度の『試練』。つまり有事に備え、上級スキルの持ち主だけは女性でも神殿で抱えこんじゃおう!ってワケ。
ってことは類まれな聖魔法を行使できる彼女なら何も聖女じゃなくたって本気だせば『試練』なんてチョロい…はず。
それからここ一番大事!ホントに大事だから!!
聖女であるニコはモブとは言ってもレアキャラ。それもSかSSは付きそうなレアキャラであり、それは僕の大好物である。
ぜひ彼女にはウエストエンドの一部になっていただきたい…。いやしなくては!何か…、何か手はないか。交換条件とか…あっ!そうだ!
「ローランドに会わせてあげる」
「えっ!ホント?って、そう言えばさっきアルバートが来てるって言ってたわよね?もしかして…」
「いるけど『恋バト』攻略者全員。いま保養に来てる。」
「ふーん、でもやだ」
「え~、頼むってば~!…もし来てくれるならすごく立派な神殿用意したげるからぁ~。専用の神殿。全部ニコの。自由にしていいよ?」
「神殿…あたし専用神殿…。保守的な神父様にもクソ真面目な修道女にも邪魔されない聖なる薔薇の神殿…。朗読会とか…?いずれは即売も…?布教活動にも拠点は必要…ブツブツ…そうね分かった。そうまで言われちゃ仕方ないわね、ちゃちゃっと試練受けてくるわ!あ、とりあえず裏技全部教えなさいよ。」
よ、よく分からないけど…、聖職者ゲットだぜ!
ニコとはその後も少し打ち合わせをして今後は彼女の部屋に直接転移することになった。
女性の部屋に…と思わないでもないけど「子供に見られて何が困るのよ(笑)」との事だった…。子供って言うな!
彼女はこれから『試練』の克服に必要な最低限のレベル上げをして、ある程度力をつけたら『試練』を受け、合格次第洗礼を受け僕のウエストエンドにやって来る。その許可は僕がアルバートからもぎ取り、また彼女が女神官になるまでに神殿を建てる、と、ここまでが決定事項だ。
「どれくらいかかりそう?」
「2~3か月特訓して…試練に2か月…、洗礼受けて諸々…半年かからない…ぐらいかな?」
「ニコ、ここで会えて本当に良かった。前世の記憶を共有できる人が居るって…、すごい安心感だよ!」
「あたしもよ。これからよろしくね礼二クン。」
「レジーって言って…」
さて、屋敷に帰ってきた訳だが…うっかり話し込んでたら時刻はすでに20時。いつもならそろそろ歯を磨いたりして就寝の準備に入る時間だ…。
メイドたちの気の毒な人を見るような眼が何かを物語る…。あ、これベビーカステラでは誤魔化せないヤツ…
「た、ただいまぁ…」
「はっ!れ、レジー様こちらに!そっちは危険です!」
「え?ウィル、何?どこに引っ張って、あ」
「坊ちゃま!ようやくお戻りですかな?」
「兄さん!レジー様をどこに連れていくつもりです?」
「あ…、コリン、これは、その…」
「レジー様。連絡も寄こさずこんな時間まで出歩いて…、みんなにどれ程心配かけたかおわかりですか?」
「これコリン、落ち着きなさい。ですが坊ちゃま、反省するまで当分領外への外出は控えていただきますぞ」
「こ、これには理由が…」
「レジー様!」
「坊ちゃま!」
ジェイコブ、コリン…、僕は小学生の子供かな…?
それにしても今日の僕は子供にかえっていたようだ…、違う意味で…。
応援ありがとうございます!
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