53 / 246
43 at that time シャリムとウィル
しおりを挟む
もんのすごい護衛に囲まれて恐る恐るやってきた左大臣が、ウエストエンドの変貌にほとんど言葉も発せずポカン…としたまま、同じく呆然とした神官とキツネにつままれたような顔して帰っていった後、僕を待っていたのはちょっとした揉め事。
気疲れしたから早く休みたいんだけどな…。
「レジー様!シャリムが酷いんです!叱ってください!」
「酷いって…、何したの?」
「だってシャルムってば疲れたからレジー様と一緒に寝るって言い張って、僕がどれだけ言っても部屋から出ないんです!」
「そうなの?別に一晩ぐらいいいんだけどね、ホントは」
「駄目です‼僕だってそんなことしたこと無いのに!ジェイコブさんだってダメって言います!きっと!」
「あー、そうだね…。じゃぁ一緒に行こうか」
年齢にしたら3歳くらい離れてるシャリムとウィル。この二人は何かにつけこうやって揉める。
と言っても、精神年齢が近いのだろうか…?ウィルとアーニーみたいなのとはまた違ってもっと下らない…。ケンカと言うのもおこがましいほどどうでもいい言い争いだ。
シャリムにとって、これはこれで良い事の様な気もする…。
なので兄弟げんかみたいなものだと思って大抵はほっとくんだけど、今日は何やら様子が違う。
僕の部屋を占拠したって…?夜も更けたのに何やってんだろう…ホント。
「シャリム、そういう訳だから自分の部屋で休んでくれる?連れて行ってあげるから」
「レジー様!自分で戻らせればいいんです!同じ屋敷の中なのにどうして送迎が必要なんですか!」
「ま、まあ確かに…」
「嫌だ…!」
「ど、どうしたのシャリム。いつもはもっと良い子なのに」
「ヴォルフはここで寝たって言った…。疲れたからって…」
「あー、あれか…」
「だから僕もここで寝る…!」
エトゥーリアから帰ったあの晩か…、確かにヴォルフはここで寝た。寝たっていうか寝落ちしたっていうか…。
でもあれはな~…。イレギュラーというかなんというか。そもそも飼い犬が布団を占拠するのなんか普通のことだし…って言ってもシャリムは納得しないよね…
「ふー…、まぁそういうことなら、」
「れ、レジー様!じゃぁ僕も!僕も今日はとっても疲れたからここで寝ます!いいですよね?」
「わk」
「お前はダメ…!あっちいけ!」
「シャリムがどいて!」
ジロッ!
「ひっ!そ、そんな睨んだって負けませんよ今日は!レ、レジー様助けて…」
「イソヒヨドリは怒らない…。ウィルのバカ…」
「馬鹿って言うほうが馬鹿だってレジー様が言いました!ですよね?レジー様!」
「シャリム、ウィル、もうやめようか…」
「うぅ…、イソヒヨドリ、そこどいて…」
ああっ!もう収拾が、収拾がつかないっ!
バーーーーン!!!!
「うるさいですよ二人とも!レジナルド様に迷惑かけて何やってるんですか‼いい加減部屋に戻ってください!兄さんホラ!」
「こ、コリン…、でもっ!でもシャリムがっ!」
「でもじゃないです!シャリムさんも!」
「イソヒヨドリ…」
「レジナルド様に助けを求めても無駄です!お利口にしないと明日はレジナルド様を禁止しますよ!」
「わ、わかった…禁止ダメ…」
コ、コリン強い…。ウィルはともかくいつの間にシャリムを手懐けてたの…?
…っていうかレジナルド様禁止って…なに?
後日ヴォルフに聞いたところによると、僕と実の兄弟に当たるコリンの前ではさすがのシャリムも大人しくしているのだとか…。
「僕のご機嫌を損ねたらレジナルド兄さんは良い気分になりませんよ?」って…コリンがシャリムをそう脅したらしい…。意外な猛者…、人って見かけによらない…。
「なんだかんだ言ってシャリムもガキだ。まあ俺くらいになれば弱点などあり得ないがな」
あー、そうでしょうともヴォルフ様は…。
気疲れしたから早く休みたいんだけどな…。
「レジー様!シャリムが酷いんです!叱ってください!」
「酷いって…、何したの?」
「だってシャルムってば疲れたからレジー様と一緒に寝るって言い張って、僕がどれだけ言っても部屋から出ないんです!」
「そうなの?別に一晩ぐらいいいんだけどね、ホントは」
「駄目です‼僕だってそんなことしたこと無いのに!ジェイコブさんだってダメって言います!きっと!」
「あー、そうだね…。じゃぁ一緒に行こうか」
年齢にしたら3歳くらい離れてるシャリムとウィル。この二人は何かにつけこうやって揉める。
と言っても、精神年齢が近いのだろうか…?ウィルとアーニーみたいなのとはまた違ってもっと下らない…。ケンカと言うのもおこがましいほどどうでもいい言い争いだ。
シャリムにとって、これはこれで良い事の様な気もする…。
なので兄弟げんかみたいなものだと思って大抵はほっとくんだけど、今日は何やら様子が違う。
僕の部屋を占拠したって…?夜も更けたのに何やってんだろう…ホント。
「シャリム、そういう訳だから自分の部屋で休んでくれる?連れて行ってあげるから」
「レジー様!自分で戻らせればいいんです!同じ屋敷の中なのにどうして送迎が必要なんですか!」
「ま、まあ確かに…」
「嫌だ…!」
「ど、どうしたのシャリム。いつもはもっと良い子なのに」
「ヴォルフはここで寝たって言った…。疲れたからって…」
「あー、あれか…」
「だから僕もここで寝る…!」
エトゥーリアから帰ったあの晩か…、確かにヴォルフはここで寝た。寝たっていうか寝落ちしたっていうか…。
でもあれはな~…。イレギュラーというかなんというか。そもそも飼い犬が布団を占拠するのなんか普通のことだし…って言ってもシャリムは納得しないよね…
「ふー…、まぁそういうことなら、」
「れ、レジー様!じゃぁ僕も!僕も今日はとっても疲れたからここで寝ます!いいですよね?」
「わk」
「お前はダメ…!あっちいけ!」
「シャリムがどいて!」
ジロッ!
「ひっ!そ、そんな睨んだって負けませんよ今日は!レ、レジー様助けて…」
「イソヒヨドリは怒らない…。ウィルのバカ…」
「馬鹿って言うほうが馬鹿だってレジー様が言いました!ですよね?レジー様!」
「シャリム、ウィル、もうやめようか…」
「うぅ…、イソヒヨドリ、そこどいて…」
ああっ!もう収拾が、収拾がつかないっ!
バーーーーン!!!!
「うるさいですよ二人とも!レジナルド様に迷惑かけて何やってるんですか‼いい加減部屋に戻ってください!兄さんホラ!」
「こ、コリン…、でもっ!でもシャリムがっ!」
「でもじゃないです!シャリムさんも!」
「イソヒヨドリ…」
「レジナルド様に助けを求めても無駄です!お利口にしないと明日はレジナルド様を禁止しますよ!」
「わ、わかった…禁止ダメ…」
コ、コリン強い…。ウィルはともかくいつの間にシャリムを手懐けてたの…?
…っていうかレジナルド様禁止って…なに?
後日ヴォルフに聞いたところによると、僕と実の兄弟に当たるコリンの前ではさすがのシャリムも大人しくしているのだとか…。
「僕のご機嫌を損ねたらレジナルド兄さんは良い気分になりませんよ?」って…コリンがシャリムをそう脅したらしい…。意外な猛者…、人って見かけによらない…。
「なんだかんだ言ってシャリムもガキだ。まあ俺くらいになれば弱点などあり得ないがな」
あー、そうでしょうともヴォルフ様は…。
492
お気に入りに追加
2,353
あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

婚約破棄署名したらどうでも良くなった僕の話
黄金
BL
婚約破棄を言い渡され、署名をしたら前世を思い出した。
恋も恋愛もどうでもいい。
そう考えたノジュエール・セディエルトは、騎士団で魔法使いとして生きていくことにする。
二万字程度の短い話です。
6話完結。+おまけフィーリオルのを1話追加します。
【完結】伯爵家当主になりますので、お飾りの婚約者の僕は早く捨てて下さいね?
MEIKO
BL
【完結】そのうち番外編更新予定。伯爵家次男のマリンは、公爵家嫡男のミシェルの婚約者として一緒に過ごしているが実際はお飾りの存在だ。そんなマリンは池に落ちたショックで前世は日本人の男子で今この世界が小説の中なんだと気付いた。マズい!このままだとミシェルから婚約破棄されて路頭に迷うだけだ┉。僕はそこから前世の特技を活かしてお金を貯め、ミシェルに愛する人が現れるその日に備えだす。2年後、万全の備えと新たな朗報を得た僕は、もう婚約破棄してもらっていいんですけど?ってミシェルに告げた。なのに対象外のはずの僕に未練たらたらなの何で!?
※R対象話には『*』マーク付けますが、後半付近まで出て来ない予定です。

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる